大切な資産であるマンションを売却するとき、絶対に損せずにできるだけ短期間に高額で売却したい、と考えるのが当然です。
しかし、ふつうはマンションを売却する機会は頻繁にはないため、どうしたら損せずに高額で売却できるのか、コツや注意点があれば事前に知っておきたいと思う方が多いのではないでしょうか。
この記事ではマンションなど不動産売却の流れや手続きをスムーズに進めるための10のコツおよび注意点についてまとめています。
それぞれの項目について、より詳しく解説しているほかの記事のご紹介もしますので、マンションを売却する際のご参考になれば幸いです。
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- 複数の査定結果を比較することで相場がわかり、より高値で売却することができる
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- 「プライバシーマーク」を取得しているので個人情報の取り扱いに安心感がある
目次
1、不動産会社に依頼してマンション売却する際の流れ
マンションをスムーズに売却するために、まず売却の流れについて知っておく必要があります。
不動産会社に依頼して売却する場合、大きく以下のような流れになります。
【売却の流れ】 |
(1)マンション売却の相場を知り、価格の目安をたてる |
(2) マンションの簡易査定を依頼する |
(3)不動産仲介業者を選定し、媒介契約を締結する |
(4)売却希望価格を決定して売却活動を開始する |
(5)内覧や購入希望者との条件交渉を行う |
(6)詳細な物件情報を公開し、売買契約を締結する |
(7)決済・マンションを引き渡す |
(8)税務申告(確定申告) |
まずは売却の流れにそって、知っておくべき10のコツを簡単にみていきましょう。
(1)マンション売却の相場を知り、価格の目安をたてる
コツ①焦って売却しないようにする
コツ②売却にかかる費用を把握する
コツ③マンション売却価格の相場がわかるウェブサイトを参考にする
- (2)マンション売却の簡易査定を依頼する
コツ④複数の不動産会社に一括査定依頼できるウェブサイトを利用する
コツ⑤マンション売却が得意な不動産会社に依頼する
(3)不動産仲介業者を選定し、媒介契約を締結する
コツ⑥マンション売却のタイミングに注意する
コツ⑦媒介契約と仲介手数料について把握しておく
(4)売却希望価格を決定して売却活動を開始する
コツ⑧信頼できる担当者を選び、物件に関する情報を詳しく伝える
(5)内覧や購入希望者との条件交渉を行う
コツ⑨自分でできるクリーニングと片付けで”高みせ”
コツ⑩購入検討者と交渉の姿勢をもつ
(6)詳細な物件情報を公開し、売買契約を締結する
物件に関する詳しい情報を「重要事項説明書」などで買い手に公開します
(7)決済・マンションを引き渡す
売買代金、ローンがある場合の一括繰上返済、仲介手数料など諸費用の精算と物件の鍵引き渡しを行います。
(8)税務申告(確定申告)
売却ででたマイナスまたはプラスについて、税務申告(確定申告)が必要です。
以上のマンション売却の流れをふまえて、それぞれの段階で、損せず・できるだけ高額で売却するにはどうしたらいいでしょうか。
詳しくみていきましょう。
2、マンション売却で損しないために知っておきたい10つのコツ
それぞれの段階で知っておきたい10つのコツについて、順番にみていきましょう。
(1)時間に余裕を持つ
上述したマンション売却の流れを見ればわかるように、マンションの売却にはさまざまな手続きが必要です。より高値でのマンション売却を目指しているなら、時間に余裕のない状態での売却は避けなければいけません。
時間に余裕がない場合での具体的なデメリットは以下の通りです。
- 購入希望者に足元を見られて安く買いたたかれてしまう
- 時間がないため契約を焦ってしまい不利な条件を飲まされてしまう
不動産の売買は高額になるケースが多いので、一般的なスーパーでの買い物のように売り手側が一方的に値付けするような方法では契約がまとまりません。どんな物件でも、買い手と売り手の交渉によって最終的な価格や契約書の内容が決まります。
そのため、売却を焦っていることが買主にわかってしまうと、交渉において不利になる可能性が高いでしょう。 人によっては現金化を急ぎたいケースもあるでしょうが、高く売るためにはできるだけ時間に余裕を持って売却交渉を進めていくことが大切だといえます。
(2)売却時にかかる費用をきちんと把握する
マンションを売却する時も購入時と同じように諸費用が発生します。事前にきちんと把握しておき、売り出し価格を設定する際に気をつけましょう。
費用の種類は大きくは以下の通りです。
- 不動産仲介業者に支払う「仲介手数料」
