ファミリータイプ物件への不動産投資は、安定した賃貸需要が見込める魅力的な選択肢です。
特に子育て世帯に人気が高く、長期的な入居が期待できるため、空室リスクの低減に繋がります。
しかし、成功するためには物件の立地、間取り、維持管理など、複数のポイントを慎重に見極める必要があります。この記事では、ファミリー層向け物件投資で押さえておくべき重要なポイントを詳しく解説します
以下の記事も参考にしていただけたら幸いです。
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
- 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
- しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
目次
1、ファミリータイプ物件の不動産投資
本章では、ファミリータイプ物件の基本情報を、単身者向け物件との違いと併せて解説します。
(1)ファミリータイプ物件投資とは?
ファミリータイプ物件とは、2世代以上の家族構成の入居者が生活できる仕様の住宅物件のことです。
不動産投資では、単身者向け物件と比較されることが多く、物件の間取りや設備、立地条件における価値観が大きく異なります。
不動産投資の目的と照らし合わせ、投資用不動産の種類としてファミリー向け物件か、単身者向け物件か戦略を立てる必要があります。
下表は、単身者向け物件とファミリータイプ物件の違いを表したものです。
それぞれの項目について詳しく解説していきます。
(2)広さ・間取り編
ファミリータイプの物件は、少なくとも3人以上の人が生活します。
広さは40平方メートル以上、間取りは2LDKや3LDK以上が一般的です。
ファミリータイプに対して、単身者向けの場合、広さは30平方メートル以下の物件が多く、間取りはワンルームや1K、1DK、1LDKが大半です。
しかし、広さだけでは単身者向けかファミリータイプかを判断しづらい場合があります。
以下の2つの実在する物件を見てみましょう。
1つ目は、広さが30平方メートル少々の1LDK物件です。
リビングがかなり広く取られている物件で、寝室は1つです。この間取りで、3人以上の家族が生活をするのは不便でしょう。
単身者向け物件で、中でも所得が高い人を対象にしていると思われます。
2つ目は、60平方メートルで3LDKの物件です。
広さがちょうど倍近くあることもさることながら、間取りが明らかにファミリータイプです。
単身者向けなのか、ファミリータイプなのかは、広さと間取りの両方から判断するのが最も確実です。
(3)設備
住宅設備の面でも、単身者向けとファミリータイプでは、価値観が異なります。
単身者向けであれば、無料インターネットやオートロック、また留守がちであることを考慮して宅配ボックス、浴室乾燥などに人気が集まりやすい傾向があります。
ファミリータイプの賃貸物件の場合は、本格的な調理をすることが多いのでシステムキッチンや大きな収納、高齢者の生活を意識した浴室暖房や床暖房などが人気です。
留守がちで「寝るだけ」ということが多くなりやすい単身者に対して、複数世帯は家にいる時間が長いことが考えられます。
そのため、複数世帯が住むことになるファミリータイプ物件は、家にいる時間を快適・便利に過ごすことに主眼が置かれます。
(4)立地編
ファミリータイプ賃貸で、物件選びに大きく影響するのが、立地条件の違いです。
単身者向けの場合は、
- 駅から近い
- 都心や繁華街から近い
など、利便性に優れた立地条件が好まれます。
ファミリータイプの場合は、
- 学校が近い
- 周辺環境・治安が良い
- 病院や介護施設が近い
など、子供や高齢者の生活環境が重視され、家族の生活パターンに応じた価値観が優先されます。
駅から必ずしも近くなくても良いという点も、ファミリータイプ賃貸の特徴といえるでしょう。
(5)投資効率編
投資家の目線で投資効率を比較すると、ファミリータイプと単身者向けとでは、単身者向けに軍配が上がります。
例えば、ワンルーム物件1戸と3DK物件1戸では、広さに3倍の差があったとしても、家賃がそのままワンルーム物件の3倍になるわけではありません。
全室が満室になっている前提で比較すると、ワンルーム物件を3戸運用するほうが、家賃収入は高くなります。
しかし、ファミリータイプ賃貸物件には、ファミリータイプ物件特有のメリットがあります。
ファミリータイプのメリットが、不動産投資を安定化させるため、ファミリータイプ賃貸に絞って不動産投資を行っている投資家も少なくありません。
次章では、ファミリータイプ向け賃貸経営のメリットを解説します。
2、ファミリータイプ物件投資のメリット4つ
(1)入居者の属性が高い傾向がある
ワンルーム物件よりも広さがある分、必然的に家賃相場が高くなります。
家賃相場が高くなるに伴い、ファミリー層のほうが比較的入居者の質が高くなる場合が多いため、賃貸経営をしていく上で優良顧客に恵まれやすいというメリットがあります。
(2)入居期間が総じて長く賃貸経営が安定しやすい
ファミリータイプ物件投資のメリットとしてよく言われているのが、入居期間の長さです。
