不動産投資は高収益を狙える魅力的な投資手法ですが、その反面、失敗もつきものです。
成功を夢見て始めたものの、思わぬトラブルやリスクに直面し、損失を抱えてしまう投資家も少なくありません。
この記事では、不動産投資の失敗事例を紹介し、それらを回避するための具体的な策を提案します。過去の失敗から学び、賢明な投資判断を下すことで、リスクを最小限に抑え、着実な利益を目指しましょう。
不動産投資の教科書代表YouTube「山本社長の不動産事件簿」では、不動産投資の実際にあった失敗談をお話ししています!
不動産投資のバイブル
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
不動産投資の失敗とは、トータルで収益がマイナスになることです。不動産投資の収益は、家賃収入と売却益ですが、この2種類の収益を足した金額が投資した金額を下回った場合、投資は失敗したことになります。
1、不動産投資の失敗とは?
そもそも不動産投資における失敗とは、どのようなものでしょうか?
不動産投資の失敗とは、トータルで収益がマイナスになることです。
不動産投資の収益は、家賃収入と売却益です。この2種類の収益を足した金額が、投資した金額を下回った場合、投資は失敗に終わったといえます。
具体的には、以下の要素が失敗につながります。
1.物件選びに失敗する(物件を高掴みさせられてしまう、自分に合わない物件を購入してしまう)
2.事前に想定していたキャッシュフローシミュレーションと異なる結果となった(空室が埋まらず赤字が出続ける、思わぬ欠陥があって予想外の修繕費が発生する)
3.赤字が大きすぎて給与などの他の収入では補填しきれず自己破産せざるを得なくなる
1~3と深刻になっていくわけですが、3の破綻して自己破産せざるを得なくなるということは、実は不動産投資ではほとんどありません。
2、不動産投資の失敗事例5つ
(1)空室が続く
・中古の一棟物件 T.Yさん/33歳
1年前に中古の一棟物件(アパート)を購入 ・都内近郊の物件 ・最寄り駅から徒歩13分 ・表面利回り12%・購入時は入居率が80%で約10%の利回り
購入後1年間は約10%の利回りを維持していましたが、その後退去が相次ぎ、入居率が30%まで下がってしまいました。
結果として毎月のキャッシュフローが赤字となり、赤字金額は毎月約10万円に。
「なぜ入居が決まらないのか」と思い、大手の賃貸ポータルサイトを見たところ、自身の物件が掲載されていないことが判明。
すぐに管理会社に依頼して掲載してもらいました。
しかし、その後もなかなか入居者が決まらず、1年後に家賃を下げてようやく入居率80%まで回復。
空室期間は毎月赤字だったため100万円ほどの補てんが発生し、家賃を下げたことで利回りは8%に悪化しました。
>>アパート経営でまさかの大失敗「上場企業の欠陥物件」だった最悪なケースとは?
・新築ワンルームマンション H.Aさん/31歳
2年前に新築のワンルームマンションを購入 ・東京都内の物件 ・駅から徒歩10分 ・購入時の表面利回り4.8% ・購入時の家賃は10万4000円
老後に不安があったため、お金のセミナーに参加したところ不動産投資を勧められました。
セミナー主催会社の営業の方から「ちょっと駅から遠いけど、物件の設備は最新だし同じ家賃で10年間は貸せる」と言われて新築のワンルームマンションを購入しました。
実際、新築ということもあり入居者はすぐ見つかったため、購入後すぐ家賃収入がありました。
しかし、その入居者は契約更新せずに2年で退去してしまいました。
空室のタイミングは年度末の3月でしたが、管理会社が客付け活動を始めたのは退去通知から1ヶ月後の4月。
その後、2ヶ月間も入居が決まらず焦ってしまい、家賃を5,000円下げることに。
すぐに入居は決まりましたが、利回りはかなり悪化してしまいました。
>>不動産投資「新築物件のリスク」は価格だけではない?知っておきたい注意点も
(2)「値下げ」につられて選んでしまった
中古ワンルームマンション K.Iさん/34歳男性
2年前に中古のワンルームマンションを購入 ・ターミナル駅から徒歩10分 ・購入時の表面利回り5.2% ・購入時の家賃は9万4000円
不動産投資を始めたのは、ポストに入っていた一枚のチラシがきっかけでした。
物件はターミナル駅から徒歩10分の好立地で、築10年の築浅マンション。
「物件価格を値下げしました」という書き出しに惹かれ、お得感に背中を押されてほとんど迷いなく購入しました。
事情があり、物件購入わずか2年で売却することになりました。
そのとき業者から提示された売却価格は、なんと購入時より30%も下がっていました。
わずか2年でこんなに下がるのかと思っていたら、私が購入した金額が高かったようです。
本来であれば、購入前に自分で物件価値を調べておけば良かったのですが、「値下げ」という言葉につられて物件を高掴みしてしまったことに気づきました。
関連動画も併せてご覧ください。
(3)高額な修繕費
・中古ワンルームマンション Y.Tさん/29歳男性
中古のワンルームマンションを購入 ・購入時の表面利回り5.6% ・購入時の家賃は8万4000円
物件購入から3ヶ月後、いきなり管理会社から「管理費・修繕積立金が滞納しているので、約60万を支払ってください」と通知が届きました。
実は前オーナーは転勤で海外にいたため、その期間中の支払いを全くしていなかったのです。
管理会社に交渉をしましたが、管理会社は事前に「重要事項に関わる調査報告書」を提供しており、その中にマンション全体、そしてこの物件に関する管理費・修繕積立金の滞納金額も明記してあるので、知らなかったのは自分の責任だと言われました。
