何度か引っ越しをしたことがある方なら、物件探しの楽しみをよく知っていると同時に、なかなか満足いく物件に出会えないという経験もあるのではないでしょうか。
今回は、数多い賃貸物件の中から効率よく満足いく物件を探す方法について、多くの引っ越し熟練者の意見を踏まえて整理してみました。
ご参考になれば幸いです。
実際にスムーズに物件探しを進めてもらえるように全手順のチェックリストをダウンロードできるようにしました。
以下では、それぞれの手順について詳しく書いていきます。
目次
1、予算の確認
まず、賃貸物件を借りる際の費用についてみてみましょう。
(1)費用の内訳
初期費用
まず、初期費用について見ていきます。
具体的な内訳として、大きく以下の費用が挙げられます。
- 敷金(家賃の1〜2ヶ月分)
- 礼金(家賃の1〜2ヶ月分)
- 契約日からの日割り家賃
- 翌月の家賃(前払いのため)
- 仲介手数料(家賃の1ヶ月分)
- 火災保険など入居者保険(15,000〜20,000円前後)
- カギ交換代
- 保証料
合計して大体家賃の3〜6ヶ月分が目安になるでしょう。
月額費用
入居後毎月以下のような費用が挙げられます。
- 家賃
- 電気代
- 水道代
- ガス代
(2)家賃は手取りの3割以下
賃貸物件を借りる場合は、毎月家賃の支出以外には、電気、水道、ガスなどの出費もありますので、一般的には家賃の金額は手取りの3割以下が目安だと言われています。
例えば、手取り20万円の場合、家賃7万円以内でおさえましょう。
2、家賃の相場を調べる
物件の条件で検索する前に、まずWEBにて住んでみたいエリアの家賃相場を確認しましょう。ある程度エリアを絞ったら、そのエリアを中心にいろいろな物件を見て、条件ごとの相場感を把握しておくとよいでしょう。
家賃相場を調べるには、インターネットで「家賃相場」のキーワードで検索すれば、数多くのサイトが上がってくるのでそれらを利用するとよいでしょう。以下情報数が多い3つのサイトをピックアップしましたので、参考にしてみて下さい。
(1)LIFULL HOME’S
(2)CHINTAI
(3)SUUMO
3、希望条件を決める
予算が決まりましたら、続いてはエリア、間取りなど賃貸物件探す時の基本条件を決めます。
こういう部屋に住みたいなどの条件はいろいろあると思いますが、しかし、100%希望通りの物件を探し出すのは簡単なことではありません。納得のいくお部屋探しは「条件の優先順位」を決めることは大切と言えるでしょう。
一般的には、賃貸物件を探す時の基本条件としてエリア、間取り、最寄り駅からの距離があげられます。
(1)エリア
勤務先や学校へのアクセスが物件選びの重要なポイントと言えるでしょう。
乗り換えの回数は1回まで、通勤時間は30分以内などといった条件でエリアを決められる方が多いようです。
なお、あまり土地勘のないエリアだと治安の面で気になる方も多くいらっしゃると思います。以下、警視庁が発表している東京都の犯罪情報マップがありますので、住んでみたいエリアの治安状況について事前に参考にしてみてください。
警視庁犯罪情報マップ
(2)間取り
部屋が広いのはいいですが、しかし、部屋が広いだけであまり収納がない場合は、家具が必要となり結局部屋が狭くなってしまいます。従って、広い部屋を重視するのもいいですが、収納力の優れた物件を選ぶのをおすすめします。
(3)最寄り駅からの距離
一般的には、不動産業界で最寄り駅からの徒歩時間「1分=80m」で計算しています。800mの場合は、10分かかるとの表示になります。しかし、この計算は少し早歩きの計算になりますので、実際は表示された時間よりもう少しかかるという認識をしといた方がいいでしょう。
4、部屋の設備・仕様の希望を決める
下記一人暮らしの方に実施した「部屋について欲しい設備・仕様」のアンケート結果を見て頂ければ分かりますが、
- 1位、エアコン
- 2位、バス・トイレ別
- 3位、クローゼット
なお、4位に「2階以上」が入っていることは、やはりみなさんはセキュリティの面も重視していることが言えるでしょう。
また、「ついてなくて後悔した」と思う設備・仕様のアンケートもありますので、みなさんの部屋設備・仕様の条件決めに参考にしてみてください。
「ついてなくて後悔した」と思う設備・仕様のアンケート結果はこちら
5、不動産会社を見つける
部屋の条件が決まりましたら、実際に物件検索をしてみましょう。
インターネットで「賃貸物件」というキーワードで検索すれば、数多くのサイトが上がってきます。以下、取扱物件数が多く、都心エリアの情報が多いサイトをピックアップしますので参考にしてみてください。
(1)インターネットで検索
■恵比寿不動産~人気の都心エリアの賃貸情報
■Yahoo!不動産
http://realestate.yahoo.co.jp/
■HOME’S
■CHINTAI
条件に合致する物件がありましたら、いきなり電話をするのではなく、物件を扱っている不動産業者にまずメールで問い合わせするようにしましょう。
なお、問い合わせをした物件はもう契約済の可能性も考えられますので、備考欄に以下のような内容も記載し、条件を満たす他の物件を紹介してもらうようにしましょう。
- 物件に対する条件
- いつまでに紹介してほしい
- メールでの返信を希望
最近は不動産業者もかなり増えており、中にはあまりサービスがいいとは言えない業者もあります。メールにて迅速かつ適切にこちらの要望に対応してくれた不動産業者を選ぶようにしましょう。
(2)実際に不動産会社にいく
不動産業者から紹介された物件の中にいい物件がありましたら、実際に不動産会社に足を運びましょう。
物件の図面だけではわからない情報もありますので、実際に担当者からの説明も聞き、もう少し物件について詳しく把握するようにしましょう。
6、物件を内見する
気に入った物件が見つかったらすぐに内見に行きましょう。
(1)どのくらいの数の物件を内見する?
