今お住いのマンションを転勤やライフスタイルの変化などをきっかけに、マンションの買い替えを検討されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、新規でマンションを買うのと異なって、買い替えの場合は今所有しているマンションがあるため、先に売却された方がいいのか、それとも先に買い替えをした方がいいのか、つまり、買い替えで損しないためには、買い替えをする際の注意点、ご自身の状況に適した買い替えの流れなどについて知っておく必要があります。
そこで今回は、
- 先に売却?それとも先に購入?マンションを買い替えする際の流れは?
- 買い替えの流れ
- 売却金額で完済ができなかったら?買い替えローンについて
- 失敗しないために!マンションを買い替えする際の注意点
- マンション売却後に確定申告をする必要がある
- 買い替えで譲渡損失が出たら確定申告で損益通算できる?
- 買取という売却方法もある!
などについて書いていきますので、マンションの買い替えを検討されている方のご参考になれば幸いです。
目次
1、先に売却?それとも先に購入?マンションを買い替えする際の流れは?
マンションの買い替えをする際に、スムーズに進めるためにどのような流れがいいかと悩まれている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ご自身の状況によって、流れが異なります。以下にて大きく2つのパターンを紹介しますので、参考にしてみてください。
(1)先行購入パターン
先に新しい物件を購入してから、お持ちのマンションを売却するパターンです。
①メリット
メリットとしては、焦らずに、ゆっくりと物件を探す事ができます。
②デメリット
デメリットとしては、
- 先に購入資金の準備をする必要がある
- 売却の時期が決まってないため、二重ローンになる可能性がある
などが挙げられます。
③このような方にオススメ!
以下のような状況の方には先に購入することをオススメします。
- 手持ちのマンションの住宅ローンを完済している
- 手持ちのマンションの住宅ローンの残債を現金にて一括返済出来る
- 気に入った物件があったら、買い替えをする
など。
(2)先行売却パターン
先にお持ちのマンションを売却してから、新しい物件を購入するパターンです。
① メリット
メリットとしては、
- 余裕に時間を持って満足いく条件で売却できる
- 資金のシミュレーションがしやすい
などが挙げられます。
② デメリット
一方、デメリットとしては、新しく購入する物件が見つかるまで、仮住まいの費用が発生することです。
③このような方にオススメ!
以下のような状況の方には先に売却することをオススメします。
- 出来るだけ高額で売却したい方
- 住宅ローンを二重で借りたくない方
2、買い替えの流れ
では、実際に先行購入と先行売却のそれぞれの流れのついて詳しく見てみましょう。
(1)先行購入の流れ
まず、先行購入の流れについて見てみましょう。
大きく以下のような流れになります。
(2)先行売却の流れ
続いて、先行売却の流れについて見てみましょう。
大きく以下のような流れになります。
—ポイントー
- 買い替えローンを利用する方は、売却の決済と購入の融資実行が同日に行う必要があるため、もっと早いタイミングで購入物件を探されると良いでしょう。
買い替えローンについて詳しくは「3、売却金額で完済ができなかったら?買い替えローンについて」をご参照ください。
マンションの購入時の注意点などについて詳しくは「マンション購入時の注意点とは?失敗しないために知っておくべき3つのこと」をご参照ください。
一方、できるだけ高く売却する際のポイントや売却の流れについて詳しくは「知ってトクする?マンションの売却について知っておきたい6つのこと」をご参照ください。
3、売却金額で完済ができなかったら?買い替えローンについて
マンションを売却して住宅ローンの残債を一括返済出来ればよいですが、中には残債より低い金額でしか売却ができず、一括返済が出来ない方もいらっしゃいます。
その場合、買い替えローンを利用することを検討されるとよいでしょう。
(1)そもそも買い替えローンとは
買い替えローンとは、手持ちの物件を売却して一旦住宅ローンを一括返済し、新しく物件を購入するために新たに住宅ローンを組み直すことを言います。
一括返済するために足りなかった分の資金に関しては、新しく借りる住宅ローンで調達する事ができます。
つまり、買い替えローンの借入れ総額は、
- 新しく購入物件の融資額+既存住宅ローンの返済に足りなかった金額
になります。
(2)買い替えローンの注意点は?
