• アパート経営
  • 2023/4/21 (更新日:)

アパート建築の費用について知りたい方必見!建築費の相場と概算方法とは

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木造アパート 建築費

「アパート建築の費用について知りたい方必見!- 建築費の相場と概算方法とは

木造アパートの経営を検討している方にとって、まずおさえておきたいのは建築費の相場や概算方法ではないでしょうか。

不動産投資の教科書では、木造アパート建築を検討している方に向けて、アパートの収益性に大きく関わる建築費用や、プランニングのポイントについて詳しく説明していきます。

将来にそなえて資産形成したい、アパート経営で土地を有効活用したい、と考えている方にぴったりの記事です。

  • 木造アパートの坪単価と建築費の内訳
  • 規模ごとの木造アパートの建築費
  • 建ぺい率と容積率
  • 利回りと収益性について
  • 具体的な建築費を調べる方法 

アパート建築全般については、「アパート建築費用の目安は?利回り計算から建築会社の選び方まで紹介」で詳しく解説しています。ぜひ併せてお読みください。

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1、木造アパートの建築費はいくら?

まずは、建築費の相場と坪単価について解説します。木造以外の構造の坪単価についても併せて確認しておきましょう。

(1)アパート建築費の坪単価

①構造別坪単価

アパートなどの建物の、東京の構造別坪単価の相場は下表の通りです。

木造(2~3階建て)57万円/坪
鉄骨造(2~4階建て)102万円/坪
鉄筋コンクリート造(主にマンション)108万円/坪

出典:地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和4年分用】|国税庁の全国平均をもとに算出

坪単価とは建物の建築費用を表示する単位のことで、以下の式でもとめます。

坪単価=本体価格 ÷ 延床面積(坪)

1坪(約3.3平米)あたりの建築費用を表示することで、比較しやすいように単位が統一されています。

②アパートの構造について

アパートの構造は、大きく分けると

  • 木造
  • 鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート造

の3つに分けられ、後者になるほど強度や防音性が高く耐用年数も長いですが、建築費用が高くなります。

参考:【確定申告書等作成コーナー】耐用年数(建物/建物付属設備)

したがって木造は、相対的に建築費用を最も抑えられる構造といえるでしょう。

(2)アパート建築費の内訳

坪単価で算出される建築費用は、建物本体の工事費となり、別途付帯工事費やその他の諸費用が加算されます。

本体工事費の構成は、3つに分かれます。

  • 躯体(約40%)
  • 仕上げ(約40%)
  • 設備(約20%)

見積もりを比較する際には、それぞれの見積もりに記載された「坪単価」が本体工事費のみなのか、付帯工事費や諸費用を含んだ全体の建築費なのかを確認するようにしましょう。

次項で、付帯工事費とその他の費用について解説します。

(3)建築費以外にかかる費用

①別途工事費

付帯工事費とは、ガスや電気、水道などのライフラインを整備するために必要となる費用で、アパート建築費全体の10~20%が目安となります。

地域事情により、給排水の引き込みやガス管工事にかかる費用が異なるので確認が必要です。

その他、駐車場を確保する場合や、オートロックなどセキュリティサービスを充実させる場合も別途工事費がかかります。

②その他諸費用

諸費用は、全体の10%前後が目安となり、主に以下の9項目があります。

設計料

設計にかかる費用です。

設計施工一貫方式でアパートの設計と施工を1つの建築会社に発注する場合、本体工事費用に対して1~5%が目安となります。

設計施工分離方式で、アパートの設計と施工をそれぞれ別の建築会社に発注する場合、設計施工一貫方式の2~3倍かかります。

現況測量費設計のために必要な測量にかかる費用です。20~30万程度が目安です。
地盤調査費用地盤の強度などをあらかじめ把握し、地盤が沈むなど欠陥の発生を防ぐための調査費用です。調査方法にもよりますが25~30万程度かかります。
水道分担金水道の利用申込に際して水道局に納付します。建築予定の市区町村や戸数によって金額が変わるので、確認しておきましょう。
不動産取得税アパートを建築したときや土地を取得したときにかかる地方税のことです。原則として「固定資産税評価額×4%(2024年3月31日までにアパートを建築すると税率が4%から3%に軽減)」の金額になります。
登録免許税および司法書士手数料新築した建物の所有権保存登記にかかる費用です。
登記の登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」、司法書士手数料の相場は4~6万円程度となります。
印紙税

建設工事請負契約書と、アパートローンの金銭消費貸借契約書に貼り付ける印紙代です。

建設工事請負契約書の印紙代はこちら、アパートローンの金銭消費貸借契約書の印紙代はこちらをご参照ください。

損害保険料

建築予定のアパートにかける火災保険および地震保険料です。

近年大規模な災害が増え、保険料が値上がりしています。複数の保険会社から見積もりを取り、比較検討しましょう。保険見直しラボでは、提携する14社の損害保険会社に中から最適な提案をしてもらうことができます。

