住宅を初めて購入する際、特に気になるのが「住宅ローン」。
購入に際してほとんどの方が利用するこのローンですが、金利の仕組みや返済方法、種類の違い、手続きの流れなど、初めての方にはわかりにくい部分も多いかもしれません。
本記事では、住宅ローンの金利の仕組み、返済方法、住宅ローンの種類、そして手続きの流れについて、わかりやすく解説します。これを読めば、住宅購入における資金計画がスムーズに進められるようになるでしょう。
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1、住宅ローンとは?
住宅ローンとは、住宅を購入する際に多くの人が利用する金融商品です。
購入した物件を担保として、金融機関から融資を受け、定められた契約に従って融資を返済する仕組みとなっています。
本章では、住宅ローンの特徴や仕組みについて説明します。
(1)住宅ローンは借りたお金に対して利子がかかる
住宅ローンは、金融機関などからの借入金に対し、借入金額や借入期間に応じた利子がかかる仕組みです。
利子の支払いがいくらになるかは、金利や返済期間によって変化します。
そのため、住宅ローンを組む際は、家計の収支状況や自分のライフスタイルを踏まえて、無理のない返済プランを立てることが重要です。
(2)住宅ローンは金融機関などで取り扱われている
住宅ローンは、金融機関をはじめ、様々な機関で取り扱われています。
それぞれの機関により住宅ローンの特性が異なるため、借入先ごとの特性を知っておきましょう。
主な住宅ローンの種類は以下の通りです。詳細は「4、住宅ローンの種類」で解説します。
- 財形住宅融資
- 自治体融資
- 銀行などの金融機関
- フラット35
(3)住宅ローンを利用する際には審査に通る必要がある
住宅ローンは、数千万円単位という高額な借入金となり、20年から30年と長期間に渡って返済していく金融商品です。
そのため、貸し出す側の金融機関も、融資契約を結ぶ際は慎重になります。
住宅ローンを借りる際は、①事前審査、②本審査の二段階のプロセスを踏む必要があります。従って、事前審査に通ることが借り入れの最初のステップです。
審査基準は金融機関によって異なりますが、以下の項目が挙げられます。
- 職業
- 収入
- 年齢
- 健康状態
- 購入物件の適正
住宅ローン審査では、住宅ローンの契約者に十分な返済能力があるかを確かめ、融資の可否が決定されるのです。
(4)住宅ローンは新築物件・中古物件の購入に利用できる
住宅ローンは、原則として住宅ローン契約者本人が居住する物件を購入する場合にのみ利用することができます。
「新築物件にしか利用できない」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、居住目的であれば、中古物件を購入する際にも住宅ローンを借りることが可能です。
ただし、「人に貸して家賃収入を得る」といった目的や、「他に居住している物件がある状態で、セカンドハウス・別荘を購入する」といった目的で住宅ローンを利用することはできません。
2、住宅ローンの金利の仕組み
住宅ローンには、以下3つの金利タイプがあります。
- 固定金利
- 変動金利
- 固定金利期間選択型
本章では、上記3つの金利タイプについて解説します。
(1)固定金利
固定金利は、借入れ当初から返済期間終了まで、金利の変動がないという金利タイプです。
固定金利のメリットとしては、
- 毎月の返済額が一定なので、返済計画の見通しを立てやすい
- 金利変動を気にしなくていいので、精神的な不安がない
などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、
- 他の金利タイプと比べると、金利は高めに設定されている
という点が挙げられます。
(2)変動金利
変動金利は、借入れ時点の金利が、半年に一度見直されるという金利タイプです。
変動金利のメリットとしては、
- 他の金利タイプと比べて、金利がかなり低く設定されている
- 契約者の返済負担を抑える「5年ルール」や「125%ルール」がある(元利均等返済方式の場合のみ)
などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、
- 半年に一度、金利の見直しが行われる
- 借入れ時点では総返済額がいくらになるかわからず、先の見通しを立てにくい
などが挙げられます。
