20代から不動産投資はできるのでしょうか?
20代で不動産投資を始めることは、将来の資産形成にとって大きなチャンスとなります。しかし、同時に多くのリスクも伴います。若いうちから投資を始めることで得られる経験や、ローンの返済期間を長く設定できるメリットなど、様々な利点がある一方で、初期投資資金の不足やリスク管理の難しさといった課題も存在します。
本記事では、20代で不動産投資ができるように、メリットとデメリットについて詳しく解説し、将来の投資計画の参考にしていただければと思います。
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
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- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
不動産投資を20代で始めることはできます!そして収益を得られる期間が長くなり、複利効果で効率よく資産形成できるというメリットがあります。一方、審査に通りにくく、長期的な目線が必要なことから、20代で不動産投資を始めることに向いている人とそうでない人がいることに留意が必要です。
目次
1、20代からできる!不動産投資で得すること
まずは、20代から不動産投資を始めるメリットをみてみましょう。
(1)将来的な資産形成
不動産投資の収益は売買差益と家賃収入ですが、このうちメインの収益となるのが家賃収入です。現在の不動産投資は、金融機関でローンを組んで物件を購入し、ローン返済や諸経費を家賃収入でまかなう方法が一般的です。ローン完済後は、諸経費以外の家賃をそのまま不動産収入として受け取ることができます。
不動産投資は長期的に運用することで、将来的に毎月の家賃収入が期待できる投資であることから、早く始めた方がローン完済時期が早くなり、収益を得られる期間が長くなるのです。
20代で不動産投資を始める最大のメリットは、長期的な資産形成が可能になることです。
不動産は一般的に価値が安定しており、時間が経つにつれて資産価値が上がる可能性があります。
若いうちから投資を始めることで、将来的に安定した収益を得ることが期待できます。
(2)若いうちからの投資経験
20代はリスクを取ることができる時期です。不動産投資を通じて、若いうちから投資の経験を積むことができます。この経験は将来、他の投資機会やビジネスにおいても役立ちます。失敗しても、若さゆえにリカバリーする時間があるのも大きなメリットです。
(3)ローンの利用がしやすい
不動産投資を20代から始めることで、将来的に繰り上げ返済や買い増し、売却といった選択肢が広がり、資産形成を効率よく確実に進めることができます。また、20代で不動産投資を始めることで、定年までにローンを完済することも可能になり、早期退職して自由な時間を増やすといったライフプランの選択肢も広がるでしょう。
そして、20代はローンの返済期間を長く設定できるため、毎月の返済額を抑えることができます。さらに、若いうちにローンを組むことで、返済が終わる頃にはまだ働き盛りの時期であり、次の投資にもチャレンジしやすくなります。
2、20代からできる不動産投資のデメリット
20代から不動産投資を始めることには、デメリットもあります。確認しておきましょう。
(1)ローンの審査が通りにくい
不動産投資ローンは、契約者の属性と物件の担保価値が審査対象になります。
契約者の属性として、年収や勤続年数、勤務先が重要視されます。したがって、20代は、30代や40代に比べて金融機関から信用力が低いとみなされる傾向にあるのです。
一方、ローンを組む際に原則加入する保険である「団体信用生命保険」には加入しやすいため、基礎疾患を持つ可能性が高くなる30代や40代よりも審査に通りやすい側面があります。
団体信用生命保険について詳しく解説した記事も併せてご覧ください。
(2)自己資金(頭金)が必要になるケースがある
前述したとおり、20代は、30代や40代に比べて信用力が低いとみなされるため、自己資金がもとめられるケースがあります。
20代のうちにまとまった資金を準備することはハードルが高いため、自己資金が必要になる可能性が高いこともデメリットといえるでしょう。
(3)不動産投資会社のカモになりやすい
20代はまだまだ社会人としての経験が浅く、30代以降に比べて投資の経験や実績も少ない傾向にあるでしょう。
問い合わせをした会社が悪徳な不動産投資会社だった場合、投資経験や知識が浅く、言ったことは信じてもらえるカモだと思われる可能性があります。
3、20代からできる不動産投資に向いている人
この章では、20代から不動産投資を始めるのに向いている人はどのような人なのか、解説します。
(1)勤続3年以上、年収500万円以上で安定した収入がある
勤続年数、年収、職業は、契約者の属性の中でも金融機関が重要視するポイントです。
- 勤続年数3年以上
- 年収は概ね500万円以上
- 上場企業の会社員、公務員、医師といった職業
であれば、審査に通りやすいといえます。
年収が500万円以上でも、経営者であったり歩合制で給料が安定していない場合は、収入が安定しておらず返済能力が低いと評価され審査に通らないケースが多いでしょう。
(2)クレジットカードの延滞をしていない
クレジットカードの利用履歴や支払い状況は、個人信用情報として信用情報機関に登録されます。
そのため、クレジットカードの支払いを延滞すると、後から支払ったとしても履歴として残ってしまい、ローンの審査に不利にはたらくのです。クレジットカード情報の保有期間は5年なので、滞納を解消した時点から5年間は履歴が残ることになります。5年を過ぎれば、ローン審査に影響することはありません。
クレジットカード以外にも、携帯電話の分割払いの延滞も、支払い状況が信用情報として登録されるため留意が必要です。
(3)長期的な目線で考えられる
前述したように、不動産投資は不動産を長期的に運用して、家賃収入や売買差益を得る方法が主流となっています。
また、他の金融商品に比べて流動性が低く、売却先が決まってもすぐに現金が手に入るわけではありません。
長期的な視点で、資金計画を立てられる人に向いているといえます。
4、20代で不動産投資を始める際のポイント