単身者向けワンルーム物件だと、比較的学生も多く入居することになります。専門学校生であれば2年、大学生であれば4年という大まかな居住期限があります。
就学期間を終えると、就職先に合わせて引越することも多く、あくまでも仮の住まいという位置づけで利用されることが一般的です。
一方で、ファミリータイプ物件は、転校を避けるために居住し続ける可能性が高く、小学校+中学校の9年間は退去しないということも考えられます。
以前であれば、敷金や保証金で入居時に一時的な収入が見込めましたが、最近では入居時の費用が下がる傾向にあるため、退去時の原状回復費を捻出するのが難しくなっています。
入居時費用低下の傾向がある時代背景において、一度入居したら長く入居する可能性が高いファミリータイプ投資は、安定的な賃貸経営を見込めるでしょう。
(3)立地条件が良くなくても集客しやすい
単身者向けワンルームは、都心や繁華街からの交通アクセスが重視される傾向にあります。
一方、ファミリータイプは周辺環境や治安、公園の有無など子育てに向いている立地条件が優先されやすく、必ずしも駅から近くなくても需要があるのです。
複数台のクルマを所有する家庭は、近隣に駐車場を確保しやすいことを優先するため、駅から遠い物件のほうが有利になることもあります。
(4)需要と供給のバランスが取れている
相続対策や、昨今の不動産投資ブームも相まって、大都市圏では需要の高い物件として単身者向けマンションやアパートの新築事例が、とても多くなっています。
単身者向けマンションやアパートの新築事例が増え続けると、いつか供給過剰になり、さらに築年数が古くなってきた物件は、競争力を失う可能性が高まります。
しかし、ファミリータイプの賃貸物件は、ブームに左右されることなく需給のバランスが比較的安定しているため、今後においても安定的な賃貸経営ができる可能性は高いでしょう。
3、ファミリータイプ物件投資のデメリット3つ
本章では、ファミリータイプ物件で不動産投資を行う際のデメリット3つを、以下のとおり解説します。
(1)実質利回りが低い
ファミリータイプ物件は、広さの割に家賃を高くするのが難しいため、結果として実質利回りが高くなりにくい物件といえます。
ワンルーム物件3戸分の広さがあるからといって、同じ地域のワンルーム3戸分の家賃を設定することは難しいからです。
一方で、広さがあるため、税金やリフォーム費用など物件を維持するコストが高くなります。
結果として、実質利回りはファミリータイプ物件のほうが低くなります。
(2)物件価格が高い!初心者向きではない
同じ区分マンション投資で比較すると、一般的に単身者向けワンルーム物件のほうが、初心者向きであるとされています。
単純に、ファミリータイプのほうが物件価格の相場が高いことが理由です。
想定通りに運用できなかったときのダメージを考えると、ファミリータイプは不動産投資経験のある人向きといえるでしょう。
(3)賃貸住宅だけでなく分譲住宅もライバルになる
ファミリータイプの賃貸住宅に住んでいる層を考えると、同時にマイホームの購入を検討している層とも重なります。
単身者向けでは、卒業や就職といった節目での退去が多いので、ある程度見通しが立ちやすいでしょう。
一方で、ファミリータイプの賃貸住宅の場合は、入居者の事情だけでなく「マイホーム購入」が退去の理由になることがあります。
分譲住宅もライバルになり得るため、全体的に入居期間が長いとはいえ、入居期間の見通しが立ちにくい部分があります。
4、ファミリータイプ物件で成功させるポイント3つ
本章では、不動産投資を成功させるファミリータイプ物件ならではの、3つのポイントを解説します。
(1)間取りの上限は4LDKまで
ファミリータイプの賃貸住宅を探す人の家族構成は、おおむね3~4人の親子世帯です。
祖父や祖母が加わる3世代家族となると、マンションでは手狭なので、戸建住宅を検討する世帯が多くなるためです。
「3~4人の核家族」が主なターゲットであることを踏まえると、間取りは3DKから、広くても4LDKまでで十分でしょう。
4LDK以上の広さになると、需要がある層が極端に少なくなるので、ボリュームゾーンを狙うのが基本です。
また、ファミリータイプ物件を探す人は、部屋の数が多い物件を好む傾向があります。
それぞれの部屋が広くなくても、2人分の子供部屋と親夫婦の寝室が確保できる3LDK物件に人気が集まりやすいので、物件選びの際に参考にしてください。
(2)小学校の校区に着目する
文教地区といわれるようなエリアでは、小学校の校区が物件の人気を左右することがあります。
近所で人気の小学校の校区にある物件は、家賃が少し高くても入居者が集まりやすいです。もちろん物件価格もその分高くなりますが、安定的な賃貸経営のためにも、小学校の校区は意識したいところです。
以上の点は、単身者向けワンルーム物件などを検討する場合は、あまり考慮する必要がなく、ファミリータイプ物件での不動産投資ならではのポイントといえるでしょう。
(3)ファミリー層が好む住宅設備で集客力アップ
