• 不動産売却
  • 2018/7/20

5年以内に不動産を売却をすると税金で大損する?その真実と特例措置まとめ

不動産の転売で利益をお考えの方や、何らかの事情で購入後5年以内に不動産売却を希望されている方などにとって、気になることがあります

それは、購入後5年以内の不動産売却にかかる高率の税金です。

通常であれば20%で済むものが、5年以内の売却だと譲渡益に対して39%もの税金がかかってしまいます

ほぼ倍の税率ということで、税率の高さゆえに譲渡益がほとんどなくなってしまうといった事態も考えられるため、最初から転売での利益を考えていた方にとっては目論見が外れてしまうこともあるでしょう。

このような高率の税金が課せられていることには、大都市圏のタワーマンションなどを舞台にした転売投資家の躍進があります。短期間で数千万円単位の利益を上げている投資家も多く、特にタワーマンションの転売で儲けている人には「空中族」という名前までついています。

5年以内の不動産売却に対する高率の課税は、こうした「空中族」封じとも言われていますが、この税制によってもう不動産転売によって利益を得ることは難しくなったのでしょうか

また、何らかの事情で転売目的ではないのに5年以内に不動産売却をする方にとっても、この高率課税は頭痛のタネです。どうにかならないものでしょうか?

そこで、「不動産投資の教科書」ではこの5年以内の不動産売却について・・・

  • 5年以内の不動産売却に関する税制の基本
  • 税金が高率にならない3つのケース
  • すでに買ってしまった不動産の売却について
  • 税制が変わっても「空中族」として転売利益を追う可能性

など、さまざまな境遇の方に必要な情報をまとめました。理由はともかく、購入後5年以内に不動産売却の予定がある全ての方にとって重要な情報ですので、ぜひ押さえておくようにしましょう。

1、不動産を転売するだけで丸儲け?

かつてあった不動産バブルの頃には、不動産を買って転売するだけで大きく利益を上げることができました。そんな時代はもう二度と来ないと言われていたのですが、一部の大都市圏でそんな錬金術が復活の動きを見せています。

(1)大都市圏の不動産価格が上昇している

不動産を転売するだけで利益を上げられる?そんなこと本当にあるの?と思った方も、そうでない方も、以下のデータをご覧ください。

 

出典:https://www.kantei.ne.jp/report/c2016.pdf

こちらは、不動産データベースを提供する「東京カンテイ」がまとめた、2016年までの中古マンション価格の10年推移です。全国的には不動産価格の微減が続いているのに対して、東京、大阪、名古屋の三大都市圏では中古マンション価格が上昇を続けています。

これをさらに細かく見ると、上昇率は東京都で12%、大阪府で13.9%といったように東京と大阪では2桁の上昇を見せています。

これはつまり、「不動産を転売すると儲かる」ことが明確に表れたデータであり、日本全国の中の一部ではあるものの、不動産の転売がビジネスとして成立していることが窺えます。

(2)短期間で数千万円の利益を得る「空中族」も登場

前項のようなマンション転売ビジネスの中で、主役となっているのは都心部のタワーマンションです。特に上層階は投資妙味があるため、不動産投資会社や投資ファンド、個人投資家などが入り乱れて買っている状況で、その中でも個人投資家でタワーマンション転売で儲けている人たちのことを「空中族」といいます。

この「空中族」の人たちはタワーマンション物件を購入し、短期間で売却するだけで数千万円単位の利益を手にしていると言われており、かつての不動産バブルさながらの錬金術が現実のものとなっています。

(3)5年以内の不動産売却では税金がネックとなる

こうした動きが加速する中で、それなら自分も不動産転売でひと儲けしたいと考える人が急増しましたが、そこでネックになるのが税金です。「空中族」の躍進などを受けて税制改正が行われ、5年以内の不動産売却で発生した利益には通常の倍近くの税金が課せられることとなったのです。

これは言うまでもなく、「空中族」をはじめとする不動産の短期転売を狙い撃ちにした課税です。税収アップという単純な目的だけでなく、投機的な不動産取引の拡大によって資産バブルが過熱することを抑制する狙いもあると思います。

