「不動産売却の手続きはどのような流れで進んでいくのだろうか?」
不動産売却をお考えの方の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不動産の売却は頻繁に経験するものではありません。過去に経験があったとしても、法改正などで手続きの流れが変わっていることも考えられます。
不動産の売却を検討するときには、その都度、売却の流れを確認したほうが良いでしょう。この記事では、不動産売却に関する手続きや注意点について詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
不動産に興味のある方が月間20万人訪問する「不動産投資の教科書」がまとめた内容なので、最後までお読みいただければきっと後悔しない不動産売却ができるでしょう。
この記事があなたの不動産売却成功のためのお役に立てば幸いです。
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なお、より手間なく高く売却したいのであれば不動産売却査定サイトの活用がオススメです。
様々な売却査定サイトがありますが、その中でも不動産投資の教科書がオススメするのは、以下の大手6社が参画している「すまいValue」です。
- 東急リバブル
- 住友不動産販売
- 野村の仲介
- 三井のリハウス
- 三菱地所の住まいリレー
- 小田急不動産
目次
1、不動産売却の手続きに必要な書類
不動産売却を進める中でさまざまな書類の提示が求められますが、査定時と契約時とでは準備する書類が異なります。直前に慌てることがないように、あらかじめ準備しておきましょう。
(1)査定時に必要な書類
不動産売却の検討を始めたら、はじめに不動産会社に物件の査定を依頼します。「2、不動産売却の流れ」で詳しく説明ますが、査定には簡易査定と訪問査定の2種類があります。
簡易査定時には書類提出は不要ですが、専有面積や築年数などがわかる書類があれば、手続きがスムーズに進みます。より正確な査定をする訪問査定時には、次のような書類の準備が必要です。
物件の種類に関わらず、次の3点は必要になります。
- 登記簿謄本
- 物件購入時の売買契約書
- 物件購入時の重要事項説明書
マンションの場合は、上記に加えて次の書類を準備しましょう。
- 間取り図
- マンション管理規約
- 管理委託契約書
- 維持費(管理費、修繕積立金など)の関係書類
戸建や土地の場合は、基本の3点の書類に加えて次の書類が必要です。
- 土地測量図、境界確認書
- 間取り図(戸建の場合)
そのほか、「地盤調査報告書」「住宅性能評価書」「耐震診断報告書」などもあれば準備しておきましょう。
(2)売買契約時に必要な書類
売買契約時には次のような書類や持ち物が必要です。
- 身分証明書
- 実印
- 印鑑証明書(3カ月以内発行のもの)
- 預金通帳
- 登記済権利証
- 固定資産税納税通知書
そのほか、状況に応じて住民票、住宅ローン残高証明書などが必要になることもあります。詳しくは不動産売却の必要書類26種を解説!【チェックリスト付き】で確認してみてください。
2、不動産売却手続きの流れ
不動産売却の検討を始めてから契約までどのような流れで進むのか、あらかじめ知っておいたほうがスムーズに事が進みます。
また、不動産売却の査定額を上げるためには、ご自身で成功の基準を決めることが大切です。
まずはざっくりと流れを抑えておきましょう。
(1)売却するまでの流れ
不動産売却の流れは以下のとおりです。
- 不動産の相場を知る
- 必要な資料を用意する
- 一括査定を依頼して不動産会社を探す
- 不動産仲介業者を選定し、媒介契約を締結する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 希望価格を決めて売り出す
大切なのは、査定依頼する前に売却する物件の価格相場を把握しておくことです。査定価格が高いか安いかを判断する基準になります。一括査定には書類の提出は不要ですが、なかには取り寄せに時間がかかる書類もあるため、事前に準備しておくことをおすすめします。
(2)売買契約までの流れ
次は売却したあとの販売活動から売買契約までの流れを見ていきましょう。
- 仲介業者が販売活動を始める
- 物件の内見対応
- 買主と条件交渉
- 契約を締結する
販売活動のひとつに、内見対応があります。内見は買主が購入するかどうかを決める大事な場です。事前に部屋をキレイにしたり、何か質問された時には答えるなど、しっかりとした対応が大事になります。