融資手数料ローンを組む際にかかる手数料で、金融機関に支払います。金額は各金融機関によって変わるので、確認しておきましょう。

付帯工事費も諸費用も、地域特有の事情や土地の整備状況により大きく差が出てくるものです。

実際の具体的な初期費用を知るためには、一括査定サイトの利用がおすすめです。一括査定サイトを使うことで、無料で複数業者の見積もりを取ることができるため、広い視野を持つことができる点が最大のメリットといえます。

 

2、木造アパートの建築費は規模や階数によって変わる

この章では、木造アパートの建築費の概算方法や、一般的な階数について説明します。

(1)木造アパートの建築費の概算方法

坪単価から建築費を算出するための計算式は、以下の通りです。

建築費用 = 敷地面積 × 建ぺい率 × 階数 × 坪単価

建築費用の計算式をもとに、建ぺい率80%として計算すると、下表のようになります。建ぺい率については、次章で詳しく説明します。

2階3階
30坪2,736万円4,104万円
50坪4,560万円6,840万円
100坪9,120万円1億3,680万円

上表の概算は、坪単価の全国平均を使用して算出しているため、目安として参考にしてください。

アパートの建築費は土地の広さや階数だけでなく、地域やデザイン、設備をどれだけ充実させるかによっても変わります。したがって、まずは見積もりを出してもらい収益性を確認しながら、アパートのデザインや設備の充実度について選択していくと、効率的にプランニングできるでしょう。

30坪、50坪、100坪それぞれのアパート建築費について解説した記事もぜひ併せてご参照ください。

(2)木造アパートの階数制限

木造の建築物は火災に弱い構造のため、建築基準法により基準が定められています。

木造の3階建てアパートを建築するためには、厳しい4つの建築基準をクリアする必要がありました。そのため、一般的な木造アパートは2階建てです。

しかし、建築基準法の改正で、建設予定地の延べ床面積が200㎡未満の小規模な土地について建築基準が緩和されたことにより、木造3階建てアパート建築の可能性が増えたのです。

参考:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について|国土交通省

延べ床面積が200㎡以上の木造3階建て共同住宅を建てる場合には、従来通り「1時間準耐火構造」とするための建築基準を満たす必要があるので注意しましょう。

HOME4U(ホームフォーユー)土地活用のメリット・デメリットは?評判や口コミも紹介

3、木造アパート建築は建ぺい率と容積率に注意する

この章では、アパート建築をプランニングする際に注意が必要な「用途地域の確認」、用途地域による「建ぺい率」、「容積率」について解説します。

(1)用途地域を確認する

まずは、アパート建築を予定している土地の「用途地域」を確認しましょう。

用途地域とは、都市計画法に基づき計画的な市街地を形成するために、用途に応じて分けられたエリアのことです。

アパート建築予定の用途地域は、国土交通省のサイトで調べることができます。

参照:国土数値情報|用途地域データ(国土交通省)

用途地域は13地域あり、大きく分けると3タイプに分けることができます。

  • 住居系(8地域)
  • 商業系(2地域)
  • 工業系(3地域)

それぞれの地域で建てられる建物等の種類や大きさが、建ぺい率や容積率などによって制限されているのです。次項で、建ぺい率と容積率について説明します。

(2)建ぺい率

建ぺい率とは、土地の面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合のことで、計算式は下記のようになります。

建ぺい率 = 建築面積 ÷ 土地の面積 × 100

(3)容積率

容積率とは、土地の面積に対する延べ床面積の割合のことで、計算式は下記のようになります。

容積率 = 延べ床面積 ÷ 土地の面積 × 100

建ぺい率と同様、容積率もエリアによって細かく指定されています。

アパート建築予定の土地の建ぺい率・容積率を把握しておくと、建築するアパートのイメージができるでしょう。市区町村に問い合わせる方法が最も確実です。

4、木造アパートの収益性について解説

この章では、木造アパートの利回りの計算方法とシュミレーションツールの紹介、アパート経営のポイントについて解説します。

(1)利回りの計算方法

利回りには、主に「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。

①表面利回り

投資した元金から、どれだけ収益を得られたかで計算する利回りのことです。

計算式は以下の通りです。

表面利回り = (全室満室時年間収入 ÷ 建築費用) × 100

②実質利回り

表面利回りでは計算式に入っていない仲介手数料・税金などのアパート建築に必要な諸経費や、ランニングコストを加えて計算する利回りのことです。

計算式は以下の通りです。

実質利回り = (年間収入 − 年間支出) ÷  建築費用 × 100

実質利回りは、表面利回りよりも低くなりますが、現実的な利回りであるといえます。

建築費用の見積もりを出してもらう際は、どちらの利回りが設定されているか意識しましょう。

(2)収益シュミレーションツールを利用する

収支シミュレーション|利回り計算|不動産投資連合隊」を使うと、実際にどれほどの利益を得られるのかシミュレーションすることができます。

一目で収支や利回りがわかるため、一度試してみてください。

出典:収支シミレーション|利回り計算|不動産投資連合隊

(3)木造アパート経営のポイント

①自己資金を多めに準備する

アパート経営は、区分マンション経営よりも建築費用などの初期投資が高くなります。さらに、初めてアパートを建築する場合は経営実績がないため、融資の審査も厳しくなります。したがって、初期費用の自己資金を多めに用意しておく必要があるのです。