変動金利は、3つの金利タイプのうち、最も低金利に設定されています。
しかし、常に金利上昇の不安がつきまとう点は、変動金利のデメリットと言えるでしょう。
こうした金利上昇の不安に備えて、変動金利には以下2つの仕組みが用意されています。
- 5年ルール
金利が上がっても、5年間は月々の返済額は変わらない(据え置きになる) - 125%ルール
返済額の上昇幅は、前回返済額の125%までに抑える(据え置きになる)
ただ、これらのルールを超えて上昇した利息分は、支払わなくてもよいというわけではありません。
支払い切れなかった金額の利息は、未払い利息として将来に繰り越され、後々支払うことになります。
変動金利の低金利は非常に魅力的ですが、やや複雑な仕組みなので、きちんと理解して利用するようにしましょう。
(3)固定金利期間選択型
固定金利期間選択型は、借入れから一定期間だけ金利が固定されるという金利タイプです。
「変動金利と固定金利の良い部分を掛け合わせた金利タイプ」ということもできます。
金利が固定される期間は2年、3年、5年、10年などがあり、自分のライフプランに合わせて選べる点が最大の魅力です。
固定金利期間選択型のメリットとしては、
- 固定期間がはっきりしているため、「一定期間だけ支出を抑えたい」など、ライフプランにあわせた返済が可能
という点が挙げられます。
一方、デメリットとしては、
- 固定期間終了後は金利タイプを選び直さなければならない
(変動金利or固定金利期間選択型) - 契約者の返済負担を抑える「5年ルール」や「125%ルール」は適用されない
などが挙げられます。
3、住宅ローンの返済方法の種類
住宅ローンは、元金と利息の合計額を毎月少しずつ返済していくものです。
「元金と利息」の返済方法には、以下の2つがあります。
- 元利均等返済
- 元金均等返済
本章では、上記2つの返済方法について解説します。
(1)元利均等返済
元利均等返済は、元金と利息の割合こそ変化していきますが、返済額が一定になるという返済方法です。
家計の見通しを立てやすく、返済額も変わらないという安心感があるため、元利均等返済を選ぶ方が大半です。
ただし、後述する元金均等返済と比べると、元利均等返済の方が住宅ローンの総返済額は高くなります。
(2)元利均等返済
元金均等返済は、一定の元金を払っていく返済方法です。利息は元金の残高に応じて変わっていくため、毎月の返済額は少しずつ減っていきます。
元金の減りが早いため、元利均等返済よりも住宅ローンの総返済額は少なくなるという点がメリットとして挙げられます。
一方で、借り入れ当初の負担が大きいことや、5年ルールや125%ルールなど、返済額の負担を抑える仕組みがないことは、デメリットといえるでしょう。
メリットである「総返済額の差額」を明確にし、デメリットとバランスを取りながら検討することが大切です。
4、住宅ローンの種類
住宅ローンは主に以下3つの種類に分けることができます。
- 公的融資
- 民間融資
- フラット35
本章では、上記3つの住宅ローンの種類について解説します。
(1)公的融資
公的融資は、国や自治体など、公的機関が提供している住宅ローンのことをいいます。
公的融資の種類は、大きく分けて以下の2つです。
- 財形住宅融資
- 自治体融資
①財形住宅融資
財形住宅融資は、勤務先の財形貯蓄制度を通じて借り入れできる公的融資です。
勤務先の財形貯蓄制度で積み立てている人のみ利用できる融資制度で、5年ごとに金利の見直しがあります。
財形貯蓄融資は、勤務先を通じての利用となるため、安易に転職しにくいという点がデメリットといえるでしょう。
②自治体融資
自治体融資は、各地方自治体で独自に用意されている住宅ローンです。
特定の民間金融機関と提携し、低金利の融資を提供する形が一般的な形になります。
ただし、制度の有無や内容、利用要件は各自治体によって異なるという点には、注意が必要です。
(2)民間融資
メガバンクや地方銀行、ネット銀行など、多くの金融機関が提供する民間融資は、利用者にとって、一番馴染みのある住宅ローンではないでしょうか。
民間融資のうち、不動産会社やハウスメーカーと金融機関が提携して提供する商品を「提携ローン」、それ以外を「非提携ローン」といいます。
①提携ローン
提携ローンは、公式ホームページ上で案内されていない独自のプランのことをいいます。
不動産会社などが金融機関との間に入って手続きをしてくれるため、審査に通りやすいという特徴があります。
