• 不動産投資
  • 2018/4/10

節税目的で不動産投資をすると損をする?事前に知っておくべき9つのこと

不動産投資を進めるときには、キャッシュフローを増やして利益を上げることが重要ですが、節税効果」も無視することはできません。

不動産投資を上手に利用すると、国民にかかる

  • 「所得税」
  • 「住民税」
  • 「相続税」

の3種類の税金を節税することができます。

今回は、不動産投資節税できる3種類の税金の内容と、具体的な節税方法について、解説します。ご参考になれば幸いです。

 ※この記事は2014年8月18日に公開したものを2018年4月9日に加筆修正しました。

1、不動産投資をすることで節税できる税金の種類は?

まずは、不動産投資をすると、どのような税金を節税できる可能性があるのか、確認しましょう。

  • 所得税
  • 住民税
  • 相続税

不動産投資によって節税効果があるのは、上記の3つの税金です。

所得税は、給与や事業、投資などで、何らかの「利益」が出たときにかかる税金です。

住民税は、所得に応じて都道府県や市町村に支払う地方税です。

相続税は、一定以上の財産を相続した場合にかかる税金です。

不動産投資をして収支がマイナスになると、給与所得や事業所得などの他の税金と通算して、所得税を減額できます。所得税が低くなると、住民税も減ります。

また、不動産の相続税評価額は、現金や預貯金より低くなりますし、不動産には各種の相続税優遇制度があるので、不動産投資をすると、相続税対策にもなるのです。

2、所得税と住民税が節税になると、不動産投資の収支は「赤字」

不動産投資をすると、所得税と住民税を節税できることがあるのは事実ですが、そのとき「実は、損になっている」こともあるため、注意が必要です。

不動産投資によって給与所得や事業所得などの他の所得から差し引きができるのは、「不動産所得が赤字」の場合だからです。

不動産投資が儲かっていたら、所得からの差し引きはできません。

ただ、不動産投資の場合「赤字=キャッシュフローがマイナス」という意味ではありません。不動産には「減価償却費」という、実際には支払わない経費が認められるからです。

減価償却費を上手に利用すると、キャッシュフローをプラスにしながらも税務上の不動産所得をマイナス(赤字)にして、他の所得から差し引き、所得税や住民税を減らすことが可能となります。

つまり、不動産投資によって節税するためには、不動産投資を「賢く赤字にすること」が重要です。そして、不動産投資が赤字かどうかは、手元の現金が増えたか減ったかではなく、税務上の収支(帳簿上)によって判断されるということを、ここでは押さえておきましょう。

3、損しないために、キャッシュフローのシミュレーションが重要

それでは、不動産投資で賢く節税するためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか?

要求されるのは「不動産投資のキャッシュフローのシミュレーション」です。

つまり、不動産を購入するとき、年間の収入がどのくらいで、そこからどのような経費がどれだけかかり、どのくらいの税金が発生し、最終的にどのくらいのお金が手元に残るのか、正確に計算する必要があります。

また、減価償却を上手に利用するスキルも必要です。不動産の種類や築年数により、1年に認められる減価償却費の金額が変わってくるので、それを正確に把握して利用しなければ、節税はできません。

