持っている株が大化けして資産が何倍にもなること、これは株式投資の醍醐味であり、投資家の夢です。特に株価が10倍以上に成長する銘柄のことを「テンバガー」といいますが、テンバガーは今も昔も株式投資家の憧れです。株を持っているだけで資産が10倍以上になるのですから、それを夢見ない人はいないでしょう。
昨今の仮想通貨ブームも、持っている仮想通貨の高騰によって資産が10倍以上になる可能性があるからこそ、起きたものです。さすがにそこまでの急騰を仮想通貨が演じることは少なくなってきましたが、株の世界には今もテンバガーが続々と誕生しています。仮想通貨のような一過性のブームではなく、株のテンバガーはこれからも誕生していきます。
「株をやるなら、未来のテンバガーを見つけて資産を大きく増やしたい」
そうお考えのすべての方に、テンバガーを見つけるための知識として
- テンバガーの基礎知識
- テンバガーの共通点、見つけ出し方
- 「不動産投資の教科書」が厳選したテンバガー候補
- テンバガー投資を実践している投資家のブログ
といった内容をご紹介したいと思います。
記事中でも述べていますが、テンバガー投資は宝くじを買うのとは意味が全く違います。なぜなら、宝くじは完全に運任せですが、テンバガー投資は理論に基づいた戦略だからです。
それでは、未来のテンバガーと出会うための解説を始めていきましょう。
目次
1、資産が何十倍にもなる大化け銘柄の世界
これまでにあったテンバガーの事例から、その素晴らしき世界をまずは体験していただきましょう。
(1)持っている株が株価10倍になれば資産も10倍になる
これから成長する株を持つことは株式投資の基本ですが、それが思惑通りに成長して株価が10倍以上になれば、テンバガーの仲間入りです。
実際にテンバガーは、どんな値動きをしたのでしょうか。これは、「ペッパーランチ」などの外食店を運営するペッパーフードサービス(3053)の事例です。チャートを見れば一目瞭然の値動きをご覧ください。
2016年12月までは600円前後で推移していた株価が2017年から一気に上昇、6,000円を突破していた時期もあったため、テンバガー達成です。600円前後で同社の株を持っていた人は、その資産が10倍以上になりました。100株単位で売買できるので、最低単位で6万円分買っていた人の資産が60万円になったということです。
(2)過去にあった「超テンバガー」
ペッパーフードサービス以外にも、過去にはたくさんのテンバガーがありました。10倍なんて当たり前、「超テンバガー」とも呼べる銘柄の事例もご紹介しましょう。
1つ目は、求人メディアで急成長を遂げたディップ(2379)です。
こちらは100円前後だった株価が3,400円にまで上昇したので、その成長率は34倍の超テンバガーです。
次は、不動産会社のシノケングループ(8909)です。
100円少々だった株価が2012年11月頃から上昇を始め、6年をかけて3,300円を突破しました。急上昇ではないところに、同社株の堅実な成長ぶりが窺えます。成長率は、こちらも30倍超えの33倍です。
この他にも、まだまだ「超テンバガー」と呼べる銘柄があります。こうした銘柄はすべて仕手筋からの仕掛けによって怪しげな上昇をしたわけではなく、企業の成長に伴って着実に株価も上昇してきたものばかりです。
つまり、今後成長しそうな企業をうまく見つけることができれば、このように「超テンバガー」を見つけ出すことも可能なのです。
(3)大化け銘柄を買っておけば・・・と思った方へ
ここまで、羨ましいばかりのテンバガーをご紹介してきました。「そんな株を勝手おけば・・・」と思った方も、心配ご無用です。これからもテンバガー銘柄は続々と誕生するので、これからのテンバガー銘柄を見つければ良いのです。
以降の解説をお読みになっていけば、あなたもテンバガーを見つけられるようになります。
2、投資家の夢、テンバガーの基本
テンバガーの基本と、投資家の夢とまで言われる理由などを解説します。
(1)テンバガーってなに?