- (ローンがある場合)金融機関に支払う「一括繰上返済手数料」
- 税金(租税公課)
①売却時にかかる費用をきちんと把握する
仲介手数料とは、不動産売買・賃貸の際に不動産仲介業者に対して支払うお金のことを言います。
仲介手数料は成功報酬であり、取引が成立しなかった場合には支払う必要はありません。
法律により、売買価格の以下の表に表示されているパーセンテージが手数料の「上限額」とされています。
不動産の売買価格 | 手数料の上限 |
200万円以下 | 5% |
200万円超 400万円以下 | 4%+2万円 |
400万円超 | 3%+6万円 |
なお、仲介手数料額に関して法律上で定められているのはあくまでも「上限」のみです。
従って、不動産仲介業者との交渉ができれば、10万円でも、また支払わなくても問題ありません。
仲介手数料についてより詳しく解説
②(ローンが残っている場合)金融機関に支払う「一括繰上返済手数料」
マンション購入時、銀行などの金融機関から住宅ローンの融資を受けたが、売却時にローンが残っている場合、売却の代金で残っていたローンを一括繰上返済することになります。
この時、一括繰上返済手数料が発生します。
金融機関によって異なり、大体5,000円からですが、固定型ローンでは1万円〜5万円が必要となることがあります。
③税金(租税公課)
マンションを売却する際には大きく以下のような税金がかかります。
- 売買契約書に貼付する印紙税
- (ローンがある場合)抵当権抹消登記の登録免許税
- (売却益が出た場合)不動産譲渡所得税
売却時の税金についてより詳しく解説
④マンション売却時に戻ってくる費用もある税金(租税公課)
マンションを売却することによって、払い過ぎた費用が戻ってくることがあります。
具体的には以下のような費用です。
- 固定資産税・都市計画税精算金
- 管理費・修繕積立金精算金
「1年分まとめて」など、すでに払ってある費用については売却したあとの分が買い手から戻ってくることがあります。
戻ってくる金額の計算は、日割りや月割りなど違いがあるので、仲介する不動産業者に確認するようにしましょう。
(3)売却したい物件についてきちんと把握する
①マンション売却価格の相場がわかるウェブサイト
マンションを売却するときには、きちんと相場を知っておく必要があります。
公益財団法人不動産流通推進センターが管理・運営する「不動産ジャパン」にて、実際のマンション取引価格を調べる事ができます。ぜひ利用してみてください。
マンションなのか一戸建なのか、また所在地の市町村にチェックをいれるだけで、簡単に指定したエリアで実際にあった最近の取引価格を見ることが出来ます。
ただ、「不動産ジャパン」で確認できるのは過去実際に成立した不動産取引の金額です。
売却したいマンションの近くに新しいマンション建設や大規模な宅地分譲プロジェクトが最近あった場合などは、過去の取引価格があまり参考にできないこともあるので、注意してください。
売却の相場についてより詳しく解説
②売却時に必要な書類を用意する
マンションを売却する際に、不動産仲介業者の担当者に物件について詳しく知ってもらう必要があります。
物件に関連する書類一式を事前に用意しておきましょう。物件の種類によって異なりますが、大きく以下のような書類が挙げられます。
【対象マンションに関連する書類】
- 登記済証
- 付帯設備表
- 物件状況報告書
- 固定資産税などの納税通知書
- その他物件に関する資料(購入時の重要事項説明書など)
対象マンションについての書類は、購入時にファイルにまとめて渡されることが多いので、ファイルの中身をあらためて見てみましょう。
また、マンションの売買契約を締結する際に、売主には以下の書類を用意する必要があります。
【売主ご自身に関する書類】
- 身分証明書
- 実印
- 印鑑証明書(3ヶ月以内に発行のもの)
- (売買代金を振り込んでもらうための)銀行口座
- (住宅ローンを利用の場合)ローン残高証明書 など
売却時の必要書類についてより詳しく解説
(4) 複数の不動産会社に一括査定依頼できるウェブサイトを利用する
一般的にマンションの査定を受けるにあたっては、不動産の簡易査定ができるウェブサイトで簡易査定を受けてから、対応が良かった何社かに訪問査定などを依頼し、更に正確な価格査定をしてもらう流れが一般的です。
不動産会社によって査定方法が異なりますので、複数社に依頼されたほうがより正確な査定価格を得られると言えるでしょう。
まずは簡易査定ですが、以下にて利用者数が多いオススメの5つの簡易査定サイトをピックアップしました。
短時間・無料で査定金額がわかるので、まず自分の不動産の市場価値を知っておきたいという方はぜひ利用してみてください。
(1)すまいValue(すまいバリュー)
売却実績がかなり豊富なため、本気で売却したい方にオススメ!
