• 不動産投資
  • 2017/8/18

5分で不動産証券化を理解して投資家が利益を上げるための方法

不動産の証券化という言葉を見聞きするたびに、何となく理屈は分かっていてもよく分からないとお感じではありませんか?

この際なので不動産の証券化について正しい知識を持っておきたいという方のために、

  • 不動産の証券化についての基礎
  • 不動産証券化のメリット、デメリット
  • 押さえておきたい用語集

という構成で不動産の証券化が理解できる情報を構成しました。

「不動産投資の教科書」読者の皆さんにとっては、投資機会の拡大に伴って証券化された不動産への投資を検討する場面も多くなるなど、不動産の証券化が何かと関りが出てくるかも知れません。

そんな時のために必要な知識を、この記事1本を読めば5分で理解できるようにまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

1、まずはおさえておきたい!不動産の証券化についての基礎知識

(1)不動産の証券化とは?

不動産は人生で最大の買い物と言われるように、そのまま取引をすると高額になりがちです。特に一棟ものの収益物件となると億単位のお金が動くことも珍しくなく、そのスケールの大きさが実質的に投資家を選ぶことになります。

そこで不動産の価値を小分けにして有価証券という形にすれば、投資家は手持ち資金の範囲で購入する有価証券の規模を選べるため、不動産を小分けにした上で取引することができるようになります。これを、不動産の証券化といいます

不動産を証券化することによって流動性が向上するため、不動産証券化のことを不動産流動化と呼ぶこともあります。

(2)不動産を証券化する意義

不動産を証券化するにはさまざまな手続きを踏む必要がありますが、それでも証券化をするのには、大きなメリットや意義があるからです。特に意義という部分では、高額物件の流動性を高めることができるメリットがあります。

数億円、数十億円という高額物件になると売ろうと思っても買い手が限られてしまうため、流動性の低さゆえに売りたい時に売れず、不利な条件で売らざるを得ない事態も考えられます。

こうした時に不動産を証券化することで小分けにすれば売り手の「売りたい」という目的を達成しつつ、その物件に投資をしたいという人たちの思惑も実現することができます。

高い収益が出ているのに高額であるために流動性が低い」という不動産物件にこそ、証券化の意義があると言えるでしょう。

(3)不動産証券化の基本スキーム

不動産の証券化スキームを図で表すと以下のようになります。この図を交えて証券化のスキームを解説したいと思います。

ここで登場する「SPV」というのは、不動産を証券化するために必要な事業体のことで、意味については「6、不動産証券化で押さえておきたい用語集」の用語解説をご参照ください。

不動産を売却したいと思っていた元の所有者がSPVを立ち上げた上でこのSPVに不動産を売却、そしてSPVが所有者となって出資を募り、出資金に応じて所有不動産からの家賃収入を投資家に配分します。

これにより、元の所有者は物件の売却という目的が達成され、そして対象の不動産物件はSPVによって証券化(流動化)された上で投資家は小口の投資が可能になります。

(4)不動産の証券化はアメリカで生まれた

不動産の証券化は、つい最近になって登場した新しい概念というわけではありません。このスキームは以前から存在しており、先行するアメリカでは住宅ローン債権を証券化することで銀行のリスクテイクを低減するスキームが早くから実用化されていました。

今では日本でも根拠法が整備され、主に高額物件の流動性を高めるために証券化のスキームが活用されています。

(5)おなじみのREITも証券化された不動産

不動産投資信託としてすでにおなじみのREITですが、これも不動産投資をするための資金を募り、ファンドマネージャーが不動産運用から得た収益を投資家に配分をしているので、これも立派な不動産の証券化です。

