様々な理由で急いで不動産を売却したいとき、不動産会社に不動産を買い取ってもらう「買取」は有効な選択肢の1つです。
この記事では、不動産を買取で売却する時に、知っておくべきポイントについて、説明していきます。
買取価格の相場は市場で売却できる価格の「60~70%」といわれています。
目次
1、不動産買取とは?
不動産買取とは、不動産会社や買取会社などの業者自体に直接買い取ってもらい売却する方法です。
不動産売却のもう一つの方法である仲介とは異なり、買主に売却するわけではありません。具体的には以下の図の通りです。
不動産の買取には2種類の売却方法があります。
(1)即時買取
「即時買取」とは、言葉の通り、不動産会社にすぐに買取ってもらう方法です。
この方法は、早急に不動産を売却する必要がある人に向いています。
しかし、売却価格が「買取保証」と比べて安くなる傾向があります。この点は認識をしておきましょう。
(2)買取保証
「買取保証」とは、一定の期間を設定して売却活動をし、期間中に買い手が見つからなかった場合、事前に約束した価格で不動産会社が買い取る方法です。
この方法は売却期間に少し余裕がある方に適しています。また、即時買取に比べて高く売れる可能性があります。
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2、不動産買取のメリット・デメリット
不動産買取のメリット・デメリットを紹介します。
メリット1:短期間での売却が可能
違いでも述べましたが、買取が仲介と比べた場合で最も大きなメリットは、短期間で売却できることでしょう。
買取では、早ければ数日から数週間程度で物件を現金化することができます。一方、仲介の場合は、買主の集まり状況にもよりますが、一般的には売却には最低でも3か月程度はかかるといわれています。
メリット2:他人に知られることなく売却することができる
不動産を売却する理由は様々です。中には他人に知られることなく売却したい人もいます。
その場合、買取ならば不動産会社に直接に売るため、広告などを一切行うことなく売却することができます。そのため、他人に知られることなく売ることができるのです。
メリット3:資金計画が立てやすい
もし新しい物件の購入や事業資金を作りたいと考えている場合、買取であれば、買い取ってくれる会社さえ決まれば、短期間での売却が可能になるため、資金計画が立てやすくなります。
メリット4:売主の契約不適合責任が免責される
買取では買主が不動産会社になることで、設備の不具合などを踏まえた上で購入します。そのため、売却したら売主の義務となる設備修復責任や契約不適合責任が免責になります。同時に後の面倒なトラブル発生のリスクを回避することも可能になるのです。
一方、仲介では、売却してから1年以内に物件に何らかの欠陥が見つかった場合、売主に契約不適合責任による修復の義務が発生します。そうなると、せっかく高い金額で売却したにもかかわらず、修復に多額の費用がかかり、逆に損をしてしまうこともあります。
メリット5:内覧が不必要
買取では、不動産会社が一度、物件の確認を行えば、その後は内覧が不要になります。しかし、仲介の場合は、購入希望者の内覧希望はできるだけ受け付けて、都度行わなければいけません。買取であれば、仲介に比べて時間や労力が軽減できます。
メリット6:仲介手数料がかからない
買取は直接業者に不動産を売却するので、仲介手数料が発生しません。仲介手数料の費用を節約することができるのです。
一方、仲介の場合は、仲介をしてくれた不動産会社に成功報酬として仲介手数料を支払うことがほとんどです。
デメリット1:仲介よりも買取価格が安くなる可能性がある
仲介との違いでも述べたように、不動産会社は、購入した物件に付加価値を付けて販売することを前提に買取をします。
そして、「リフォーム費用」「売主からもらえない仲介手数料(人件費)」などの費用を差し引き、設備修復責任や契約不適合責任などのリスクを加味した上で、利益が確保できるように買取価格を算出しています。
そのため、一般的には仲介よりも買取価格が低くなり、60〜70%が相場です。
デメリット2:物件によって不利な条件になったり買取できない場合がある
買取では「物件を安く購入してリフォーム(=付加価値を付ける)して再販すること」が不動産会社の利益の出し方です。
この考えの場合、新築や築年数が浅い物件はリフォームする部分が少ない、つまり付加価値が小さくなるため、買取では不利になることがあります。
そして、こうした物件は仲介の方が高く売れる可能性が高くなるのです。
また、再建築が不可能な物件や壁などが過度に老朽化している物件など、リフォームができない、できても販売が難しい不動産は買取を断られることがあります。
敷地の分割ができない土地も法規制や近隣との取り決めなど条件が厳しいため、敬遠される場合があります。
3、不動産の買取に向いている状況や条件
