• 不動産投資
  • 2018/8/2

確定申告時に知っておくと得する不動産所得の13の必要経費とは

近年では、資産運用の面からマンションやアパートなどの不動産を購入し、賃貸することで不動産所得を得る人が増えています。

そして、不動産収入がある場合には、毎年確定申告を行い、税金を納めなければいけません。

一方で、税金は青色申告で不動産の運営にかかった経費を正確に計上することで安くなる場合があります。しかし、何が経費に該当するかを全て把握している人は、多くはないかもしれません。

そこで、この記事では、確定申告で認められる費用や税金計算方法、確定申告の方法などについて解説していきます。

※2014年9月17日に公開したものを2018年8月2日に加筆修正しました

1、不動産所得がある場合の税金の計算方法

不動産所得がある場合、税金の金額は、申告する年の11日から1231日までの1年間に不動産所得に関わる総収入金額から必要な経費を控除して計算します。

(1)不動産所得の計算方法は?

不動産所得の金額=総収入金額-必要経費-青色申告特別控除額

 (2)不動産所得がある場合の税金の金額は?

不動産所得の税金の計算式は以下になります。

①所得税額=(総収入金額-必要経費)×税率-控除額

②住民税(※1)=(総収入金額-必要経費)×10%+4000円

つまり、経費が大きければ大きいほど支払わなければならない税金の額は減ることになります。

1:住民税は、「均等割」と「所得割」を合算して計算されます。具体的には、原則以下の通りになります。

■所得割:市町村民税6%+道府県民税4%=合計10

■均等割:市町村民税3000円+道府県民税1000円=4000

(3)税金額のシミュレーション

ここでは、税金の計算について例を挙げて説明しましょう。

物件価格1500万円、1年間の家賃収入額102万円、給与所得500万円のサラリーマンが確定申告をした場合、具体的には下の図のような計算方法になります。

不動産情報

物件価格 15,000,000
家賃(月額) 85,000
管理費・修繕積立金(月額) 10,110
PM管理会社管理費(月額) 4,590

借入条件

自己資金 10,000,000
借入金額 10,000,000
借入金利(変動) 3.00%
物件築年(西暦) 2004
建物構造
(RC=47 重量鉄骨=34 木造=22)
47
ローン年数 20
経過年数 10
残存耐用年数 37
税務上耐用年数 39

年間収入額

家賃収入額 1,020,000
給与所得
※給与所得の金額=収入金額(源泉徴収される前の金額)
-給与所得控除額
5,000,000
収入合計額(①+②) 6,020,000

不動産諸経費

固定資産税 60,000
管理・修繕費 121,320
PM会社費用 55,080
損害保険料
(火災・地震保険など)
20,000
減価償却費
※1500万(物件取得費用)*0.028減価償却率)
420,000
借入金利子 283,660
税理士報酬 50,000
合計(④~⑩合計) 1,010,060

所得税計算

所得金額(③-⑪) 5,009,940
青色申告控除 100,000
課税対象額(⑫-⑬) 4,909,940
年税額
※③*20%-427,500円
554,488
源泉徴収額 150,000
所得税額(⑮-⑯) 404,488
住民税額(⑭*10%+4000円) 494,994

この場合には、所得税が404488円、住民税は494994円と算出されました。

、不動産投資時に認められる13の経費

マイホーム不動産を所得している場合に、必要経費とすることができるのは、不動産収入を得るために必要な費用です。そして、節税をするためには、経費を漏れなく適正に計上することがポイントになります。

一般的には、不動産経営で認められている経費は以下の13項目です。

  • (1)租税公課
  • (2)損害保険料
  • (3)減価償却費
  • (4)修繕費
  • (5)借入金利息
  • (6)管理費
  • (7)交通費
  • (8)広告宣伝費
  • (9)通信費
  • (10)新聞図書費
  • (11)接待交際費
  • (12)消耗品費
  • (13)その他、税理士に依頼した費用

