不動産投資における環境リスクにどのようなものがあるか知っていますか?
不動産投資家が犯してしまいがちな失敗事例はいくつかありますが、今回は必ずチェックしておきたい周辺環境について、「不動産投資の教科書」が解説していきます。
「不動産投資10のリスクとは?失敗しない方法を徹底解説」こちらの記事で詳しく紹介しています。ご覧ください。
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
- 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
- しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
不動産投資におけるリスクになりやすい近隣環境は、学校・病院・工場・高速道路・墓地・火葬場・食肉工場・原子力施設・軍事施設・風俗営業店・パチンコ店・ゲームセンター・宗教施設・暴力団事務所などがある場所です。
1、環境リスクで家賃が20%ダウンしたケース
不動産投資での物件購入時に、物件そのものをチェックするだけではなく、近隣をチェックしておかないと後悔するケースがあります。そんな後悔した事例をご紹介します。
駅から徒歩20分程度はあるものの歩いて10分ほどの場所に大学があり、賃借人をみつけるのに苦労しないことや、安定した収入の親が想定できると見込んで区分所有のマンションの一室を購入し、賃貸に出していました。
当初の4年間は全く問題なく収益が上がっていたのですが、なんと近隣の大学が1年後に移転することになってしまいました。
そのため借りていた賃借人が退去してからは、半年近く新たな入居者が見つからず空室のままでした。
半年後に入居者が見つかったときは広告料やフリーレント(家賃無料の期間)をつけないといけない上、家賃を20%も下げる事態になってしまいます。
さすがに先行きが厳しいので不動産会社に売却の査定を依頼したところ、なんと物件自体も購入時より20%以上低い金額となってしまいました。
このお客様は資金問題があったため売却せざるを得なくなって、大幅な赤字が残り大失敗してしまったと言うケースがありました。
どうしてこんな失敗をしてしまったのか?原因とリスク回避策を考えていきましょう。
2、不動産投資のリスクになる近隣環境
不動産投資におけるリスクになりやすい近隣環境とは、学校・病院・工場・高速道路・墓地・火葬場・食肉工場・原子力施設・軍事施設・風俗営業店・パチンコ店・ゲームセンター・宗教施設・暴力団事務所などがある場所です。
これらが投資物件の近くにあることで、思わぬ損害を受けることがありますので、注意してください。そのなかのいくつかを解説していきます。
(1)病院の周辺
病院が近くにあるというのは、利便性がありメリットになります。しかし、救急病棟のある場合は、24時間救急車の出入りがあり、サイレンの音に敏感になってしまうかたもいらっしゃると思います。
また、病院で人が亡くなることを考えると近くに住むのは厳しいと考えるかたも多いでしょう。
(2)お寺やお墓の周辺
どこの町にも必ずある、お寺やお墓も環境リスクになります。
気にしないという方もいるとは思いますが、あまり好んで周辺に住みたいと思う人はいないでしょう。窓からお墓が見えるのは嫌がられそうです。
しかし、お寺やお墓の土地に高い建物が建設されることはないので、その点は安心です。
(3)大学・学校の周辺
大学や学校の周辺は、毎年学生が入れ替わるため、安定した需要が見込めます。
しかし、学生の減少に伴い都心部のキャンパスを地方に移転するケースも実際に出てきています。
突然、一斉に空室が出てしまうようなことがあったら大変です。
(4)崖の周辺・海周辺
崖の周辺は、価格も安く、きれいに盛土や切土され、壁側もしっかり工事して販売しています。しっかり工事されていても危険性が完全に排除されているわけではないです。必ずハザードマップを確認し、少しでも危険があるエリアであればリスクが高くなります。
海沿いの物件は人気が高いです。おしゃれなカフェもあり、サーフィン、釣り、レジャーも楽しめます。
しかし津波の危険性を考慮しなくてはなりません。津波危険エリアでは融資が難しい場合もあるためその点もリスクになります。
3、なぜ周辺環境が不動産投資のリスクになるのか?
(1)不動産価値の上昇を見込みにくい
1つ目のリスクは、上記に挙げたような近隣施設がある場所では、不動産価値の上昇を見込みにくい点です。
学校・大学等は移転や廃校になった場合の価値下落が心配されますし、工場等は言わずもがな空気・土壌汚染時の価値下落が出てくる可能性があるでしょう。
(2)空室率が出やすくなる
2つ目のリスクとして、賃借人が入居をためらうことによる空室率の問題があります。
病院は夜間の救急車のサイレン音による睡眠問題で、入居者が出て行ってしまったり、墓地は人によっては新規募集時に敬遠されるリスクがあります。
これら以外にも、近隣環境によって夜間一人で歩くのが怖いなどの、心理的な負担から敬遠される場合もあります。
空室率の低下は、毎月の収支を悪化させるだけでなく、売却時の価格にも悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
4、不動産投資でどのように環境リスクを回避すればよいか?
家賃が20%ダウンしてしまった失敗事例の回避方法を見ていきましょう。
(1)物件周辺の情報を収集する
大学の移転は土地の取得や建築などを考えると5年から10年前から計画をされているはずであり、ある程度の情報収集をしていれば失敗しなかったと考えられます。
(2)必ず現地に出かけて調査する
購入前に自分の目と足で調査をしていれば防ぐことのできるリスクです。
不動産会社だけに頼るのではなく、2度、3度と昼だけでなく夜の時間帯などにも周辺を歩いてみておくことが大切です。
そこで暮らしている人たちの生活やリズムを感じることができるほどになれば問題ないと言えるでしょう。
まとめ 不動産投資は物件ではなく立地や環境を買うもの
不動産投資は物件を買うだけではなく、立地や環境を買うものだといわれています。物件そのものが、どれだけよくても立地や環境が良くないと資産価値は増えていきません。
自身での調査も大事ですが、きちんと調査できる不動産会社やコンサルタントにお願いすることも大切です。