• 不動産投資
  • 2017/8/28

1分でわかる!不動産テックの全知識と厳選サービス4選

 最近、不動産テックが盛り上がっているという話を見聞きすることが多くなったと思いませんか?何となく言葉のニュアンスは分かっていても、実際にどんな技術なのか、どんなサービスがあるのかとなるとうまく説明できないという方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、不動産テックという言葉はアメリカのReal Estate Techから来たもので、日本ではまだ明確な意味の定義はありません。しかしすでに不動産テックによるサービスは続々と実用化され、不動産業界全体に大きな変革をもたらす可能性も現実味を帯びてきています。

そこで、これからやってくる不動産テックの潮流に備えるために、

  • 現時点で押さえておきたい不動産テックの知識
  • 不動産テックの基本と普及が進む時代背景
  • 不動産テックが今後もたらす未来予想図
  • すでに実用化されているユニークなサービス

などを網羅しました。

この記事は10分あればお読みいただくことができますが、忙しくて今すぐ概要だけでも、取り急ぎこれだけ知っておけば大丈夫という知識を持っておきたいという方は第1章だけをお読みいただければ1分で即席の知識が得られるように構成しています。

しかし、これから到来する不動産テックの流れをしっかりつかんでいただくためにも、ぜひ最後までお読みください。


1、2017年の時点で押さえておきたい不動産テックの知識

(1)現在、不動産テックと呼ばれているものとは何か

不動産とテクノロジーが組み合わされた造語である不動産テックITが不動産業界に新しい風を吹き込むことにより、業界全体の様相が一変する可能性もあると言われています。

2017年の時点で不動産テックのサービスとして実用化されているものには、以下のようなものがあります。

  • 物件情報ポータルサイト
  • 価格相場、取引実例などによる不動産のオンライン査定
  • VRによる物件内見の疑似体験
  • AI分析による未来の不動産売り出し予測
  • ネット経由の資金調達、クラウドファンディング

この他にもさまざまなサービスがありますが、現時点で「不動産テックとは何か」と問われた時に上記のようなサービスがイメージできれば十分だと思います。

(2)これが「不動産テック」企業だ

すでに多くの企業が不動産テックに参入しており、一般ユーザーが目にするようなマッチング、情報分析・提供といったサービスの他に業務システムによる不動産事業の支援など、そのジャンルも多岐にわたります。

不動産テック企業のひとつであるリマールエステート株式会社が2017年現在のカオスマップを作成しており、ジャンル別にどんな企業が不動産テックに参入しているのかが分かりやすくまとめられています。

出典:http://limar.co.jp/wp-content/

(3)今、不動産テックのココを押さえておこう

なぜ今、不動産テックが盛り上がりを見せているのか?今後どのように展開していくのか?その動きを知り、今後においても不動産テックに精通しておくために、以下のポイントを押さえておきたいところです。

  • ITによって情報の質・量が飛躍的に向上していく
  • 疑似体験や操作性の向上で購買意欲アップ、不動産市場が活性化
  • 情報の偏在が解消され、不動産業界の公平化、透明化が加速する
  • AIやビッグデータの活用によって価格査定や将来予測の精度が高くなる
  • 潜在的なニーズの掘り起こしが進みこれまで俎上に上がらなかった不動産取引が発生するようになる

これらのポイントについて、「一体どういうこと?」と思われるものもあるかと思いますが、上記のポイントすべてについて次章より詳しく解説していきます。

2、不動産テックの定義と基礎知識

(1)不動産テックの意味と語源

そもそも、不動産テックの言葉にはどんな意味があるのでしょうか。「不動産」と「テクノロジー」を掛け合わせて「不動産テック」なので、従来からある不動産業界のさまざまなサービスにテクノロジーが変革をもたらしたもの、と定義して良いと思います。

金融業界には、すでにフィンテックという言葉があります。これはFinanceTechnologyが合体した言葉で、ネットバンキングやオンライン証券口座、FX取引ツールなどはフィンテックの典型例と言えます。

(2)不動産テックに属するおなじみのサービス

すでに私たちは不動産テックに分類されるようなサービスを当たり前のように利用しています。不動産の物件情報を検索できるポータルサイトや一括見積サイトなど、こうしたサービスはテクノロジーによって不動産情報を手軽に入手できるようになったものです。