一般的には5〜10物件の方が多いようです
(2)物件内見時の持ち物は?
まず、以下のものを忘れずに物件内見時に持っていきましょう。
- 5m以上のメジャー
- メモ用紙などの筆記用具
- カメラ(携帯での代用可)
(3)物件内見時のチェックポイントは?
物件内見時大きく以下3つのポイントでチェックするようにしましょう。
- ①室内のチェックポイント
- ②建物全体のチェックポイント
- ③周辺環境のチェックポイント
では、それぞれについて見てみましょう。
①室内のチェックポイント
- 日当たり
部屋にきちんと日差しが入るか、明るさがあるかどうかを確認しましょう。一番いいと言われているのは南向きで、東向きなら午前中で、西向きなら午後の方が日当りがいいでしょう。
- 窓からの眺望
目の前に大きな建物があるかどうかを確認しましょう。また、隣の建物との距離などプライバシーの面も確認しましょう。
- 部屋の広さ
図面で部屋の大きさが表示されても、実際に持ち込む予定の家具のサイズを事前に測り、置けるかどうかを確認しましょう。また、家具などが入った場合の部屋の広さについてもイメージしてみてください。
- 騒音
大通りや線路の近くでなければあまり気にならないですが、窓を開けて実感してみてください。
- 収納の使いやすさ
収納の奥行き・高さ、収納しやすいかなど何を収納するかイメージしながら確認しましょう。
- 設備
エアコン、コンロ、照明、インタホンなど実際使えるかどうかを確認しましょう。
- 冷蔵庫・洗濯機置き場
事前にサイズを測り、入るかどうか確認しましょう。冷蔵庫の扉の向きによっては所定の置き場では使いにくい場合がありますので、それも含めて確認してください。
- 水回り
水回りで使う小物などが多いので、洗面所やキッチンの備え付けの収納は充実しているかどうか確認しましょう。あまり無い場合は、取り付けられるスペースがあるかどうかも確認しましょう。
- バルコニー
洗濯物が干せる奥行きがあるかどうか、女性の場合は、安心して干せるプライバシーについても確認しましょう。 - 内装
床やフローリング、壁などに傷があるかどうか確認しましょう。もしあるのであれば、写真などを撮りましょう。 - コンセント・テレビ・電話端子の数と位置
位置は便利かどうか、数は足りるかどうかを確認しましょう。 - スマホなどモバイル機器の電波状況
部屋中を歩き回って、スマホ、WIFIなどの電波状況を確認しましょう。
②建物全体のチェックポイント
- 玄関や廊下
きちんと掃除がされているか、他の部屋の入居者の私物などが置かれていないかどうかを確認しましょう。
- ゴミ置き場
ゴミ置き場の位置や状態、ルールは守られているかどうかについて確認しましょう。
- 駐輪場の位置
駐輪場がある場合は、屋根付きかどうかを確認しましょう。
- 駐車場の位置
駐車場がある場合は、機械式か平置きかなどについて確認しましょう。
- 宅配ボックス
宅配ボックスがある物件は、宅配ボックスの大きさや個数など確認しましょう。 - 防犯カメラ
オートロックがある物件であれば安心ですが、ない物件はきちんと防犯カメラが設置されているかどうかを確認しましょう。 - 建物の周囲
隣の物件と離れているかどうか、出入りしている住民などを見てみましょう。
③周辺環境のチェックポイント
- 昼と夜最寄り駅まで歩く
昼と夜の人の流れはかなり変わりますので、昼間では賑やかだった通りが夜になると急に人通りが少なくなったり、街灯が暗かったりなど全く雰囲気が変わることもあります。特に女性の場合は、一人で夜道歩く安全性が大切ですので、きちんと昼と夜確認するようにしましょう。
- 最寄り駅までの時間を調べる
募集図面の徒歩時間を目安に、自分の足で計ってみましょう。
- バスの便利さを確かめる
バスなどを利用する方は、通勤時や帰宅時間帯の本数や最終バスの時間、深夜バスがあるかどうかなどについて確認しましょう。