目安として自己資金を1割以上準備して借入金を少なくすることで、月々のキャッシュフロー(手残り)も良くなり、安定した経営につながるでしょう。

②信頼できる管理会社を選ぶ

アパート経営は、20年以上におよぶ長期の事業です。

そのため、アパート管理がしっかりなされているかどうかは、収益性に大きく関わります。

建築予定の地域に密着した、管理実績のある管理会社を選びましょう。地域のニーズをつかむ情報収集という点から見ても、重要なポイントになります。

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5、木造アパートの建築費を調べるには

最後に、木造アパートの具体的な建築費の調べ方と、費用を抑える方法を3つ紹介します。

(1)まずは土地活用サイトで一括見積

この記事では、木造アパートの建築費用の相場やプランニング時の注意点を解説してきました。

しかし、あくまでも相場であって具体的にどんなアパートをいくらで建てることができるのかは、ハウスメーカーや工務店に見積もりを出してもらう必要があります。

土地活用サイトを利用すると、提携している会社から複数の見積もりを取ることができるため、効率的にプランニングができるでしょう。

不動産投資の教科書では、NTTデータが運営するHOME4Uをおすすめしています。

HOME4Uの特徴として、

  • 厳選した優良企業と提携している
  • NTTデータが運営している安心感
  • 提携している建設会社から最大10社までプラン請求先を選べる

といった点があげられます。

アパート経営において、複数のプランから最適な選択をすることが収益の最大化の観点から非常に重要ですので、一括見積もりをぜひ活用しましょう。

(2)建築費用を抑える方法とは

アパートの建築費用を抑える方法としては、以下の3つがあげられます。

  • 一括見積もりを利用する
  • 建築費用に含まれる「マージン」を考慮する
  • シンプルな設計にする

①一括見積もりを利用する

まずは、複数社のプランを比較検討することで建築費用が抑えられます。アパートの建築費用は大きな金額になるため、似たような内容でも建築費用に差が出ることがよくあるのです。

出典:HOME4U

②建築費用に含まれる「マージン」を考慮する

大手メーカーに依頼をした場合、実際に工事を行うのは地元の工務店であるケースがあります。このケースでは、工事費用に大手メーカーのマージンが加算され建築費用が決まります。

そのため、工事を行う地元の工務店に直接依頼した方が建築費用が安く済む場合があるのです。見積もりは大手メーカーだけでなく、地元の工務店からも出してもらうと比較することができるでしょう。

③シンプルな設計にする

建物は、「ありがち」でシンプルな形状の方が建築費用を抑えられる傾向にあります。さらに、複雑な形状よりも部屋数を多く設けられるケースが多いでしょう。

一方、シンプルな形状では周囲との差別化を図ることが難しくなるため、地域のニーズや周囲の競合アパートを調べて選択することが重要です。

6、木造アパートの建築費に関するよくある質問

(1)都市部ではワンルーム条例があると聞きました。詳しく教えてください。

都市部ではワンルームマンションの建築に対して、自治体ごとに様々な規制を設けています。

ワンルーム条例の有無を含め詳細を知りたい方は、アパート建築予定の自治体に問い合わせてみましょう。

  • 専有面積の下限
  • 駐車場・駐輪場の附置
  • 隣地間距離
  • 目隠しの設置
  • ファミリー向け住戸の一定割合の設置
  • 建物使用規則の確認

(2)木造で3階建てのアパート建築は可能?

可能です(条件あり)。

木三共(もくさんきょう)と呼ばれる木造3階建て共同住宅を建築するには、クリアしなければならない基準があります。しかし、2019年の建築基準法の改正により基準が大幅に緩和され、3階建てで延べ床面積が200㎡未満の場合、耐火建築物以外で設計・建築ができるようになりました。

木三共の設計基準とは?木三共のメリットデメリットも解説で詳しく説明しています。ぜひ併せてご参照ください。

(3)フルローンでアパート経営を始めることは可能?

結論から申し上げますと、フルローンでアパート経営を始めるのはほぼ不可能でしょう。

ここ数年で、金融機関の審査はとても厳しくなっています。つまり、数年前よりも多くの自己資金を求められるようになっているのです。

一般的に必要な自己資金は1~2割と言われていますが、3割程度用意しておくのが理想的です。

まとめ

今回は、木造アパートの坪単価や概算方法、アパート建築プランニング時の注意点やポイントについて解説してきました。

木造アパートをはじめとした比較的小規模なアパートは、少子高齢化や未婚率の上昇が進む昨今、シングルやDINKs、子供が独立したあとのシニア世代向けにニーズが上がると予想されています。

時代の流れやエリアのニーズを把握し、ニーズに合った間取りや設備にすることで安定的な収入を得られ、アパート経営の成功につながるでしょう。

アパート経営による資産形成の第一歩に、この記事が役立ちましたら幸いです。

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