• シェアリングエコノミー
  • 2019/1/8

シェアリングエコノミーが気になるけれどデメリットが気になる方のための安心マニュアル

Airbnb、メルカリ、UberEats・・・といったサービスはいずれも、シェアリングエコノミーとして人気を集めているサービスです。

シェアリングエコノミーはモノやサービスといった資源を提供者と利用者で共有することで多くのメリットが生まれるため、市場規模は急速に拡大を続けています。

しかし、メリットがとても多いシェアリングエコノミーですが、規模が拡大するにつれてデメリットの部分が指摘されることが多くなっており、そのデメリットに懸念を感じて利用をためらっている人が多いのも事実です。

シェアリングエコノミーを自分も利用してみたいが、どうも気になる、不安があるという方にとって、シェアリングエコノミーのどういう部分にデメリットを感じているのかといった部分にスポットを当てて、それをいかに克服できるかを論じてみたいと思います。

シェアリングエコノミーが気になるものの、何か引っかかるという方はぜひお読みください。



1、シェアリングエコノミーの、ここが気になる

これだけ流行っているとシェアリングエコノミーのことが気になる、という方の現段階でのお考えを整理してみました。これに該当する方は多いのではないでしょうか?

(1)安くモノを借りたりスペースを使えたりしそう

個人が余らせているモノやスペースを借りるのだから、安く利用できそうなイメージがあります。このイメージは正解で、そもそも余らせていてもったいないと感じているものを有効活用するのですから、自分で買って用意するよりはるかに低コストです。

これは、シェアリングエコノミーを利用する側にとって最大のメリットでしょう。

(2)使っていないモノやスペースがお金になりそう

自宅にある「使っていないモノ」、「使っていないスペース」、「もう着なくなった服」など、身の回りにある「遊休資源」の中には、他の人にとってはぜひとも使いたい、欲しいと思えるものがたくさんあります。

シェアリングエコノミーはそれを必要な人に貸し出したり売ったりすることで共有ができる仕組みなので、放置していたら何も生み出さないようなものがシェアリングエコノミーによってお金にすることができるようになります。

(3)メリットの裏にはデメリットやリスクもありそう

モノやサービスを提供する側と、それを利用する側の双方にメリットの多いシェアリングエコノミーですが、その反面として赤の他人同士がサービスでつながることへの不安、素人同士の取引なのでトラブルが起きそうだという不安など、シェアリングエコノミーだからこそ起こりうる問題もありそうな気がするという方はとても多いと思います。

こうした問題はすでに表面化しているので、シェアリングエコノミーのデメリットやリスクとして知っておくべきだと思います。

これからシェアリングエコノミーに何らかの形で関わってみようという方は、ぜひこれから解説するデメリットやリスクについても理解した上で始めるようにしましょう。

2、シェアリングエコノミーの利用者側デメリット

シェアリングエコノミーのデメリットについて、まずは利用者側の立場から解説します。

(1)サービス提供者の信頼性がよく分からない

個人が余らせている資源を有効活用するのがシェアリングエコノミーなので、モノやサービスを提供しているのは原則として個人です。事業者であれば会社の所在地や代表者、資本金などの情報が開示されていますが、個人の場合はよく分からないことが多く、どこの誰か分からない人からモノを借りたり一緒にクルマに同乗したりといったことに抵抗を感じる人は少なくありません。

個人が主役となるシェアリングエコノミーだけに、サービス提供者の信頼性に確信が持てないというのは、本質的なデメリットかも知れません。

(2)事故やトラブルの際に責任の所在が曖昧

個人間でモノやスペースの貸し借りをすることには、事故やトラブルの懸念がつきまといます。

例えば、シェアリングエコノミーによって借りたモノを壊してしまった、借りた時にはすでに壊れていたが、それを証明する手段がないといったようなことが起きると、そのトラブルを誰が調停できるのかという問題が生まれます。

