アパート一棟を経営する大家さんになれば年間数100万〜1,000万円の家賃収入を得ているなんて言われていますが、実際のところどのような収益構造になっていて、どのくらいの利回りを狙って経営できるものなのか気になりますよね?
家賃でたくさん収益を上げても、ローンの返済や管理費用で赤字になってしまったら元も子もありません。
この記事では、
- アパート経営で見込める収益
- 収益性の高いアパートを探す方法
- アパート選びのポイント
- アパート購入の流れ、オススメの会社
- 購入後の空室リスクを下げる方法
などについて、月間40万ページビューを誇る不動産投資情報メディア『不動産投資の教科書』が徹底リサーチの上でまとめました。高利回りな収益アパートを探している方達の参考になれば幸いです。
以下の記事も併せてご覧ください
目次
1、アパート経営で見込める収益
アパートを経営するとどのくらい収益が出せるものなのかについて見ていきましょう。
(1)世間の大家さんはいくら稼いでいる?
賃貸経営情報誌「オーナーズ・スタイル」のアンケートでは、回答者約800名のうち半数が、年間1000万円以上の家賃収入を得ていると答えています。さらにそのうちの24%は家賃収入年間2000万円以上。不動産投資の大きな可能性を感じさせます。
(2)家賃収入のうちの手取りはいくらになるのか?
家賃収入がそのまま手取り収入とはならないのがアパート経営。正確な利益を想定するには利回りやローンについての正しい理解が必要です。利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の二種類があります。
①表面利回りとは
「表面利回り」は、物件価格に対する年間満室家賃の割合を指します。収益物件の売買を扱っている不動産投資サイトなどで、販売物件に記載されている利回り(表面利回り)はこちらになります。
計算式は
表面利回り=収入(年間)÷物件価格
たとえば、「物件価格2,000万円満室時の家賃収入は年間180万円」なら、表面利回り9%ということになります。
②実質利回りとは
表面利回りよりも大切になってくるのが「実質利回り」です。投資計画をたてる際には、常に満室状態で家賃収入が見込める表面利回りではなく、こちらの利回りを見ます。
実質利回りとは、家賃収入から諸経費(および空室による損失)を引いて物件価格で割ったものをいいます。
「諸経費」とは管理費や修繕費、固定資産税など、アパート購入後に発生する経費です。諸経費は目安として年間家賃収入の10~20%といわれていますので、仮に180万円×10%=18万円だとして、実質利回りを計算してみましょう。
計算式は
実質利回り=(収入(年間)-空室控除・諸経費(年額))÷物件価格
これに当てはめると
180万円-18万円÷2000万円=8.1%となります。
③ローン返済
借入金額に応じて、実際に手元に残る収入がいくらになるのか、シミュレーションしておくことも大切です。
たとえば、ローンの借入が 1,600万円で利率3.2%、返済期間20年だとすると、年間返済金額(元金・利息含む)は約108万円。
この時点で手取り収入は180万円-108万円=72万円。
そこから先ほどの諸経費も引いて、年間で手元に残るのは
72万円-18万円=54万円ということになります。
(3)アパート経営のメリット・デメリット
アパート経営のメリットには家賃収入による不労所得以外にも、節税対策面でのメリットがあります。またアパート経営を検討するからには、デメリット(リスク)についても理解しておく必要があるでしょう。
メリット
- 長期的に不労所得を得られる
- 財産を現金で保有しているよりも節税になる
節税については、不動産投資の教科書で「アパート経営の節税に関して知っておきたい4つのこと」をまとめていますので参考にしてみてください。
デメリット
- 年数経過とともに建物のメンテナンスが必要
- 空室が続くと想定よりも家賃収入が得られないリスクがある
- 売却時に希望価格で売れるとは限らない
2、インカムゲインとキャピタルゲイン
不動産の収益は2種類あることを覚えておきましょう。売却益を見越した上でアパート経営をするのか、家賃収入のみでするのか、考え方は人それぞれです。
①インカムゲイン
不動産を保有していることで得られる収益。アパートの大家さんの場合、家賃収入となります。
インカムゲインを目的として所有する不動産が、収益物件・収益不動産と呼ばれるものです。
②キャピタルゲイン
資産の価格変動の差額を利用して得られる収益。株や為替の売買同様、安く買って高く売ることで利益が生じます。2000万円で買った物件を3000万円で売る、という具合です。
3、収益性の高いアパートの探し方
収益性の高いアパートを探すためには、ネットでの情報収集と地域の不動産会社での情報収集をおこないましょう。
(1)都市部で資産性の高いアパートを狙うなら、地域の不動産会社を頼る
今住んでいる地域の近くでアパート経営を考えているのであれば、地元密着型の不動産会社をまずは頼ってみてください。老舗の場合は物件の情報をネットでは出していないこともあるからです。また、営業マンと仲良くなれば、近所の他社で管理している不動産についても教えてくれる場合があります。
(2)地方で高利回りを狙うならネットで情報収集