「買い替えローン」を利用するには、現在の住宅ローンの一括返済と、新しく購入する物件の融資実行を同じ日に行う必要があるため、売却と同時に購入する物件も決めておく必要があります。
また、返済手続きと融資手続きをスムーズに進めるには、事前にきちんと予定を立てておくことも大切と言えます。
(3)事前に売却価格を把握する
売却損が発生するかどうかを知るには、事前に売却できる金額を把握しておきましょう。
以下無料にて利用できるオススメの簡易査定サイトを3つピックアップしましたので、ぜひ利用してみてください。
(1)すまいValue(すまいバリュー)
売却実績がかなり豊富なため、本気で売却したい方にオススメ!
☆ポイント☆
- ご成約件数が「10万件」以上の実績がある
- 大手不動産会社6社が直営しているサイト
- 全国「819」店舗ある
- 最大6社まで一括査定依頼可
(2)不動産を早く売るならパナソニックの「ReaRie(リアリエ)」
「リアリエ」は信頼のパナソニックが運営するサービスです。
年間12,000戸の新築販売実績、年間36,600件のリフォーム施工実績のあるパナソニックグループの関連会社が連携して、お客様の大切な物件を責任と安心を持ってリフォームプラン付き売却での提案をしてくれることで、早期の売却を実現してくれます。
(3)HOME4U
住み替え、買い替えなどの実績が豊富なため、まず概算知っておきたい方にオススメ!!
☆ポイント☆
- 入力約60秒
- 500万人利用
- 大手不動産会社参画率1位
- 最大6社まで一括査定依頼可
(4)イエカレ
4、損しないために!マンションを買い替えする際の注意点
マンションの買い替えで損しないためには、以下のような注意点が挙げられます。
- (1)仮住まいなどの費用を事前に認識する
- (2)買い替えローンを計画的に利用する
- (3)「買い替え特約」を利用する
では、順番にみてみましょう。
(1)仮住まいなどの費用を事前に認識する
マンションの買い替えで、新しく購入するマンションが決まる前に売却が決まった場合、
- 仮住まい費用
- 仮住まいへの引っ越し費用
- 荷物保管費用
などの諸費用がかかります。
従って、先にマンションの売却を検討されている方は、マンションの売却価格を設定する際に、上記の費用も認識した上で、設定すると良いでしょう。
(2)買い替えローンを計画的に利用する
上記「2、売却金額で完済ができなかったら?買い替えローンについて」で書きましたように、お持ちのマンションを売却する際に、既存住宅ローンの残債を一括返済が出来ない場合、買い替えローンを利用して、新しく購入する物件の借入れ金額と合せて融資を受けることが可能ですが、つまり、借入れの合計金額が高くなるとのことです。
月々の返済額も高くなりますので、事前にきちんとシミュレーションをし、計画的に利用することが大切と言えます。
(3)「買い替え特約」を利用する
売却より先に購入したいマンションを見つかることも考えられます。その場合、資金繰りで困難にならないように、「買い替え特約」を利用しておくとよいでしょう。
買い替え特約とは、手持ち物件の売却前に新規物件の購入契約を締結する時に、手持ち物件を売却できない場合に備えるため、購入契約に「○月○日までに○○万円以上で手持ち物件を売却出来なかった時は、本契約を解除できる」旨の特約をつけることを言います。
また、「買い替え特約」を締結する際に、
- 契約締結時の手付金の返却
- 買主に損害賠償の義務が存在しない
などの事項も明記しておく必要があります。
5、買い替えで譲渡損失が出たら確定申告で損益通算できる?