テンバガーはアメリカ発の相場スラングのひとつで、Ten-baggerと表記します。tenというのは言うまでもなく10のことで、baggerとは野球の「塁打」を意味します。つまり、テンバガーの直訳は「10塁打」で、実際にホームランである4塁打以上の塁打はありませんが、それくらいインパクトのある攻撃が達成されたという意味を込めて、テンバガーと呼ばれています。
株価が10倍以上になるというのは、株式投資家にとって「10塁打」に相当するグッドニュースであることは間違いありません。それゆえにテンバガーが株式投資家の夢と言われているのです。
(2)株式市場でテンバガーは珍しいことではない
株価が10倍レベルの上昇を演じた銘柄は、実はそれほど珍しくはありません。2017年には12銘柄、2016年には13銘柄、2015年には20銘柄といったように、毎年2桁のテンバガー銘柄が誕生しています。
上場銘柄の全体数から見ると1%にも満たない規模です。しかし、こうした銘柄を見つけることが完全な運任せであればレアな存在かも知れませんが、技術的に見つけることができるものだということを考えると、それほど珍しい存在でもないのではないかと思います。
(3)日本市場の主なテンバガー銘柄
前項では日本の株式市場にも毎年2桁のテンバガー銘柄が誕生していると述べました。それでは実際に、どんな銘柄がテンバガーとなっているのでしょうか。主な銘柄を見てみましょう。
2017年のテンバガー
- ペッパーフードサービス(3053)
- アイケイ(2722)
- 大興電子通信(8023)
- リミックスポイント(3825)
- サイバーステップ(3810)
2016年のテンバガー
- ブランジスタ(6176)
- さくらインターネット(3778)
- ドーン(2303)
- 平田機工(6258)
- MRT(6034)
これら以外にもたくさんありますが、成長率が大きなものや辛うじて知名度が高いものからピックアップしてみました。この「辛うじて」というのがミソで、このように社名を聞いたことがないような銘柄や、低位株(株価が安く低迷している銘柄)が多いというのも、テンバガーに見られる傾向です。
(4)なぜテンバガー銘柄は大化けしたのか
ここでひとつの疑問が生じると思います。知名度が低く、低位株も多かった銘柄の中から、なぜテンバガーとなるような銘柄が出てきたのでしょうか。その大化けには必ず何か理由があるはず、と思われた方はとても鋭い感覚をお持ちです。
そこで、これら過去のテンバガーが大化けした理由を挙げてみましょう。
- 成長分野の企業
- 業績が急成長した
- 優良企業だが上場年数が浅く信頼度が低かった
- 今後において急成長の期待がある
この傾向を知っておけば、これからのテンバガーを見つけるための参考になります。
(5)テンバガーは宝くじにあらず
冒頭でも述べましたが、テンバガーで資産を10倍以上にすることは、宝くじとは別次元のものです。夢があるという点では同じですが、宝くじは完全に運任せです。それに対してテンバガーは根拠と分析、戦略によって見つけ出した銘柄の大化けなので、投資家の相場観が見事的中したという「成果」です。
宝くじの高額当選は誰でもできるわけではありませんが、株のテンバガー投資は必要な知識を持てば誰でも出来ることなのです。
3、テンバガーが誕生しやすい相場環境が続いている
昨今の株式市場は、テンバガーが誕生しやすい相場環境だと言われています。その根拠を4つのポイントで解説します。
(1)金融緩和で投資マネーがだぶついている
アベノミクスによる経済政策には、金融緩和が含まれています。しかも日銀の黒田総裁による「異次元の緩和」とも表現される金融緩和によって大量に資金が供給され、投資マネーがだぶついている状態にあります。
このため、だぶついた投資マネーは株式市場にも流れ込んでおり、何らかの材料があると買いが殺到しやすく、株価が急上昇しやすい地合いが続いています。
(2)低金利が続いている
日本の超低金利、さらにはマイナス金利政策が長年続いており、今後も金利が急に上昇するとは考えにくい状態にあります。そのため銀行に預けているよりは運用した方がトクになるというわけで、相当量の資金が株式市場に流れ込んでいます。