ファンドマネージャーへの委託手数料があるため利回りは決して高いとは言えませんが、魅力的であるものの高額な物件への投資手法としては極めて現実的です。

2、不動産を証券化するメリット5

(1)高額であるがゆえに投資のハードルが高い物件への投資機会が拡大

不動産の証券化は不動産の小口化でもあるので、魅力的な物件であるものの高額であることがネックになっていた物件への投資機会が拡大します。

元の物件所有者(オリジネーターといいます)にとっては物件の売却という目的が達成でき、投資家にとってはこれまで手が届かなかった物件への投資機会が得られるというように、双方にメリットが生まれます。

(2)物件をSPVに売却した後は資金関係がなくリスクを取らずに済む

オリジネーターが売却したい物件をSPVに引き渡すという取引によって、オリジネーターはその物件との関係を失います。SPVは独立した存在なのでオリジネーターとの資本関係や支配関係がなく、万が一SPVが不動産経営に失敗して倒産したとしてもオリジネーターがその責任を負う義務はありません。

このメリットはオリジネーター、つまり元の不動産所有者だけのものではなく、投資家にとっても投資対象の物件がオリジネーターとの関係を失っていることにより、オリジネーター自身の倒産や信用不安などのリスクから無縁になるというメリットもあります。

(3)オフバランス化によって財務体質が改善

企業は財務体質の健全性を保つためにバランスシートから保有資産を外したい(オフバランス化)という意図を持っています。売却することでオフバランス化は実現しますが、高額物件の場合はそう簡単にはいきません。また、売却してしまうと完全に人手に渡ってしまいますが、証券化によって一部の権利を売却するなど柔軟なコントロールが可能になります。

実際に行われている不動産の証券化は、このオフバランス化を目的とした案件も多数あります。

(4)完全な売却ではないので買い戻し、自己利用も可能

物件そのものを売却するのとは違い、証券化の場合は一部だけを売却したり、将来再び買い戻すことによって100%オリジネーターの自己所有にすることも可能です。証券化後もオリジネーターが使用したいという場合であっても、柔軟なスキームを取ることができるため、証券化によって資金を調達しつつオリジネーターの意向を反映しやすくなります。

(5)不動産経営のリスクを投資家に分散できる

証券化の対象になるのは原則として収益が安定している不動産です。しかし、だからといって永久にその収益構造が続くとは限りません。オリジネーター自らが物件を所有し続けるとそのリスクを100%負うことになりますが、証券化をすることで不動産経営のリスクを投資家にも分散することができます。

もちろん投資家はそうしたリスクがあることを理解した上で出資をするので、オリジネーターにとってはリスク分散効果がメリットとなります。

3、不動産を証券化するデメリット2

(1)手続きや契約関係が煩雑で時間とコストが掛かる

不動産証券化における最大のデメリットは、手続きの多さとそれゆえのプレイヤーの多さによるコストの増大です。プレイヤーとは不動産の証券化に関わるさまざまな専門家のことで、それぞれの専門家に仕事を依頼することによって発生するコストは相当なものになります。

SPVを設立する際の会社登記費用(法人格を持つ場合)、それに伴う司法書士報酬、証券化にあたってアレンジャー(「6、不動産証券化で押さえておきたい用語集」を参照)を務める証券会社へのマネジメント料、その他にも証券化にあたって不動産の価値を調査する不動産鑑定士や適法性を調査する弁護士、SPVの税務を担当する税理士などへの報酬など、実に多岐にわたります。

こうしたコストを掛けてでもメリットがあるという場合にのみ、不動産の証券化は有効性があります。

(2)収益が上がっている物件に限定される

証券化をした不動産に投資をする立場から見れば、利回りが良く魅力的な物件でなければ意味がありません。つまり、利回りが良く今後もそれが安定していると見込まれることが証券化の前提条件となります。

逆に言うと、そうでない物件は証券化をしても投資が集まらないので、そもそも対象にはなりません。

オリジネーターが単体で所有している場合であれば納得できる利回りであっても、証券化となるとコストを考慮しなければならないので、それ以上のパフォーマンスが求められます。その意味では不動産の証券化はかなり物件を選ぶスキームであると考えるべきです。