こうしたマッチングサービスは最も思いつきやすい不動産テックの恩恵ですが、これら以外にもすでにたくさんの不動産テック分野が確立されています。

ローンやクラウドファウンディングといった資金調達に関わるもの、VRで物件情報の伝え方に革新をもたらしたもの、民泊などシェアリングエコノミーを支援するようなものも、すべて不動産テックに含まれます。

(3)不動産テックが登場した背景

不動産業界にITのさまざまな技術が応用され、不動産テックと呼ばれるサービスが続々と登場しているのは、時代の必然的な流れと言えるでしょう。ITの進化、普及によってあらゆるものにテクノロジーの波が押し寄せています。

それまでは手売りされていた切符を駅員が検札していたところに切符の自動販売機や自動改札機が導入され、今ではICカードによって切符すら買わなくても電車に乗れる時代です。

不動産テックもこれと同じように、テクノロジーがこれまでできなかったことを可能にしたり、利便性の向上が図られています。

ITで業務を改善したい、情報の双方向性を利用して不動産取引の透明性を高めたい、手軽に物件情報を調べられるようにしたい…不動産テックはこうした課題や願望をかなえるものとして、今後さらに発展すると思われます。

(4)不動産テックが目指すもの、もたらすもの

不動産テックが今後さらに発展、普及するようになると不動産の世界にはどんな変化が訪れるのでしょうか。そもそも不動産テックが目指すもの、不動産テックに期待されるものは情報の迅速かつ正確な伝達です。これまで不動産業者の間でしか共有されていなかったような情報が不動産テックによって一般にも広く共有されるようになり、それによって不動産取引の透明性が向上しました。

やり取りされる情報の質も高くなり、一般の人が不動産業界に対して不透明で不公平だと感じているイメージが払拭されています。

不動産テックが普及することによってもたらされる変化については、次章で個別に解説します。

3、不動産テックの進化、普及で不動産業界はどうなる?

(1)情報の質と双方向性が飛躍的に向上

不動産のポータルサイトを見ていると分かりますが、こうしたサービスが登場する前と比べると一般の人が入手できる不動産情報が質・量ともに飛躍的に良くなっています。不動産業者から情報が更新されるとそれがすぐに反映され、常に新しい情報を広い視野で検索することもできるようになりました。VRの進化によって物件をまるで内見しているような疑似体験ができるサービスも登場しているので、より正確に不動産情報を訴求できるようにもなります。

このように不動産テックは特にマッチングの分野において不動産情報の流れを良くする効果をもたらしています。

不動産業界では情報の偏在が以前から指摘されています。特定の不動産業者にある情報が共有されずマッチングを阻害していたり、顧客側からの情報が不動産業者に伝わらずニーズが汲み取れないなど、情報の流れが悪いことが不動産業界への不透明なイメージを作り出している部分も否定できません。

ITが持つ情報の双方向性というメリットも不動産テックによってもたらされると考えられ、今後は不動産業界全体のイメージアップにも寄与するでしょう。

(2)不動産取引がガラス張りになり、不動産取引が活性化

情報の偏在が指摘されてきた不動産業界なので、情報の信憑性にもクエスチョンマークがつくことも多々ありました。代表的なものとして賃貸情報の「おとり物件」があります。すでに契約済みであったり最初から存在しないような格安の物件情報を掲載し、そこに問い合わせをしてきた人に対して別の物件を案内するという営業手法です。不動産情報の不透明性がもたらす弊害だとも考えられますが、不動産テックの普及によってこうした手法は通用しなくなるでしょう。なぜなら、情報の双方向性によってこういった手法を繰り返している不動産業者は利用者の評判が悪くなり、以後の営業活動が難しくなるからです。

賃貸ではなく売買の場面においても、一般の人にとって人生に多くても数回しかないような不動産取引の透明性が向上し、購入物件の情報だけでなく取引条件や売主・買主の双方に正確な情報が逐一もたらされることで取引の安心感も増すでしょう。これまで不透明なイメージから不動産の購入をためらっていた人が不動産の購入に関心を持ち、潜在的なマーケットが表に出てくる可能性もあります。

(3)不動産業者の「仲介」が要らなくなる?

