株式投資で成功するためには、優良銘柄を見つけることが重要です。そのために有効な手法として株のスクリーニングがあります。
株価が10倍以上になった、または見込みのある銘柄を「テンバガー」と呼びます。
株のスクリーニングを活用して、株価が10倍以上に成長する大化け銘柄を見つけたくありませんか?
今回の記事では、テンバガーに注目した株スクリーニングの手法とポイントについて解説します。
この記事を読み終えた後は、株の銘柄選びに対する考え方が大きく変わっているかも知れません。
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株のスクリーニングとは、条件を設定し、条件に合った銘柄を探すことです。設定条件として、各指標や時価総額、株価、配当利回りがよく用いられます。
1、株のスクリーニングで大化け銘柄を見つけよう
(1)株のスクリーニングとは
株式のスクリーニングとは、条件を設定し、自分の投資スタンスに合わせた銘柄を探し出すことです。
条件から銘柄を絞り込んでいくために、株のスクリーニングではPER、PBR、ROE、配当利回りなどさまざまな指標を利用します。
各種指標に基づいてスクリーニングができるツールが充実しているため、この記事で解説する項目を押さえれば、後はツールが自動的にスクリーニングをしてくれます。スクリーニングは、初心者の方にとっても決して難しいものではありません。
将来成長する大化け銘柄を見つけることは株長者になるために欠かせないプロセスと言って良いでしょう。
スクリーニングとは「ふるいにかける」「ふるいで分ける」といったような意味合いの言葉で、たくさんある株の銘柄から有望株、成長株、割安株を見つけ出すための手法が株のスクリーニングです。
(2)株のスクリーニング条件
膨大な数の銘柄から有望株を見つけ出すために株をスクリーニングするにあたって、どんな項目を条件にすれば良いのでしょうか。
前提条件として、以下のような要素を満たしている銘柄を見つけるのがスクリーニングの目的となります。
- まだ値上がりしておらず株価に割安感がある
- 業績が好調、まだまだ成長余地がある
株価が割安なうちに成長の見込みがある銘柄を見つけて購入、株価が10倍以上になり「テンバガー銘柄」となる。
全株式投資家の夢です。
では、少し古いものになりますが……..
実際にテンバガーとなった銘柄はどんな値動きをしているのでしょうか。こちらはユニクロでおなじみの、ファーストリテイリング(9983)の株価チャートです。
2008年には6,000円少々だった株価が、2015年には6万円台となり、テンバガーを達成しました。
その後成長を続け、2021年には10万円をつけています。もし2008年、株価6000円の時に100株、60万円を投資していたら2015年には600万、2021年には1000万になっていたという事になります。
2008年の時点、さらにそれよりも前からファーストリテイリング株を保有していた人は、資産を10倍にすることに成功したわけです。
ファーストリテイリング長者が、どうやってテンバガー銘柄であることを見抜いたかについては、投資家それぞれの考え方や戦略があると思います。
しかし、当時たくさんの銘柄の中からファーストリテイリング株に注目できたのは、株のスクリーニングもきっかけになっていることでしょう。
(2)株価10倍以上の可能性を秘めた大化け銘柄の特徴
前項のファーストリテイリングのようにテンバガーとまではいかなくても、株価が5倍以上になった大化け銘柄は山のようにあります。
大化け銘柄の株価が安かった頃に、買うことができた投資家は、株のスクリーニングで銘柄探しをしていることでしょう。
では、現在テンバガーとして知られている銘柄の値上がり前はどんな状態だったのでしょうか。それが分かれば、現在の銘柄からスクリーニングをしてこれからの大化け銘柄を見つけ出せるはずです。
過去の大化け銘柄から見える一定の特徴を挙げてみると、以下のようになります。
- 中型株、小型株であること
- ベンチャー企業など知名度は低いものの特徴のあるビジネスモデルを持っていること
