不動産型クラウドファンディングは儲からない?
不動産型クラウドファンディングは、「短期間で多くの収益は得にくい」「リスクがある」「利回りが低い」「情報が少なく怪しい」等の理由から、儲からないといわれています。
しかし、実際にはどうなのでしょうか?
今回は、儲からないといわれる理由や儲かるクラウドファンディングサービスの選び方を解説します。
不動産型クラウドファンディングに興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。
クラウドファンディングの選び方
- 不動産投資型クラウドファンディングの概要
- 不動産投資型クラウドファンディングの
メリットデメリット - 不動産投資型クラウドファンディングの選び方
- おすすめのクラウドファンディングサービス
目次
1、不動産クラウドファンディングが儲からないと言われる理由
不動産型クラウドファンディングとは、クラウドファンディングに不動産を活用したものです。
投資家から資金を集めて不動産を運営し、得た収益を投資家に分配します。
不動産クラウドファンディングについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
さて、本当に不動産クラウドファンディングは儲からないのでしょうか。
結論としては、適切な案件を選ぶことができれば儲かります。
本章では、不動産クラウドファンディングが儲からないと言われる理由4つについて解説します。
(1)短期間での収益はでない
不動産クラウドファンディングは、株やFXのようにレバレッジを利かせて短期間で多くの収益を得られる投資方法ではないため、儲かりにくいと思われるのかもしれません。
しかし、ローリスクで着々と安定的に収益を得たい方には、おすすめの投資です。
(2)リスクが大きい
不動産クラウドファンディングには、リスクが存在します。不動産クラウドファンディングに限らず、投資にリスクはつきものです。
しかし、リスクについて理解を深めれば、リスクは回避でき、最小限に抑えることができます。
不動産クラウドファンディングのリスクやデメリットについて、詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
不動産投資型クラウドファンディングのデメリットを詳しく解説!
(3)利回りの記載の仕方
現物の不動産投資では、物件の想定利回りがそのまま記載されるのが一般的で、管理コストは反映されていません。
一方、不動産クラウドファンディングのサービスで記載されている想定利回りは、管理コストを引いた利回りです。
不動産クラウドファンディングは、初めから【利回り‐管理委託費】された状態から案件の募集がされます。
現物の不動産投資と比べると、利回りが低いように感じるかもしれませんが、不動産クラウドファンディングの利回りはけっして低いわけではありません。
(4)情報が少ない
不動産クラウドファンディングが広まり始めたのは、比較的最近です。
まだまだ知名度が低く、不動産クラウドファンディングの経験者が世の中に多いわけではありません。
情報が少ないから、「怪しい」「儲からないのではないか」というイメージが付きやすいのかもしれません。
しかし、不動産クラウドファンディングの認知と需要は高まり続けており、最近ではSNSで情報交換が行われていたりします。
Twitterなどで情報を探してみる方法もおすすめです。
2、不動産クラウドファンディングは儲かる理由
前章では、不動産クラウドファンディングが儲からないと言われる理由についてお伝えしました。
不動産クラウドファンディングは儲からないわけではない、ということがお判りいただけたかと思います。
本章では、不動産クラウドファンディングが儲かる理由をお伝えします。
- 不動産の管理コストがかからない
- 少額から投資を始められる
- 分散投資をしやすい
(1)不動産の管理コストがかからない
不動産投資の場合、不動産物件を購入すると定期的なメンテナンスなどによる管理コストがかかります。
しかし、不動産クラウドファンディングの場合、想定利回りに管理コストが含まれており、投資不動産の管理は管理委託会社がおこなうため、不動産投資家はコストも手間もかかりません。
(2)少額から投資を始められる
不動産クラウドファンディングは、1万円の出資で不動産投資が始められます。
いきなり多額の出資をするよりは、リスクが少ないため、投資初心者でも気軽に始められるのでしょう。
(3)分散投資をしやすい
不動産クラウドファンディングは、複数の案件に応募することが可能です。