株式市場に流れ込む資金量が増えると、少しでも成長しそうな株を物色する機会も多くなるため、テンバガーが誕生しやすくなります。
(3)景気回復局面で株価の好調が続いている
有効求人倍率の改善や業績の上方修正など、景気の回復を感じさせる局面が続いています。特に企業の業績が改善するということは株価にも好材料として影響を及ぼしやすく、これまで低位株として見向きもされていなかったような株であっても業績アップによって注目が集まる可能性も高くなります。
(4)総じて企業の業績が良く投資マインドがポジティブ
アベノミクス相場が始まる前の平均株価は1万円以下でしたが、それが今では2万円以上です。実に倍になったわけですが、ここには投資マインドの影響があります。「株の魅力が高まってきたので投資しよう」と思う投資家が多くなればなるほど株価は上昇し、それを好感した投資家かがさらに集まってくるという好循環が生まれるので、現在の株式市場はテンバガーが生まれやすい絶好の環境となっているのです。
4、これからのテンバガーを見つけ出す7つの法則
それではお待たせしました、ここからはテンバガーを見つけるための具体的な探し方の解説です。7つの法則にまとめて、それぞれの根拠を解説します。
(1)テンバガーを探すスクリーニング条件
まずは、数千ある上場銘柄の中からスクリーニングをかけて、一定の絞り込みをしていきましょう。スクリーニングの条件は、以下の通りです。
- 株価500円以下
- 時価総額300億円以下
- PER5~15倍
- PBR0.5~1.5倍
それぞれの解説をしていきましょう。
テンバガーとして大化けした銘柄の多くは、しばらく株価が低迷した時期があります(後述)。そのため株価は高くても500円程度ということが多いので、ここでは500円までとします。
次に時価総額が300億円以下というのは、比較的小型株です。これまでテンバガーとして成長した銘柄の多くが中小型株だったということから、この条件をつけます。
そして次に、PERです。PERとは株価収益率のことで、PERが低い銘柄は株価に出遅れ感があると見なすことができます。一般的にPERの平均値は16倍程度なので、それを下回っているということは割安株、つまりテンバガーとしてのポテンシャルを秘めていると判断します。
最後に、PBRです。株価純資産倍率のことで、1株あたりの純資産に対して何倍の株価がついているかを示す数値です。こちらも株の割安感を知るための物差しとして使われており、1倍であれば純資産(=企業価値)と株価が等価になっていることを示します。これが低いということは、株価に出遅れ感、割安感があるということになるため、ここでは0.5から1.5までとしました。
この条件でスクリーニングができるツールがあります。
銘柄スクリーニング(トレイダーズWEB)
ちなみに、2018年4月現在で、この条件でスクリーニングをしたところ72銘柄にまで絞り込むことができました。
(2)上場から10年程度の銘柄
上場から年数が浅いこともテンバガーの共通点なので、ここでは上場から10年程度までの銘柄に絞り込みましょう。
「優良企業だが上場からの年数が浅く、投資家に認知されていない」というのが、この条件をつけるミソです。
(3)ここ最近は株価が低迷している
冒頭でご紹介したいくつかのテンバガー事例でも、上場からいきなり大化けしたということはありません。上場からしばらくは低迷している時期が続き、そこから大化けが始まるというのがテンバガーの典型的な上昇パターンです。
そのため、現在株価の低迷が続いており500円を超えない水準で推移しているのは狙い目です。
(4)新興市場に上場している
上場から10年以内の銘柄ということは、ベンチャー企業など若い企業も多いことになります。そのため東証一部などメジャーな市場というより、東証マザーズやJASDAQなど、新興市場から多くのテンバガーが誕生しています。
もちろんこれだけに絞り込んでしまうと東証一部や二部といった格上の市場から誕生するテンバガーを見逃すことになるので、まずこの条件で探してみて、その次に東証一部や二部にも視野を広げるという順序で探してみてください。
なお、この条件で先ほどのツールによるスクリーニングをかけると、19銘柄にまで絞り込まれます。