地価が安い分、同規模のアパートなら都市部より地方の方が価格は安めです。そのため空室が発生しなければ都市部よりも収益性の高いアパート経営が可能になります。
そうはいっても、自分が住んでいるところから遠い地域にはなかなか足が運べないもの。そこで活用するのがインターネット。更に、ポータルサイトのように物件の閲覧が誰でも簡単にできるものであると、良い物件は滅多に出会えません。そこで、物件情報を「資料請求」という形で得ることもできますので、以下の会社などに問い合わせてみてください。
アイケンジャパン(新築一棟)
アイケンジャパンさんは、福岡に本社をおき、全国エリアに一棟アパート経営を特化した不動産投資会社です。独自の土地の仕入れやアパート建設をしており、アパートが築10年を経過しても「99%」というかなり高い入居率を維持しているそうです。アパート経営に興味がある方は、ぜひアイケンジャパンさんの無料DVD・資料請求をしてみてはいかがでしょうか。
物件を探す方法については、「優良な収益物件を購入するために知っておくべき4つのこと」など、「不動産投資の教科書」でも詳しい記事をいくつか掲載しています。あわせてご覧ください。
4、高利回りを狙う収益アパートの選び方
高い利回りが期待できるアパートを選ぶポイントについて説明します。
(1)初心者は一棟より区分所有がオススメ
たとえ空室が発生しても、居住者がゼロにならない限り収益が発生する一棟所有の方がリスクも分散できると思われがちですが、不動産投資初心者の方には区分所有物件をオススメします。
区分所有物件のメリットとして
- 少ない資金で始められる
- 管理の手間がかからない
- 複数の地域に持つことで天災時のリスク分散が可能
などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、空室発生時に収益が全く無くなってしまうことが挙げられます。しかし、人気エリア・人気物件を選ぶことで空室になるリスクは最小限に抑えられます。
(2)都心か郊外か
収益物件としてなら迷わず都心、と思われがちですが、空室率は低くとも物件価格が高いので手を出しにくいともいえます。
地方では人口減少が叫ばれていますが、都心までアクセスがしやすい関東近県や、自治体のUターン支援、移住支援が活発なところであればニーズがありますし価格もお手頃です。ただし、アパートが乱立しているエリアは競争過多ですので、ほどよく人の入れ替わりがあり、アパートが少ないエリアを探すことがポイントになります。
(3)新築か中古かは人それぞれ
利回りが高いのは中古物件、空室リスクが低いのは新築物件と言われています。
リスクを抑えて人気の高い新築を取るか、利回りを優先して中古物件にするかは自分に合った方を選びましょう。
中古物件の場合は、これまでどんな入居者が住んでいたかわかり、空室率がどう推移するかイメージも湧きやすいので比較的安心です。
普段からDIYが好きな方、インテリアにこだわりたい方なら、中古物件に工夫をこらして(家具を備え付けたりオシャレにリノベしたり)、人気物件に仕立て上げる方法もあります。
5、会社から選ぶ!収益アパート購入にオススメの会社
アパート選びに欠かせないのが不動産会社の存在。アパート購入後は管理や入居者対応などでお世話になることも多いです。アパート経営のノウハウがあり、大家、入居者それぞれに手厚いフォローをしてくれる不動産会社を選びましょう。
「不動産投資の教科書」として、オススメしておりインタビューも伺っている会社が以下の2社です。
株式会社松堀不動産
インタビュー記事:https://fudousan-kyokasho.com/matsubori
埼玉県東松山市に地元密着43年の実績を持つ(株)松堀不動産。先日の全国賃貸住宅新聞社の調査では、賃貸住宅に強い建設会社年間着工数ランキング「関東エリア第9位」にランクインされ、投資家のみなさんの注目度も上昇中の会社です。松堀不動産の新築投資アパート「アルメゾン」のこだわり、松堀不動産だからこそできる10年定額家賃保証システムなども魅力です。
株式会社ジャパンインベスターパートナーズ
インタビュー記事:https://fudousan-kyokasho.com/ji-partners
ジャパンインベスターパートナーズは、築25年前後の中古マンション一棟の仕入れ事業をメインに、自社仕入・自社販売・自社管理・自社客付けへこだわった提案をお客様にされています。退職後も今の生活水準を落としたくない方、中古一棟物件投資にご興味がある方、中古一棟物件投資でなるべくリスクをおさえて堅実な不動産投資をしたい方、失敗しない中古一棟物件の選び方を知りたい方はぜひ問い合わせてみてください。
6、アパート購入までの流れ
物件の情報収集が終わったら、いよいよ現地見学し購入へと続きます。
(1)現地見学で物件をチェック
現地を見学した際に気をつけて見るべきポイントは以下のとおりです。賃貸物件を探している人が部屋選びの基準としてチェックしていることと変わりませんので、賃借人の気持ちにどれだけなりきれるかが大切です。
①立地に関して
- 町内の雰囲気や人通りの多さ
- 駅、コンビニなどへの利便性
②管理に関して
- ゴミ捨て場や階段の清掃状況
- 駐輪場、駐車場の整備
- 隣接する住宅との間に柵があるか
