不動産投資をする人であれば、失敗は絶対に避けたいことでしょう。そのために実例から学ぶことは有益な方法の1つです。
この記事では、不動産投資家で起こりがちなトラブルの事例を紹介します。今回は、「入居者とのトラブル」です。
不動産投資で失敗しないための知識として役立ててください。(尾嵜豪・不動産コンサルティングマスター、ウィンドゲート代表取締役)
・入居者トラブルにはどんなものがある?
不動産投資をするうえで、入居者とのトラブルによって、思わぬ出費やキャッシュフロー悪化など、購入前には想像をしていなかった問題が発生することがあります。
多く発生するのが、
- 家賃滞納
- 契約時の入居者以外の居住
- 許可のないリフォーム
- 細かい修繕の請求
- 喫煙などで部屋を汚す
- 勝手に民泊営業
- 騒音問題で上下階・隣の部屋などともめる
などです。
・入居者トラブル事例:勝手に民泊にしていた?
昨今、問題になったのは民泊問題です。
マンションの一室を賃貸したら、通常の借主とばかり思っていたのに、勝手に宿泊客を泊めていたなどの問題です。
これは、契約違反であり、かつマンション管理規則にも違反するケースが多いです。契約書に民泊を違法に行った場合、即契約解除ぐらい強めの文言を入れておくとよいでしょう。
・入居者トラブル事例:タバコ
あとはたばこの問題です。壁紙の劣化が相当進んでしまい、入居者が入れ替わるたびに部屋中の壁紙を交換しないといけません。
仮に2年更新ごとに壁紙交換で15万円などをかけないといけないとすれば、収支に大きな影響が出てしまいます。これも退去時の原状回復に、喫煙が認められた場合、入居者がすべて費用をもつといった但し書きを入れておくことが大切です。
・入居者とのトラブルをどう回避すれば良いか?
まずは、入居者募集時の審査を慎重に進めることが大切でしょう。
どうしても空室を早く解決したいと考えると、審査を甘めにしてしまいがちですが、しっかりと入居者を見極めることが肝心です。
入居者の内容があまり良くなくても、連帯保証人がしっかりしていればと考えがちなのですが、生活が厳しい入居者は、入居後も貸主に対して注文を付けたり、隣人とトラブルを起こすケースが高くなる可能性があります。
また家賃滞納には保証会社をつける、隣人とのトラブルには貸主・管理会社は一切関与しないという特約条項を契約書に記載する、設備の修繕や退去時の確認については、細かい部分まで記載しておくなどの対策が重要です。
なお区分マンションの一室などであっても、管理規則のようなものを作成して渡しておくとよいでしょう。
契約書や重要事項説明書の中の大事な部分を抜き出し、それに隣人とのマナーなどを記載しておくのです。
そして、緊急時の管理会社・水道会社・電気会社・ガス会社などの一覧と合わせて記載しておきます。こういったソフトな部分の対策が、入居者とのトラブルを未然に防ぐ、最良の方法となってきます。
また入居後すぐは、入居者からいろいろなオーダーが来ますが、きちんと対応をしないと部屋の扱いが雑になり、その後の修繕費が高くなる傾向にあります。
これを回避するためには、きちんとした管理会社を間に入れて、丁寧かつ素早い対応をすることが大事です。
・入居者との関係性を大事にしよう
不動産投資というと、利回りや収支計算にばかり目が行ってしまいますが、入居者との関係を大事にすることで、収支を安定させるという側面もあります。
株や証券にはない泥臭い部分を大事にすることが、不動産投資の成功につながります。
よりよい投資ライフのために。
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