こうしたシミュレーションを、高い精度で行っていくには、以下の本が役立ちます。

是非とも、参考にしてみてください。

Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて


出典:amazon 「Excelでできる不動産投資「収益計算」のすべて」

4、所得税の計算方法を節税方法

次に、具体的な所得税の節税方法をご紹介します。

(1)所得税の計算方法

まず最初に、所得税の計算方法は以下の通りです。

所得税=(総収入額−必要経費−所得控除額)×税率−税額控除額

そして、

総所得金額=総収入額−必要経費

となります。

所得税を計算するときには、まずは「総所得金額」を計算しなければなりません。

そして例えばサラリーマンが不動産投資をする場合、

総所得金額=サラリーマンとしての給与所得額+不動産所得額

となります。

ですので、総所得金額が少ないほど支払うべき所得税は少なくなります。つまり、不動産等所得が赤字になれば不動産投資をやることで所得税が少なくなります。

不動産所得は、不動産の賃料収入からかかった経費をマイナスして求めます。計算式としては以下の通りです。

不動産の賃料収入−経費

具体的には、以下のような必要経費を計上し、所得額が赤字になる場合に節税が可能となります。

  • 税金(固定資産税、都市計画税など)
  • 損害保険料(火災保険、地震保険など)
  • 修繕費(入居者が退去時のクリーニング費用など)
  • 賃貸管理会社管理費
  • 建物の減価償却費
  • マンション管理会社管理費(管理費、修繕積立金など)
  • 税理士・弁護士などへの報酬
  • その他経費(交通費、ガソリン費用、交際費など)
  • 賃貸開始後に支払った借入金の利息(融資を受けた場合)

経費として認められるためには領収証が必要なので、日頃からレシートなどを取っておく習慣をつけましょう。

次に、給与所得の場合には給与収入から給与所得者控除や基礎控除、配偶者控除などの控除を適用して計算しますし(これについては、会社で源泉徴収票を作成してくれるので、それを見れば分かります)、事業所得の場合には、売り上げから経費を引き、各種控除を引いて計算します。

そして、通算できる所得については合算(差引き)して、そこ(総収入額)に所得税の税率をかけ算します。これで、所得税を計算できます。

(2)所得税を賢く節税する方法

上記の計算によって不動産所得が赤字になっていたら、給与収入から不動産所得の赤字分をマイナスすることができます。このことを、損益通算と言います。

つまり、所得税を計算するときには、不動産所得と給与所得や他の事業所得を合算するので、どれかがマイナスになっていたら、他の所得を減らすことができるのです。

よって、下の図のように、アパート経営の所得が、固定資産税や修繕費用の経費によって「マイナス」になっていたら、その分給与所得が減り、全体として給与所得にかかる所得税が減ります。

これが、基本的な不動産投資による所得税節税方法です。

5、住民税の計算方法を節税する方法

同じように、住民税の節税方法を、ご紹介します。

(1)住民税の計算方法

住民税の計算方法は、所得税の計算方法を分かっていれば簡単です。住民税は、「所得の10%程度」になるためです。

つまり、所得税が低くなれば、住民税も下がります。この仕組みが分かれば、不動産投資によって住民税を節税することは容易です。

なお、具体的な計算方法は以下の通りです。

住民税=所得割額+均等割額

所得割額=(前年の総所得金額−所得控除額)×税率−税額控除額

計算するときには、まずは住民税課税対象となる、「前年の総所得金額」を求めます。そして税率については都道府県民税が4%、市町村民税が6%、合計10%となります。

また、均等割額は所得割額に比べると金額としては少ないですが、所得割額と異なり所得の大きさに関係なく均等にかかる住民税です。

なお、住民税について詳しくは「不動産投資で住民税が安くなる仕組みと4つの注意点」の記事をご参照下さい。

(2)住民税を賢く節税する方法

不動産投資によって住民税を節税するためには、所得を低くすれば良いだけです。

そこで、所得税の節税方法と同様に、不動産所得の収益を赤字にして、給与所得や事業所得などと損益通算して、所得の額を減らします。すると、自然に住民税も減額されることになります。

6、所得税と住民税の節税事例

それでは、不動産投資をすると、具体的にどのくらいの所得税や住民税を節税できるのか、ケーススタディで見てみましょう。

(1)年収500万円、独身のサラリーマンやOLの方のケース

不動産投資をしていない場合
給与所得 5,000,000
所得税 528,736
住民税 250,500
不動産投資をした場合
不動産所得 -500,000
合計所得 4,500,000
所得税 333,500
住民税 235,000
節税金額
所得税(②−⑦) 195,236
住民税(③−⑧) 15,500
合計 210,736