③建物・部屋に関して
- 床・壁のリフォーム状況
- エアコン、コンロなどの設備が揃っているか
- 周辺の騒音に問題が無いか(車や電車の音、通行人の声)
(2)購入申込時に値引き交渉が可能な場合もある
現地を見学し、購入の意志が固まったら購入申込に移ります。
この時、値引き交渉をさせてもらえる場合もありますので、担当者に値引き可能か聞いてみましょう。人気のある物件であれば値引きは断られてしまうことも多いのですが、1年ないし2年以上売れずに残っている物件であれば、値引きに応じてくれる可能性があります。
値引きができそうという話になれば購入申込時に提出する「買付証明書」に、値引き後の金額を記入します。
交渉権は買付証明書を提出した順に生じます。ただし、他の購入希望者から定価で購入したいと申し出があった場合は、こちらが先だった場合でも定価で希望する側に購入権が取られてしまうこともあります。
(3)ローン事前審査
購入申込と同時期に金融機関に不動産投資ローンの申込をし、借入可能かどうかの審査が行なわれます。
融資を受けやすい金融機関や、頭金なしで融資を受ける方法については、不動産投資の教科書の記事「不動産投資で融資を受けたい方必見!事前に知っておきたい7つのこと」で詳しく解説しています。
(4)契約締結
購入申込の内容に売主が同意し、ローン審査も無事通れば、契約締結に移ります。ここで手付け金の支払いもあります。金額は物件価格の5%が一般的です。
(5)融資実行
借入先と金銭消費貸借契約を締結し、融資が始まります。
(6)物件引き渡し
不動産会社の担当者、司法書士、金融機関の担当者などが立会い、物件を引き渡します。
7、アパート投資で失敗するケース
利益を出せる可能性がある一方、負債を抱えてしまうリスクもあるのが不動産投資です。アパート投資で起こりうる失敗にはこんなものがあります。
(1)大学のキャンパス移転でニーズ激減
近年、特に東京都内の大学では、23区外(八王子市など)にあったキャンパスや学部が数年後に都心のキャンパスに移転・併合する動きが出ています。学生数が減少する分、新しい入居者の取り合いが起き、空室率の上昇や家賃の値下げをせざるを得ない状況も考えられます。
大学だけでなく、企業の工場の移転でも同様の事態が起こり得ます。
(2)安く物件を購入できたがリフォーム代で赤字に
築年数が20年以上経っていたり、人口が減少している地域の売りアパートでは、破格で購入できる場合があります。特に築年数が経っている場合、リフォームすることを前提として安売りがされているわけですが、リフォーム代が想定以上かかってしまい赤字経営から抜け出せない可能性もあります。
配管部分や床下部分など、一見目につかない部分が傷んでいたりすると、後々修繕に数百万円かかってくるケースも。格安物件を狙うのであれば、購入前にリフォーム業者に見積もりを出してもらうなど、対策を練っておく必要があります。
こういったリスクを避けるためには、アパート経営を行なうエリアの下調べや、購入前の見積もりが大切になってきます。「人気なので他の方も狙っていますよ」「こんなお買い得な物件他にはないですよ」と営業マンから決断を迫られることもあるかもしれません。焦って決断し、後悔することのないよう気をつけましょう。
8、購入後の空室リスクを極限まで下げる方法
上記のような失敗を起こさないためには、購入までの下調べが大切ですが、購入した後もアパート経営で収益を高めるためにやっておくべきことがあります。特に「空室率を低く維持する」ための努力は、安定した家賃収入を得るためには必要不可欠です。
そのためにまず、既存の入居者が退去決定してからすぐに新しい入居者を受け入れられる体制をつくることが肝心です。
そうすることで募集をかける不動産会社も力を入れて入居者を探してくれることがあります。具体的な方法として、たとえばこんなことを意識してみてください。
(1)退去後の早急なクリーニング
入居者が退去後すぐに修繕作業を手配すれば、その分入居可能時期が早まります。不動産会社も、早く入居できる物件のほうが勧めやすくなりますし、早く決まれば誰も住んでいない期間自体を短縮することができます。
(2)家賃の価格交渉に応じる
入居希望者は大抵、予算を決めた状態で不動産会社に部屋探しに来ています。他の条件は希望者の理想どおりでも、家賃だけが予算オーバーしているケースも起こりえます。
もし予算だけが条件に引っかかってしまった場合、2、3千円の値下げには応じることをあらかじめ不動産会社に伝えておけば、それだけで入居者が決まりやすくなります。
イエカレ(1棟物件不動産管理)
まとめ
アパートの収益物件について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
収益性を高めるために、できるだけ空室のリスクを避け、入居者が絶えない物件を狙っていきましょう。
大切なのは購入前にしっかり投資計画を立てること。家賃収入から引かれる諸経費やローン返済額を踏まえた資金計画を立てましょう。小さな資金、安い物件から初めて、一棟所有に切り替え、そこから二棟、三棟と増やして年収1000万円以上になっている方もいます。はじめから大きな利益を求めようとするとその分リスクがついて回りますので、無理のない範囲で投資を考えていきましょう。