- 上場からそれほど時間が経っていないこと(10年以内が目安)
- 自己資本比率50%以上である
- 売上高や利益の伸び率、利益率は2桁以上あること
- PER・PSR(時価総額を年間売上で割って算出)が低く株価が割安であること
特に大切なのは、1です。有望なベンチャー企業やスタートアップ企業を見つけたとしても、すでに注目されていて割安感がなければ意味がありません。
「まだあまり知られていないこと」が重要なのです。そこで、1の目安としては時価総額が300億円以下を目安とするのが良いでしょう。
スクリーニングツールを使えば、このように特定の条件で銘柄を検索、絞り込むことができます。
(3)ファンダメンタルズとテクニカル
前項で解説したスクリーニングの各項目は、割安感や経営の健全性、成長余地などを計る物差しです。こうした物差しのことを投資用語でファンダメンタルズといいます。
企業の経営状態や経済活動の基礎的要因を意味するもので、株をやったことがない方であっても想像がつきやすい売買材料です。
株式投資にはもうひとつ、株価変動に影響を与える要素としてテクニカルがあります。
テクニカルはチャート上のさまざまな分析手法によって得られる売買材料で、その多くは統計学や確率統計理論に基づいたものです。
過去の値動きから今後の展開を予測する手法なので多くの投資家が利用しており、チャート上で示されたテクニカル的な売買シグナルが材料視されることで、実際の株価変動にもしばしば影響を与えます。
株のスクリーニングツールの中には、このテクニカル要素をスクリーニング条件に加えることができるものもあります。
「テクニカル的に有望な株」を探すのに有効なので、チャート分析の知識をお持ちの方はテクニカル要素でもスクリーニングができるツールを使用すると精度がさらに向上します。ファンダメンタルズとテクニカルの両面から株のスクリーニングができるツールは「5-(2)詳細項目も含めて本格的なスクリーニング」でご紹介します。
(4)株のスクリーニングに役立つツールを活用しよう
個人投資家が簡単にスクリーニングをすることによって大化け銘柄を見つけやすくなったのは、各種スクリーニングツールが充実してきた賜物です。
証券会社や株式投資情報サイトなどがこぞってスクリーニングツールを提供しており、その多くは無料で利用可能です。
項目数の大小や独自の切り口でスクリーニングができる無料ツールを「5、株のスクリーニングに役立つオススメのツール3選」でご紹介しています。いずれも証券会社の口座開設などをしなくても利用可能なので、この先の解説で要領を得た後はぜひ実際にスクリーニングをやってみてください。
なお、株のスクリーニングの方法については「株のスクリーニングで割安株を見つける方法おすすめツール5選」の記事も参考になるので、併せてお読みいただければと思います。
次はいよいよ株のスクリーニングで有望株を見つける方法を説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
3、株のスクリーニングで大化け銘柄を見つける方法
(1)中型株、小型株
時価総額の規模によって株式銘柄は大型株、中型株、小型株に分類されます。
大型になるほど時価総額が大きく、小型になるほど時価総額は小さくなりますが、割安感が残っている銘柄というのはほとんどが中型、小型株です。
ひとつの目安として、時価総額が300億円以下の銘柄に絞り込んでスクリーニングをすると中型株。20億円程度にまで下げると小型株を絞り込むことができます。
時価総額が大きくなると少々の大商いがあっても株価上昇への影響が出にくく(分母が大きいため)なります。
中型株や小型株のように、人気が集まると急激に株価が反応するような銘柄が
ここで1つの結論として、スクリーニング時に設定する条件は「時価総額が300億円以下」とします。
(2)PERが5倍以上10倍以下
PERは株価を1株あたりの利益で割ったものなので、このPERが低ければ低いほど実力に株価が付いてきていない出遅れ感があることが分かります。
おおむね市場全体の目安となると平均値は16倍前後なので、これよりも少ない数値であれば株価に割安感があると見て良いでしょう。