万が一応募した案件が原本割れしたときのために、手持ち金を少額ずつ分散して、いくつかの案件に応募することで簡単にリスクヘッジできます。
3、儲かる不動産クラウドファンディングの選び方
本章では、不動産クラウドファンディング案件の選び方をお伝えします。
- 運営期間の長さで選ぶ
- 募集案件の豊富さで選ぶ
- 案件の開示情報量
(1)運営期間の長さで選ぶ
不動産クラウドファンディングには、匿名組合型と任意組合型があります。
1年以内の短期間での運用であれば、短期間で様々な不動産を運用できる匿名組合型で契約するのがおすすめです。
しかし、匿名組合型では、税金が雑所得として扱われるので注意が必要です。
10年以上の長期的な運用を検討している方は、任意組合型で契約しましょう。任意組合型は、最低出資金額が高いものが多く、長期間まとまった資金で運用を行いたい方におすすめです。
匿名組合型とは異なり、任意組合型の分配金は不動産所得、売却金は譲渡所得になります。
不動産クラウドファンディングでは、減価償却などを経費として計上することは難しいので注意が必要です。
(2)募集案件の豊富さで選ぶ
せっかくなら、投資の機会が多い方が良いですよね。
しかし、不動産クラウドファンディングの案件数は、それほど多いわけではありません。
さらに最近では、不動産クラウドファンディングの需要が増えてきていることからも、好きな案件に応募できないこともあるでしょう。
募集案件の多いサービスや、扱う案件の規模が大きいサービスを選んで、投資の機会を少しでも多く掴みましょう。
(3)案件の開示情報量
不動産情報の確認は不可欠です。投資する案件が優良な案件か判断するために、開示情報が多いサービスを選択しましょう。
特に、投資不動産の築年数や住所には注目しておくべきです。
築年数や住所があれば、利回り相場が実際の不動産の価値との相違はないかの判断材料になります。
4、不動産クラウドファンディング選ぶときの注意点
本章では、不動産クラウドファンディングを選ぶときの注意点をお伝えします。
- 利回りが高いだけの案件は避ける
- 分散投資する
- 過去に元本割れを起こしていないかチェック
- 劣後出資の割合を確認
(1)分散投資する
何度も言いますが、不動産クラウドファンディングに限らず、投資にはリスクがつきものです。
元本割れが起こることも十分にあり得ます。全部失ってしまったなんてことを避けるために、複数の案件に分散投資し、リスクヘッジを行いましょう。
(2)利回りが高いだけの案件は避ける
不動産クラウドファンディングの利回りは、非常に幅広いものとなっています。
高いものだと、10%近くの利回りの案件も存在します。
利回りが高いと効率的に利益を得られますが、同時に元本割れのリスクも高まるのであまりに高すぎる案件は、慎重に検討する必要があるでしょう。
(3)過去に元本割れを起こしていないかチェック
元本割れを極力避けるために、投資する事業者が過去に元本割れを起こしていないかを確認しておきましょう。
案件だけで判断するのではなく、事業所の経営状況も参考にすることは、リスク対策につながります。
(4)劣後出資の割合
劣後出資とは、配当金は後に分配され、損失は先に負担を行うことです。
災害や事故、劣化などにより評価額が下がった場合に、投資家へのリターンが一定に保たれる仕組みです。
より安全に投資をするために、劣後出資の割合を確認しておきましょう。
5、不動産クラウドファンディングサービス3選
本章では、代表的な不動産クラウドファンディングサービス3つを紹介いたします。
- COZUCHI
- CREAL
- OwnersBook
(1)COZUCHI
出典:COZUCHI
①運営会社情報
会社名:LAETOLI株式会社
所在地:東京都港区南青山二丁目26番1号 D-LIFEPLACE南青山2F
公式サイト:https://laetoli.jp/
②サービス情報
期待利回り(年利):4.0~10.0%
運用期間:3~24ヶ月
COZUCHI は、1999年に創業したLAETOLI株式会社が運営している不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
長年不動産に関わっている企業であり、不動産投資に関する知識やノウハウは十分にあるので、信頼性の面で申し分ないサービスでしょう。
投資先は、主に都心のマンションですが、人気レストランが入った物件なども取り扱っています。
平均的な期待利回りは4〜10%程度と比較的高く、利回りを重視したい方にとって最適な不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