不動産買取のメリットとデメリットを踏まえて、買取に向いている状況や条件をまとめました。この章の項目に該当する場合は、不動産の売却において買取を選択したほうが有利になる可能性大です。
(1)早く売却して現金化したい
不動産をできるだけ早く売却して現金化したいという方は、不動産の買取に向いています。
何らかの事情でお金の入用があって、所有している不動産を少しでも早く現金化したいのであれば買取を検討しても良いでしょう。仲介よりも売却価格は低くなってしまうことは避けられませんが、スムーズにいけば2~3週間程度で現金を手にすることができます。
ただし、買取による売却を検討していることは伝えない方が良いかもしれません。なぜなら、急いでいることが不動産会社に伝わってしまうと足元を見られてしまい、ただでさえ低くなる買取価格がさらに低くなってしまう可能性があるからです。
(2)売却の理由が離婚などで他人に知られたくない
売却理由を周囲に知られたくない方も不動産買取の売却が向いています。
マイホームを売却する理由として他人に知られても特に問題がないのは、「手狭になったから引っ越す」といったポジティブなことくらいでしょう。それ以外の離婚や事業の失敗による現金需要など、ネガティブな理由でマイホームを売却するとなると、近所の人たちに知られたくないという心理が働きます。
仲介だと一人でも多くの人に売却情報を知ってもらう必要があるので、当然ながら近隣にも売り物件の広告がまかれます。ポスティングや折り込みチラシなどで自宅を売りに出していることが近所に知られる可能性は高く、それが離婚などと関連しているとなると、余計な憶測や噂が立ってしまう可能性もがあります。
買取であれば当事者が売主と不動産会社だけなので広告を打つ必要がなく、近所に知られずに売却を完了することが十分可能です。
(3)手間を省きたい
買取による不動産売却は、仲介よりも手間がかかりません。
不動産を売却する一連の作業は、面倒だと感じる人が多いのも無理はないほど多くの手間を伴います。
仲介の場合は買主候補が現れたら内覧として自宅に他人を招き入れないといけませんし、そのほとんどが週末など休日に行われます。これらが嫌だと感じる方は、仲介ではなく買取向きです。
また、買取だとすでに述べてきたように瑕疵担保責任を負う必要がありません。売却したあとで、1年間も何か問題が起きるかも知れないという不安を抱えながらすごすのは面倒だとお感じの方は、後腐れのない買取を選択するべきでしょう。
(4)仲介でなかなか売れない
不動産会社に仲介を依頼して半年~1年経っても買い手が見つからない場合は、買取を選択することをおすすめします。空き家状態であればなおさらでしょう。
物件を所有している間は毎年、固定資産税を納めなくてはなりません。マンションであれば住んでいなくても管理費や修繕積立金の支払い義務が発生します。出費が続くことを考えたら、少々価格が下がったとしても、買取で早めに手放したほうがお得ではないでしょうか。
また、長期間市場に出ている物件は、買主側に「なにか問題があるのでは」と思われて、敬遠されがちです。年数が経つほど資産価値が下がり、希望していた売却価格よりも大幅な値引きが必要になるのかもしれないので、早い段階での買取査定金額より低くなる可能性もあります。
不動産の売却活動を開始してから半年経っても何も反響がない場合は、買取を検討してみましょう。
(5)事故物件
事件や事故、自殺などがあった物件は、はじめから買取を依頼したほうが良いでしょう。宅地建物取引業法47条では「宅地建物取引業者の相手方(買主や借主)等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」について告知義務があると定めています。
簡単にいうと、「その事実を知っていたら契約しなかった」と思われるようなことは事前に伝えなくてはならないということです。また、相場よりもかなり値下げして売り出すのが一般的です。なかには事故物件を承知のうえで購入する人もいますが、けして多くはいません。
仲介で売却を試みると、長期的になってしまう可能性が高いため、買取に出したほうがスムーズに売却できます。
(6)築年数が古い
築年数が古い建物も仲介での売却は難しく、買取向けの物件といえます。特に建築基準法が改正される1981年5月以前に建てられた建物は、新耐震基準を満たしておらず、耐震性に不安があることから買い手がつきにくい傾向にあります。
もし買い手が見つかったとしても、契約後に見つかった建物の瑕疵は売主負担で修繕しなくてはなりません。2020年4月には民法(債権法)が改正され、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」と名前を変えました。
新しい民法では、買主からの損害賠償請求や契約解除に加え、不具合の補修や代替物を要求する「追完請求」、欠陥や不具合に相当する額の「代金減額請求」が認められています。築年数が古い物件はさまざまな不具合を抱えているおそれがあるため、プロに買い取ってもらったほうが安心です。
4、不動産買取と仲介の違いは?