それぞれについて見ていきましょう。

(1)租税公課

不動産所得の必要経費として、以下の業務に関連して納付する税金を計上することができます。

●土地・建物に対する固定資産税・都市計画税
●賃貸物件を取得した際に課される登録免許税、不動産取得税
●賃貸による儲けに課される事業税
●その他、自動車税、印紙税…など。

(2)損害保険料

賃貸している建物などが加入している以下の保険を経費として計上することが可能です。

●火災保険
●地震保険
●賃貸住宅費用補償保険…など。

なお、一括払いの場合には、当年度分しか必要経費として計上ができませんので、注意しましょう。例えば、10年度分を一回で支払ったとしても、経費計上できるのは初年度分だけになります。

(3)減価償却費

homerupe減価償却費は、建築費を建物の構造・用途で定められている耐用年数に応じて、毎年減った分の価値を計上して償却する費用です。そのため、毎年経費として計上することができます。

減価償却費の計算方法は、「定額法」と「定率法」2種類あります。ただし、平成1041日以後に取得した建物については、定額法のみが適用となったため、この記事では定額法を説明します。

定額法とは、毎年一定額の償却費を計上する方法です。

平成1941日以後に取得した資産の場合、以下計算式にて計算します。

 【定額法による減価償却の計算式】

減価償却費の額=取得価格×法定耐用年数に応じた償却率

減価償却資産の償却率はこちらで確認してみてください。

【中古資産の耐用年数の計算式】

a 法定耐用年数の全部を経過した資産

耐用年数=法定耐用年数×0.2

b 法定耐用年数の一部を経過した資産

耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

建物の耐用年数については、国税庁の「耐用年数(建物・建物付属)の一覧表」で確認してみてください。

【例】
例として、平成25515日に、2000万円で取得した法定耐用年数が30年で、経過年数が10年の中古物件の減価償却費を計算してみましょう。

(耐用年数)
(30-10)+10×0.2=22年

(減価償却費の額)
2000万円×0.046(耐用年数22年の償却率)=92万円

また、少額減価償却資産については、以下のように経費計上をします。

スクリーンショット 2014-09-18 13.56.43 

(4)修繕費

物件の修繕費として経費計上できるのは、通常の維持管理費用、毀損(きそん)した固定資産の現状回復費用になります。

具体的に以下のような建物の修繕は、修繕費として計上することができます。

(修繕費の例)

  • 建物の壁、ベランダのペンキなどの塗り替え
  • ドア、トイレ、台所、換気扇など部屋の設備の修理
  • 畳の取り替え
  • 障子、襖の張り替え…など。

一方で、以下のような修繕目的であるが固定資産の価値を高めたり、建物の耐久性を増やしたりするための支出は、「資本的支出」となります。この費用は経費として計上することはできません。注意しましょう。

(資本的支出の例)

  • 用途変更のための模様替えなど、改造または改装に直接用した費用
  • 建物の避難階段の取り付けなど、物理的に付け加えた部分の費用…など。

また、以下の場合もその年度の修繕費として計上できます。

  • おおむね3年以内の期間を周期として修繕が行われる時、または費用が20万円未満の場合
  • 修繕費か資本的支出かの判断が不明確で、60万円未満の場合。または、その資産の前年末の取得価格のおおむね10%相当以下である場合

(5)借入金利息

sparsau wecker taschenrechner賃貸する建物の取得にあたり金融機関から融資を受けた場合、その借入金の利息は経費として計上することができます。

しかし、以下の費用は経費にならないので注意しましょう。

  • 借入金の返済額のうち、元本に相当する部分
  • 賃貸としての業務が開始する前の利息部分

(6)管理費

賃貸建物の管理費も必要経費として計上することができます。

(管理費の例)

