• 不動産投資
  • 2017/8/30

土地の転売は儲かる?合法的に高く売るための4つの知識

土地を購入して転売をして利益が出るのであれば、こんなに「ボロい金儲け」はありません。

お笑いタレントの松本人志さんが土地の転売で8億円を荒稼ぎしたというニュースによって、「土地の転売は儲かる」というイメージを持つようになった方はとても多くなりました。

よし、それなら土地を転売して大儲けしてみようとお考えですか?

安く買って高く売るという極めてシンプルな取引が成立すれば、確かにそれを繰り返すことで大儲けは可能になります。法律に禁止されていることではなく、合法的な転売ビジネスです。

しかし、残念ながら一般投資家の方にそれが通用したのは、あの不動産バブルの頃までです。不動産の相場形成や税制などにおいて「転売だけで利益を上げる」ことが難しくなっているのは間違いありません。

では、どうすれば良いのか?

もう不動産で儲けることは難しいのか?

そうお考えになるかも知れませんが、そんなことはありません。儲け方が変わっただけで、むしろ本来あるべき形になっている今の方が一般投資家の方には安全で現実味のある投資が可能になっています。

「不動産投資の教科書」が考える土地転売と、そこから利益を上げる可能性。そして、今の時代にふさわしい不動産投資のあり方を解説しますので、「不動産で儲けたい」とお考えの方は必読の内容です。


1、昔話になった土地転売長者、もはや土地の転売では儲からない?

(1)土地の転売が儲かるという説について

結論から先に申し上げますと、一般の不動産投資家が「土地の転売だけ」で荒稼ぎをすることは今や非常に難しくなっています。なぜなら不動産価格に相場があり、それを大幅に下回る価格での仕入れ、そして大幅に上回るような価格での購入に応じてくれる相手がいないからです。

かつて日本経済に吹き荒れた不動産バブルでは不動産が持つ価値に関わりなく「不動産であれば値上がりする、そして売れる」ことが常識だったため、土地を転売するだけで大儲けしていた投資家がたくさんいました。

そんな時代の錬金術はもう通用しないので、今どきの不動産投資では土地の転売だけでなく幅広い視野を持ったスタンスが必要だということを、最初に押さえておいてください。

(2)税制も土地の転売には冷ややか

土地の転売だけで利益を上げるのが難しいというのは不動産市場だけの事情だけでなく、税制にも言えます。不動産の売却益に対して課税される所得税と住民税が、取得してから5年以内の売却だと税率がほぼ倍になるのです。売却益の4割ほどが税金になってしまうというのは、転売を繰り返すことで利益を上げる難しさに拍車をかけています。

この税制について詳しくは、「2、土地の転売に関連する法律や税制」で解説します。

(3)今の時代にふさわしい着実な利益の上げ方がある

不動産市場の今のあり方や税制など、土地の転売で利益を上げにくい構造になっている現在、不動産投資家はどうやって利益を上げていくべきでしょうか。

「不動産投資の教科書」ではさまざまな角度から賃料収入を安定的に得る方法や、有利に売却する方法を解説しています。どれも「土地の転売で○億円の利益!」というインパクトはありませんが、着実に利益を積み重ねて資産形成ができるようになっており、地に足のついた不動産投資と言えます。

松本人志さんの事例が大々的に報じられたこともあって土地転売長者神話のようなものがあるかも知れませんが、「不動産投資の教科書」はそのような投機に近い土地取引よりも確実で実現性のある投資を推奨します。

2、土地の転売に関連する法律や税制

(1)利益目的の土地取得、転売の違法性は?

土地を購入するという行為は、ごく普通にある不動産取引です。そして購入して保有している土地を売却することも何ら問題のない不動産取引です。つまり、土地を転売して利益を上げることには違法性は特になく、それを禁止する法律もありません。

別の目的で土地を購入したもののすぐに売ることになったのと、最初から転売目的で購入した土地を売却するのとでは外見上の違いがないため、仮に禁止したとしても区別をするのは難しいでしょう。

(2)ただし5年以内の売却には高率の税金

禁止こそされていないものの、土地を取得してから5年以内に売却をして、そこで売却益が発生すると高い税金が発生します。税制には「短期譲渡所得」という規定があって、「売却した年の11日現在で所有期間5年以下」だと30%の所得税と、9%の住民税が課税され、合計すると39%です。

それに対して11日現在で所有期間が5年を超えている場合は所得税が15%で住民税が5%なので、合計は20%です。これだけを見ても税率が倍近くになっているので、税制も土地の短期売却については厳しく臨んでいることが分かります。

なお、平成49年までの特例措置としてこの税金に加えて土地の売却益には復興特別所得税として2.1%が上乗せされますが、これは短期売却であっても5年を超えてからの売却であっても同じです。

(3)土地の転売は税金が高いワケ

土地の売却には所有期間5年を境に大きな税率の差があるわけですが、これはなぜでしょうか。取りやすいところから取るというのが税制の基本的な考え方でもあるので、土地の転売で儲けている不動産会社や投資家に課税したいという考えも一理あるでしょう。