☆ポイント☆
- ご成約件数が「12万件」以上の実績がある
- 大手不動産会社6社が直営しているサイト
- 全国「900」店舗ある
- 最大6社まで一括査定依頼可
(2)HOME4U
住み替え、買い替えなどの実績が豊富なため、まず概算知っておきたい方にオススメ!!
☆ポイント☆
- 500万人利用
- 「不動産一括査定サイト」として日本最大級
- 大手不動産会社参画率1位
- 15周年の老舗で安心
- 最大6社まで一括査定依頼可
(3)価格の納得度が高い「SRE不動産(旧ソニー不動産)」
SRE不動産がこだわる売却エージェント制と情報公開制度で透明性のある売却活動ができ、売り手の安心感や成約価格に対する納得度は高いです。
エージェント制のため、サービスエリアが限られているのですが(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)エリアに該当するなら、ぜひおすすめしたいサイトです。
(4)RE-Guide(旧SBI)
宅建業免許を持っている会社が運営しており、プロの目線で参加会社を厳選、高値で売りたい方にオススメ!!
☆ポイント☆
- 入力約60秒
- 運営11年目の老舗サイト
- 大手不動産会社/地元で実績豊富な会社など多数参加
- 最大10社まで一括査定依頼可
- 不動産のプロが高値で売る仕組みを追求
(5)マンション売却が得意な不動産会社に依頼する
マンションを売却するときは、できるだけ不動産の売買を得意としている会社に依頼するのが成功のコツです。 一口に不動産会社といっても、売買による手数料の売り上げをメインにしているところもあれば、賃貸住宅の仲介を主な収益にしているところもあります。
つまり、すべての不動産会社がマンション売却を得意にしているというわけではありません。 マンション売却を少しでも高値で成功させるためには、購入希望者を一人でも多く見つけることが重要です。しかし、マンション売却をメインに取り扱っていない不動産会社では、ノウハウや独自のネットワークが足りないため、なかなか契約がまとまらないケースがよくあります。
売却に強い不動産会社を見つけるためのポイントは、以下の通りです。
- 売却の実績が豊富にあるか
- 囲い込みをしない業者かどうか
まずは、不動産一括査定サイトで候補を選び、その不動産会社の情報をホームページなどで調べてみましょう。賃貸住宅の仲介ではなく、不動産の売却実績を大きくアピールしているような不動産会社を選んだほうが無難です。
また、一部の不動産会社は自社だけで、売り手と買い手を見つけることにこだわるケースがあります。仮に買主側の不動産会社から連絡があっても断ってしまうのです。
なぜこのようなことをするのかというと、自社だけで売主と買主を探せば両方から仲介手数料を取れるからです。自社だけで不動産売却を完了させようとすることを、不動産業界では一般的に「囲い込み」と呼びます。
少しでも成約につながる可能性を高めるためには、買主側から連絡があったときでも交渉につなげてくれる不動産会社のほうが良いのは言うまでもありません。 売主自身から囲い込みをしていないかどうか確認することも効果的なので、少しでも気になった場合は担当の不動産会社に聞いてみましょう。
(6)マンション売却のタイミングはいつがいい?