では、もう不動産転売で儲けることは不可能なのでしょうか。また、こうした転売目的ではなく不動産を5年以内に売却したいという人もあおりを食らってしまうのでしょうか。

こうした疑問を次章以降の解説で解消していきますので、どうぞ先に読み進んでください。

2、5年以内の不動産売却と税金の基本

不動産売却には「5年以内」と「5年超」とで税金の取り扱いに大きな違いがあります。その違いと、「5年以内」の取り扱いについて解説します。

(1)5年以内の不動産売却益は税金が高い

取得から5年以内に同じ不動産を売却した場合、売却時に発生した利益に対して課せられる税金が高くなります。不動産売却で利益が発生した場合(つまり購入時よりも売却時の価格が高かった場合)、その利益は譲渡所得と呼ばれます。所有期間が5年以下なのか、5年超かによって以下の違いがあります。

短期譲渡所得:所得税30.63%+住民税9%39.63%

長期譲渡所得:所得税15.315%+住民税5%20.315%

いかがでしょうか。実にその差は約2倍です。なお、平成49年までは復興特別所得税の2.1%がさらに課税されますが、これは短期であっても長期であっても同じなので考慮しないものとしています。

ここでは、「5年以内に売却して利益が発生すると税金が倍くらいになる」という点を押さえておいてください。

(2)通常の不動産売却との比較

ここでいう「通常の不動産売却」とは、5年以上持ち続けた不動産を売却する場合のことです。前項のように長期譲渡所得であれば税率は20.315%なので、約2割です。

しかも、「通常の不動産売却」は転売利益を目的とした不動産取引ではないはずなので、その場合は譲渡益すら発生しないかも知れません。購入時よりも売却時の価格が低ければ、そもそも譲渡所得が発生していないので税金は発生しません。

この記事のテーマは「5年以内の不動産売却で利益が発生した場合の税金」なので、通常の不動産売却とは事情がかなり異なることも押さえておいてください。

(3)5年以内の不動産売却益の税金を計算する方法

ここまで「5年以内」という言葉を用いてきましたが、この言葉だけだと取得から丸5年以内という認識を持つ方が多いと思います。ここで注意したいのは、「売却した年の11日現在での所有期間」である点です。

例えば7月に購入した不動産を、5年後の7月まで持っていれば丸5年経過です。それでは8月以降に売却すれば「5年以内」の取り扱いから外れるかというと、その年の11日では5年以内なので高率の課税対象となってしまいます。このケースで「5年超」になるようにするのであれば、翌年の11日まで待つ必要があるということです。

税金の計算方法は、それほど複雑ではありません。

売却価格 − 購入価格 - 売却費用 = 譲渡所得

ここで譲渡所得がプラスであれば、以下の計算式で税額を算出します。

譲渡所得 × 39.63% = 税額

もしこのケースが「5年超」になるのであれば、税率のところが20.315%になるというわけです。

(4)結局、不動産の短期転売は儲からない?

5年以内の不動産売却に高い税率が適用されているせいで、いわゆる「空中族」をはじめとする短期転売の不動産投資は利益がかなり圧縮されてしまいます。本来の目的である手残りが少なくなるということもあって、短期転売に投資妙味を感じなくなった投資家も多数います。

冒頭でご紹介したように中古マンション価格が大都市圏で上昇を続けていることを考えると短期転売がオイシイとされてきましたが、税金との兼ね合いを考えると今はそれほど儲からないというのが実際のところだと思います。

それでもまだ利益を上げる可能性はあるはず、という方もおられると思いますので、そんな方に必要な情報は「5、それでも「空中族」の利益を追い求めたい方へ」で解説します。

3、不動産売却益の税金が高くならないケース

5年以内の不動産売却に高い税率が適用されるということだけだと、転売目的ではない人にまでその影響が出てしまいます。それを防ぐ目的もあって、不動産売却の税金が高くならないような特別控除があります。

(1)自己居住物件である

自己居住物件を転売目的で買う人はあまりいないでしょう。むしろ健全な不動産流通のために流動性を確保する必要があるので、自己居住物件には3,000万円の特別控除があります。

5年以内の売却で利益が発生した場合は39%の税率が適用されますが、この3,000万円の特別控除のおかげで売却収支がプラスにならず、そもそも課税対象にならないケースが大半です。