不動産売却における仲介とは、不動産を売却したい売主が、不動産仲介会社に売却を依頼して買主に売却する方法です。
具体的には以下の図の通りです。
不動産の買取と仲介の違いについて3つのポイントで説明します。
(1)買主
不動産買取の場合、買主は不動産会社です。この場合、不動産会社は利用されていない土地・建物やマンションを購入し、リノベーションなどの付加価値を付けて販売する事業目的で購入します。
一方、仲介の場合は、買主は基本的には個人になります。その購入目的は購入者自身が住むために購入する住居での目的がほとんどです。この点が違います。
(2)売却期間
買取の場合、買主は不動産会社のため、仲介のように購入希望者を探す必要がありません。そのため販売期間が不要となり、短期間で売却手続きが完了することとなるのです。
一方で、仲介の場合、買主は個人のケースが多く、購入希望者を探す必要があります。そうなると、一定の広告・販売期間が求められます。そのため、仲介は不動産が現金化するまで、ある程度の売却期間が必要なのです。
(3)価格の相場
買取の場合、不動産会社は購入した不動産に付加価値を付けて販売します。その費用や売れないリスクを不動産会社が抱えるため、仲介と比較すると一般的には売却価格が低くなる傾向にあり、60〜70%が買取価格の相場です。
一方、仲介の場合には、広告などを利用し、広く購入希望者を探すため、希望の価格や市場の相場価格で売れる可能性が高くなります。
3つのポイントについて、表にまとめると以下になります。
仲介 | 買取 | |
買主 | 個人 | 不動産会社 |
売却期間 | 長い | 短い |
売却価格 | 希望価格または市場相場価格 | 低め |
5、買取価格の相場が70%になる理由
一般的に、買取価格の相場は市場で売却できる価格の「60~70%ほど」といわれています。
市場の売却価格が1,800万円の物件であれば、買取価格は「1,080~1,260万円」前後になります。
もし、自分が保有する物件が人気高いエリアのものであれば不動産会社も買取に積極的になるので、より高く買ってもらう交渉ができるでしょう。
このように物件の条件によっては一般的な買取価格の相場よりも高値で買ってもらえる可能性があります。一方で、その逆もまたありえます。
(1)なぜ相場が安くなってしまうのか?
買取と仲介の違いでも説明した通り、不動産会社は、利用されていない土地・建物やマンションを購入し、不動産の開発・建設やリノベーションなどの付加価値を付けて、販売する事業目的で買取を行います。
そして、リフォーム費用などのコストや設備修復責任などのリスクを考え、利益を得るためには、市場の相場価格よりも安く買う必要があるのです。
(2)買取の市場価格を知る方法
買取は、一般的に仲介に比べて売却価格が低くなってしまうことがほとんどです。もし、少しでも高く売りたい場合は、市場価格を正確に知ることが大きなポイントになります。
市場価格は、不動産情報サイトから同じような条件で販売されている物件の売却価格を調べることで把握できます。
6、不動産買取にかかる諸経費
買取で不動産を売却した場合、どのような諸経費がかかるのでしょうか?具体的には以下のような費用が挙げられます。
(1)印紙代
売買契約書に貼付する印紙代(印紙税)は契約書に記載された契約金額によって異なります。2014(平成26)年4月1日から2022(令和4)年3月31日までに作成された契約書には軽減税率が適用されますので、国税庁ホームページで確認してください。
例えば、契約金額(買取価格)が1,500万円だった場合、本来の印紙税額は2万円ですが、軽減税率適用により1万円になります。
(2)登記費用
売却によってローンを完済した場合は、抵当権抹消・所有権移転の登記手続きが必要です。土地・建物それぞれ1不動産につき1,000円の登記費用のほか、手続きを代行する司法書士への報酬がかかります。
(3)繰上げ返済にかかる費用
ローンの残りを一括返済する場合、金融機関に支払う手数料が必要です。金融機関や手続き方法によって異なりますが、目安は1~3万円ほどです。
(4)譲渡所得税・住民税・復興特別所得税
購入時より高い価格で売却できた場合は、差額が譲渡所得となり、譲渡所得税・住民税・復興特別所得税が課せられます。売却した年の1月1日時点の保有年数に応じて、次のように税率が異なることに注意してください。
- 5年以下(短期譲渡所得)39.63%
- 5年超(長期譲渡所得)20.315%
詳しくは「不動産売却の「譲渡所得税」の計算方法と安く抑えるコツ」を参考にしてみてください。
(5)買取では仲介手数料やリフォーム・リノベーション代を節約できる