個人的な関係の人たちがモノの貸し借りをする時はお互いの信頼関係が前提になっています。そんな関係であってもモノを壊してしまったなどの問題が起きた時は解決が難しい場面もあるでしょう。

シェアリングエコノミーは赤の他人同士がモノやスペースの貸し借りをするため、こうした問題が起きた時に脆さが表面化してしまいます。

(3)素人が提供するサービスだけに品質に不安がある

シェアリングエコノミーで借りるモノや利用するサービスは、事業者から提供されているものではありません。事業者であれば品質が管理されているためいつ利用しても同じだけの品質を期待できますが、シェアリングエコノミーの場合は同じ提供者からであっても時期によって品質が安定しているかどうか分かりませんし、違う人からだとなおさらです。

例えば、個人が自分のクルマでタクシーサービスをすることができるUberでタクシーを利用したとすると、そのドライバーは個人でありプロのタクシードライバーではありません。スキルや経験的にプロのドライバーと比べて劣る人がいるかも知れませんし、事故のリスクが高くなる可能性も考えられます。

(4)法整備が追いついておらずグレーゾーンのサービスもある

先ほどご紹介したUberは、日本国内では合法的なサービスではありません。なぜなら、有償で乗客を運ぶためには二種の運転免許が必要で、認可を受けた事業者でなければならないからです。個人が自分のクルマでタクシーのアルバイトができるUberはユニークなサービスですが、日本国内で合法的にサービスを提供することはできません。

また、民泊は非合法でしたが、インバウンド景気の拡大や違法民泊の急増によって、後から法整備が追いつく形で民泊新法が制定されたという経緯があります。

他にもグレーゾーンのシェアリングエコノミーはありますが、それが法的に整備されるかどうかは未知数です。

(5)知らない人と行動を共にすることへの不安

赤の他人同士が取引をするシェアリングエコノミーでは、取引相手が赤の他人であることに抵抗を感じる人が多くいます。

同じ目的地、方向に移動したい人同士が乗り合いをする「notteco」というシェアリングエコノミーサービスがありますが、このサービスを利用して夜通しで長距離移動をする場合、男性ばかりのところに女性が1人で同乗する可能性もあります。もちろんサービス運営側も情報を開示して募集者がどんな人なのか、すでに申し込んでいる同乗者はどんな人なのかという情報を閲覧できる仕組みになっていますが、それでも赤の他人同士が同じクルマに同乗することに変わりはないので、これに抵抗を感じる人はシェアリングエコノミー向きではないかも知れません。

3、シェアリングエコノミーの提供者側デメリット

利用者とは逆に、シェアリングエコノミーを利用してモノやサービスを提供する側にとってのデメリットには、どんなものがあるのでしょうか。

(1)利用者のマナーやモラルに依存する部分が大きい

自分が所有しているモノを赤の他人に貸し出すことになるので、そのモノを大切に扱ってくれるか、約束通りに返してくれるかといった「利用者の質」は個人のモラルに依存している部分が大きく、マナーの悪い利用者に当たってしまうと不快な思いをするだけでなく、損失を被る可能性もあります。

民泊の現場ではマナーの悪い外国人宿泊客が施設を汚したり壊してしまったりするといった問題が多発しており、こうした利用者のマナーアップや標準化は今後の課題と言えるでしょう。

(2)トラブルになった時に責任を取れない

貸し出しているモノが何か事故を起こしてしまったり、利用者に損害を与えてしまったりした場合に、提供者が責任を取るのは困難です。所有しているクルマを貸し出すシェアリングサービスがありますが、もしそのクルマを借りた人が交通事故を起こしてしまい、人を傷つけてしまったとしたらどうでしょうか?