この章では、20代から始める不動産投資で失敗しないためのポイントを解説します。
(1)不動産投資の基礎知識を身につける
不動産投資に興味を持ったら、まずは基礎知識を身につけることをおすすめします。
不動産投資は、不動産投資会社選びや物件選びが成否をわけます。基礎知識がないと判断基準がわからず、不動産投資会社や物件の見極めができないためです。
- 不動産投資のしくみ
- 不動産投資のメリット・デメリット(リスク)
- 賃貸経営の方法
- 物件の見方、選び方
- 不動産投資ローンの選び方
- 税金について
上記の知識がないまま不動産投資会社で面談を始めると、営業担当の話を鵜呑みにしてしまう可能性が高くなります。
本やwebメディア、セミナーなどで基礎知識を身につけてから面談に進むことで、会社の強みや特徴、物件情報に特化して話を聞くことができ、有意義な面談につながるでしょう。
(2)複数の不動産投資会社で面談する
ひとつの不動産投資会社に絞って物件を選ぶと、物件を見極める力がつきません。
不動産投資会社は、それぞれ取り扱う物件や強みが異なります。
複数の不動産投資会社を比較することで、収益性の高い物件を選ぶことができるようになるため、1社のみの面談で不動産投資を始めないようにしましょう。
(3)初心者に向いている物件の種類
不動産投資と一口に言っても、一棟・区分、新築・中古、単身者向け・ファミリータイプなど物件の種類によって性質は大きく異なります。
不動産投資の教科書では、20代の初心者に向いているのは、東京の単身者向け中古区分マンションだと考えています。
理由は、以下の3点です。
- 物件価格が比較的安い
- 東京は単身者向けの賃貸需要が減りにくい
- 長期的な運用に向いている
(4)賃貸需要が下がりにくい物件を選ぶ
賃貸需要が下がらない物件には、以下の特徴があります。
- 人が集まり続けるエリア
- ターミナル駅までアクセスしやすい
- 駅から近く、生活利便性が高い
- 物件の間取りや設備がニーズに合っている
- 供給できる土地が少なく、希少性が高いエリア
(5)ある程度のキャッシュを残しておく
不動産投資は、ある程度リスクを想定して対策できる投資です。しかし、予想外の修繕やトラブルを全て回避できるわけではありません。
そのため、キャッシュがない状態で不動産投資を始めると、思わぬ出費に対応できないことがあります。ローンの頭金や購入時にかかる費用を支払っても、100万円程度は手元にキャッシュが残るようにしておきましょう。
5、少額から始められる不動産投資
ここまで現物の不動産投資について説明してきましたが、現物の不動産投資以外にも少額でできる不動産投資があります。
この章では、少額で始められる不動産投資を2つ紹介します。
(1)REIT
REITとは不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金を元手に不動産投資を行い、そこで得られた収益を投資金額に応じて配分する仕組みの金融商品です。REITはアメリカ発祥の金融商品で、日本のREITを「J-REIT」と呼びます。
REITは、証券取引所に上場しているため、株などの証券を購入するような感覚で購入し、不動産投資をすることが可能です。
実際に上場・売買されているREITの一覧は、「不動産投信ポータル」で見ることができます。
①REITのメリット
- 多くのファンドの中から選ぶことができる(2023年1月時点で60以上の銘柄が上場している)
- 上場しているため取引が手軽で早い
- プロのファンドマネージャーが運用するので初心者でも失敗しにくい
②REITのデメリット
- 現物不動産投資と比べると価格変動が大きい
- 運用はファンドマネージャーが行うため、投資先の不動産を選ぶことはできない
- 元本保証の金融商品ではないため、元本割れのリスクがある
③購入方法
REITは証券取引所に上場されているので、売買も証券会社を通じて行います。証券会社に口座を作り、入金した金額の範囲で希望のREITを買う注文を出します。
(2)不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、事業者が投資対象の物件を決め、投資家からインターネットを通して資金を集めます。
投資対象の物件を事業者が運用し、得られた収益は投資金額に応じて出資者に配当されるというしくみです。
①不動産クラウドファンディングのメリット
- 1万円~の少額で始めることができる
- 不動産のプロである不動産事業者が選定した物件の中から、投資する物件を決められる
- 運用も事業者に任せられるため、出資後はこまめに気を配る必要がなく、配当を受け取るだけで良い
②不動産クラウドファンディングのデメリット
- 近年とても人気があるため、新規ファンドの投資者は先着や抽選で決まることが多く、投資することができず資金を眠らせてしまう可能性がある
- ほとんどのサービスがプロジェクトの終了まで途中解約できず、REITに比べて流動性が低い
- 元本保証の金融商品ではないため、元本割れのリスクがある
③購入方法
不動産クラウドファンディングは、事業者が提供するサービスに投資家登録したのち出資を申込み購入します。
「少額からの不動産投資|少額でできる投資方法4選」では、不動産クラウドファンディングのサービスを紹介しています。ぜひご参考になさってください。
まとめ
不動産投資を20代で始めることで、時間を味方につけた長期投資ができ、将来の選択肢を広げることができることがおわかりいただけましたでしょうか。
しかし、いざ物件を購入するとなると、金額が大きい分不安も大きくなることと思います。不動産投資のリスクを最小限に抑えるためには、経験者に相談してから始めることが有効です。
不動産投資の教科書では、現役の投資家に相談できる「セカンド・オピニオンサービス」を提供しています。
セカンド・オピニオンでは、
- 買っていい物件なのかわからない
- 提案された物件を不動産投資経験者に見てもらいたい
といった相談ができます。
セカンド・オピニオンを担当するのは編集部に在籍する現役の不動産投資家なので、不動産投資会社で聞きにくいことも聞けますし、物件を提案されることもありません。
多くの投資家に知ってもらいたく、現在は無料で相談できます。ぜひご利用ください。