今回はもう少し厳しくして、スクリーニング時の設定条件は「PERが5倍以上10倍以下」とします。
(3)PBRが0.5倍から1倍
PERと並んで株価の割安感を計るための指標として知られているのが、PBRです。
PBRは株価を1株当たりの純資産で割って求められる数値なので、こちらも数値が低いほど割安感があります。1倍だと企業価値と株価が等価になっていることになるので、これが1倍を下回っていると株価が割安ということになります。
そこでPBRのスクリーニング条件は、「PBRが0.5倍から1倍まで」とします。
(4)ROEが10%以上
ROEは株主資本利益率のことで、株主が出資している資金に対して企業が上げている利益の割合を示す数値です。
ROEが高いということは、その企業が投資家のお金を効率よく使って利益を上げていることが分かります。つまり投資家にとって優秀な企業であると見なされるため、ROEが高いと株価上昇要因となります。
大化け銘柄を見つける以外にも優良銘柄を見つける指標となるので、覚えておくと役立つ指標です。3%前後が一般的な数値で、5%、10%を超えていると優秀と見ることができます。
ここではスクリーニングの条件として、「ROEが10%以上」とします。
(5)配当利回りが3%以上
株価に対して配当がどれだけ出ているかを示す指標に、配当利回りがあります。
該当の株を保有していると得られる利息のようなものなので、低金利時代においては運用益のひとつとして注目度が高くなっています。
配当利回りが高くなるということは投資家からの注目も集まりやすいので、配当利回りでスクリーニングをした投資家からの買いが入りやすくなります。
そこで、大化け銘柄を見つけるための設定条件としては、「配当利回り3%以上」としたいと思います。
(6)スクリーニング結果をどう活かすか
上記に紹介したスクリーニング条件に加え、投資金額を「500万円以内」として、この記事作成時点(2023年5月2日)でスクリーニングをしてみました。
スクリーニング結果に表示されている顔ぶれを見て、全社名を知っているという人はおそらく皆無でしょう。それだけ「知る人ぞ知るダイヤの原石」をピックアップできているということです。
このスクリーニング結果に表示されている銘柄の中から、株価や業種などで投資家が判断をして購入銘柄を決めていきます。その考え方については、次章で解説します。
4、株のスクリーニングではわからない?本来の実力もチェック
(1)経常利益が順調に伸びているかどうか
設定したスクリーニング条件の通りにやってみたところ、銘柄に絞り込むことができました。これは大化けする可能性がある銘柄という視点で機械的に絞り込みを行った結果であり、この全てが投資対象として適格であるというわけではありません。
そこからどの銘柄を買うかの最終的な判断は、投資家自身に委ねられています。そこで大切にしたいのが、株を買う際の基本です。大化けとまではいかなくても、買う価値のある銘柄であるかどうかを精査した上で投資判断をしましょう。
そこで第一に挙げたいポイントが、経常利益の伸びです。利益が確実に上がっている健全な企業は、経常利益が順調に伸びているはずです。
経常利益が順調に伸びているということは、ビジネスモデルが社会から受け入れられるものであり、企業がそれに応えられているという関係が成立している証拠となります
経常利益の判断の目安としては、経常利益が5%以上伸び続けているかどうかです。
スクリーニングのツールによっては、経常利益の伸び率で絞り込みができるものもありますので、経常利益の伸び率をスクリーニングの条件に加えるのも有効でしょう。
(2)話題性の高いビジネスモデル、商材があるか
これから注目が集まりそうな業種や、ビジネスモデルを持つような企業は業績が上がりやすいので、それが株価に反映する可能性は高いでしょう。さらに業績以上に株式投資家の注目が集まりやすいので買い材料となりやすく、実力以上の株価上昇を演じることもあります。
こうした要素による投資判断は、スクリーニングによる機械的な絞り込みだけでは難しいでしょう。株価の割安感などから機械的にスクリーニングをするだけでなく、ニュースや周りの人の話から得られる情報のような人間的な目線も取り込みたいところです。。