こうしたカーシェアサービスは保険に加入しているため自分が所有しているクルマが他人を傷つけたとしても責任を取る義務はないのですが、決して良い気分になれないのが人情です。

実際に起きた事例として、シェアリングのクルマを借りた人が駐車違反をしてそのまま放置していたということもあるため、こうした責任の所在に関する部分はデメリットとして今後も課題となるでしょう。

(3)既存サービスとの競合によるトラブルの可能性

シェアリングエコノミーの利用者にとって不利益になることはないと思いますが、シェアリングエコノミーは既存のサービスと競合する部分が多く、現場でトラブルが起きる懸念があります。

最も分かりやすい例としては、民泊がホテルと競合したり、Uberがタクシー業界と競合するなどのパターンがあります。Uberアプリで乗客を拾っている光景を見てタクシードライバーから苦情が出ないとも限りませんし、民泊施設の隣にホテルがあったらホテルとのトラブルが起きないとも限りません。

既存のこうしたビジネスからシェアリングエコノミーが良く思われていない分野があるので、そのことが原因でトラブルに巻き込まれる可能性は否定できません。

4、リスクを回避してシェアリングエコノミーを利用するための方法論

前章までシェアリングエコノミーのデメリットやリスクについて解説をしましたが、かなりリアルな切り口で解説をしたので「利用するのは避けた方がよさそうだ」と感じた方もおられると思います。

そこで最後に、こうしたリスクをうまく回避しつつシェアリングエコノミーを活用するための方法論について考えてみたいと思います。

(1)提供者または利用者の評価をチェックしてから利用する

多くのシェアリングエコノミーサービスには、ユーザーの評価機能があります。過去にそのサービスを利用した人がどうだったのかを評価やコメントとして残しているので、そこに悪いことが書かれている人が提供しているサービスは利用しないのが無難でしょう。

こうした評価機能は、シェアリングエコノミーに参加する人たちへの抑止効果があります。悪い評価が多くなると自分のサービスを利用してくれる人がいなくなる(逆に利用者側も評価が悪いと利用させてもらえない)ので、誠意を持って提供(利用)してくれる人が多くなるというわけです。

この自浄作用によってシェアリングエコノミーのモラルが保たれている部分がありますので、評価機能は大いに利用しましょう。

(2)保険で補償できるものは保険に加入しておく

シェアリングエコノミーの拡大に伴って、大手保険会社がそのための保険商品を開発・販売しています。

損害保険ジャパン日本興亜からは「オールインワンパッケージ」というシェアリングエコノミー利用者向けの保険が販売されています。

【参考】

  • プレスリリース(損保ジャパン日本興亜株式会社)

https://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/news/2017/20170601_1.pdf

さらに、東京海上日動火災からは、シェアリングエコノミーで利用されるクルマ専用の自動車保険が販売されています。

【参考】

  • プレスリリース(東京海上日動火災保険株式会社)

https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/171227_01.pdf

せっかくこうした保険が登場しているのですから、保険でカバーできるものは保険を活用するという考えで、シェアリングエコノミーのリスク管理に役立てるべきだと思います。

(3)法的にグレーゾーンのサービスは利用しないのが無難

空きスペースをシェアする民泊は当初、日本国内では非合法でした。東京や大阪などインバウンド需要が高い地域では条例による法整備もありましたが、その後を追うように民泊新法が制定されて、ようやく民泊がとりあえず合法的な存在となりました。

ここで「とりあえず」とつけたのは、法整備がされたとは言っても事業ベースで考えると魅力が薄く、せっかく法整備されたのに民泊新法を根拠にした民泊開業は低迷しているからです。

また、個人がタクシーをすることができるUberについても、日本国内では白タク行為との線引きが難しく、グレーな存在です。

このように法的に合法・違法の争いがあるものやグレーな存在は、今後どのように環境が一変するか見通せない部分があるので、利用しないのが無難だと思います。

まとめ

シェアリングエコノミーに関心があるものの、どこか引っかかるものがあるという方に向けて、シェアリングエコノミーの本質やデメリットについて詳しく解説してきました。最後にはそのデメリットやリスクを克服してシェアリングエコノミーを活用する方法についても解説しましたので、これから参加をする方はぜひこうしたデメリットにもしっかり留意をして、魅力あふれるシェアリングエコノミーの世界を楽しんでいただければと思います。

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