4、証券化された不動産に投資する方法

証券化された不動産を投資家向けに投資がしやすい仕組みに整備されたのが、REITです。REITとは不動産投資信託のことで、投資対象が不動産に特化している投資信託です。

(1)REITの仕組み

単体で購入すると高額になる不動産であっても、証券化すれば小口にすることができます。REITもその証券化スキームを利用した投資商品のひとつとして流通しており、一般の投資家も簡単に購入することができます。

魅力的な不動産には高額なものが多く、投資家1人では到底購入できない数十億円クラスのものも少なくありません。そんな物件への投資であっても証券化すれば投資が可能になるというのはすでに解説しましたが、それを投資信託という形で一般の投資家にも売り出しているのがREITです。

(2)REITの種類

証券化された不動産に投資をするのがREITですが、REIT投資にはいくつかの種類があります。主に3つの方法があり、以下の通りです。

①個別のREIT銘柄

不動産に投資をするREITが銘柄ごとに単体で売買されているものです。どんな不動産の投資をするのか、どこの不動産に投資をするのかといった具合にそれぞれのファンドが設定しており、投資家は自由にその銘柄から選んで購入することができます。

②REITに分散投資をするETF

投資信託の中には証券取引所に上場をして売買されているものがあります。これをETFと呼び、ETFの中にはREITに投資をするものがあります。証券取引所で売買されているため知名度や人気も高く、投資の初心者向きと言えるでしょう。

③REITを組み込んだ投資信託

証券会社などで売買されている投資信託の中には投資対象にREITを組み込んだものがあります。国内だけでなく海外のREITなど種類も多彩で、プロのファンドマネージャーが厳選したポートフォリオ(投資対象の組み合わせ)に対して投資が行われています。

(3)REITに投資する具体的な方法

個別銘柄のREITは証券会社で購入することができます。ほぼ全ての証券会社で取り扱っており、そのラインナップも豊富ですが、オンライン口座の使い勝手などによって証券会社のサービスには違いがあるので、REITに投資をするには証券会社を選んで口座を開設することから始めます。

REIT(リート)とは?不動産投資と比較したメリット・デメリットなど始める前に知っておきたい4つのこと 」の「4、REITを始めるには?おすすめ証券会社3選」投資信託の中にREITが組み込まれている商品については証券会社以外でも取り扱われている場合がありますが、やはり証券会社の取引量が最も充実しているので、REITを購入するのであれば証券会社の口座を活用するのが最も得策です。

5、証券化された不動産への投資で成功する方法

(1)REITで儲けるには

REITで利益を上げるには、大きく分けて2通りの方法があります。1つはキャピタルゲインといって、安い時に買って値上がりしたら売るという値上がり益を狙う方法です。もう1つはインカムゲインといって家賃収入のように定期的に入ってくる分配金を利益として狙う方法です。

REITは銘柄が豊富なので、どちらを狙うかは投資家の好み次第です。もちろんインカムゲインがあるREITを購入して「高くなったら売る」という同時狙いも可能です。

いずれを狙うにしても、たくさんあるREITからいかにして「儲かるREIT」を見つけるかが全てです。その方向性について、次項で3つのパターンを解説します。

(2)投資対象でREITの方向性が決まる

株やFXでもトレードをする銘柄(通貨)によってリスクやリターンのスケールが異なります。REITにも同じことが言えるので、リスクとリターンの観点から投資方針を3つに分類しました。

①ハイリスクハイリターン

リスクが高くてもリターンが大きい投資をしたいという方針でREITを探すのであれば、「オフィスビル特化型」が最適です。名前の通りオフィスビル物件に集中的に投資をして利益を狙うREITですが、オフィス需要は景気に左右されやすく収益性は高いものの波が荒くなりがちです。

有名な投資法人には、以下のものがあります。

②ローリスクローリターン

ハイリスクハイリターン型のREITに対して、安定志向の投資家向きなのがローリスクローリターン型のREITです。その代表格となるのが「住居特化型」や「物流施設特化型」のREITです。

