最新の不動産投資トレンドの一つである「譲渡型賃貸投資」は、オーナー様が安定したキャッシュフローのために、空き室対策、家賃滞納リスクから資産を守りながら、最終出口も確保できる手法です。
この記事では、譲渡型賃貸投資の概要やメリット、リスク、成功のポイント、などについて詳しく解説します。また、不動産市場の動向や将来展望についても触れ、資産運用の視点から譲渡型賃貸投資の魅力をお伝えします。
- 入居者探しの必要がない
- 売却先が決まっているので出口戦略が不要
- 家賃滞納リスクが極めて低い
譲渡型賃貸投資について『不動産投資の教科書』が詳しく解説していきます。
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譲渡型賃貸住宅とは
住宅の所有権を、将来的に賃借人に譲渡する形態の賃貸住宅です。
賃借人は通常の賃貸住宅と同様に家賃を支払い、住宅を利用することができます。賃借人には将来的に住宅を購入することができる権利が付与され、住宅を購入する際には事前に定められた条件や手続きに従って譲渡が行われます。
目次
1、譲渡型賃貸投資とは?
譲渡型賃貸投資という新しいビジネスモデルについて、その基本と仕組みを解説します。
(1)譲渡型賃貸投資の仕組み「譲渡型」
譲渡型賃貸投資の最大の特徴は、入居者が家賃を支払って住み続けている家が最終的に入居者の所有になるという点です。「譲渡型」と名付けられているのはそのためで、最終的に退去をしたらそれっきりになってしまう従来の賃貸投資とは、そこが大きく異なります。
主に居住期間は10年から28年で、その期間は契約によって決まります。よく「毎月の家賃を払うくらいなら住宅ローンを組んで返済したほうが家が自分のものになるので有利」という考え方を聞きますが、この譲渡型賃貸投資はそれが現実になったようなスキームです。
(2)譲渡型賃貸投資が誕生した背景
この譲渡型賃貸投資には、もうひとつの大きな特徴があります。それは、毎月支払い続けている家賃が事実上の住宅ローンのような性格を持っていることです。
先ほど述べた「住宅ローンを返済したほうが・・・」という考え方を実現したものなので、住宅ローンの審査に通らない人であっても、これなら住宅ローンを組んだのと同じ形でマイホームを手に入れることができます。
このように「支払いの意思と能力はあるのに、住宅ローンに通りにくい人」というのは世の中に無数にいます。そんな人たちにとっては待望のスキームであり、不動産投資家にとっても「入居者探しが不要」「出口戦略と無関係」というメリットがあるため、双方にとって魅力的です。
譲渡型賃貸投資はこうした双方のニーズに応える形で登場したもので、今後さらに発展が見込まれています。
(3)譲渡型賃貸住宅投資が注目される理由
先ほども述べた通り、譲渡型賃貸投資では住宅ローンが不要です。支払いの意思と能力があるのに審査に通らない人というのはそれほどいないと思われるかも知れませんが、携帯料金の滞納やマイカーローンの滞納など、住宅ローンとは無関係のところで滞納歴があったり、意外な理由で住宅ローンを利用できない人というのはとても多いのです。
また、収入がそれほど高くないものの「いつかはマイホームが欲しい」と思っている層が人口に占める比率は意外に高く、こうした人たちの中で支払いの意思と能力がある人にもマイホーム取得の機会をもたらしているというのが、譲渡型賃貸投資に注目が集まっている大きな理由です。
2、不動産投資家にとっての譲渡型賃貸投資のメリット
不動産投資家にとって、譲渡型賃貸投資にはどんなメリットがあるのでしょうか。整理すると、そのメリットは6つもあります。
(1)入居者探しが不要
譲渡型賃貸投資では、最初に入居者であり将来の所有者になる人のオーダーに基づいて土地探しから始めます。つまり、賃貸物件を購入、用意してから入居者探しをするわけではないので、入居者探しが不要です。
(2)空室リスクが極めて低い
譲渡型賃貸投資では、入居希望者がいない間は物件の準備をする必要がないため、家を建てることもありません。
