本業以外にも定期的な所得が期待できる不動産投資ですが、初めて投資する方にとっては不安を感じてしまうものです。ましてや、最初の投資の際には、それなりに大きな金額が必要なので、失敗した時の不安を考えると、軽い気持ちで始めるのは難しいのではないでしょうか。
確かに不動産投資を何も勉強せずに、軽い気持ちで始めることはオススメしません。不動産投資は、全体的に把握してから始めることが重要です。
この記事では、以下の内容について解説していきます。
- 不動産投資とは何か
- 不動産投資のリスク
- 不動産投資の種類
- 不動産投資の始め方、流れ
- 不動産投資成功のポイント
これから不動産投資を検討している方は、ぜひ読み進めてください。
目次
1、不動産投資を始める前に知るべき4つのこと
不動産投資を始めるには、基礎的な知識を身につけておくことが大切です。ここでは、「不動産投資とはどのような投資なのか」について説明します。
(1)不動産投資とはどんな投資?
不動産投資とは、営利目的で不動産事業へ資金投下することです。具体的な不動産投資の方法は、以下に紹介する2パターンがあります。
①キャピタルゲイン
キャピタルゲインは、不動産売買によって売却益を得る投資方法です。具体的には、不動産物件を購入した価格よりも高い金額で売ることで利益を得る投資となります。
タイミングなどによっては、かなり大きな儲けが出る魅力的な投資方法ですが、投資に慣れていない初心者がいきなり始めるにはオススメできません。
不動産物件の購入には数千万円以上の資金が必要なため、投資を始めるには金融機関から融資を受けるケースがほとんどです。そのため、キャピタルゲインでいきなり失敗してしまうと、借金だけが残り、不動産投資を続けられなくなるリスクがあります。
キャピタルゲインで儲けを出すには、不動産投資の知識と情報の取得や信頼できる不動産会社との付き合い、相談できるプロのコンサルタントの選択など、さまざまな準備と経験が必要なのです。
②インカムゲイン
インカムゲインは、不動産物件を購入し家賃収入を得る投資方法です。不動産投資に慣れていない人は、インカムゲインから始めることをオススメします。
インカムゲインのメリットは、長期間にわたり安定した家賃収入を得られることです。一気に大きな利益を得ることは難しいですが、月々確実に収入を得られるので、ローンで物件を購入した場合でも返済しながら続けることができます。
しかし、インカムゲインで重要となるのは「空室率」です。空室が多いと家賃収入でローンの返済やランニングコストの支払いができなくなってしまうリスクがあります。
比較的手を出しやすいインカムゲインであっても、しっかりとした不動産投資知識、信頼できる不動産会社や相談できるプロのコンサルタントの情報は必要なのです。
2、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」
株式投資やFX投資では「ハイリスク・ハイリターン」と言われていますが、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」とされています。
株やFXでは、市場の流れや大口の取引によって、取引値が大きく変動するのが一般的です。出来高にもよりますが、個人投資家1人の売買によって大きく値を動かせません。
流れや大口取引に乗ることができれば大きく儲けられますが、反対に一気に損をして資金が尽きてしまうこともあります。よって株式投資などは「ハイリスク・ハイリターン」と言えるのです。
一方、不動産投資はキャピタルゲインでもインカムゲインでも、株式投資のように一気に資金が数倍になったり尽きてしまったりすることはほとんどありません。
例えば、3,000万円で購入した不動産物件が、10日程度で1,000万円に値下がりしたり1億円に値上がりしたりすることはありません。値が上下しても数十〜数百万円程度です。また、家賃収入であっても余程のことがない限り、一気に全空室となる可能性は低いでしょう。しかし、家賃収入だけで一気に何倍も資金を増やすこともできないので、安定収入を目指す投資と言えます。
よって、不動産投資は「ミドルリターン・ミドルリスク」とされているのです。不動産投資のメリットや副業として始めるためのポイントなど、以下の記事でも解説していますので、ぜひ確認してみてください。
【不動産投資の詳しいメリットについてはこちら】
関連記事:「不動産投資の7つのメリットと具体的な節税シミュレーション」
【副業にもオススメな不動産投資】
関連記事:「不動産投資は副業?会社員や公務員が始める前に知っておきたい6つのこと」
3、不動産投資始める前に知っておきたい様々なリスクのこと
主なリスクは、以下の通りです。
- 空室リスク
- 家賃下落リスク
- 災害リスク
不動産物件広告などで紹介されている利回りは、一般的に満室時で計算された表面利回りです。
そのため、その利回りを基本にローンの返済やランニングコストの計算をしてしまうと、空室が増えてしまい、家賃収入を得られなくなり、不動産投資を続けることが難しくなります。
さらに空室が増えると、空室を埋めるために家賃の値下げを検討することになります。ほかにも地価の下落、建物の老朽化、設備の不足などの理由で家賃下落のリスクもあるのです。