また最近では、インターネットを利用したオンラインでの内見もあります。売主・買主ともに、新型コロナウイルスが心配な方や、忙しくてなかなか対応できない方などにとってメリットのあるサービスです。オンライン内見サービスを利用できるかどうかは、事前に不動産会社に確認してみましょう。
不動産売却から契約締結までの一連の流れについての詳細は不動産売却の流れ|引き渡しまでの3つのステップと売却にかかる期間をご覧ください。
3、不動産売却後に必要な手続き
契約締結をして、決済・引渡しが終われば、不動産の売却はひとまず完了です。翌年には忘れずに確定申告を行いましょう。不動産を売却して利益が出た場合、確定申告で譲渡所得税を申告しなくてはなりません。
実際には「居住用財産の特別控除」や「特定居住用財産の買換え特例」などを利用することで、譲渡所得税が発生しないケースがほとんどです。
ただし、これらの適用を受けるには、確定申告を行うことが条件となっています。反対に損失が出た場合、損益通算によって所得税や住民税が軽減される可能性があります。
いずれにしても、不動産売却後には確定申告が必要だと覚えておきましょう。
関連記事:「不動産売却の確定申告は必要?税金や書類の作り方を解説」
4、より高く売却するために一括査定サービスを利用しよう
手持ちの不動産をより高く売却するには、不動産一括査定サービスを利用するのがおすすめです。インターネット上で複数の不動産会社に査定依頼できるサービスで、無料で利用できます。それぞれの査定額を比較でき、より高く査定してくれる不動産会社を見つけられるので、不動産会社選びの労力を軽減してくれます。
不動産会社は全国に無数にありますが、一括査定サービスサイトも多数存在します。マンションや戸建てなど、それぞれ得意な物件やエリアがあるので、売却したい物件にあったサイトを利用すると良いでしょう。ひとつのサイトで査定依頼できる不動産会社は最大6~10社程度に限定されています。
より多くの不動産会社に査定してもらうために複数のサイトを利用するのもひとつの方法ですが、その分、営業電話も多くなることに注意しましょう。
おすすめの不動産売却一括査定サイトについては、【2022年版】不動産売却一括査定サイトおすすめ5選で紹介しています。
5、不動産売却において知っておくべきこと・気になること
不動産の取引にはさまざまな専門用語が飛び交います。よくわからないまま話を進めてしまうと、思わぬ不利益を被ってしまうことがあります。ここでは不動産売却を進めるうえで、知っておくべき言葉や注意点などを説明します。
(1)媒介契約の違い
売却の仲介を依頼したい不動産会社が決まったら、販売活動の前に媒介契約を締結します。媒介契約とは、依頼者と不動産会社との間で、仲介業務に関する約束事を取り決めることです。媒介契約の種類や手数料などが明記された契約書の交付が宅地建物取引業法で義務付けられています。
媒介契約の種類は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類です。依頼者が選択することができるので、それぞれの特徴を知り、自分に合った契約形態を選びましょう。
専属専任媒介契約
専属専任媒介を選択した場合、依頼者はその1社のみと契約することになります。契約の有効期間は3カ月以内と決められていて、その間に依頼者が自分で買主を見つけたとしても、契約した不動産会社を通さないと売買契約を結ぶことができません。
これらに違反した場合には、不動産会社から違約金を請求されることになります。一方、不動産会社には、5営業日以内に指定流通機構(レインズ)に物件情報を登録することや、依頼者に1週間に1回以上の業務報告を行うことが義務付けられています。
専任媒介契約
専属専任媒介と同じく、依頼者はその1社のみと契約でき、契約の有効期間は3カ月以内です。専属専任媒介と異なるのは、依頼者が自分で見つけた買主との契約は可能です。ただし、他の不動産会社に売却を依頼して、売買契約を成立させた場合は違約金が請求されます。
不動産会社は、7営業日以内に指定流通機構(レインズ)に物件情報を登録することや、依頼者に2週間に1回以上の業務報告を行うことが義務付けられます。
一般媒介契約
複数の不動産会社に売却を依頼したい場合には、一般媒介契約を選択しましょう。契約期間の定めはなく、依頼者が自分で買主を見つけて契約することも可能です。不動産会社にもレインズへの登録や依頼者への業務報告などの義務がありません。
(2)簡易査定と訪問査定の違い
前述のとおり、査定には「簡易査定」と「訪問査定」の2種類があります。