もうひとつは、かつての不動産バブルとその崩壊への反省です。土地を購入して値上がりすればすぐに転売するという錬金術が当たり前のように行われていた時代には、土地は投機の対象として活発に売買されていました。その結果がどうであったかは言うまでもなく、短期譲渡所得の税制にはそうした土地転がしを防ぐ狙いがありました。すでに不動産バブルが終焉してから20年以上が経過していますが、制度だけは残っている状態です。今後も土地の転売だけで大儲けをするような錬金術があまり大々的に行われないよう、抑止的に制度が残されているのかも知れません。

(4)5年以内に土地を転売した場合の税額計算方法

購入した土地を5年以内に売却をして1,000万円の利益が出たとすると、いったい税額はいくらになるのでしょうか。実際に計算をしてみましょう。

最初に所得税を計算します。

1,000万円 × 30% 300万円 → ①

 平成49年まではここに復興特別所得税がかかるので、この税額に2.1%をかけます。

300万円 × 2.1% 63,000円 → ②

最後に、住民税を計算します。

1,000万円 × 9% 90万円 → ③

① + ② + ③ = 税金の総額になるので、合計すると3963,000です。

これは短期譲渡所得に該当するので所得税率が30%、住民税率が9%でした。5年を超えた場合の税率でも計算をしてみましょう。

1,000万円 × 15% 150万円

150万円 × 2.1% 31,500

1,000万円 × 5% 50万円

これを合計すると2031,500となり、税率と同じように税額も半分程度になります。

(5)短期譲渡所得が適用されても控除があるケース

取得後5年以内に土地を売却するケースは、転売目的以外であっても十分にあり得ます。単に所有年数だけで短期譲渡所得の扱いを受けると不公平感があるので、特例によって控除されるケースがあります。

以下は適用されるケースが多いと思われる主な控除です。

  • 公共事業のために売却 → 控除額5,000万円
  • マイホームの売却 → 控除額3,000万円
  • 特定土地区画整理事業 → 控除額2,000万円

こうした控除を見ていると、国の事業や政策のために土地を売却した場合や、自己居住用の土地建物であれば転売と見なされず高額の控除が受けられることが分かります。

やはり、税制は単純に利益を目的とした土地の購入と転売にだけ厳しくなる仕組みになっているのです。

3、土地の転売で利益を上げることができる可能性

(1)松本人志さんの事例から分かること

お笑いタレントの松本人志さんが、「新橋の土地で8億円儲けた」というニュースが駆け巡ったことがあります。これはフェイクニュースではく事実であり、計算上ではあるものの8億円の利益を手にしていることも本当です。

松本さんが東京・新橋のJR新橋駅近くにあるL型の土地を購入したのは2010年のことです。L字型になっているのは角にタバコ屋があり、このタバコ屋が売却に応じなかったためです。

L字型であるがゆえにビルを建てることもできず売却先を探していたところに、松本さんが購入したという経緯です。その後松本さんは6年近く土地を保有し続け、その間は駐車場経営で固定資産税の支払いに充当するという土地活用をしていました。

もしかすると角のタバコ屋が売却に応じることを期待しての投資だったのかも知れませんが、最終的にはL字型のままでも土地の価値が高くなったということで売却、その時の売却益が8億円というわけです。かつての地上げ屋であれば角のタバコ屋を力づくでも立ち退かせたかも知れませんが、今はそんな時代ではないので、松本さんが売却した時にもL字型のままでした。

この土地取引のポイントは、以下の通りです。

  • L字型の土地ゆえに値頃感があり、資金力のある松本さんが興味を持った
  • 駐車場経営で所有コストをまかない保有し続けることができた
  • 5年経過後に売却したので転売とは見なされず税金も安くなった
  • 結果的にL型のままだったが、もし角の土地も取得できていればさらに高値での売却もあり得た

このことからも分かるように、単に「値上がりしそうな土地」を購入して転売するだけというビジネスではなく、その土地が持つ特性や見通しなどがなければ転売ビジネスは成り立ちません

(2)ネットで売りに出されている土地を買っても利益は出ない

先ほどの松本さんの例でもそうですが、土地の転売で利益を上げるには(松本さんの場合は結果がそうなっただけかも知れませんが)、いかに安く土地を購入するかという仕入れがすべてです。安く仕入れさえできれば相場通りの価格で転売しただけでも十分利益を出すことができます。

そうなると勝負を分けるのは情報力というわけで、ネット上にある売却物件を探しても難しいでしょう。なぜなら、そこに相場より安く仕入れられる物件があるのであればすぐに売れてしまうわけで、売りに出されている(売れ残っている)物件は仕入れて転売をしても利ザヤが見込めないと考えるべきです。