(5)ITやインターネットに何らかの関連がある
これまでのテンバガー銘柄を見ていると、大きな共通点が見えてきます。その共通点とは、ITやインターネットとの関わりです。IT革命なんて言葉はすでに死語ですが、成長企業がITやネット関連から誕生するという傾向は今も健在です。
業種そのものがITやネット関連であることだけでなく、PR活動にネットをうまく活用していることも好材料です。
(6)売上が急成長している
株価上昇の材料はたくさんありますが、何と言っても売上が伸びていることは何よりも重要です。売上が伸びているというのは単純に企業の業績が良くなることだけでなく、ビジネスモデルが世の中から受け入れられていることの証しで、今後の成長も期待させてくれます。
複数期にわたって2桁以上の成長率を維持している銘柄は、テンバガーの素質十分と言えるでしょう。
(7)テーマ性の強い事業、技術、商材
これからの成長分野に関わる事業を行っている企業には、否応なく注目が集まります。「AI(人工知能)」、「環境ビジネス」、「フィンテック」など、テーマ性の強いキーワードがいくつかあります。
こうした中からテンバガーが出る可能性が高いので、テーマ性の強い事業内容や技術、商材などにも注目しましょう。
「みんなの株式」には、「株をテーマで探す」という機能があります。こちらを使うと旬のテーマから関連銘柄をすぐに探し出すことができます。
みんなの株式
5、もしかしてテンバガーに大化けする?銘柄3選
「不動産投資の教科書」が独自の分析により、2018年以降にテンバガーとなるかも知れない銘柄を3つ厳選しました。ただし、あくまでも投資判断は自己責任でするようにしてくださいね!
(1)キムラ(7461)
キムラ(7461)は、北海道を地盤に持つ住宅用資材の卸と小売りの大手です。北海道での強固な地盤を武器に、全国に展開しています。一度株価が急上昇したのちに低迷期に入っており、PERやPBRの割安感も手伝ってテンバガーの可能性が十分にあります。
(2)新日本電工(5563)
日本での知名度は低いですが、鉄鋼向け合金鉄の最大手企業です。資源国にも権益を持ち、資源高になると経営環境が一気に好転するポテンシャルを秘めています。
(3)ピクセラ(6731)
パソコンなどのチューナー等を主事業とするAV関連企業です。ビデオ・オン・デマンドなどの事業を成長させるべく変革の途上にあります。PER、PBRともに高いので割安感はありませんが、さらなる上昇余地に期待。
6、テンバガー投資を狙う株ブロガー3選
他にテンバガー投資をしている人たちは、いったいどうやってテンバガーを探しているのでしょうか。テンバガーにテーマを絞って、株ブロガーを3つピックアップしました。
(1)テンバガーへGO!わらしべのブログ
ブログ主のわらしべさんは、テンバガーだけでなく株式投資全般において有名なブロガーです。具体的な銘柄名を挙げて投資生活を報告しているので、テンバガー探しの参考になります。
テンバガーへGO!わらしべのブログ
(2)えじるのテンバガー目指してどこまでも
毎年安定して利益を上げ続けている株ブロガーです。他の投資家があまり目をつけないような銘柄に独自の視点で着目、そこからテンバガーが生まれるのも時間の問題でしょう。
えじるのテンバガー目指してどこまでも
(3)10倍株(テンバガー)発掘調査ブログ
タイトルの通り、テンバガーの発掘をメインテーマにしたブログです。「10倍株候補」として具体的な銘柄名を挙げ、その企業の強みなどをしっかりと分析した上で上昇余地を探っています。
10倍株(テンバガー)発掘調査ブログ
まとめ
株式投資家の夢であるテンバガーについて、その魅力や具体的な探し方を解説してきました。ここでは3つほど具体的な銘柄名を挙げましたが、他にもテンバガーの可能性を秘めた銘柄はゴロゴロとあります。あとは、それをいかに見つけ出して急成長する前に買っておくか、それだけです。
いきなりテンバガーをうまく見つけ出すことは不可能に近いかも知れませんが、何度も候補銘柄を買っていくごとに、本物に行きつく可能性はどんどん高くなっていきます。そんな夢のある
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