株式投資家にとって、「グロース投資」はとても気になる存在です。
なぜなら、グロース投資は大きなリターンが期待できる投資方法であり、過去にもグロース投資で大きな利益を手にした投資家がたくさんいるからです。
「テンバガー」と呼ばれる大化け銘柄で多大な利益を得ている人が、その投資に成功できたのはグロース投資がうまく機能したからです。
大化けと大儲けを狙うのであれば、やはりグロース投資が最も近道であるとお考えの方は多いことでしょう。
しかし、グロース投資という名前は知っていてもどんな投資なのかよく分からない、仮に理屈は分かっていたとしても具体的な投資行動に反映する方法が分からないという方もおられると思います。
投資家のためのメディア「不動産投資の教科書」では、このグロース投資について、
- グロース投資の基本、
- 銘柄を絞り込む(スクリーニング)方法、
- 実際にグロース投資に取り組んでいる投資家の株ブログ
を順に解説、ご紹介していきたいと思います。
そこで、グロース投資で大儲けしたい!とお考えの方は、以下の記事も参考にしてみてください。
株のスクリーニング|初心者が株価を10倍以上に成長する銘柄を見つけ出す6つの手順
不動産投資のバイブル
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1、グロース投資がアツいのは本当か
大きく儲けたいならグロース投資と言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。「グロース投資がアツい」という説を検証してみましょう。
(1)グロース株の成長力
グロース投資の威力を知るには、百聞は一見に如かず。まずは、以下のチャートをご覧ください。
出典:https://minkabu.jp/stock/2928/chart
こちらは、「結果にコミットする」というキャッチコピーでおなじみのRIZAPグループの株価チャートです。2009年の頃までは数円という株価で低迷していたものが、2014年6月頃から上昇をはじめ最高値は2,949円をつけました。上昇前の株価が5円だった時と比較すると、なんと600倍以上もの大化けです。
同社の株価が数円に甘んじていた時に、将来の成長を見越して株を買っていた人は資産を600倍以上にすることができたわけです。
相場に「たられば」は禁物ですが、もし10万円分買っていた人がいたとしたら、その人は6,000万円以上の資産を手にしたことになります。
これこそ、グロース投資の成功パターンです。将来の成長(=グロース)を見抜いてまだ安い株を仕込み、成長とともに資産を増やすのがグロース投資の神髄です。
(2)大化け銘柄はグロース投資から生まれる
先ほどのRIZAPグループ株では600倍増というすさまじい株価上昇が起きたわけですが、グロース投資の世界ではこうしたことが珍しくありません。「2009年の時点でRIZAPグループ株を買った人」というのは、決して大昔の話ではなく少し前の話です。
つまり、現在低位株として株価が低い銘柄であっても、将来の成長力を秘めているものが必ずあるはずです。それを見つけ出して投資をするのが、グロース投資です。
この記事をお読みになった上で選んだ銘柄が、もしかすると10年後には数百倍の価値を持っているかも知れないのです。
(3)グロース投資はギャンブルか?
資産が10倍、100倍といった規模で増えるのは、少々ギャンブル的です。良好な成績で株式投資をしている人であっても利回りが数十%という世界ですから、「グロース投資はギャンブル」という考えを持っている人もいます。
しかし、グロース投資とギャンブルとでは決定的に異なる点があります。それは、「戦略」と「運」の比率です。ギャンブルは運の比率が圧倒的に高く、ほぼ運任せであるのに対し、グロース投資はほぼ戦略で占められているところに若干の運が影響を及ぼすという比率です。
ギャンブルで手持ちのお金を数十倍、数百倍にしようと思うと強運が必要ですが、グロース投資は正しい知識とスクリーニングの方法を知ることで、誰でもその可能性に投資することができるのです。
2、グロース投資の基本的な考え方
グロース投資とは、どういう投資なのか?その基本的な考え方や、よく比較されるバリュー投資との違いについても解説します。
(1)グロース投資とは何か
グロース投資の「グロース」とは、英語のGrowth(成長)という言葉から来たものです。成長株を成長する前に見つけ出して買い、その株が大きく成長することによって資産を増やす投資手法です。
株の世界では10倍以上の値上がりをする銘柄のことを「テンバガー」といいます。テンバガー並みの株価上昇が見込めるような銘柄を安いうちに見つけ出して、値上がりとともに資産を増やしていくというのは、株式投資の醍醐味だと思います。
(2)グロース投資とバリュー投資の違い
グロース投資とよく並び称されるのが、バリュー投資です。この両者は株価が安いものを物色するという意味では同じなのですが、「何に対して安いのか」という価値観の違いがあります。
グロース投資は将来の成長を見越して、そのポテンシャルと比べると現在の株価は安いと判断した銘柄を買います。それに対してバリュー投資は現在の適正株価を考えてみて、それに対して安いと思ったら買う投資手法です。
現在の株価を将来と現在、どちらの時点の企業価値と比較するかがグロース投資とバリュー投資の違いです。
(3)成長株と割安株の違い
前項でグロース投資とバリュー投資の違いを解説しました。それぞれの投資手法で物色するのが、成長株と割安株です。
成長株とは将来の成長が期待できる株のことで、割安株は現在の実力から見て割安だと感じる株のことです。グロース投資とバリュー投資のそれぞれどちらを物色するのかは、説明不要ですね。
成長株を物色するのがグロース投資で、割安株を物色するのがバリュー投資です。
(4)成長株を見つけるならグロース投資