こうした物件は不動産業界では出回り物件と呼ばれ、プロの不動産業者もあまり手を出しません。

(3)重要なのは仕入れと、そのための情報力

前項のように誰でも知り得るところで売られている土地を転売しても儲けは出ないとなると、重要になるのは「売りに出される前の売却情報」をいかにキャッチできるかです。

特に相続や離婚など家庭の事情で土地を売却したいという個人は相場より少々安くても早く現金化したいという思いを持っていることも多く、こうした土地を仕入れることができれば転売で利益を出すことが十分可能です。

相続に備えて財産を子供に分配しやすいように土地を現金化したいと考えていた所有者が、顧問税理士にそれを相談したことから税理士とつながりのあった不動産業者が買い取ったというケースがあります。この土地の売却情報は全く市場に出回ることはなく人のつながりによって成立しているので、転売で利益を出すための理想的な仕入れ事例だと言えます。

こうした情報をいかにキャッチするかは不動産投資家としての知識だけでなく、人脈などネットワーク力や情報力がものをいう部分も大きいでしょう。不動産投資家として、こうした人のネットワークを広げる努力をするのも有効だと思います。

(4)土地の価値が大きく変わる要素を予測できるか

購入した土地が値上がりする可能性として考えられるものに、周辺環境の変化があります。新しく駅ができる、集客力のある施設ができる、企業や工場が進出してくるといったように、その土地の利用価値が高まるような変化があれば土地の価格は上昇し、転売すれば利益を出すことができるでしょう。

しかし、こうした情報が特定の人に流れた時点で不動産取引が行われる可能性が高く、一般の投資家が参入できる余地は少ないと思われます。

実際のところ、購入した土地が値上がりをして転売利益が出たというケースは結果オーライでそのような形になったというのがほとんどではないでしょうか。

4、不動産投資家が土地の転売で利益を上げる3つの方法

(1)自分で不動産会社を立ち上げる

不動産の情報が最も入ってくるのは、不動産業者です。なぜならレインズなど不動産業者しかアクセスできない情報ネットワークがあることや、不動産業者同士の情報網があるからです。

投資家として土地の転売で利益を目指すのであれば、自分が不動産会社を立ち上げてこうした情報ネットワークの輪に入るのもひとつの方法です。もちろん不動産業者が共有している情報があるからといって転売で利益を上げられるような物件情報に簡単に出会えるかというと、そんなことはありません。ただ、一般の投資家が見ている情報と比べるとはるかに質の高い情報に触れる確率が高くなるのは間違いありません。

さらに、法人として不動産会社を立ち上げた上での不動産取引であれば短期譲渡所得税の対象にもならず、「5年しばり」の心配もなくなります。

宅建の資格を取得するのはハードルが高いかも知れませんが、今後も不動産投資で利益を目指していくのであればムダにはならない資格です。

(2)土地付きの格安物件を探す

厳密には土地の転売ではないかも知れませんが、土地付きの格安戸建て物件を購入して、ある程度の手直しをしてから転売するという錬金術があります。初心者の方には難易度が高いのでもろ手を挙げてオススメはできませんが、郊外などにある数百万円レベルの築古物件を購入し、重要個所や見た目などを手直しして売りに出すと、利ザヤを稼げる場合があります。

こうした物件を仕入れるためには目利きが必要になりますが、建物の状態が悪い場合や土地そのものに一定の価値が見込まれる場合は土地として売りに出す方法もあります。

いずれにしても、いかに安く仕入れるかがビジネスとして成立させるための大きなポイントです。

(3)転売ありきではなく経営ありきで土地を購入する

不動産投資で利益を上げる方法は大きく分けて2つ、インカムゲイン(賃料収入)とキャピタルゲイン(売買差益)です。土地の転売は後者のキャピタルゲインを狙うものですが、この利益ありきだと安く仕入れられるかどうかで勝負が決してしまう部分もあるため、一般の投資家向きではないとも思えます。

そこで提案したいのが、購入した土地をちゃんと経営しながら「高く売れるチャンスを待つ」という投資です。

更地のままの土地であれば駐車場経営をしながら「持っているだけで損」という状況を回避することで、転売の時期を焦らずに済みます。あくまでも損得勘定がプラスになっていることが前提ですが、場合によってはアパートやビルなどを建てて賃貸経営をしても良いでしょう。

最初から転売だけで儲けるという発想よりも、このようにあらゆる方法で利益を狙うのが「不動産投資の教科書」がオススメする土地転売の考え方です。

まとめ

購入した土地を転売して利益を上げるために考えられる方法や可能性を解説してきましたが、いかがですか?「なかなか一般の投資家には難しい」とお感じだと思いますが、その感覚は正しいと思います。右から左に土地を転がすだけで利益が出ることは地に足のついた投資ではありませんし、長い目で見ると大やけどをしてしまうリスクも高いと言わざるを得ません。

安全性をしっかりと確保しながら時間をかけて資産形成と収入のアップを図るのが「不動産投資の教科書」が提案する投資のスタイルなので、土地の転売で儲けたいとお考えの方は、こうした事情を踏まえた上での投資行動をオススメします。

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