購入時4,000万円の物件を5年以内に5,000万円で売却できたとします。

この場合、短期譲渡所得は1,000万円ですが、自己居住物件だと3,000万円の特別控除があるので収支は2,000万円のマイナスです。実際には1,000万円の売却益が出ていても特別控除によって帳簿上の収支はマイナスになるため、たとえ39%の高率となる税金であっても課税されないのでノーダメージとなります。

(2)10年を超える自己居住物件には軽減税率がある

5年以内の短期売却に対して、10年を超える長期売却という概念もあります。

自己居住用の物件に限られますが、10年を超えて所有していた物件に売却益が発生したとしても税率は14%と低く、さらに3,000万円の特別控除があるのでよほどのことがなければ税金が発生することすらないでしょうし、仮に発生しても税率が低いので税負担は少なくなります。

ただし、10年超の自己居住物件を売却する場合、譲渡所得が6,000万円を超えるようだと税率が20%となります。これについても10年以上所有した不動産物件を売却して6,000万円以上の利益が出るというのは相当な優良物件なので、現実に課税されるケースは稀でしょう。

(3)買い替えの特例を適用する

不動産を売却する場合、それが自己居住物件であれば住むところがなくなるので次の物件の購入が前提になっている場合が多いでしょう。この場合は売却と次の物件購入をセットにして買い替えとして取り扱う特例があります。

現在の自宅を売却して次の不動産を購入するという一連の不動産取引では、多くの場合において旧自宅よりも価格の高い物件に引っ越しケースが多いはずです。その場合は譲渡所得が発生していても次に購入する不動産価格が上回っていれば収支が差し引きマイナスとなるため、税金は発生しません。

旧自宅を売却して次の物件を購入しても手残りがある場合には税金が発生しますが、旧自宅を売却した時の譲渡所得に丸々かかってくることと比べると課税対象額が少なくなるため、やはり税額が軽くなります。

これは買い替えの特例と呼ばれる制度で、ここで解説したようなケースに該当する場合は利用する価値がありますが、あくまでも「繰り延べ」である点に注意が必要です。というのも、ここで繰り延べをした資産を持ち続けることになるため、新しく買った自宅を今度売却する際に譲渡益が発生したら税金が丸々かかってくるからです。

税金が安くなったのではなく、買い替えによって資産を手放していないことで先送りにしているということです。もっとも、次に新しく買う物件に住み続けるのであれば、長期譲渡所得の適用を受ける可能性も出てきますし、そもそも売却益が発生しないかも知れないので、繰り延べをしたからといって必ずしも「次に大きな税金が来る」というわけではありません。

4、すでに買ってしまった不動産を5年以内に売却したい方へ

現在保有している不動産を何らかの事情で5年以内に売却する必要がある方は、高い税率を甘んじて受け入れるしかないのでしょうか。5年以内の売却で損をしたくないという方が取り得る選択肢を4つ解説します。

(1)購入価格を上回っているのであれば即売却を検討する

現在お持ちの不動産の価格相場が、購入時の価格を上回っている見込みなのであれば、少しでも利益が乗っているうちに売却してしまうのもひとつの手です。特にマンションは時間の経過とともに価格が下落していきやすいため、売却する予定のものを持ったままにしているより、税金が高くなってしまって手残りが少なくなるとしても、プラス収支で売り抜けるのは一考の価値があります。

(2)税率アップを織り込めるだけの売り方を工夫する

5年以内に売却して利益が発生すると税率が高くなってしまうことは、ここまで解説してきました。しかし逆に考えると、仮に新築の物件を5年以内に売却するということは高値で売却できる可能性が高いと言い換えることもできます。

不動産を少しでも高く売却するには、そのための知恵と工夫が必要です。具体的に必要なことを時系列に並べると、以下のようになります。

①売却したい不動産の価格相場を正確に把握する

②複数業者に査定を依頼して信頼できる売却パートナーを見極める

③室内の清掃や内覧時の対応などを工夫して早期に売却する

これら一連の流れについて、大切なことを「不動産売却の相場を調査する3つの方法&4つのツールとより高額で売却する方法」で解説していますので、高値売却を希望される方はぜひそちらもお読みください。

(3)売却の理由を明確にする

新築で購入して5年以内に売却する場合、築浅物件として人気になりやすいのですが、世の中にはその逆を考えて「なぜこんなに築浅の物件を手放すのだろう?」と勘繰る人もいます。そのせいで買い手が付きにくいのは高値売却への妨げになるので、売却時にはその理由を明確にしておきましょう。

