• 不動産売却
  • 2018/8/2

不動産売却したら確定申告が必要?損しないために知っておきたい9つのこと

不動産を売却して売却益が出た場合、売却した年度末に確定申告をする必要があることはご存知と思います。

しかし、

  • 「確定申告の仕組みや必要な書類、手続きの流れなどが分からない」
  • 「確定申告について詳しく知りたい」

という人もいるでしょう。

不動産の売却では、もし損失が出た場合、確定申告をすることで給与などの所得と損益通算して税金を安くおさえることができます。

そこで、この記事では

  • 確定申告とは? 確定申告をしないとどうなる?
  • 不動産を売却したら必ず確定申告しなければならない?
  • 「譲渡所得」による確定申告
  • 「譲渡損失」による確定申告

このような不動産売却後の確定申告に必要な書類や申請手続きについてまとめました。

ぜひ参考にしてください。

※この記事は2015年1月27日に公開したものを2018年8月2日に加筆修正しました。

1、確定申告とは?確定申告をしないとどうなる?

(1)確定申告とは

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得を合計し、所轄の税務署に確定申告書を提出して申告・納付する手続きを行うことをいいます。

一般的に会社に勤務するサラリーマンの方でしたら、給与以外の所得がなければ会社が年末調整の手続きを行ってくれるので確定申告する必要はありません。

しかし、給与所得の以外に収入がある場合は、自分自身で確定申告をする必要があります。

(2)確定申告をしないとどうなる?

もし、確定申告をしなければいけないのにもかかわらず、確定申告を行わなかったらどうなるのでしょうか?

確定申告をしなかった場合、法定納付期限の翌日から完納の日までの「延滞税」がかかります

そうならないためにも、期間内で確定申告を行うようにしましょう。

2、不動産を売却したら必ず確定申告をしなければならない?

1不動産を売却した時は、年度末に必ず確定申告をしなければならないのでしょうか?

不動産の売却により売却益が出た場合は、もちろん確定申告を行う必要があります。

一方、損失が出た場合でも、確定申告することのメリットがある場合があるので、申請するようにしましょう。

つまり、売却益が出たか出なかったかにかかわらず、確定申告は必ず行うべきなのです。

それでは、「売却益がある場合」と「損失がある場合」について詳しく説明していきましょう。

(1)売却益がある場合

不動産を売却したことによって売却益が出た場合、税法上では「譲渡所得」と区分されます。そして、確定申告して「譲渡所得税」という税金を納めなければなりません。

(2)損失がある場合

売却によって損失が出る場合には、税法上では確定申告する必要はありません。

しかし、要件を満たしていれば、確定申告をすることで給与などの所得と損益通算ができます。

そのため税金の還付金を受け取ることができたり、税金を安くおさえることができたりする場合があります。だから、損失が出ても確定申告をしておいた方がよいでしょう。

不動産売却で損失が出た場合に利用できる特例について、詳しくは、記事中の「5、譲渡損失が出た場合の確定申告」を参考にしてみてください。

(3)居住用の不動産も確定申告が必要?

確定申告する必要があるのは、投資用の不動産だけだと思われている人が多いようです。しかし、居住用の不動産も同じく確定申告を行う必要があります。

そのため、自宅を売却した場合もきちんと手続きするようにしましょう。

3、不動産売却後の確定申告は2種類ある!