ITが情報の双方向性というルートを切り拓くことにより、不動産業者の仲介業務が要らなくなる時代が来るかも知れません。すでに「おうちダイレクト」のように仲介手数料無料の不動産売買サイトも登場しており、ここでは売主が自分で売りたい物件の写真を撮って掲載し、購入希望者を募ることが可能です。

まるでネットオークションや個人売買サイトのような感覚で所有している不動産を売却できるスキームが一般化すると、これまで不動産業者が仲介業務で行ってきた買い手探しに取って代わる可能性があります。

(4)予測に基づく不動産情報

ビッグデータの分析やAIの活用はさまざまな分野で新しい技術やサービスを生み出していますが、不動産テックもその例外ではありません。不動産テックの進化で先行しているアメリカではAIがビッグデータを分析することで「近いうちに売りに出される不動産」という予測情報を提供するサービスが登場しています。

不動産売却時に行われる価格査定についても現在は不動産業者の経験則によるところが大きいですが、不動産テックの進化によって正確かつ公平な売却価格予想(=価格査定)が可能になってくると思われます。

(5)潜在的なニーズが表に出てくる

アメリカで最大のシェアを誇る不動産情報サイト「Zillow 」には、「Make Me Move 」というユニークな機能があります。Zillowでは不動産売買のマッチングがもちろん行われているのですが、実際の売買に至らなかった売主および買主のニーズも「Make Me Move」で可視化されます。「この価格なら売ってもいいが、今は特に売る予定はない」「今の家に満足しているが、こんな家がここまでの価格なら購入を検討しても良い」といったように、すぐに売買に至らないようなボンヤリとしたニーズも活発にやり取りされています。

こうしたサービスは不動産テックならではのもので、従来のマッチングでは掘り起こせなかった潜在的な不動産取引のニーズが表に出てくることが期待されます。

4、不動産テックが可能にしたユニークなサービス4

(1)ビッグデータからAIが不動産価格を推定

大手ポータルサイトの「Yahoo!」とソニー不動産がコラボレーションした不動産情報サービス「おうちダイレクト」には、システム推定価格という機能があります。「おうちダイレクト」は売主が自分で売却物件の情報を掲載して価格設定も行うため、実勢価格による正確な相場を知る必要があります。

そこでこれまでの取引実績データをAIが分析、そこから「70%の確率で成約する価格帯」を算出することで売り出し価格の参考にすることができるというものです。従来であれば不動産業者の経験則に依存しがちだったところに不動産テックの新しい可能性がもたらされたサービスと言えるでしょう。

出典:システム推定価格について(おうちダイレクト)

(2)VRで不動産物件を疑似体験して購買意欲を高める

不動産ポータルサイトの普及によって不動産業者に足を運ばなくても物件情報に触れることができるようになりましたが、最終的な購入や賃貸入居の判断には物件の内見が必要です。それをVRで疑似体験できるようにする不動産テックのサービスが、ナーブ株式会社の「VR内見」です。最終的には実物を内見する必要があると思いますが、ネットで提供できる物件情報をよりリアルにすることで消費者の購入や入居の意欲を高める効果が期待されています。

ナーブ株式会社「VR内見」

http://naiken.nurve.jp/

(3)アプリを介した手軽・ローコストな中古マンション売買

スマホアプリだけで物件の検索から相場情報、チャットによる問い合わせ、内見の予約などが完結する中古マンション売買に特化したマッチングサービス「カウル」は、仲介手数料が最大で無料になるということもセールスポイントです。

情報の双方向性を利用してチャットによるリアルタイムなやり取りもスマホアプリで完結するため、中古マンション取引のハードルがぐっと下がります。

株式会社Housmart「カウル」
 

https://kawlu.com/market

(4)検索窓に知りたい物件の情報を入れるだけで一発価格調査

不動産ポータルサイト「LIFULL HOME’S」が新たに開始したサービス「プライスマップ」は、地図からマンション物件の価格相場が一目瞭然になるというものです。

使い勝手もシンプルに設計されており、トップページの検索窓に住所やマンション名などを入力するだけで、地図上に過去の掲載データが表示されます。売りたい場合、買いたい場合のいずれであっても価格相場を知るのにとても便利です。

株式会社LIFULL「プライスマップ」

http://www.homes.co.jp/price-map/

まとめ

不動産とITが融合することによって生まれている新潮流、不動産テックについて2017年時点で登場しているサービスを中心にその可能性を今後の展望について解説してきましたが、いかがでしたか?

不動産テックにはまだまだ潜在的な可能性が多く秘められており、今後も斬新なサービスが不動産業界を変えていくことでしょう。その流れにしっかりと乗ってビジネスチャンスを逃さないためにも、「今、何が起きているのか」をしっかりと押さえておきましょう。

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