①不動産取引が活発な時期
一般的に、暑さ・寒さがきびしい時期は不動産取引の動きがにぶくなると言われています。
また年末年始など忙しい時期も同様で、やはり新生活がスタートする春や、その準備をはじめる春先が、もっとも取引が多いです。
そのため、基本的には多くの人が住まいをさがす時期に売り出し、買い手を見つけるのが良いと言えます。
また、春(3月)は多くの企業が決算期末をむかえます。
不動産仲介業者も例外ではなく、仲介手数料収入の会社の年間目標を達成するためなどの理由で、熱心に・素早く売却活動をしてくれるということもあります。
②住み替えは余裕をもって
現在お住まいのマンションを売却して、新たな家を購入する「住み替え」の場合は、スケジュールに余裕をもって売却の活動をはじめます。
とくに、現在のお住まいに住宅ローンが残っていて、売却した代金でそのローンを一括繰上返済し新しい家のローンを組むことを考えているなら、売り出しから「住み替え」までの期間を最低3ヶ月はみておきましょう。
おもな理由は以下の通りです。
- 売却の代金で現在の住宅ローンを一括繰上返済してからでないと新しい住宅ローンは借りられず、新しい家を引き渡してもらえない
- 売却活動をはじめて買い手が見つかってからも、買い手がローンを利用する場合にその審査に時間がかかったり、ローンの承認が取り消され買えなくなったりなど、買い手の事情で予想以上に時間がかかることがある
- 売り手と不動産業者の間の媒介契約の期間は、最長3ヶ月までとされている。 3ヶ月を過ぎても買い手がみつからない場合、媒介契約をむすび直さなければならず、仲介の担当者にとって「3ヶ月」というのが一つの区切りになる。
スムーズに住み替えするためにはスケジュールに余裕をもつことが大切になります。
マンションの住み替えについてより詳しく解説
(7)媒介契約について把握しておく
①媒介契約は3種類ある
最近は「正直不動産」などの知識系マンガやウェブサイトの記事などで有名になってきましたが、個人と不動産仲介業者がむすぶ「媒介契約」には3種類あります。
それぞれメリット、デメリットがありますので、自分の売却活動にはどの媒介契約がいいのか、実際に契約する前に整理しておきましょう。
契約の種類 | 他の業者にも依頼できるか | 売主が自分で探した買い手と契約 | 契約の有効期間 | 業者によるレインズへの物件登録義務 | 売却活動状況の報告義務 |
一般 媒介契約 | ○ | ○ | 定めはないが3ヶ月以内にすべきとされている | 義務なし | 義務なし |
専任 媒介契約 | × | ○ | 3ヶ月以内 | 媒介契約から7日以内に登録義務 | 2週間に1回以上 |
専属専任 媒介契約 | × | × | 3ヶ月以内 | 媒介契約から5日以内に登録義務 | 1週間に1回以上 |
売主にとって、もっとも自由度が高いのが一般媒介契約です。
複数の仲介業者と同時に契約でき、自分で探してきた買い手との契約も可能です。
レインズという、不動産業者が利用する物件情報サイトには登録されませんが、代わりに複数の業者に買い手を探してもらえれば問題ないと思われるかもしれません。
しかし、一般媒介契約にはデメリットもあります。
物件の仲介で発生する仲介手数料はあくまで成果報酬であるため、他の業者に依頼できるとなると、仲介業者にとっては「自分が一生懸命買い手を探しても、他の業者で先に決まれば仲介手数料を取りはぐれるかもしれない」という懸念があり、あまり熱心に買い手を探してくれない、ということです。
その点で、専任媒介契約や専属専任媒介契約では業者は仲介手数料を取りはぐれる心配がないため、ある程度の責任をもって買い手を探してくれます。
売り主にとっては専任媒介契約が良いところどりのように思えますが、住み替え先がもう決まっていて急いでいるなど事情がある場合は、専属専任媒介契約を選択し、売却活動の様子をこまめに報告してもらうなど仲介業者と密度の高い連携が取れるようにするのも良いでしょう。
媒介契約についてより詳しく解説
②仲介手数料はいつ払う?
仲介手数料は売却が成立することで発生する「成果報酬」です。
売買契約が成立し、引渡しが完了することで媒介契約(物件の仲介)は終了します。
そこで、仲介手数料は売買契約時に50%、引渡し時に残り50%など分けて支払うことが多いです。
媒介契約については、契約の期間も仲介手数料の金額も、上限が決められているだけで、基本的には「その範囲内であれば自由に決められる」契約です。
自分に不利にならないよう、契約の内容は交渉できるものであることを念頭におき、仲介業者を選びましょう。
仲介手数料についてより詳しく解説
(8)信頼できる担当者を選び、物件に関する情報を詳しく伝える
マンションの売却を検討される際に、信頼のできる不動産会社を選ぶことはもちろん重要ですが、実は、あなたの物件をきちんと知った上で、責任を持って販売してくれる信頼できる担当者を選ぶことも非常に大切と言えます。