以上の通り、不動産売却後の確定申告は大きく以下の2種類があります。

  • 譲渡所得の確定申告
  • 譲渡損失が出た場合の確定申告

確定申告の種類によって、必要とする書類など確定申告の内容が異なりますので、以下にてそれぞれについて詳しく説明していきます。

4、譲渡所得の確定申告

1まずは、不動産の売却で利益が出た場合の確定申告について説明します。

不動産売却で売却益が出た場合、確定申告して不動産の「譲渡所得税」という税金を納めなければなりません。

「譲渡所得税」とは、不動産の売却により生じた所得に対してかかる税金のことをいいます。

(1)確定申告に必要な書類

譲渡所得の確定申告をするには、以下の2つの書類を用意する必要があります。

①税務署から入手する申請書類
②自分で準備する書類

それぞれ、説明していきます。

①税務署から入手する申請書類

まず、税務署から下記の申請書類を手に入れましょう。

書類の記入については、下記の記載例を参考にしてみてください。

②自分で準備する書類

次に自分で準備する書類について説明します。

自分で準備する書類は下記に示した売却した不動産に関連する書類のコピーと領収書です。

  • 不動産売却時の売買契約書
  • 不動産購入時の売買契約書
  • 仲介手数料、印紙税などの領収書

これらの書類は申請書類と一緒に提出する必要があるので、事前に用意しておきましょう。

(2)譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税は、以下の計算式で算出することができます。

譲渡所得税=課税譲渡所得×譲渡所得税の税率

詳しい計算方法は「損したくない方必見!事前に知っておきたい不動産売却時にかかる3つの税金」を参考にしてみてください。

(3)マイホーム売却時の3000万円特別控除の特例

マイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば、物件の所有期間に関係なく、譲渡所得から最高で3000万円の特別控除の特例を受けることができます。

①特例を受けるための適用要件

3000万円の特別控除の特例を受けるためには、以下のような要件を満たす必要があります。

  1. 自分が居住していた不動産
  2. 買手と売手の関係は、親子や夫婦など特別な間柄でない
  3. 売却した年をさかのぼって2年間に、この特例や譲渡損失などの特例を受けていない…など。

②必要な書類

上記「自分で準備する書類」で紹介した書類と共に、売却した日から2か月を経過した後に、売却した不動産の所在地の役所から、

  • 住民票除票

を受け取り、確定申告時に提出します。

③計算方法

3000万円の特別控除の特例を受ける場合、課税譲渡所得税は、以下の計算式にて算出することができます。

「譲渡所得税=(課税譲渡所得(長期/短期)-3000万円)×譲渡所得税の税率」

具体的な例を示して、説明しましょう。

【例】
売却した不動産の課税長期譲渡所得が3500万円の場合、3000万円の特別控除の特例を受けた場合、譲渡所得税はいくらになるでしょうか。

※復興特別所得税は考慮していません。

<計算方法>
(3500万円-3000万円)×20%(長期譲渡の税率)=100万円

3000万円の特別控除の特例について詳しく国税庁の「マイホームを売ったときの特例」を参考にしてみてください。

(4)所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例

不動産の所有期間が「10年以上」の場合は、軽減税率の特例を利用することができます。この特例は「3000万円の特別控除の特例」と併用して利用することができます。覚えておきましょう。

①特例を受けるための適用要件

  1. 日本国内にある自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地を売ること
  2. 売った年の1月1日で売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること
  3. 売った年の前年および前々年にこの特例を受けていないこと
  4. 売った家屋や敷地でマイホームの買い換えや交換の特例など、ほかの特例を受けていないこと
  5. 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

②必要な書類

軽減税率の特例を受けるには、3000万円の特別控除の特例を受ける際の申請書類と共に、

  • 売却した不動産の「登記事項証明書」

を提出する必要があります。

③計算方法

軽減税率の特例を利用した場合、以下の計算式で算出することができます。

【課税長期譲渡所得金額が6000万円以下の場合】

譲渡所得税=課税長期譲渡所得×10%(税率)

【課税長期譲渡所得金額が6000万円以上の場合】

譲渡所得税=(課税長期譲渡所得-6000万円)×15%(税率)

こちらも例を挙げて説明しましょう。

【例】
所有期間が11年の居住用不動産を売却後、3000万円の特別控除の特例を利用した後に、課税長期譲渡所得金額が1000万円の場合、譲渡所得税はいくらでしょう。

※復興特別所得税は考慮していません。

<計算方法>
1000万円×10%=100万円

軽減税率の特例について詳しく国税庁の「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を参考にしてみてください。

(5)買い換えの特例

不動産を売却した後に、改めて居住用不動産を購入した場合、買い換えの特例を利用することができます。

①特例を受けるための要件

買い換えの特例を受けるには、売却した不動産と買い換えした不動産に、それぞれで以下の条件を満たす必要があります。

【売却した不動産】

  1. 売却した年の1月1日において、所有期間が10年以上(具体的には平成17年12月31日以前に取得した不動産である)
  2. 居住期間が10年以上
  3. 売却価格は1億円以下…など。

【買い換えした不動産】

  1. 床面積が50平方メートル以上
  2. 築年数25年以内または耐震住宅
  3. 土地面積が500平方メートル以下
  4. 前の不動産が売却した年の前年から翌年までの3年の間に取得した不動産…など。

②必要な書類

買い換えの特例を受ける場合、以下の書類が必要になります。

【申請書類】
上記の「4、確定申告で必要な書類」の項目にある「税務署から入手する申請書類」で紹介した書類と共に、買い換え資産を取得した年度によって、該当する書類を選定して提出してください。