例えば、「転勤のため」「親の介護のため」「離婚のため」といった具合です。売却の理由が不動産そのものではなく仕事や家庭の事情であるというところがミソです。

(4)一括査定サイトを利用して売却を有利にする

前々項の②において、査定は複数業者に依頼するべきだと述べました。複数の業者に依頼することで不動産業者同士の競争意識が働き、より良い提案をしようとしてくれることや、複数の査定結果を見ることで客観的に相場観を掴むことができるといったメリットがあります。

「不動産投資の教科書」は、こうした複数業者への査定依頼に一括見積サイトの利用をオススメしています。

例えばオススメの一つが「すまいValue(すまいバリュー)」というサイトです。

すまいValue(すまいバリュー)

すまいValueは、不動産仲介の7割近くを登録される下記大手6社の不動産会社が直営の不動産査定サイトです。

  • 東急リバブル
  • 住友不動産販売
  • 野村の仲介
  • 三井のリハウス
  • 三菱地所ハウスネット
  • 小田急不動産

6社が合計して、全国エリアでの店舗数は「819」店舗、年間ご成約実績なんと「10万件」以上にもあります。

  • 分譲マンション
  • 一戸建て
  • 土地
  • ビル
  • アパート

など全てのタイプを対応しておりますので、ぜひ活用してみて下さい。

公式サイトはこちら

その他オススメの査定サイトについては「不動産をすぐに高く売却したい方へ!オススメ査定サイト厳選3」の記事でご紹介しています。

そちらも参考の上で少しでも高値で売却できるように動いてみてください。

5、それでも「空中族」の利益を追い求めたい方へ

5年以内に売却すると譲渡益に高い税金がかかるとなると、転売での儲けを前提としている「空中族」は通用しないのでしょうか。そんな環境下でも不動産転売で利益を追い求める可能性について考えてみました。

(1)マンション価格の展望

冒頭で述べたように、大都市圏の中古マンション価格が好調に推移しています。この動きがあることで「空中族」と呼ばれる不動産転売投資家が登場するわけですが、この動きは当面続くと見て良いでしょう。

よく言われている2020年問題(東京オリンピックが不動産市場好調のピークとなりその後は下落するという説)も、すべての物件に当てはまるものではないと見られるため、今後は個別の物件ごとに二極化していくものの好調を維持するエリアや物件はなくならないというのが大勢の意見です。

ここで導き出される結論は、「物件選びがよりシビアになるものの、しっかりと選べば今後も転売利益の可能性は残る」というものです。

(2)5年を超えてからの売却も検討しよう

短期売却で税金が高くなってしまうのであれば、その縛りから解放される「5年超」で売却することもひとつの方法です。

本当に価値のある不動産物件であれば5年以下と5年超で大きく価値が下がってしまうとは考えにくく、5年を超えて税率が通常の20%になってから腰を据えて売却するということも検討に値します。

(3)長期にわたって値下がりしにくい物件を厳選する

今後は不動産物件の二極化が進み、より物件選びがシビアになるものの今後も好調を維持する物件がなくならないこと、それともうひとつ短期売却で課せられる高率の税金を回避するために5年を超えた時期に売却することも一考であること。

この2点を総合すると、やはり重要なのは「5年を超えた時期に売却しても価値が色褪せない物件選び」です。

「不動産投資の教科書」では物件選びへのこだわりを強く持っており、これまでに数々の記事でその重要性やノウハウを解説してきました。以下の記事で物件選びのノウハウを解説していますので、こちらもお読みになった上で、今後も不動産転売で儲けられる可能性を模索してください。

まとめ

「不動産は5年以内に売却すると大損する」という話がまことしやかに飛び交っていることを受けて、その真実と実際のところについてここまで解説をしてきました。

実際にお読みになって、「大損する」ということとは微妙にニュアンスが異なることにお気づきになったことと思います。

40%近い高率の税金に関わりがあるのは短期転売での儲けを狙っている人たちであって、自己居住用の不動産についてはあまり関係がないこともお分かりいただけたと思います。

とはいえ短期転売で利益を追い求めたいという投資家の方々にとっては非常に関わりの深い税制なので、その環境下で成功する方法についても触れました。すべての情報を理解した上での投資判断であれば、より精度の高い投資行動を取れるのではないかと思います。

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