(3)事業のユニーク性
ナンバーワンよりオンリーワンという有名なヒット曲の歌詞がありますが、株式投資の世界でも同じことがいえます。業界トップの企業も十分投資価値がありますが、他にライバルがほとんどいないようなユニークな特性を持っている企業は、大きな伸びしろを秘めています。
この記事で実践したスクリーニング条件で絞り込まれる企業には、株価の割安感という切り口があるため、「株価は低いが有望なビジネスモデルやユニーク性を持った銘柄」が抽出されやすい傾向にあります。
スクリーニングによって姿を現した銘柄の中に、事業のユニーク性が目を引く銘柄があったら投資対象として検討してみてはいかがでしょうか。
5、株のスクリーニングに役立つオススメのツール3選
(1)まずは簡単な項目でスクリーニング
PER、PBR、配当利回り、ROE、時価総額、自己資本比率などといった、この記事でスクリーニングの条件に加えた項目でスクリーニングができる無料ツールです。
シンプルでありながら株価の割安感や経営の健全性という視点でスクリーニングをするには必要十分なので、まずはやってみたいという方にオススメです。
簡易スクリーニング(株マップ.com)
(2)詳細項目も含めて本格的なスクリーニング
トレーダーズウェブは移動平均線や一目均衡表、MACD、RSIなどといったテクニカルチャート分析ができる、スクリーニングツールです。
株価のトレンドを知るのに有効な「25日移動平均線より上か下か」、株の買われすぎや売られすぎを示す「RSIが○○%以上、または以下」といったように、チャートの状態を条件にスクリーニングをすることで、より効率的かつ正確に銘柄を絞り込むことができます。
銘柄スクリーニング(TRADER’S WEB)
(3)テーマ別にスクリーニング
株式情報サイト「みんなの株式」が提供する、ちょっとユニークなスクリーニングツールです。企業の業績やテクニカルチャートで探せるのは前項までにご紹介したツールと似ているのですが、それに加えて「テーマで探す」という機能があります。
有望視されているロボットや人工知能、仮想通貨、バイオ、自動運転車といった業種やテーマ別にスクリーニングをすることができます。
「この業種が今後伸びそうだ」という感覚的なスクリーニングができるのは、このツールの独自性です。
スクリーニング(みんなの株式)
6、株のスクリーニングを実際に始めるには
株式投資を始めてみたい方は、まず証券会社の口座開設をしてみるといいでしょう。
株式の仕組み、どんな銘柄があるのかなどの知識は、本やインターネット、スクールで勉強することをおすすめします。
おすすめの証券会社2社をピックアップしましたので、参考にしてみてください。
(1) SBI証券
口座開設数、手数料の安さ、IPO銘柄の取扱数、外国株取扱国数がトップクラスなのがSBI証券です。
(2)楽天証券
株の売買や投資信託の積立で楽天ポイントがもらえて、もらったポイントをさらに投資に使うことができるため、「楽天経済圏」に入っている方におすすめの証券会社です。
7、株式投資を本格的に学ぶ
実際に株式投資を始める前に、セミナーにて情報収集しながら勉強されるのはいかがでしょうか。
日本ファイナンシャルアカデミーのスクールは、受講生の7割以上がプラスの運用成績を残しています。 株式投資の本当に必要な知識だけを、ぎゅっと凝縮して学びたい方にオススメします。
無料で90分の教室を体験することができますので、ぜひ受講してみてください。
まとめ
株式投資で大きな利益を手にするには、今後にわたって大きく株価が上昇する銘柄をいかにして上昇前に見つけ出すかに尽きます。
株のスクリーニングは、こうした大化け銘柄を見つけ出すのに有効な方法です。
今回は、スクリーニングの基本的な考え方から条件に加えるべき項目、そしてスクリーニングを実践できる無料ツールのご紹介をしてきました。
社会情勢の変化や技術革新によって、これからも大化け銘柄は続々と登場することでしょう。その波にしっかり乗って資産を10倍にするためにも、今すぐできるスクリーニングの手法をぜひマスターしてください。