いずれもオフィスビルのような高い収益性はありませんが、住宅がなければ人は生活できず、物流も社会インフラに深く関わる産業なので景気変動に左右されにくいという特徴があります。

代表的なREITには、以下のようなものがあります。

<住居特化型>

<物流施設特化型>

③これから伸びそうなREIT

これから伸びそうな産業に関わりがあるREITは、それらの産業が伸びることによって値上がりが期待できます。今後の有望な成長分野を考慮すると、「不動産投資の教科書」としては「ホテル特化型」と「ヘルスケア施設特化型」を推したいと思います。

ホテル特化型はインバウンド市場の拡大が最大の理由で、訪日外国人が増えれば増えるほど投資が活発になるため、値上がりが期待できます。もうひとつのヘルスケア施設特化型は社会の高齢化が進行することによって需要が拡大する介護やヘルスケア分野の成長が見込まれます。

<ホテル特化型>

<ヘルスケア施設特化型>

(3)REIT初心者は複合型、総合型から

ここまで特定の分野に特化したREITをご紹介してきましたが、それらの分野にこだわらず分散投資をしているREITもあります。最も安定していることと人気が高いため流動性も高く、急激な値動きが起きにくいという意味でも初心者向きです。

総合型のREITとしては、以下のものが有名です。

6、不動産証券化で押さえておきたい用語集

(1)オリジネーター

証券化の対象となる不動産の元の所有者(原所有者といいます)のことです。オリジネーターが物件の売却を希望した場合に不動産の証券化スキームが検討されるので、証券化されるかどうかはオリジネーターの意向が大きく関係しています。

(2)SPV

SPVとはSpecial Purpose Vehicleの略で、日本語に訳すと「特別目的事業体」となります。ここでいう特別目的とは不動産の所有と運用、そして投資家からの資金調達です。特別目的と呼ばれていることからもお分かりのように、不動産の証券化だけを目的とした事業体です。

事業体の形態としては特別目的会社(SPC)、合同会社、投資信託などがあります。

(3)SPC(特別目的会社)

先述のSPVを組成するにあたって、SPVの役割を持たせるために設立する会社のことです。資産流動化法によって規定された特別な会社組織であるのが最大の特徴です。

SPCSpecial Purpose Companyの略なので、それを直訳すると「特別目的会社」となります。不動産の証券化を行うためだけに設立された会社であり、事業会社とは異なり証券化スキームの中心に介在するための主体という位置づけです。

(4)TK-GKスキーム

不動産証券化の事業主体となるSPVの組織が合同会社の場合は、「TK-GKスキーム」という形が取られます。GKとは合同会社、TKとは投資家の出資を集めた匿名組合出資のことです。どちらもアルファベットですが、合同会社と匿名組合という日本語の頭文字を並べたものです。

(5)アレンジャー

不動産の証券化には多くの手続きや作業を伴います。これら一連の業務を行うには専門的な経験や知識が必要になるため、通常は証券会社や銀行、信託銀行などの手に委ねられます。こうして委託をされたプレイヤーのことを、アレンジャーといいます。

(6)レンダー

SPVがオリジネーターから不動産を取得する際に必要な資金を融資するプレイヤーのことを、レンダーといいます。レンダーとなり得るのは銀行や信用金庫などの金融機関、またはノンバンクなどです。

(7)不動産流動化

不動産証券化と同義に使われている言葉で、不動産を証券化することによって流動性を高める狙いがあることから、この流動化という言葉が用いられています。

まとめ

近年では不動産だけでなく、さまざまな事業にも拡大している証券化について、その仕組みや基礎知識、頻出用語を中心に解説してきました。「不動産の教科書」読者の皆さん自身がオリジネーターやSPVとなって証券化を主導することは考えにくいので、最近事例が増えている証券化のスキームについての理解があれば十分だと思います。

証券化によって投資家の投資機会は確実に増えているので、その検討や判断材料に、この記事で得た知識をお役立てください。

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