また、火災や地震、台風や洪水など、さまざまな災害によって、建物が消失や倒壊して、人が住めない状態になるリスクも考えられます。耐久性に優れる物件を選ぶことや保険への加入が必要です。
不動産投資のリスクについての詳細は、以下の記事にまとめているので、ぜひご覧ください。
【不動産投資のリスクに関する詳しい内容はこちら】
関連記事:「不動産投資「14のリスク」と「払わなくても良い費用」とは?」
【不動産投資にむかない人はこんな人?!】
関連記事:「理解せずに始めると危険!不動産投資は「やめとけ」と言われるのはなぜ?」
4、不動産投資の6つの種類
不動産投資には、おもに6つの種類があります。
- 区分マンション
- 一棟アパート
- 一棟マンション
- 戸建て投資
- REIT
- 不動産私募ファンド
区分マンション投資は、マンションを建物ごと購入するのではなく、部屋単位で購入し貸し出す方法です。初期費用を抑えられることや、売却時に値が下がりづらいなどのメリットがあります。
一棟アパート投資は、アパートを建物ごと購入して、貸し出す方法です。複数の部屋が対象になるので全空室となり完全な無収入となるリスクが少ないことや、土地も所有するので建物が老朽化しても資産価値として残すことができます。
一棟マンション投資は、マンションを建物ごと購入して、貸し出す方法です。こちらも、多くの部屋が対象なので、無収入になるリスク抑えられます。しかし、アパートよりも購入価格が高額になるので、初心者には手を出しにくい投資かもしれません。
戸建て投資は、一軒家を購入して、貸し出す方法です。住宅街など地区によっては、かなり需要があるのではないでしょうか。建物だけでなく土地も所有するため、資産価値になり、売却もしやすい特徴があります。
REIT(リート)は、不動産投資信託です。建物を所有しませんが、少額から投資することができます。その分、リスクも少ない投資と言えるでしょう。
不動産私募ファンドは、基本的には大口の投資家を対象にした不動産投資信託です。昨今ではクラウドファンディングにより、一般投資家も投資できるケースもあります。特徴は、通常では投資できないような優良案件が多いことです。
上記の不動産投資の種類ついて、メリット・デメリットなどの詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。
【6つの種類の詳しい内容はこちら】
関連記事:「不動産投資の教科書」が厳選した不動産投資6種類と始め方&儲け方」
【自分に合う不動産投資の種類を知りたい方はこちら】
関連記事:「自分に合った物件を選ぶことが成功への鍵!不動産投資の6つの種類とは」
5、不動産投資を始める流れ
ここからは、いよいよ不動産投資を始める流れについて解説していきます。
(1)不動産投資をする目的を明確にする
まずは、自分の不動産投資の目的を明確にしておきましょう。
- とにかく不動産投資で儲けるために始めたい
- 将来の年金計画として始めたい
- 売却して売却益を得るために始めたい
- 節税対策として始めたい
- 相続税対策として始めたい
など、さまざまな目的があるのではないでしょうか。そして、目的によってキャピタルゲインなのかインカムゲインなのか、投資方法も変わってきます。
これらの目的についての詳細は、関連記事「自分に合った物件を選ぶことが成功への鍵!不動産投資の6つの種類とは」の第3章をご覧ください。
(2)自己資金の準備・資金計画を立てる
- 購入する不動産物件の価格帯はいくらにするか
- 自己資金はいくら準備するのか、または、どのくらい準備できるのか
- 金融機関からの融資はいくら借入れするのか、または、どれくらい受けられるのか
- 月々のローン返済金額について、家賃収入を踏まえて計画する
- 経費や税金などのコストも踏まえて、収支のシュミレーションをする
不動産投資では、少ない自己資金でも高い物件を購入し安定した収入を得るレバレッジを効かせた投資が魅力です。不動産投資における資金調達や計画については、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:「不動産投資に必要な自己資金の相場は?これから自己資金を作るための5つのポイント」
関連記事:「不動産投資ローンを有利な金利で借りられる方法とは?!」
(3)不動産会社探し・物件探し
不動産投資を成功させるためには物件探しが重要です。そして、良い物件に投資するためには、自分のパートナーとなる不動産会社選びも大切になります。
- 不動産投資についての知識が豊富で説明がわかりやすい
- 今後の見通しなどのシミュレーションをしてくれる
- 対象物件のメリットだけではなく、デメリットも説明してくれる
- 「納得した上で買ってください」というスタンスである
- 賃貸経営に精通している
- 物件のセールスポイントをしっかりと説明できる
上記の内容をポイントにして、不動産会社を探しましょう。広告だけで優良物件を判断するのは難しいです。長期間不動産投資を続けるなら、最良のパートナーとなる不動産会社選びが重要になります。
(4)物件の購入