マンションを売却した場合、年度末に確定申告をする必要があります。
マンション売却後の確定申告には以下の2種類があります。
- (1)売却益が出た場合の確定申告
- (2)売却損が出た場合の確定申告(譲渡損失が出た場合の確定申告」
では、それぞれについて見てみましょう。
(1)売却益が出た場合の確定申告
譲渡所得とは、マンションを売ったことにより生じた所得(利益)のことを言います。その所得に譲渡所得税という税金が課されます。
譲渡所得税の計算方法や確定申告の流れについて詳しくは「譲渡所得税とは?不動産売却後の譲渡所得税を安くおさえるために知っておきたい5つのこと」をご参照ください。
(2)売却損が出た場合の確定申告(譲渡損失が出た場合の確定申告)
一方、不動産売却することによって、損失が発生することも考えられます。
そのような場合、一定の要件を満たせば、不動産を売却した年度の給与など他の所得と損益通算することが出来、結果として納める税金が減るケースがあります。
また、その年度に損失の控除がしきれなかった場合、譲渡の年の翌年以降最大3年間繰り越すことができる場合もあります。
では、具体的にみていきましょう。
①居住用不動産に買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
買い替え不動産を取得することにより、不動産売却での損失を損益通算及び繰越控除の特例を受ける事ができます。
■特例を受けるための要件
特例を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。
—売却した不動産—
- 所有期間5年以上
—購入した不動産—
- 床面積50㎡以上
- 前の不動産を売却した年の前年までの3年の間に取得した不動産
- 取得した年の12月31日において、残り10年以上の住宅ローンがある
- 取得した年の翌年12月31日までの間に居住見込みがある
など。
■計算方法
譲渡損失の金額は以下の計算式にて算出する事が出来ます。
「譲渡損失の金額=売却した不動産の購入価格—(売却した不動産購入時の諸経費+売却した不動産の売却価格)」
【例】
6年前に3,000万円(諸経費120万円)で購入したマンションを、2,000万円で売却した場合の譲渡損失はいくらになるでしょう。
<計算方法>
譲渡損失=3,000万円—(120万円+2,000万円)=880万円
なお、繰越控除の特例が適用されるのは合計所得が3,000万円以下の年度に限りますので、ご注意下さい。
居住用不動産に買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例については、詳しく国税庁の「マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき」をご参照ください。
② 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
居住用の不動産を売却した際に譲渡損失が出た場合、一定の要件を満たすと、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を利用することが出来ます。
■特例を受けるための要件
特例を受けるには、売却した不動産は以下の要件を満たす必要があります。
- 所有期間は5年以上
- 売却の契約を締結前日までの段階で、残りの住宅ローンの期間は10年以上
■計算方法
譲渡損失の金額は以下の計算式にて算出することが出来ます。
「譲渡損失の金額=売却した不動産の購入価格—(売却した不動産購入時の諸経費+売却した不動産の売却価格)」
—注意点—
ここで注意して頂きたいのは、不動産売却の前日までの住宅ローンの残高が、不動産購入時の価格より低い場合のみ、以下の計算式にて損益通算及び繰越控除の可能譲渡損失の金額に限度額が設けられます。
「損益通算及び繰越控除可能譲渡損失の金額の限度額=住宅ローンの残高—売却した価格」
【例】
7年前に諸経費を含め、合計4,000万円で取得した不動産を2,400万円で売却し、売却の前日までの住宅ローンの残高は不動産の取得費用より低い3,000万円だった場合、損益通算及び繰越控除で受けられる譲渡損失の限度額がいくらになるでしょう。
<計算方法>
譲渡損失の限度額=3,000万円—2,400万円=600万円
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例について詳しくは国税庁の「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」をご参照ください。
なお、確定申告する際に必要な書類や手続きの流れについて詳しくは「不動産売却したら確定申告が必要?確定申告で損しないために知っておきたい9つのこと」をご参照ください。
6、買取という売却方法もある!
転勤などにより、急いで買い替えをしなければいけない方も少なくないでしょう。そういう場合は、「買取」を検討してみるのはいかがでしょうか。
「買取」とは、不動産買取り会社などの業者に直接売却する方法です。
買取のメリット・デメリットやできるだけマンションを高く売却する方法について詳しくは「知らないと損!不動産を「買取」で売却する際に得する方法」をご参照ください。
まとめ
今回はマンションの買い替えについて書きましたがいかがでしたでしょうか。マンションの買い替えを検討する際にご参考になれば幸いです。