入居希望者が決まってからその人の希望に沿って賃貸物件を準備するため、「購入したのに入居者がいない」という空室リスクが極めて低くなります。
(3)家賃が下落しない
譲渡型賃貸投資では、貸主と借主の間で普通建物賃貸借契約が結ばれます。この期間が終了したら家の所有権が借主に移ることが特徴であるわけですが、この賃貸借契約期間は家賃の下落がないため、期間満了まで家賃の下落リスクと無縁でいられます。
(4)家賃滞納リスクが極めて低い
記事の冒頭で家賃の滞納リスクが低いと述べました。住宅ローンの審査に通りにくい人を対象にしているのに滞納リスクが低いという点に違和感を覚えた方もおられるかも知れませんが、ここに譲渡型賃貸投資のメリットがあります。
住宅ローンの審査に通りにくい人は自分でそれを認識しており、マイホームを半ば諦めかけていた人たちです。そんな人たちにも光が当たるこの仕組みでは、せっかく手に入れた仕組みと将来の我が家を手放すようなことはしたくないという思考が働き、家賃滞納が起きにくくなっています。
従来型の戸建て賃貸だと、いつまで家賃を支払っても家は大家さんのものです。それだけに滞納のリスクと隣り合わせになりますが、契約期間満了後に自分のものになることが分かっている家だけに、借主の意識がまるで違います。
(5)出口戦略を立てる必要がない
不動産投資家にとって悩みの種でもあるのが、出口戦略です。せっかく賃貸経営でインカムゲインを蓄積しても、最後の売却で大損をしてしまうとそれを吹き飛ばしてしまい、最悪の場合はトータルでマイナス収支になってしまう恐れもあります。
その点において、譲渡型賃貸投資は最終的に物件を引き渡すため出口戦略を立てる必要がありません。これは売却が前提になっている昨今の不動産投資では大幅な負担減だと思います。
(6)不動産投資に不向きな地域でも取り組める
地方の人口減少が進んでいる地域には、不動産投資に不向きだとされている場所が増加し続けています。それもそのはず、空室リスクや家賃下落リスクが高い場所で不動産投資を始めようと思う人はいないわけで、そういった地域では入居者にとっても家選びの選択肢が狭くなってしまう恐れがあります。
この譲渡型賃貸投資であれば空室リスクや家賃下落リスクがなく、また最終的な出口戦略を立てる必要もないため、投資家は安心して取り組むことができます。すでに秋田県など地方での成功事例もあり、今後こういった地域での普及に期待が集まっています。
4、マイホームとしての譲渡型賃貸投資のメリット
不動産投資家にとってのメリットに続いて、次はマイホームが欲しいと思っている入居希望者にとっての譲渡型賃貸投資のメリットを改めて解説します。
(1)住宅ローンが不要
先ほども少し触れましたが、マイホームが欲しいと思っているのに住宅ローンの審査に通らないばかりに話が前に進まないという潜在的な需要はかなりの規模に上ります。
- 個人事業主や非正規雇用である
- 年齢が若く、まだ年収が低い
- 過去にキャッシングやクレジットカードなどの事故歴がある
- 携帯料金などの滞納歴がある
- 勤続年数が短い
いずれも金融機関が返済能力を不安視する要素ばかりですが、今は定期的な収入があってそれが今後も続く見込みであるのに、いざ審査となるとなかなか通ることはありません。
この譲渡型賃貸投資は、上記のような人たちにマイホーム取得のチャンスをもたらすビジネスモデルです。
住宅ローンの審査に通らないばかりに賃貸住宅に住んでいる人であっても、「家賃を支払うくらいなら住宅ローンを返済してマイホームを手に入れたい」という願いがかなうわけです。
(2)将来の我が家なので注文住宅のように好みの家に住める
この譲渡型賃貸投資では、入居希望者が将来の我が家をイメージして家選びをするので、土地の選定から建てる家についてなど、さながら注文住宅のように自分たちの要望を形にすることができます。
既存の建売住宅ではなく、将来の取得を前提に注文をしてから建てるという形になっていることで可能となっているメリットです。
5、譲渡型賃貸投資のデメリットやリスク
不動産投資家が譲渡型賃貸投資に参入するのにあたって、考えられるデメリットやリスクを挙げてみました。全部で3つあります。