- 駅前駐輪場の有無
最寄り駅まで自転車を利用する予定がある方は、駐輪場から駅までの距離、空きあるかどうか、料金などについて確認するようにしましょう。 - スーパー、弁当屋、飲食店などの商業施設の有無
スーパー、飲食店、クリーニング屋などといった日常生活に必要な商業施設があるかどうかを確認するようにしましょう。
なお、内見時にチェックを漏れないため、以上に挙げた項目について事前にチェックリストなどを作成し、物件の内見をしながらメモを取るといいでしょう。また、後日にあの物件どうだったっけなんてならないように、きちんと物件の写真も撮るようにしましょう。
(4)家賃など契約内容を交渉する
物件を内見し、気に入った場合は、申込をしたいところですが、ここでやはり少しでも費用を安くおさえたいので、家賃、礼金などの費用について交渉をしてみましょう。
人気のある物件はなかなか難しいですが、そのような場合でも、「即契約するので安くして下さい」など不動産業者にも、大家にとってもメリットを感じられるような条件をつけて交渉するとよいかもしれません。
7、引越し時期
物件を借りる時期によって、安く借りられたり、初期費用などの交渉がし易くなることがあります。
ここでは、それぞれの時期の特徴について書いていきます。1〜3月は物件数が豊富な一方、需要も多いので家賃は相対的に高めになり、かつ家賃交渉もしづらい傾向があります。これに対して8月は物件数が少なめな反面、需要が少ないこともあって家賃交渉はしやすい傾向があります。
もし、引越し時期を選ぶ余裕があるのであれば、各時期の特徴を把握して引っ越ししましょう。具体的には設備・仕様にこだわるのであれば物件の豊富な1〜3月に多くの物件の中から比較検討して探すべきですし、家賃を安めにおさえたいのであれば8月に物件を探すとよいでしょう。
1〜3月
賃貸市場のピークシーズンです。新年度の開始4月に合わせて、新大学生、新社会人など賃貸物件に対するニーズが多いことから、賃貸市場の動きも大きく、物件情報も一番多いです。
☆ポイント☆
需要が大きいことから家賃の設定も高く、家賃交渉もほとんどできないと言えるでしょう。
4〜7月
3月末で退去となった物件には、1〜3月で探して入居する方々とタイミングと合わないため、掘り出し物件が多くあるとされています。また、4月の時点で入居者が決まらないと1年中空室となる可能性もあるため、4月のタイミングは交渉もしやすい時期といえるでしょう。
☆ ポイント☆
ピークシーズンではないですが、転勤など少し引っ越しのタイミングの調整が出来る方の需要があります。なお、家賃交渉の難易度は普通と言えるでしょう。もっとも、8月に近付くにつれて容易になる傾向があります。
8月
8月は、一旦賃貸市場が落ち着いた時期と言われています。この時期に引っ越しをする方も少ないので、物件数もあまり多くないようです。ただ、外資系の企業は国によって9月が新年度のところもありますから、全く動きがないわけではありません。
☆ ポイント☆
全体的の動きが少ない時期なので、家賃の交渉はもっともしやすい時期と言われています。物件にもよりますが、ピークシーズンの1〜3月に比べ、5千円から1万円前後で交渉ができるところもあります。
9~11月
1年のうちでは1~3月の次に物件が動く時期です。9月前半~中旬で決まらないと9月下旬から11月に向けて家賃が下がり始めます。
☆ ポイント☆
一年のうち11月の家賃設定が一番安いので、賃貸物件を探されるのは一番いい時期と言えるでしょう。
12月
12月は、学生は部屋探しのチャンスと言われています。新社会人が賃貸物件を探す前に、早めに通う予定の大学のキャンパスの近くの物件を決めましょう。
☆ ポイント☆
日割り家賃などの交渉をしやすい時期です。
まとめ
今回は効率よい賃貸物件の探し方について探していきましたがいかがでしたでしょうか。お役に立ちましたら幸いです。