【自分で準備する書類】
上記の「4、確定申告で必要な書類」の項目にある「自分で準備する書類」で紹介した書類と共に、

  • 旧不動産の「登記事項証明書」
  • 新不動産の売買契約書など関連書類

が必要になります。

③計算方法

続いて、買い換えの特例を利用した場合の譲渡所得税の計算方法を説明しましょう。

  • 旧不動産:売却した不動産
  • 新不動産:買い換えした不動産

【新不動産の購入価格>旧不動産の売却価格の場合】
譲渡がなかったものとされ、譲渡所得税は一切かかりません。

【新不動産の取得価格<旧不動産の売却価格の場合】
下記の手順にて計算することができます。

  1. 「収入金額=旧不動産の売却価格?新不動産の購入価格」
  2. 「必要経費=(旧不動産の購入価格+旧不動産売却時の諸経費)×(収入金額/旧不動産の売却価格)」
  3. 「課税長期譲渡所得金額=収入金額-必要経費」
  4. 「譲渡所得税=課税長期譲渡所得金額×15%(税率)」

例を示して計算してみましょう。

【例】
下記条件で買い換えの特例を利用した場合の譲渡所得税はいくらになるでしょう。

  • 旧不動産の売却価格:4000万円
  • 旧不動産の購入価格:3000万円
  • 旧不動産売却時の諸経費:150万円
  • 新不動産の購入価格:3200万円

<計算方法>

  1. 収入金額=4000万円-3200万円=800万円
  2. 必要経費=(3000万円+150万円)×(800万円/4,000万円)=630万円
  3. 課税長期譲渡所得金額=800万円-630万円=170万円
  4. 譲渡所得税=170万円×15%=25万5000円

④買い換えの特例を受ける際の注意点

買い換えの特例を受ける場合、上記の「(3)3000万円の特別控除の特例」と「(4)所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例」の2つの特例との併用ができません。

注意しましょう。

買い換えの特例については、詳しく国税庁の「特定のマイホームを買い換えたときの特例」を参考にしてみてください。

(6)特例ごとに利用要件、譲渡所得の申請に必要な書類まとめ

以下に特例ごとに利用要件や、譲渡所得を申請する際に必要な書類を一覧表にまとめました。の際に参考にしてみてください。

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5、譲渡損失が出た場合の確定申告

1不動産を売却することで、損失が発生することもあります。

この場合、一定の要件を満たせば、不動産を売却した年度に給与など、ほかの所得と損益通算することができます。その結果、税金が安くなることがあります。

また、その年度に損失の控除をしきれなかった場合、譲渡の年の翌年以後最大で3年間繰り越すことができる場合もあります。

では、具体的に見ていきましょう。

(1)居住用不動産に買い換えなどでの譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例

特例を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

①特例を受けるための要件

【売却した不動産】

  • 所有期間5年以上

【買い換え不動産】

  • 床面積50平方メートル以上
  • 前の不動産が売却した年の前年から翌年までの3年の間に取得した不動産
  • 取得した年の12月31日で、残り10年以上の住宅ローンがある
  • 取得した年の翌年12月31日までの間に居住の見込みがある…など。

②必要な書類

譲渡損失を申請する場合、以下の書類が必要になります。

【申請書類】

  1. 確定申告書(国税庁)
  2. 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)(国税庁)
  3. 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書(国税庁)

【自分で用意する書類】

■売却した不動産の関連書類

  1. 登記事項証明書
  2. 売買契約書
  3. 住民票の除票…など。

■買い換えした不動産の関連書類

  1. 登記事項証明書
  2. 売買契約書
  3. 年末における住宅ローンの残高証明書
  4. 住民票

ただし、繰越控除の特例が適用されるのは合計所得が3000万円以下の年度に限ります。注意してください。

③計算方法

譲渡損失の金額は以下の計算式で算出ができます。

譲渡損失の金額=売却した不動産の購入価格-(売却した不動産購入時の諸経費+売却した不動産の売却価格)

例を使って説明しましょう。

【例】
6年前に3000万円(諸経費120万円)で購入したマンションを、2000万円で売却した場合の譲渡損失はいくらになるでしょうか?