簡易査定とは、築年数や面積などの物件情報、市場動向、近隣の類似物件の売り出し価格・成約価格などのデータから査定額を算出する方法です。
一方の訪問査定では、不動産会社の担当者が現地に行き、物件の状態を細かく査定します。簡易査定では概算の査定額を把握することができ、訪問査定ではより正確な査定額を知ることができます。
まず一括査定サービスサイトなどを利用して複数の不動産会社に査定額を出してもらい、その中から相性が良さそうな不動産会社を選んで訪問査定を依頼するのが一般的です。
(3)仲介手数料とは
仲介手数料は、売買の仲介を依頼した不動産会社に支払う手数料です。成功報酬のため、売買契約が成立しない場合には支払いは発生しません。売却時にかかる諸費用の中でもボリュームが大きいため、提示された際には金額や条件をしっかりチェックしましょう。
仲介手数料は上限額が定められていて、その範囲内であれば不動産会社が自由に設定できることになっています。また、仲介手数料には、売却のための宣伝広告費、購入希望者を物件に案内するためのガソリン代、契約書などの作成費用など、仲介業務で発生するさまざまな費用が含まれています。
まれに、上限額を超える仲介手数料を請求するような不動産会社が存在しますので、気を付けましょう。計算方法を知っていれば、自分でも仲介手数料の上限額を求めることができます。金額が提示された際には、自分自身でも実際に計算して確かめることをおすすめします。
仲介手数料の計算方法
仲介手数料は金額区分に応じて次のように定められています。その合計に消費税を加算した金額が、仲介手数料の請求額です。
- 200万円以下の部分:取引額の5%以内
- 200万円を越え400万円以下の部分:取引額の4%以内
- 400万円を超える部分:取引額の3%以内
取引額が400万円を超える場合は、次の速算式を覚えておくと便利です。
取引額 × 3% + 6万円 + 消費税
例えば、取引額が2,000万円の場合には次のような計算が成り立ちます。
2,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税 = 72万6千円
仲介手数料を計算するときの注意点
仲介手数料の計算対象は、税抜き価格ということに注意しましょう。消費税法上、土地は非課税・建物は課税対象になっています。ところが、戸建やマンションなどの売買価格は、土地・建物合わせての税込み表示であるのが一般的です。
建物価格から消費税を差し引いたうえで計算しないと、余分な仲介手数料を支払うことになります。売買契約書を見ても土地・建物それぞれの価格がわからない場合は、不動産会社に確認してみましょう。
(4)リフォームはしておくべきか
戸建やマンションは「リフォームをしてから売却したほうが高く売れるのでは」と考えがちです。確かに物件情報などでは、同じマンションでもリフォーム済みの物件のほうが、高い価格で出ていることがあります。
しかしながら、リフォームをすれば必ず高く売れるとは限りません。中古物件を探している人のなかには、自分好みにリノベーションしたくて、あえて中古物件を選んでいる人もいます。せっかく高い費用をかけてリフォームしてもなかなか売れず、値下げせざるを得ないということも珍しい話ではありません。
同じ費用をかけるなら、ハウスクリーニング程度にとどめておきましょう。きれいに磨き上げられた室内は「丁寧に住んでいた」という印象を与え、成約の可能性が高まります。リフォームするべきかどうか悩んだ場合は、不動産会社に相談してみると良いでしょう。
(5)住宅ローンの返済義務はあるのか
住宅ローンが残っていても売却は可能です。一般的には引渡し時に売却代金でローンを完済し、同時に抵当権抹消手続きを行います。ローンの残債が売却代金よりも多い場合には、手持ちの資金などで補填しなくてはなりません。
住宅ローンが残っている物件を売却するときは、なるべく高い査定額をつけてくれる不動産会社を見つけることや、売却を計画的に進めることが大切です。
まとめ
不動産の売却を考えたとき、まずやるべきことは相場価格を知ることです。不動産一括査定サービスサイトを利用することで、簡単に複数の不動産会社に査定依頼ができて、自分の希望に合う不動産会社を容易に見つけることができるでしょう。
しかし、なかには良質とは言えない不動産会社が含まれていることもあります。不動産投資の教科書ではインターネットメディアとしての中立な立場で、誰もが安心して利用できるおすすめの一括査定サービスを紹介しているので、ぜひお役立てください。