  • 賃貸建物の管理をする管理会社へ支払う管理費・修繕積立金
  • 入居者の管理をしてくれる賃貸管理会社へ支払う管理費

(7)広告宣伝費

入居者募集などで不動産の管理会社に支払ったお金です。この費用も経費として計上することが可能です。

(8)交通費

ガソリンスタンド以下のような移動目的で利用した場合の交通費は、経費として計上することができます。

  1. 不動産投資会社が主催したセミナーに参加するための交通費
  2. 管理会社などと打ち合わせするための交通費
  3. 物件を見に行くための交通費…など

そのため、交通費の領収書はきちんと保管しておくようにしましょう。

このほか、車で移動する場合の費用についても経費計上が可能です。

具体的には、

  • 車のガソリン代、
  • 駐車場代、
  • 高速道路料金、
  • 車検費用、
  • 保険料、
  • 自動車税など

車に関わる費用になります。

しかし、自動車はプライベートでも利用する場合は、私用と不動産投資活動での使用との区分けが難しいため、全額ではなく4割前後で申請するのが1つの目安となるでしょう。正確に計上するため、初年度は全て記録しておくのもよいでしょう。

(9)通信費

管理会社と連絡をした際の通話料、インターネットにて物件を検索するなどの通信費も経費として申請できます。こちらもプライベートで利用することがある場合には、区分けが難しくなるので全額ではなく、費用の3~4割程度で申請している人が多いようです。

(10)新聞図書費

不動産の動向、経済の動向などの不動産経営に影響がある情報を得るために新聞を購読している場合には、その費用を経費として計上することができます。また、不動産事業の関係で購入した本も経費として計上できます。

(11)接待交際費

お金の硬貨の上に座って仕事に悩む人間不動産管理会社や税理士との打ち合わせなどで飲食をした費用も経費として認められる場合があります。

(接待交際費と認められるケース)

  • 管理会社などと打ち合わせするための飲食費
  • 税理士との打ち合わせするための飲食費
  • 不動産投資仲間との意見交流するための飲食費…など

(12)消耗品費

物件を撮影するためのデジタルカメラや物件検索や確定申告するためのパソコン、図面を印刷するためのプリンターなどは消耗品として経費計上することができます。

(13)その他、税理士に依頼した場合にかかる費用

多くの人が確定申告を自身で行っています。一方で、申告のやり方が分からなかったり、時間がない場合は、税金のプロの税理士に依頼する人も少なくありません。

もし、税理士に申告を依頼した場合には、その費用も必要経費として計上することができます。

税理士に支払うお金は、依頼する内容にもよりますが、確定申告の時期(毎年2~3月ぐらい)であれば、1回で5~10万円が相場のようです。

3、確定申告の方法は?

確定申告不動産所得があると、税務署に所得を申請し、税金を納める必要があります。

税理士に依頼してもよいですが、費用がもったいないと考えるのであれば、自分自身で申告することも可能です。

【いつ手続きするの?】

毎年の2月16日~3月15日の1か月間となります。

【確定申告手続きの流れ】

下記の流れにて手続きを行います。

  • (1)確定申告に必要な書類を準備する
  • (2)決算書を作成する
  • (3)確定申告書を作成する
  • (4)申請手続きを行う

順番に見ていきましょう。

(1)確定申告に必要な書類を準備する

不動産所得がある場合、まずは以下の書類を用意しましょう。

  1. 売買契約書類
  2. 固定資産税の通知書
  3. 火災保険などの証券
  4. 借入の返済予定表
  5. 管理を外注した場合の賃料入金明細
  6. 修繕に関する見積書、請求書、領収書
  7. 賃貸契約書
  8. その他収入が分かる書類
  9. 交通費、接待交際費などの経費の領収書

なお、不動産所得以外に給与所得などがある人は、「源泉徴収票」も用意しましょう。

(2)決算書を作成する

不動産所得は青色申告決算書を使用します。

青色申告決算書の場合は、賃貸経営を開始してから2か月以内に「青色申告承認申請書」を提出しましょう。

なお、青色申告特別控除には、「10万円控除」「65万円控除」があります。どちらに適用されるかについては、国税庁の「事業としての不動産貸付けとそれ以外の区分」で、確認しましょう。