<計算方法>
譲渡損失=3000万円-(120万円+2000万円)=880万円

「居住用不動産に買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」については、詳しく国税庁の「マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき」を参考にしてみてください。

(2)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例

居住用の不動産を売却した際に譲渡損失が出た場合、一定の要件を満たすと、「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用することができます。

①特例を受けるための要件

特例を受けるには、売却した不動産は以下の要件を満たす必要があります。

  • 所有期間は5年以上
  • 売却の契約を締結前日までの段階で、残りの住宅ローンの期間は10年以上

②計算方法

譲渡損失の金額は以下の計算式で算出することができます。

譲渡損失の金額=売却した不動産の購入価格-(売却した不動産購入時の諸経費+売却した不動産の売却価格)

【注意点】
注意してもらいたいのは、もし不動産の売却価格が、不動産売却の前日までの住宅ローン残高より低い場合、損益通算と繰越控除できる譲渡損失の金額に限度額が設けられてしまうという点です。

この場合には、以下の計算式で譲渡損失の金額を出します。

損益通算及び繰越控除可能譲渡損失の金額の限度額=住宅ローンの残高-売却した価格

例を挙げて説明しましょう。

【例】
7年前に諸経費を含め、合計4000万円で取得した不動産を2400万円で売却し、売却の前日までの住宅ローン残高は不動産の売却価格より高い3000万円だった場合、「損益通算及び繰越控除の特例」で受けられる譲渡損失の限度額はいくらになるでしょう?

<計算方法>
譲渡損失の限度額=3000万円-2400万円=600万円

詳しい仕組みについて国税庁の「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」を参考にしてみてください。

③必要な書類

譲渡損失を申請する場合、以下の書類が必要になります。

【申請書類】

  1. 確定申告書(国税庁)
  2. 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)(国税庁)
  3. 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書(国税庁)

ただし、繰越控除の特例の適用は、合計所得が3000万円以下の年度に限られます。注意してください。

「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」について詳しくは国税庁の「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を参考にしてみてください。

(3)まとめ

2つの特例の要件と違いを下記にまとめました。参考にしてみてください。

スクリーンショット 2015-01-27 9.12.14

6、確定申告の流れ

1確定申告の手続きは、以下のような流れになります。

  1. 確定申告に必要な書類を用意する
  2. 確定申告書の準備をする
  3. 確定申告書を作成する
  4. 提出書類の確認をする
  5. 確定申告書や関連書類を税務署に提出する

申請手続きについて詳しくは「不動産所得があるサラリーマンのための確定申告講座」を参考にしてみてください。

仕事が忙しくて、税務署で確定申告の手続きを行う時間がない人は、国税庁が運営する、税の申告や申請などのオンラインサービス「e-TAX(イータックス)で確定申告ができます。

e-TAXから確定申告を行う手順は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を参考にしてみてください。

7、会計ソフトを利用する

ここまで不動産を所有した際の確定申告について解説してきました。

一方で、記事を読んだ人の中には、「自分自身で確定申告をするのは大変だ」と思われている方も少なくないでしょう。

そんな人は会計ソフトを使うという方法もあります。

確定申告の申請書類を短時間で簡単に作成する会計ソフトはたくさんありますが、その中でもクラウドを使った会計ソフト『freee』がおすすめです。操作が簡単で大変利用しやすいソフトなので、ぜひ試してみてください。

8、税理士に依頼するのもOK!費用の相場は?

確定申告する際には申請書類の記入、必要な書類の用意など手間のかかる作業が多くあります。

そのため申告が初めての人や時間の余裕がない人は、税の専門家である税理士にお願いするのもよいかもしれません。

気になる税理士報酬ですが、相場は、一般的には4~5万といわれています。ただし、税理士によって8万円前後かかる場合もあります。利用するとなったら、料金は必ず確かめましょう。

9、税理士をどうやって探す?

知り合いなどの税理士がいない場合は、インターネットで「税理士 確定申告」などのキーワードで検索することができます。

また、以下のサイトでじゃ無料で税理士事務所の見積もりをもらうことができます。費用を比較することもできます。ぜひ利用してみてください。

税理士ドットコム

公式サイトはこちら

まとめ

今回は不動産売却後の確定申告に必要な書類や利用可能な特例などについて説明しました。売却益が出た場合はもちろんですが、売却で損をした場合でも税金が安くなる場合もあるので、確定申告は面倒ですが行っておく方が得策です。

また、不動産の売却で知っておきたいことについては「不動産を売りたい方必見!高額で不動産を売却する方法」の記事で解説しているので参考にしてみてください。

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