• 資産運用
  • 2022/3/15 (更新日:)

個人投資家がヘッジファンドに投資する裏ワザは?

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ヘッジファンドのイメージとしては、富裕層向けのサービス(一般の投資家には無縁)、ハゲタカファンドと言われるように何振りかまわず利益を上げている、日本というより海外のサービス、逮捕者が出るほど怪しい存在(村上ファンド事件など)などマイナス面が多いように感じます。

しかしそんなヘッジファンドがこれだけ存在感を持っているのは依頼主である投資家の期待に応えているからでしょう。

そこで、この気になるヘッジファンドについて基礎知識から、どんな運用をしているのか、メリットとデメリット、そして実際にヘッジファンド投資を始める方法までをご説明していきましょう。

なお、「ファンド」という概念について、「ファンドとは何か」7つのポイントできちんと理解しようにて詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。








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1、ヘッジファンドとは何か

ヘッジファンドは、投資家から預かったお金を運用して利益を上げることを目的とした代替投資(オルタナティブ投資)の一種です。

資産家など多くの資産を持っている人にとって、その資産を増やすことと同時に守ることも重要です。

ヘッジファンドは、そもそもリスクヘッジ(リスク回避)を目的として運用するためのもので、その結果として高い利回りを目指しています。

一般的に「何が何でも利益を追求している」というイメージがあるかと思いますが、本来の目的は資産防衛です。

2、公募ファンドと私募ファンドの違い

ヘッジファンドは、原則として私募ファンドです。その反対語は公募ファンドで、上場されていたり多くの窓口で簡単に購入できるファンドのことです。

それに対して私募ファンドは、最初から公募することを前提としてはおらず、既存顧客やそこからの紹介客など、富裕層や機関投資家、大口投資家などを対象にしています。

冒頭でヘッジファンドのイメージとして「一部の富裕層向け」という項目を挙げましたが、これはイメージ通りだということですね。

3、ヘッジファンドと投資信託の違い

次に押さえておきたいのが、ヘッジファンドと投資信託の違いです。一見すると似ているように見える両者ですが、似て非なるものだと言えるほどの違いがあるので、その違いをまとめてみました。

 ヘッジファンド投資信託
募集形態私募公募
対象顧客富裕層、機関投資家など大口一般投資家、個人投資家
運用対象株と債券だけでなくオルタナティブ資産も含む株、債券、不動産
運用目標絶対利益を追求(どんな局面でも利益を上げる)ベンチマークを上回ることを目標にする
特徴私募で運用対象が広いため運用者の自由度が高く、高い利回りを稼ぎやすい手軽に購入できる一方で手軽に売却もできるため、運用者は大胆な投資をしづらい

 

4、ヘッジファンドが想定する顧客層

ヘッジファンドの対象顧客は、富裕層や機関投資家などです。

全体的に投資金額が大口であることに加えて、一定上の期間にわたってお金を預け続けてくれる投資家であることが特徴です。

投資信託だと投資家の思惑によって運用金額が増減するため、常に一定規模の資金は返金できるようにしておかなければなりませんが、ヘッジファンドの場合は契約している期間内に返金する可能性が原則ないので、より大胆な投資行動に出ることができます。

このことが、「ヘッジファンド=富裕層や大口投資家」と思われるゆえんです。

なお、ヘッジファンドは倒産しかけている企業の株を買って再生したり、もしくは解体・売却することもあります。

これもオルタナティブ投資の一種なので悪いことではないのですが、古くからある日本人の感覚だと「ハゲタカファンドだ」というイメージに映るようです。

従来の方法だけではなく、多彩で高度な運用手法を用いているために異質な存在に見えるヘッジファンドですが、その運用手法はとてもよくできています。

5、ヘッジファンドがとる4つの主な戦略

(1)グローバルマクロ

ヘッジファンドが登場した当初からある伝統的な戦略で、現在も預かり資産の中では大きなシェアを占めています。

グローバルとは地球全体、マクロとはマクロ経済のことで国家予算や経済政策を意味する言葉です。

グローバルマクロは世界の金融市場がどんな局面にあるかを分析し、世界的な視野で投資対象を選びます。

特定の国だけに偏った戦略だとその国の経済情勢から影響を受けますが、グローバルマクロは世界全体の中から投資機会を探し出すので、金融市場の局面が変化しても国から国へ資金を移動させることで利益を上げ続けます。

尚この戦略で成功を収めた世界的な有名人として、ジョージ・ソロスがいます。

(2)ロング・ショート

多くのヘッジファンドが採用している代表的な手法で、株式市場の買いと売りの両方を組み合わせた戦略です。

株価が上がりそうな銘柄は買い、下がりそうな銘柄は空売りというスタンスで一般の投資家も利益を狙いますが、ロング・ショートはこれと同じようなスタンスで運用をします。

投資信託であれば基本的に買いですが、空売りも含めて絶対利益を狙うところにヘッジファンドの特徴がよく表れています。

(3)マーケット・ニュートラル

前項のロング・ショートは株の買いと売りを組み合わせた戦略ですが、このマーケット・ニュートラルはそれを機械的に行う戦略です。

買いと売りを同数保有し、価格が上昇したら買いのポジションで利益を確定し、下落した時は売りのポジションで利益を確定します。

つまり両建てと呼ばれる投資手法で、株価がどちらに進んでも利益を出せることになります。

なお、この戦略は「マーケット」と名がついているように、マーケット全体の値動きに対して投資をするのが一般的です。日経平均株価やTOPIXといった株価指数の先物を両建てで保有するといった具合です。