再度書類を見直したところ、確かに明確な記載があったため、仕方なく滞納金を支払うことになりました。
・中古ワンルームマンション K.Tさん/33歳女性
中古のワンルームマンションを購入 ・築年数30年 ・購入時の表面利回り6.8% ・購入時の家賃は6万3000円
立地が良く入居も途切れていないということもあり、築年数が少し古い30年もののマンションを購入しました。
都内のワンルームマンションでは利回りも高く喜んでいました。
キャッシュフローもプラスです。
しかし購入して半年後に、管理会社から修繕積立金が来月から値上げする旨の通知が届きました。
その金額は今までのより7,000円も高くなっていて、利回りが下がってしまいます。
驚いて当時の仲介業者に電話をしたところ、「物件購入時に渡した”重要事項に関わる調査報告書”に書いてありますよ」と言われました。
そのときに渡された書類をすぐきちんと確認すれば、今回の失敗は防げたのかもしれないと後悔しました。
関連動画も併せてご覧ください。
(4)返済計画をきちんと考えていなかった
一棟アパート所有 Cさん/男性
当初想定されていた家賃収入で返済シミュレーションを行ったところ、15年で返済可能だったため、その条件で融資を組みました。
1年目は満室で順調に返済できましたが、2年目から空室が出始め、赤字となってしまいました。
また、アパートの修繕も予定より多くなり、出費が増える一方という状況に。
さらに資金繰りが苦しくなったため、購入してわずか3年で物件を手放しました。
もっと現実的なシミュレーションを立てていれば、ローン返済期間をもう少し長く設定するという判断をしていたケースといえます。
(5)家賃の未払い
中古ワンルーム所有 Aさん/男性
前の入居者が出ていって、すぐに決まった新規の入居者。
管理会社がきちんと審査したはずなのに、いきなり家賃を滞納しました。
サブリース契約ではなかったので、すぐに赤字に転落。
その後も支払いがなかったため、半年後に弁護士を通して建物明け渡し訴訟を行い、退去させました。
持ち出し金額は弁護士費用含めて200万円となり、資金がなくなりました。
3、不動産投資で失敗しないためのリスク回避策
不動産投資はリスクを把握したうえで、事前に対策をしておくことが非常に重要です。
本章では、不動産投資で失敗しないためのリスク回避策をお伝えします。
(1)不動産投資の知識を身につける
不動産投資の基礎知識とは、
- 不動産投資のしくみ
- 不動産投資のメリット・デメリット(リスク)
- 賃貸経営の方法
- 物件の見方、選び方
- 不動産投資ローンの選び方
- 税金について
などです。
本やwebメディア、セミナーなどで基礎知識を身につけることは、不動産投資会社選びや物件選びの失敗を防ぐことにつながります。
不動産投資の勉強におすすめの本を紹介している記事「不動産投資の初心者におすすめの本10選!【無料プレゼント有】」をぜひ参考にしてみてください。
(2)空室を回避する方法
空室リスクを回避するための最も重要なポイントは、物件選びです。
物件を購入するときは、以下のような「空室にならない物件」を選ぶようにしましょう。
- 賃貸需要が高いエリア
- 駅から近く、利便性が高い
- 競合物件と差別化できるポイントがある
- 共用部分もきちんと管理されている
自分が購入したい物件が、そのエリアの入居者のニーズを満たしていることが重要です。
また、購入後の空室の原因としてよく挙げられるのは、家賃が相場より高すぎることや、管理会社の広告活動が不十分なこと、また入居者の募集活動が遅いなどが考えられます。
(3)利回りだけで判断しない
不動産投資の利回りは、物件の収益性を測る指標として、よく用いられています。しかし、「物件の利回りが高い = 収益性が高い」というわけではありません。
なぜなら、利回りが高い物件は、家賃が相場よりも高く設定されていたり、建物の管理費や修繕積立金が安いという理由で高利回りになっている可能性があるためです。
失敗を防ぐためには、物件資料に記載されている家賃を鵜呑みにするのではなく、条件が似ている物件の家賃相場を自ら確認しましょう。
また、管理費や修繕積立金の相場を調べ、明らかに安い場合は営業担当者に理由を聞くことをおすすめします。
利回りの高さは、リスクの高さと比例します。高利回りの物件は、賃貸需要が低かったり、十分なメンテナンスがされていなかったりと、リスクも高い物件である可能性が高くなります。
一方、低利回りの物件でも、賃貸需要が下がりにくいエリアで、建物の造りが精巧であるなど、資産価値が高く長期的に見た場合に収益性の高い物件であることも多いものです。
(4)購入前に経験者に相談する
どんなに物件を精査したとしても、「失敗しないだろうか」とふと不安になることもあると思います。
そこで、不動産投資における失敗を回避する方法の一つとして「セカンド・オピニオンサービス」についてご紹介します。
セカンド・オピニオンサービスとは、つまり第三者(経験者)からの意見です。
- 不動産投資には様々なリスクがある
- 一部信頼できない不動産投資会社がある
- 結果的に大きな経済的損失を発生してしまう
これらのマイナス点において、初心者の方では判断しづらいことなどをお伝えします。
「この会社から物件を紹介されたけど購入しても大丈夫?」
「この物件を購入してメリットはあるの?」
という疑問に対して、投資歴10年以上の現役不動産投資家からお伝えすることができます。
もし「不動産会社の営業担当だけに相談している」という場合は、一度お問い合わせください。
まとめ
この記事で紹介した失敗例は決してフィクションではなく、今でも起こっている事例です。
不動産投資で失敗しないよう、知識を身につけ、経験者に相談しながら始めましょう。