(1)賃貸期間中の退去リスク
入居希望者の要望に応じて家を用意したとは言え、入居者の要望や事情によって退去してしまうリスクは存在します。この譲渡型賃貸投資では入居後5年以内の退去には違約金が発生する契約になっているので5年以内の退去は起きにくくなっていますが、その後は分かりません。
将来は自分のものになると分かっていても家賃支払いが困難になるなど、入居者にとっても不本意な理由で退去せざるを得なくなる事態も考えられます。
この場合は中古物件として売却するのが最も無難な対処となりますが、売却価格によって損が出てしまう可能性は残ります。
(2)安全である分、利回りは高くない
投資家にとってローリスクであり、最初から最後まで家賃が決まっているため、契約内容より多くの利益を狙うことはできません。そのため総じて利回りは控えめ(6〜13%)になっています。
(3)売却益のチャンスがない
近年の不動産投資では、10年以内に物件を売却してキャピタルゲイン(売却益)も狙っていく投資家もいますが、譲渡型賃貸投資はキャピタルゲインで利益を得るという設計ではありません。
なお、オーナーチェンジは可能です。
その一方で出口戦略で失敗するリスクがないのですから、許容するべきデメリットといえるでしょう。
6、 譲渡型賃貸投資を成功させるためのポイント
(1)適切な物件選定の重要性
地域性の考慮
譲渡型賃貸投資において、物件の地域性は収益性に直接的な影響を与えます。地域性を考慮する際には、そのエリアの人口動態、経済成長、雇用機会、およびインフラの発展状況を評価する必要があります。例えば、人口が増加している地域や経済活動が活発な地域では、賃貸需要が高まり、安定した収益が見込めます。逆に、人口が減少している地域では、物件の空室率が高くなるリスクがあります。
長期的な市場分析
物件の選定にあたっては、一時的なトレンドに惑わされず、長期的な市場の動向を分析することが重要です。市場分析には、過去の賃貸市場のデータ、将来の都市計画、交通網の拡張計画などを考慮に入れるべきです。また、地域による不動産価値の変動や将来予想される開発プロジェクトの影響を評価することで、持続可能な投資判断を下すことができます。
(2)投資戦略とリスク管理
ポートフォリオの多様化
リスクを管理し、収益の安定を図るためには、ポートフォリオの多様化が不可欠です。異なる地域、異なる種類の不動産(住宅、商業施設、オフィスビルなど)に投資することで、特定の市場や経済状況に左右されるリスクを軽減できます。また、新築物件と中古物件のバランスを取ることも重要です。中古物件は初期投資が少なくて済む場合が多い一方で、新築物件はメンテナンスコストが低く、テナントのニーズに応じたカスタマイズが可能です。
(3)法律・税務知識の活用
譲渡型賃貸投資では、法律や税制の知識が利益を最大化するために重要となります。投資物件の運用においては、賃貸借契約、建築基準法、地方税法など、多岐にわたる法律が関与します。これらの法律を理解し、適切に適用することで、運用中のトラブルを避け、効率的な資産運用が可能となります。また、物件の購入や売却に際しては、譲渡所得税や固定資産税などの税務面の理解も必須です。税務アドバイザーや不動産専門の法律家と協力することで、税負担を軽減し、投資の収益性を高めることができます。
まとめ
譲渡型賃貸投資というユニークなビジネスモデルについて解説をしてきましたが、この仕組みについてあまり詳しく知らなかったという方は「よくできた仕組みだ」と感じられたのではないでしょうか。
「不動産投資の教科書」としても、この仕組みはとてもよくできていて、投資家と入居者、そして地方創生というさまざま方面でのメリットがあると思います。
面白そうだとお感じになった方は、問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
またマイホームに引っ越しの際は、自分のライフスタイルに合ったお得な電気料金プランとネット回線プランを契約することも検討してみてはいかがでしょうか。