(4)マネージド・フューチャーズ

マネージド・フューチャーズの「フューチャーズ」とは、先物という意味です。この戦略ではさまざまな先物に対してコンピューターが超高速売買で取引を行います。

その投資対象は為替先物や商品先物、株価指数の先物、金利先物など幅広く、実資金の何倍もトレードできるようにレバレッジをかけて投機的な取引が行われます。

このマネージド・フューチャーズも、ヘッジファンドが登場し、進化したことを象徴するような戦略と言えるでしょう。

6、ヘッジファンドのメリット3つ

(1)下落、損失局面でも利益を狙える

ヘッジファンドの最大のメリットは、何と言っても絶対利益追求型であることです。相場は上がることもあれば下がることもありますし、景気も上がったり下がったりしています。ヘッジファンドは世界中のあらゆる投資対象や技術を駆使して、その中から利益を上げていきます。

投資家にとって、どんな局面でも利益を上げてくれることほど心強いものはないでしょう。

(2)高利回りのものが多い

これまでになかったような投資技術を駆使することで、ヘッジファンドは従来の投資にはできなかったような利益の上げ方を実践しています。そのため全体的に高利回りで、特に富裕層など投資金額が大きい人にとっては有力な運用先となります。

(3)手数料コストが安い

ヘッジファンドは成功報酬制になっていることが多く、運用益が出なければ手数料ゼロということもあります。また、公募ファンドである投資信託やREITとは違って直接申し込む形になっているため、販売手数料などの中間マージンはありません。

私募ファンドだけに手数料コストが安いのも、ヘッジファンドのメリットです。

7、ヘッジファンドの3つのリスクは?

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メリットの裏には、押さえておくべきデメリットもあります。特にヘッジファンドの場合は絶対に知っておくべきデメリットがあるので、そちらも解説します。

(1)すぐに現金化できない

私募ファンドなので、ヘッジファンドは投資家の希望する時にいつでも現金化できるわけではありません。

最初の契約で資金を預ける期間が決められたら、その期間が満了するまで解約は原則不可です。

どうしても解約したいという場合は手数料や違約金が大きくなるので、かなりの損失を出すことになります。

この仕組みがあるからこそ、ヘッジファンドの運用者は資金を目一杯使って大胆な運用ができるのです。

(2)開示情報が少なく不透明な部分が多い

公募ファンドであれば運用対象や運用方針などを公開する義務があるので、投資判断をしやすいのですが、ヘッジファンドにはそういった義務はなくどうやって運用しているのかイマイチ分からない部分があります。

(3)最低投資額が大きい

そもそも富裕層や機関投資家など大口投資家を顧客としているため、ヘッジファンドの投資金額は大きくなります。

一般投資家の多くが50万円、100万円という資産を運用したいとお考えであるのに対して、ヘッジファンドは桁が2つか3つほど大きくなるのが普通です。

個人投資家が果たしてヘッジファンドをする方法はあるのか見ていきましょう。

8、個人投資家がヘッジファンドに投資をする4つの裏ワザ

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(1)ヘッジファンドに直接申し込む(難易度:高)

ヘッジファンドは私募ファンドなので、原則として申し込みは直接行う形になります。

海外のヘッジファンドに申し込むとなると英語または現地の言語が必要になりますが、日本国内のヘッジファンドであれば日本語環境で問い合わせや申し込みが可能です。

(2)すでにヘッジファンドと取引がある人に紹介してもらう(難易度:中)

すでに述べてきているように、ヘッジファンドは私募ファンドです。そのため大々的に募集は行われておらず、中には紹介がなければ申し込めないヘッジファンドもあります。

その場合はすでに取引がある人に紹介してもらうことになりますが、この方法は該当する知人がいれば難易度が低くなりますが、居なければそもそもできません。

(3)投資助言会社に紹介してもらう(難易度:中)

投資助言会社の中にはヘッジファンド投資の斡旋を業務としているところがあります。以下の投資助言会社に依頼をするとヘッジファンド投資のサポートをしてくれるので、興味がある方は問い合わせをしてみてください。

ヘッジファンドダイレクト

ヘッジファンドダイレクト

ヘッジファンド証券

ヘッジファンド証券

(4)ヘッジファンド類似型投資信託を購入する(難易度:低)

本物のヘッジファンドへの投資は資金的にも気分的にも敷居が高いと感じる方には、ヘッジファンド類似型投資信託がオススメです。ヘッジファンドと同じく絶対利益追求型となっているため、ヘッジファンドにその部分を期待する方はこちらでも同様の効果が得られます。

日興レジェンド・イーグル・ファンド

SMBC日興証券

マクロ・トータル・リターン・ファンド

MUFG

BNYメロン・リアル・リターン・ファンド

BNY MELON

AR国内バリュー株式ファンド

アセットマネジメントOne

世界株式絶対収益追求ファンド

世界株式絶対収益追求ファンド

まとめ

この記事を読む前は、ヘッジファンドに対してどこか謎めいていてマイナスイメージも付きまとっていたと思いますが、最後までお読みいただいた方の多くは「これなら自分も始めてみたい」とお感じになったのではないでしょうか。

本物のヘッジファンドは資金的なハードルが高くても、それに類似した投資信託や、ファンド・オブ・ファンズといってヘッジファンドに投資をする投資信託であればヘッジファンド投資を体験することができるので、試してみても良いかも知れません。

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