①信頼できる担当者を選ぶには?判断するポイント
信頼のできる担当者かどうかは以下のポイントで判断してみるといいでしょう。
- 査定金額報告時にきちんと金額の根拠を明示しながら説明をしてくれるか
- ローンの残債金額、物件の現況など物件に関する細かい情報までヒアリングをしてくれるか
- 売却理由を確認した上で、きちんと自分の状況に合せて売却プランを提案してくれるか
- 確認事項に丁寧に対応してくれるか
- きちんと手順を踏まえた上で媒介契約の提示をしてくれるか
また、マンションの売却活動中においても、購入希望者との交渉、業者との交渉、契約書の作成など色々な手続きは全て不動産会社の担当者が行うことになります。
ですので、信頼のできる担当者を選ぶことによって、物件を高額で売却するだけではなく、スムーズに売却まで進むことにも繋がります。
以上を踏まえると、信頼できる担当者を選ぶことは非常に重要なポイントと言えるでしょう。
②物件に関する情報をきちんと開示する
「管理会社がきちんと管理を行っている」、「近隣トラブルが起きたことがない」など物件の売却にとってプラスになるような情報はもちろん、マイナスになる情報もきちんと担当者に伝えましょう。
マイナスの情報は伝えづらいかもしれません。しかし、きちんとマイナスの情報を伝えないと後でトラブルに繋がる可能性があります。
また、信頼できる担当者を選んでおけば、その担当者がマイナス情報も悪い印象にならないように伝えてくれる可能性が高いので、情報はきちんと伝えるべきでしょう。
物件に関する情報についてより詳しく解説
物件の売買契約についてより詳しく解説
(9)自分でできるクリーニングと片付けで”高みせ”
購入希望者による内覧の対応時、できるだけ部屋をキレイにすることを心がけましょう。
内覧時は日照や周囲の騒音だけではなく、部屋の状態もチェックされます。
設備や床など部屋中の汚れがひどいと、クリーニング代がかかるという理由で購入希望者から減額交渉されることも考えられるので、その意味でもきちんと掃除しておくことは重要です。
目立つ汚れやキズをホームセンターなどでDIYグッズで簡単に補修したり、シンクなど水まわりは家庭用洗剤で磨く、レースのカーテンは洗っておくなど、すぐに自分でできるクリーニングをおこない、部屋をきれいに見せ、購入希望者のマンションに対する第一印象をアップさせましょう。
また、荷物を散乱させたりすることは避けましょう。なるべく床に荷物を置かないことで、部屋が広く見える効果があります。
少し早めの引っ越し準備のつもりで、季節家電やこまごました荷物は片付けておくことをおすすめします。
クリーニングについてより詳しく解説
内覧についてより詳しく解説
(10)購入希望者と交渉の姿勢を持つ
マンションを売却する際に、購入希望者から
- 売却価格
- 入居時期
など様々な交渉が入ります。
その際、自分が妥協できる範囲内でできるだけ交渉に応じるという姿勢を持つことが大切と言えます。
もちろん、購入希望者は自分に有利になるよう交渉してきますので、その際には仲介担当者と相談をしながら対応するといいでしょう。
3、マンション売却にかかる時間は?
マンションを売却するうえで、スケジュールに余裕を持たせておくことは重要ですが、そのためには「マンション売却にどれぐらい時間がかかるか」を把握しておかなければいけません。
また、いつまでも売れ残っているとさらに売れにくくなる恐れもあるため、早く売却するためのコツについても知っておきましょう。
(1)マンションの売却期間は3~4ヶ月ほど
地域や物件の質によっても異なりますが、都心部におけるマンションの平均的な売却期間は3~4カ月です。ただし、物件や条件によって1~2カ月で売れるケースもあれば、6カ月以上かかるケースもあります。
そのため、たとえば年度末までに売却したい人の場合、遅くとも半年程度前にあたる10月ごろから準備は始めたほうがいいでしょう。いずれにしても、余裕を持ったスケジュールを組むのが大切です。
あまり長い期間売りに出していると思わぬ悪影響を及ぼす可能性もあることは知っておくべきです。具体的には下記のデメリットが考えられます。
- 不動産会社が優先して紹介しなくなる
- 売れ残っている物件という悪いイメージが付く
あまりにも長い期間売れないマンションというのは、物件または条件のどちらかに問題があるケースが多いです。結局、紹介しても売れない物件だと不動産会社に思われてしまうと、より売却の可能性が高そうな他の物件を優先されてしまうかもしれません。
また、買主も定期的に物件をチェックしています。物件をチェックしているときに、いつまでも売れ残っている物件が見つかると「何か問題がある物件なのかな」と感じて敬遠されてしまう恐れがあります。
無理に焦る必要はありませんが、基本的には早期の売却を目指していきましょう。