「1ー(3)ファミリータイプと単身者向けの違い 設備編」で述べているように、ファミリータイプでは、入居候補となる人たちが好む設備が集客力に大きく影響します。
ファミリータイプの賃貸住宅で強く意識されるのは、
- 安全性
- 快適性
- 家事を支援する設備
です。
以下のような設備がある物件は、賃貸経営上有利になると考えられます。
- 浴室乾燥
- 追い炊き機能付き給湯器
- 浴室暖房、床暖房
- ホームセキュリティ、オートロック
- TVモニター付きインターホン
- システムキッチン(食洗器、IHクッキングヒーターなど)
格安物件を購入した後で、リフォームによって上記の設備を追加するのも一考に値します。
5、ファミリータイプ賃貸物件の探し方
ここまで、ファミリータイプ物件の基本、メリット、デメリットをお伝えしてきました。
ファミリータイプ物件の魅力に気付いた方も、多いのではないでしょうか。
本章では、ファミリータイプ物件を検討したくなった方のために、不動産投資を成功させるファミリータイプ物件の探し方を3つご紹介します。
- 不動産投資会社に相談する
- 不動産ポータルサイトで探す
- 地場の不動産業者で探す
(1)投資用マンションを取り扱う不動産投資会社に相談する
投資用マンションを扱う不動産投資会社に相談し、ファミリータイプ物件で不動産投資を検討していることを伝えておく方法があります。
営業担当者に希望のエリア・立地・間取りを伝えることで、該当する物件をピックアップしてくれます。
また、そのタイミングではファミリータイプ物件が少ない、もしくは無かったとしても、該当する物件があった場合に連絡をしてもらうよう依頼できるでしょう。
ファミリータイプの物件は、単身者向けの物件より相場が高額なため、新築よりも価格が安い中古物件がおすすめです。
以下にて、投資用中古マンションを扱う不動産投資会社を3つピックアップします。
①J.P.Returns
J.P.RETURNSでは、投資家のニーズに合わせ「低価格高利回り物件」「都心築浅ハイスペック物件」「都心ファミリー物件」を取り揃えています。
またスマホで読める電子書籍だけでなく、動画や個別相談など不動産投資について学べるコンテンツが充実しています。まずは資料請求をしてみてください。
②RENOSY
RENOSYは、東証グロース上場企業であるGAテクノロジーズが運営する不動産にまつわるすべてをアプリで完結できるサービスです。
データを活用して物件を厳選し、不動産投資売上No.1となっています。ぜひ資料請求してみてください
③エイマックス
営業担当者が集客からご提案、ご契約までを一気通貫で行い、少人数で大きなパフォーマンスを出すことで、お客様にとって質の良い物件をご提案することを目指す不動産投資会社です。
適正賃料かつ中古、東京23区(一部川崎、横浜)で入居率の高い立地(徒歩10分圏内)にこだわって仕入れた物件を扱っています。
(2)不動産ポータルサイトで探す
投資用不動産の情報を幅広く取り扱っているポータルサイトは、毎日のように登録業者からの物件情報が掲載されています。
ポータルサイトの良いところは、情報の量が多いことです。
まずは、相場を知るという意味も含めて、どんなファミリータイプの物件が売りに出されているのかを見てみましょう。
気になる物件があったら、気軽に問い合わせをしてみましょう。
購入に至らなくても問題はないので、ファミリータイプの物件が実際どのような物件なのかを知るだけでも、大いに価値があります。
【LIFULL HOME’S 不動産投資】
(3)地場の不動産業者で探す
日本全国には、それぞれの地域に密着した地場の不動産業者があります。
地場の不動産業者には、地元の人にしか知り得ない質の高い情報や地域に密着した人脈などがあり、大手とは異なる強みを発揮している業者も多く、侮れない存在です。
ファミリータイプの賃貸投資を成功させるために、強力なパートナーになってくれるでしょう。
地場の不動産業者の魅力や相談をする方法については、「情報を制するものが不動産投資を制す!質の高い物件を仕入れる方法」内で詳しく解説していますので、ぜひご活用ください。
ファミリータイプ物件の不動産投資に関するQ&A
Q:1 ファミリータイプ物件とはどのような物件ですか?
ファミリータイプ物件とは、2世代以上の家族構成の入居者が生活できる仕様の住宅物件のことです。
Q:2 ファミリータイプ物件の不動産投資を成功させるポイントはなんですか?
ポイントは、
- 間取りの上限は4LDKまで
- 小学校の校区に着目する
- ファミリー層が好む住宅設備で集客力アップ
の3つです。
Q:3 ファミリータイプ物件はどこで探せばいいのでしょうか?
探し方は、以下の3つの方法があります。
- 不動産投資会社に相談する
- 不動産ポータルサイトで探す
- 地場の不動産業者で探す
まとめ
ファミリータイプ物件の賃貸投資についての特徴や、単身者向け物件との比較、投資を成功させるポイントなどについて解説してきました。
この記事ではファミリータイプの物件に特化して解説しましたが、他の物件で投資を成功させる方法と共通する部分も少なくありません。
不動産投資の目的に合わせて選択することで、リスクを抑えられるでしょう。