②非提携ローン
非提携ローンは一般販売されており、ホームページ上でも詳細を確認できます。
提携ローンとは異なり、不動産会社などが仲介してくれることはないので、利用者自身で選ばなければなりません。
選択肢が多く、より好条件の住宅ローンを見つけられる場合もあります。
(3)フラット35
フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している、ハイブリッド型の住宅ローンです。
フラット35には、以下5つの特徴があります。
- 質の高い住宅への融資を目的としているため、独自の物件検査に通る必要がある
- 契約者の年収や職業基準が優しく、自営業、非正規雇用者でも利用しやすい
- 全期間固定金利なので、返済期間中は金利が一定になる
- 「買取型」と「保証型」があり、それぞれ仕組みは異なる
- 買取型の場合、団体信用生命保険(団信)の加入が任意
商品内容は金融機関によって大きく異なります。利用する際は、利用条件や金利等をしっかり確認するようにしましょう。
5、住宅ローンの手続きの流れ
住宅ローンを借りるにあたって、事前に借り入れのプロセスを把握しておくことが重要です。
本章では、住宅ローンを借りる一連の流れを解説します。
(1)事前審査に申し込む
住宅ローンの利用にあたっては、まずは事前審査に申し込みます。
事前審査の際は、
- 本人確認資料
- 印鑑
- 収入を証明できる書類
などが必要となります。
これらを金融機関に提出した後、3~4日程度の審査期間を経て、事前審査の結果が通知されます。
(2)本審査に申し込む
事前審査に通ったら、次は本審査です。
本審査においては、事前審査よりも慎重に審査が行われるため、多くの書類の提出が求められます。
本審査で必要となる書類は、
- 住民票
- 印鑑証明書
- 売買契約書の写し
- 課税証明書の原本
などです。
1週間程度の審査期間を経て、本審査の結果が来ます。
(3)金銭消費貸借契約を結ぶ
本審査に通った後は、金銭消費貸借契約を締結します。
金銭消費貸借契約は、金融機関から借り入れする際の金額・期間・金利などを定めた契約のことです。
また、住宅ローン契約者は、契約締結から借入期日までに、返済用の口座を作る必要があります。
(4)融資が実行される
金銭消費貸借契約の締結後、一連の手続きが完了すれば、定められた決済期日に融資が実行されます。
借入金は、そのまま物件の売主へ支払われ、売主への入金完了と同時に物件が引き渡されます。
融資、物件の引き渡しがそれぞれ行われたら、金融機関による抵当権の設定です。
これにより、住宅ローンの返済が滞った際、金融機関は抵当権を行使して物件を差し押えることが可能になります。
住宅ローンについてよくある質問
Q:1 住宅ローンとは何ですか?
住宅ローンとは、住宅を購入する際に必要な資金を金融機関から借り入れるためのローン(借入)です。多くの人が一度に住宅の購入資金を用意することは難しいため、長期的に返済する形で借り入れるのが一般的です。住宅ローンは、購入する住宅を担保に提供し、一定期間にわたり毎月返済を行う仕組みです。
Q:2 住宅ローンは借金になりますか?
はい、住宅ローンは借金(債務)の一種です。具体的には、金融機関からお金を借り入れ、住宅を担保に一定期間で返済するローンです。住宅ローンの特徴は、長期間にわたって返済することが前提であり、金利がつくため、借りた金額以上を返済する必要がある点です。
しかし、住宅ローンは単なる借金とは異なり、資産形成の一環と考えることもできます。住宅を購入することで、将来的に自分のものになる資産を持つことができるため、長期的な視点で見れば、借金という側面だけでなく、資産を築くための重要なステップとも言えます。
まとめ
住宅ローンは、新築・中古を問わず、自分が住む住宅の購入資金として借りられる金融商品です。借りたお金に利子がかかる仕組みとなっており、多くの場合は長期に渡って返済していくこととなるでしょう。
住宅ローンは、種類や返済方法、金利の仕組みがやや複雑です。住宅ローンを借りるにあたっては、きちんと把握・理解することが重要になります。
本記事が、住宅ローンを検討されている方の参考になれば幸いです。
参考:住宅(マイホーム)購入におけるFPへの相談内容を紹介!相談するときの注意点や流れをあわせて解説 |保険相談サイト みんなの生命保険アドバイザー