(2)早く売るためには
早く売却するために、まず重要なのは不動産会社選びです。売却が得意な不動産会社であっても、「戸建て物件の売却が得意な会社」と「マンションの売却が得意な会社」にさらに細分化することができます。マンションの売却においては、とくに専有部分と共有部分において専門的なノウハウが必要になるので、マンション売買の取り扱い件数が多い不動産会社を選びましょう。
また、早く売るためには売却価格の設定も重要です。価格設定で重要なのは「相場を知ったうえで決めること」だといえます。相場を理解していない状態で価格設定をしてしまうと、高すぎて売れなかったり、安すぎて損をしたりしてしまいます。相場よりも10%程度安い価格に設定しておくと、早く売却できるでしょう。
相場を把握する方法はさまざまですが、簡単なのは不動産購入サイトなどで物件を探してみる方法です。自分が売却する予定の物件に近い、築年数や設備のマンションが「いくらで売りに出されているか」を確認して、参考にしてみましょう。
(3)早く売却したい人が注意すべきこと
早く売却したい人が注意すべきなのは、売却を急ぐあまり「値段交渉が不利にならないようにすること」です。
とくに買主に早く売却したいと考えていることが伝わってしまうと、値切られる確率は高くなります。交渉にあたっては焦らず、余裕を持った態度で臨むことが重要です。
また、一般的に売却価格の設定は安ければ安いほど、成約につながりやすいのは事実です。そのため、なかなか売れないと、不安に思うあまりどんどん値下げしてしまう人もいます。しかし、あまりにも相場からかけ離れて安くしてしまうと、「トラブルのある物件なのではないか」と買主に思われて、かえって敬遠されるケースも珍しくありません。
値下げをする場合は、不動産会社の意見も聞きながら慎重に行いましょう。
4、買取という売却方法もある
これまで不動産仲介業者に仲介してもらう売却方法を書きましたが、
- 売却価格が少し低くても、短期間で売却したい
- 売主の瑕疵(かし)担保責任を免除して欲しい
- なるべく諸費用を節約したい
- あまり手間をかけずに売却したい
- 他人に知られずに売却したい
などの理由で仲介による売却が難しい方もいらっしゃいます。
その場合、不動産買取会社などの業者に直接売る方法(買取)があります。
買取のメリット、デメリットについて、簡単にみていきましょう。
(1)買取のメリット
- 短期間での売却が可能
- 広告が必要ないので、他人に知られず売却できる
- 売却価格が明確なので、買い替えなどの計画が立てやすい
- 売主の瑕疵(かし)担保責任が免責される
- 内覧が不必要
- 仲介手数料が不必要
(2)買取のデメリット
なにより「仲介よりもマンションの価格が安くなる」ことが挙げられます。
もちろん物件によりますが、仲介で売却する場合の7割程度など、買取業者が転売する際のリフォーム費用などが価格から引かれるということになります。
買取についてより詳しく解説
4、売却せずに賃貸マンションにして家賃収入を得る選択肢も
転勤などで数年間は住めないがいずれ戻ってくるつもりなど、マンションを売却せずに持っておきたい、自宅はあるがマンションを相続した、などの場合は賃貸住宅として家賃収入を得ることも考えられます。
売却せずに賃貸にすることのメリット、デメリットについて簡単にみていきましょう。
(1)賃貸にするメリット
- マンションを資産として持ち続けられる
- 毎月家賃収入が得られる
(2)賃貸にするデメリット
- 確定申告が必要になる
- 管理費や固定資産税など維持費が引き続きかかる
- 賃貸管理会社とのやりとりが必要
確定申告についてより詳しく解説
会社員の場合は勤務先の年末調整だけの方が多いかと思いますが、家賃収入がある場合、確定申告が必要になります。
また、マンションを持つことでかかる維持費は引き続き負担しなければならないので、入居者が見つからず空室になった場合は赤字になってしまいます。
さらに、入居者探しや賃貸借契約など、賃貸管理会社とのやりとりが必要になります。
入居者が毎月きちんと家賃をおさめてくれるとは限らず、その際の催促など、賃貸管理会社との付き合いは継続的なものになります。
賃貸にすることも検討したい方は、管理会社の一括見積もりサイトを利用してみてください。
まとめ
今回はマンション売却時に損しないために知っておきたいコツについてお伝えしました。
- 売却の流れごとにやることを把握する
- 費用や手続きについて理解しておく
- 価格査定や見積もりは複数社に一括で依頼できるウェブサイトを利用する
このようなことがポイントになります。
気になる項目がございましたら、それぞれ紹介している「より詳しい解説」の記事もご参考にしていただけると幸いです。
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