成長株を見つけたいというのは、すべての株式投資家に共通する願いです。そのためにさまざまなノウハウがあるわけですが、グロース投資はそんな投資家の願いをそのまま形にしたような投資手法だと思います。
10倍以上の値上がりをする成長株のことをテンバガーと呼ぶと、前項で述べました。
テンバガーの見つけ方はグロース投資のノウハウと似た部分が多いので、テンバガー探しのノウハウについて「投資家の夢、テンバガーを見極めるための「たった7つの法則」」の記事もお読みいただくと、より理解が深まると思います。
(5)グロース投資は儲かりにくいという説について
ところで、株式市場には、グロース投資は儲からない、もしくは儲かりにくいという意見があります。その根拠について解説すると、こうなります。
グロース株というのは、「振り返ってみれば大化けした銘柄」のことです。その銘柄の株価が上昇を始めた時、おそらく多くの投資家はわずかな利幅で利益確定をしてしまうことでしょう。なぜなら、その銘柄がその後大化けしていくという保証は、その時点ではないからです。
最初から「この株は絶対に大化けする」という強い信念をもって長期保有できるだけの計画と精神力があれば良いのですが、それがあれば苦労はないという方がほとんどでしょう。
つまり、グロース投資は振り返ってみれば大儲けできていたと思える投資ですが、リアルタイムで自分がグロース株を保有していることを認識しづらいため、大儲けは難しい、というわけです。
この指摘は確かにもっともな部分もあるので、グロース投資をする際には株価がいくらになったら売るのかといった出口戦略も描いておくべきでしょう。
3、グロース投資で成功するための銘柄選び術
自分も成長株を見つけてグロース投資をやってみたいとお考えの方に、「不動産投資の教科書」編集部が銘柄選び術をお届けしたいと思います。
(1)グロース株を見つけるための基本
グロース株(成長株)とは、将来の成長が見込まれるもののまだそれが株価に反映していない銘柄のことです。
そこで注目したいのが「稼ぐ力」「成長余地」「成長力」です。すでにそれが発揮され、株価に反映している場合は優良銘柄ではあると思いますがグロース株とは言えず、株価にまだ反映していないという出遅れ感も重要です。
(2)必ず見るべき指標
「不動産投資の教科書」編集部が考える、グロース株を見つけるための注目指標は以下の通りです。
- ROE(資本に対してどれだけ効率よく稼いでいるか)
- 時価総額(成長余地を考えると低めがいい)
- 直近の売上伸び率(成長がそのまま数値に現れる)
次項のスクリーニングではPERとPBRも考慮しますが、PERやPBRはあくまでも割安感を知るための指標です。グロース株は割安であることが重要なのではなく、将来の成長力と出遅れ感のほうが重要です。
そこで注目しているのが、ROEや時価総額です。高い収益性を持っている一方で時価総額がまだ少ないというのは、成長余地を感じさせます。
そして本業の成長力がどれだけあるかを知るために、売り上げの伸び率にも注目したいところです。
(3)編集部オススメのグロース株スクリーニング条件
それでは、編集部が作成したスクリーニング条件をご紹介しましょう。ここではSBI証券の口座保有者向けに提供されているスクリーニングツールを使用します。
- 投資金額:50万円以内
- PER:20倍以上
- PBR:2倍以上
- ROE:10%以上
- 時価総額:750億円未満(成長余地)
- 今期経常利益変化率:プラス10%以上(直近の成長力)
- 過去3年売上高変化率:15%以上(継続的な成長力)
- 自己資本比率:70%以上(経営基盤の強さ)
これらの条件を入力すると、以下のようになりました。
それでは、この条件でスクリーニングをしてみましょう。
結果は、以下のようになりました。
2018年7月27日時点での結果は、22銘柄です。この内訳を見ていると、ご存知の銘柄がチラホラあるとお感じの方は多いのではないでしょうか。しかも、グロース株として注目されている銘柄、それ以外にも時代の波に乗っているような銘柄も見受けられます。
この結果はかなり現実に即したものだと言えるので、この条件でスクリーニングをやってみてください。
4、グロース投資に取り組む株ブログ3選
最後に、グロース投資に取り組んでいる株ブロガーが運営しているブログを3つご紹介します。グロース投資の何たるかといった概念や、日々の投資記録を見ることができます。
(1)成長株投資で150万円から億を目指す
グロース株に的を絞り、集中投資することで150万円という現実味のある資金を「億」にすることを目指して奮闘中です。
- 成長株投資で150万円から億を目指す
出典:http://blog.livedoor.jp/okufp/
(2)放浪投資家の株企業分析ブログ
このブログの特徴は、企業分析における圧倒的な情報量と質の高さです。独自の目線で銘柄をピックアップしているので、その中に成長余地抜群のグロース株が含まれている可能性大です。
- 放浪投資家の株企業分析ブログ
出典:https://houro-toushika.xyz/
(3)禁断の果実
グロース株への積極投資を続けるブロガーによる、売買日記です。自身のポートフォリオを完全公開しているので、それを見ているだけでもグロース投資の参考になります。
- 禁断の果実
まとめ
大化けするグロース株(成長株)をうまく見つけることができれば資産を数十倍、数百倍にすることもできるグロース投資。その魅力と具体的な始め方について解説してきましたが、いかがでしたか?
株価は水物です。他の投資家から注目を集めることによって高値になってしまうこともありますが、ここで解説したスクリーニングの方法を知っていれば、次なるグロース株を見つけることもできます。
このスクリーニング術を、グロース投資の成功に役立てていただければと思います。
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