また、COZUCHIは手数料を支払えばファンドの途中解約ができるので、急に現金が必要になった際も安心です。
(2)CREAL
出典:CREAL
①運営会社情報
会社名:クリアル株式会社
所在地:東京都台東区東上野 2-13-2 CREAL UENO
公式サイト:https://corp.creal.jp/
②サービス情報
期待利回り(年利):3.0~6.0%
運用期間:6~18ヶ月
累計資金調達額が152億円で、運営会社のクリアル株式会社は東証グロースに上場しました。(いずれも2022年4月時点)
クリアルの最大の特徴は、クラウドファンディング事業・ファンド事業を通じて様々な種別のアセットを扱っている点です。
中古区分・中古一棟・新築一棟の他にも、
- ビジネスホテルなどの宿泊施設
- 保育園や専門学校などの教育施設
- オフィス
- ヘルスケア施設
など、案件の種類が非常に豊富となっています。
多くの案件に投資したい人にとっては投資対象を分散できるため、高い安全性のもと投資することができます。
(3)OwnersBook
出典:OwnersBook
①運営会社情報
会社名:ロードスターインベストメンツ株式会社
所在地:東京都中央区銀座1丁目10番6号 銀座ファーストビル2F
公式サイト:https://loadstarinvestments.com/
②サービス情報
期待利回り(年利):4.0~5.6%
運用期間:19~36ヶ月
貸付型の累計投資額は280億円を超えています。
運営会社のロードスターインベストメンツ株式会社は、東証プライム上場のロードスターキャピタル株式会社の100%子会社なので、投資先としても安心でしょう。
また、オーナーズブックでは出資者の募集方法として、「先着方式」と「抽選方式」があり、今までなかなか先着で案件を獲得することができなかった人にもチャンスを増やしています。
不動産クラウドファンディングのQ&Aまとめ
不動産クラウドファンディングとは何ですか?
不動産クラウドファンディングとは、複数の投資家が、不動産特定共同事業法に則ったインターネット上のプラットフォームを通じて、不動産に対して資金を出資する形態の投資方法です。
通常の不動産投資では、一定の資金を持って不動産を購入し、収益を得るために運用する必要がありますが、不動産クラウドファンディングでは、多くの投資家が少額の資金を出資し、それを一つの物件に集めて運用します。
不動産クラウドファンディングに出資するとどうなる?
投資家は、不動産クラウドファンディングプラットフォーム上で物件の情報や収益予想、リスクなどを確認し、自分の投資金額を決定し出資します。出資額に応じた割合で収益分配や売却時の利益分配などが行われます。
不動産クラウドファンディングに出資するリスクは?
どのような投資にもリスクはあり、基本的にリスクとリターンは対価です。不動産クラウドファンディングは「ミドルリスク・ミドルリターン」の投資商品であるといわれています。
想定されるリスクは以下の通りです。
- 元本毀損リスク: 不動産の価値は市況や地域の経済状況によって変動するため、投資した不動産の価値が減少する可能性があります。不動産市場の変動や需要の変化によって、出資元本が毀損する(減少する)可能性があります。
- 信用リスク: 不動産クラウドファンディングに出資する際には、不動産開発事業者やプラットフォーム運営会社の信用力を評価する必要があります。事業者の信用力に問題があった場合、投資家の出資金の返済が滞る可能性があります。また、プラットフォームの運営会社が破産した場合、投資家の出資金が回収困難になる可能性があります。
- 管理リスク: 不動産クラウドファンディングでは、不動産の運用や管理が必要となります。不動産の管理運用に問題が生じた場合、投資家の利益に影響が出る可能性があります。
- 撤退リスク: 不動産クラウドファンディングは一定期間の出資を前提としています。出資期間中に投資をやめる(出資金を回収する)ことができない場合があります。運用期間中に投資をやめることができる場合でも、そのための手数料が必要です。
まとめ
今回は、「不動産クラウドファンディングは儲からないのか?」という疑問にお答えしました。
不動産クラウドファンディングは適切な案件を選択することができれば、しっかり利益を受けられるとお判りいただけたのではないでしょうか。
さらに、現在進行形で、不動産クラウドファンディングの市場は拡大しています。
少額から出資できて、管理コストや運用の手間もかからないため、初心者の方も始めやすい不動産クラウドファンディング。
リスク対策をしながら、不動産クラウドファンディングをスタートしてみてはいかがでしょうか。