前述のとおり、買取では仲介手数料が不要です。リフォームやリノベーションは買い取った不動産会社が行うので、売主の負担はありません。これらの費用が節約できるのは、買取ならではのメリットといえます。
不動産買取で発生する費用をまとめると以下のようになります。
発生要素 | 費用 |
印紙代 | 売却金額によって異なる |
登記費用 | 1,000円 |
繰上げ返済にかかる費用 | 1~3万円 |
譲渡所得税・住民税・復興特別所得税 | 譲渡所得のそれぞれ ・5年以下(短期譲渡所得)39.63% ・5年超(長期譲渡所得)20.315% |
仲介手数料・リノベーション代 | 不要 |
7、不動産を買取で売却する流れ
では、実際に買取による不動産を売却する時の流れはどのようになっているのでしょうか? ここでは、買取に必要な6つのステップを説明します。
- (1)査定の依頼をする
- (2)買取価格を提示してもらう
- (3)買取業者を決める
- (4)売却スケジュールなどの打合せをする
- (5)売買契約を締結する
- (6)残金決済・物件引渡し
では、それぞれの手順について解説します。
(1)査定の依頼をする
買取では、売却をする前に、資産価値を把握しておくことが重要です。
そのために便利なのが不動産売却査定サイトです。ただし、不動産会社によって査定方法が異なるので、複数の売却査定サイトから査定依頼するようにしましょう。
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6社というと少ないように感じるかもしれませんが、このうちの3社は以下のとおり。
- 三井不動産リアリティネットワーク
- 住友不動産
- 東急リバブル
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(2)買取価格を提示してもらう
査定依頼をした不動産会社に買取査定金額を提示してもらいます。この時、注意すべきは「査定額と売買価格は前後する可能性がある」という点です。
査定額が実際に取引される価格ではない可能性があることを認識しておきましょう。
(3)買取業者を決める
査定を依頼した不動産会社の中から、売却する会社を決めます。買取の不動産会社選びは、最も重要な作業です。悪質な業者を選ばないように、最善の注意を払いましょう。
その際には、
- 対応の丁寧さ・スピード
- デメリットの説明をしてくれる
- 実績などが豊富にある
などをポイントにするのがよいでしょう。また、インターネット上の口コミや評判も確認して参考にしましょう。
(4)売却スケジュールなどの打合せをする
買取してもらう不動産会社が決まったら、売却スケジュールなど細かい内容の打合せをします。打合わせの時には、物件引渡時の条件確認も忘れずに行いましょう。具体的には以下の項目になります。
- 家財道具の処分費
- 空調設備の放置による請求
- 売却代金の決済時期…など。
こうした項目は常にトラブルになりやすい点です。きちんと文書化しておくことが必要です。しっかり打ち合わせしておけばリスクは少なくなるでしょう。
(5)売買契約を締結する
打合せを行った上で、買取金額に納得したら売買契約を締結します。同時に以下の項目を必ずチェックするようにしてください。
- 売買契約書の読み合わせ
- 引き渡し条件の確認
- 売却代金の決済時期
- 手付金の受領…など。
売買契約書に一度サインをしてしまうと、基本的には取り消すことは難しくなります。以上の項目は、必ず確認するようにしてください。
問題なければ契約を締結しましょう。
(6)残金決済・物件引渡し
売買契約の締結後、残代金を受け取り、物件の引渡しを行います。通常は家の中を片づけて空き家の状態にしてから引き渡しますが、買取の場合、不要となった家具・家電などをまとめて引き取ってくれることがあります。
「片づけている時間がない」「早く手放したい」といったニーズに応えるために、不動産会社が不用品回収事業者と提携しています。不用品の量によって異なりますが、料金は軽トラック1台当たり1~1.8万円ほど、2トントラックでは1台当たり3~4万円ほどが目安となります。料金については、何にいくらかかっているのか、明確にしてもらうようにしましょう。
以上が基本的な買取の手順になります。
まとめ
買取は、短期間で不動産を売って現金化したい人には有効な手段です。
人に知られることなく売却もできるなどのメリットもあります。一方で、仲介よりも売却価格が安くなるというデメリットもあります。
買取を考えている人は、その長所・短所をしっかりと把握して、納得のいく取引を行いましょう。