また、青色申告決算書、収支内訳書の書類と書き方については、国税庁のホームページの情報を掲載したので、活用してください。

(3)確定申告書を作成する

確定申告書は、1月中に管轄の税務署から送られてきます。不動産所得の場合は申告書の「確定申告書B」を使用します。ただし、「個人事業の開業届出書」を提出していないと送付されません。その場合には税務署に行ってもらうか、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」から印刷します。

(4)申請手続きを行う

確定申告書は一般的に直接管轄の税務署に提出します。郵送での提出も可能です。その場合には念のために、配達状況を記録してくれる書留で送るようにしましょう。

【不動産所得が赤字でも確定申告をしなければいけない?】

マンションやアパートなどの不動産を所有し家賃などの収入があれば、必ず確定申告をしなければなりません。これは、不動産投資の事業自体が赤字の場合で同じです。

なお、不動産所得のほかに所得がある人は、不動産所得と損益通算されます。損益通算とは、所得の黒字(利益)と赤字(損失額)を相殺する計算のことをいいます。

不動産所得は、この損益通算を行うことができます。仮に不動産所得自体が赤字の場合、合計所得が減り、納めすぎた税金が還付される可能性があります。

ただし、所得が非常に多い人でなければ、税金が戻ってくるからといって赤字になる不動産に投資することは一般的には間違っており、また危険です。そのため、赤字になるような物件には絶対に手を出さないことが賢明です。

4、会計ソフトを利用する

電卓自分自身で確定申告書を作成するのは大変だと思う人は会計ソフトを使ってみてもよいでしょう。

会計ソフトはさまざまありますが、クラウド会計ソフト『freee 』がおすすめです。大変利用しやすく短時間で簡単に確定申告書を作成できます。ぜひ利用してみてください。

5、税理士に依頼する

仕事で忙しくて申告書を作成する時間がない人は、税理士などの専門家に依頼するのもよいでしょう。

その場合、税理士の知り合いがいればよいのですが、いない場合には、インターネットで「税理士 確定申告」などのキーワードで検索することができます。

以下のサイトでは無料で税理士事務所を見積もりすることができます。費用を比較することもできるので、利用してみてください。

税理士ドットコム


  • 公式サイトはこちら

6、不動産投資が節税になるケースは?

不動産投資が節税になることがあります。それは不動産投資自体が「赤字」となる場合です。

どのように節税ができるかについては「節税目的で不動産投資をすると損をする?事前に知っておくべき9つのこと」で、詳しく説明しているので、ぜひ読んでみてください。

まとめ

今回は、確定申告で認められる費用と税金の計算方法、申告の仕方について解説しました。

紹介した知識を活用して、不動産投資での節税に役に立ててもらえればと思います。

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皆様からのコメント

「確定申告時に知っておくと得する不動産所得の13の必要経費とは」に対する2件のコメント

  1. 「確定申告時に知っておくと得する不動産所得の12個の経費とは」を拝見させて戴き
    大変参考になりました。
    茨城県の田舎町で30坪の一軒屋を貸しており、毎年確定申告しております。

    我が田舎町でも公共下水道が繋がり、既に敷地面積に応じた負担金は支払い済みですが
    接続工事と浄化槽清掃、撤去工事等々が必要になります。

    これ等の工事費は、 修繕費として計上できるのでしょうか? ご足労でもアドバイアスを
    頂戴できれば幸いです。

    1. 柴田様

      弊社サイトをご覧頂きありがとうございます。
      不動産投資の教科書の八木でございます。

      コメントありがとうございます。
      物件の修繕に伴う費用であれば、基本修繕費として計上する事が出来ます。
      今回の場合、全費用が計上できるのか、それとも敷地面積の割合で費用を計上するかについては、
      税務署、もしくは税理士に問合せて頂いた方がより正確なアドバイスが出来るかと思います。

      よろしくお願い申し上げます。

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