不動産投資をしていない場合の税金は、以下の通りです。 

給与所得 500万円、所得税 528,736円、住民税 250,500円

税金合計額 779,236円

不動産投資をした場合の税金額は、以下の通りです。

不動産所得 -50万円、給与所得 500万円、合計所得(課税対象所得) 450万円

所得税 335,000円、住民税 235,000円

税金合計額 570,000円

この方の場合、節税額は、以下の通りとなります。

所得税の節税額 528,736円-335,000円=195,236

住民税の節税額 250,500円-235,000円=15,500

合計節税額 210,736円

年間で、21万円あまりも節税が可能となりました。

7、相続税の計算方法と節税方法

次に、相続税の計算方法と節税方法をご紹介します。

(1)相続税の計算方法

まず、相続税の計算方法は以下の通りです。

  • 各相続人の相続税=(課税価額−基礎控除)×法定相続割合×相続税率−税額控除
  • 相続税合計=各相続人の相続税の合計

相続税を計算するときには、まずは課税価額(=総遺産額−負債−葬式費用−非課税財産)から基礎控除を差し引き、それを法定相続分に割って、それぞれに相続税の税率をかけ算します。

その合計額が、相続税の全額です。これを、実際に相続人が相続する割合に割り振って、配偶者控除などの控除を適用すれば、具体的な相続税額を計算できます。

(2) 相続税を賢く節税する方法

前提として、先程の計算方法を見ていただければお分かりになるかと思いますが、「課税価額」が少なくなれば節税が可能となります。

不動産投資をすると、相続税の節税が容易です。

まず、現金や預貯金よりも不動産の相続税評価額は低いので(土地なら8割、建物なら7割程度)不動産を購入するだけで、その圧縮分が節税につながります。

また、不動産を賃貸に出すと、借地権や借家権の割合を評価額から減らしてもらえます。

さらに、小規模宅地の特例を受ければ、より大きく評価額が減額されます。

つまり、不動産を購入して賃貸に出すだけで、大きく相続税を減らすことができるということになります。

8、法人設立でさらなる節税効果

不動産投資をするとき、一定以上の収益が上がるようになったら、個人より法人となる方が、節税効果が上がりやすいです。

給与収入と不動産収入の合計額(年収)が1300万円を超えると、個人にかかる所得税率より法人税率の方が低くなるからです。ケースにもよりますが、およそ7%~17%程度、税率が下がります。

また、家族を役員にして所得を分散することも可能ですし(その方が、所得税率が下がります)、法人の株式評価額が低いうちに相続人予定者に生前贈与すれば、贈与税をほとんどかけずに、財産を次の世代に受け継がせることができて、相続税の節税にもなります。

法人設立での節税について詳しくは「資産管理会社を活用した節税の仕組みと3大テクニック」の記事をご参照下さい。

9、注意したい!不動産投資で節税する4つのデメリット

最後に、不動産投資で節税をするデメリットも確認しておきましょう。

(1)節税することを重視しすぎるとキャッシュフローが悪くなる可能性

1つは、不動産投資のキャッシュフローが落ちる可能性があることです。

個人として不動産投資で節税する場合、不動産投資が赤字になることが前提です。いかに減価償却を上手に利用しても、大きく利益が出ている状態では、節税はできません。

節税するために収益を抑えてしまったら、「儲けを出したい」という不動産投資の目的から外れてしまい、本末転倒になってしまいます。

(2)金融機関の印象悪化

不動産投資を進めるとき、融資が必須ですので、金融機関との関係は非常に重要です。しかし、赤字経営になると、金融機関の印象が悪化して、アパートローンも利用しにくくなります。

(3)リスクに弱くなる

不動産投資をするときには、物価の下落リスクや金利上昇リスクなど、さまざまなリスクがあります。赤字経営で節税をする場合、ぎりぎりのところで経営していますから、こうしたリスク要因が現実化すると、一気に収益が悪化して毎月の収支が著しく悪化する可能性があります。

(4)耐用年数の経過

不動産投資による節税は、減価償却費の利用に頼るところが大きいものですが、耐用年数が終わると、減価償却はできなくなります。すると、不動産所得が黒字化して、一気に税金が上がるリスクもあります。

まとめ

以上のように、不動産投資をするとき、うまくすると節税できますが、節税を追い求めすぎるとキャッシュフローが悪化してリスクに弱くなるなど、マイナス要素もあります。不動産投資をするときには、節税とキャッシュフローのバランスを取って、賢く進めていきましょう。

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