初めて不動産投資をするケースでは、ほとんどの投資家は金融機関から融資を受けて、ローンを利用することになるでしょう。年収や自己資金、物件価格や物件の築年数などで審査され、通過すれば決済、登記が完了し物件は自分のものになります。
(5)管理会社探し
入居者とのやり取りや設備の管理など、すべて自分で対応するなら必要ありませんが、これらの業務は手間がかかるため、管理会社へ任せるのが一般的です。
ただ、管理会社はたくさんあるので、どこへ任せるべきか判断は難しいでしょう。
選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてみて下さい。
- 入居者トラブルへの対応をしてくれる
- 物件によっては、地域密着型か大手管理会社を考慮する
- 集客力に優れている
- 経営状態
- コストパフォーマンス
家賃滞納や入居者同士のクレーム処理など、不動産投資にはさまざまなトラブルがあります。トラブルに対応し上手く処理してくれる管理会社を選ぶのは、とても重要なことです。
管理会社選びに関する記事はこちらにまとめているので、確認してみて下さい。
関連記事:「大手?地元密着型?間違いのない賃貸管理会社の選び方・見極め方」
(6)不動産投資を始めた後は確定申告をする
不動産投資を始めた後は、確定申告をする必要があります。確定申告は利益が出た場合だけではなく、赤字になった場合も必要です。
税金が還付されるケースもあるので、しっかりと確定申告をしましょう。
関連記事:「不動産投資に確定申告はつきもの! 中身を知って得する方法」
6、不動産投資を成功させるポイント
ここからは、不動産投資を成功させるポイントについて紹介します。
(1)不動産投資について勉強する
まずは、不動産投資について学ぶことは欠かせません。不動産会社などが主催するセミナーへの参加や書籍を読むなどして、勉強するのが効果的です。
また、セミナーに参加することで、パートナーとなる不動産会社と出会える可能性もあるので、積極的に参加し知識を身につけましょう。
関連記事:「究極の不動産投資おすすめ本11選!【無料プレゼント有】」
関連記事:「【初心者向け不動産投資】セミナー選び「5つのコツ」と役立つセミナー12選」
(2)情報収集する
不動産投資では情報収集が重要です。インターネットでは、実際に不動産投資をしている人のブログなども参考になるでしょう。
周りに不動産投資の経験がある知人がいるなら、いろいろ聞いてみましょう。また、セミナーに参加することで、不動産投資をしている人やこれから始める人など、さまざまな人と知り合うきっかけになります。
お互いに情報交換することで、自分だけでは知り得ない情報が聞ける可能性を広げられるでしょう。
(3)物件相場を調べる
立地や部屋数、間取りや築年数などによる販売価格の相場も大切ですが、不動産投資では利回りなども意識する必要があります。投資する予定のエリアは単身者が多いのか、ファミリー層なのか、などの情報からおおよその利回り相場を調べましょう。
ただ、利回りだけで判断することはオススメしません。例えば、計算上利回りが良くても、空室リスクがある物件では失敗する可能性があります。反対に、計算上では利回りが低いと感じても、ほとんど空室にならない人気エリアの方が安定した投資ができるケースもあるのです。
しかし、初心者では判断するのは難しいと言えます。不動産投資を成功させるには、信頼して相談できるパートナー選びが重要です。
(4)信頼できる不動産会社を見つける
不動産投資成功のポイントは、信頼できる不動産会社を見つけることです。
投資すべき不動産物件の提案やアドバイス、将来的な利回りのシミュレーションなど、自分では知り得ないさまざまな情報をもたらしてくれるでしょう。
関連記事:「不動産投資会社の選び方を解説!良い会社を選ぶための6つのポイントとは」
(5)セカンドオピニオンサービスを利用する
不動産投資を成功させるコツは、プロに相談することです。副業として不動産投資を始める場合、知識やノウハウを勉強する時間は十分に取れません。
片手間で成功できるほど不動産投資は簡単ではないのです。
また、不動産投資は投資金額が大きいため「失敗したから、次の物件を買おう」と、簡単にやり直せる投資ではありません。
そのため、初めて物件を購入する際は「本当にこの物件を買っても大丈夫なのか」と不安を感じてしまいます。
「セカンドオピニオンサービス」は、中立な立場から不動産物件に対し客観的なアドバイスを受けられます。売る側の都合によるセールストークではなく、投資する人にマッチした不動産投資を提案するサービスです。
不動産会社の選び方、優良物件の選び方、気になる不動産物件についてなど、さまざまなことを相談できます。これから不動産投資を始めるなら、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
不動産投資の始め方、成功のポイントを解説しました。
不動産投資は目的を明確にし、提案やアドバイスをしてくれる不動産会社、客観的に判断してくれる専門家など最良のパートナーを見つけることが成功への近道です。
不動産投資物件は安い買い物ではありません。初めての不動産投資に不安や疑問などがあるなら、セミナーへの参加や専門家への相談を検討してみではいかがでしょうか。