「不動産投資初心者の自分がいきなりアパート経営をして成功できるのか?」
「アパート経営は本当に儲かるのだろうか?」
「そもそも今の年収でアパートは買えるのか?」
あなたは今このような事で悩んでいるのではないでしょうか?
メディアなどで将来受け取れる年金額について取り上げられ、多くの方が老後の資金について不安を感じています。さらに、株などの金融商品と比較して、相続対策としても有効と言われているアパート経営に多くの方が興味を示しています。
そしてアパート経営に興味を持っている方が共通して思っていることは、「不動産投資の初心者でもアパート経営を成功させられるのか?」ということです。
結論から言いますと、アパート経営はリスクがないわけではありません。しかし、事前にリスクを把握してきちんと対策を立てることによって、リスクを最小限におさえることができ、成功する確率も高くなります。
今回は、実際にアパート経営のリスク、そしてリスクの回避策について書いていきますので、これからアパート経営を検討されている初心者の方の参考になれば幸いです。
目次
1、アパート経営の初心者が知っておくべきリスク
アパート経営は物件価格が高くなり、管理にも手間がかかるとのことでハードルが高い商品と感じている方が多いと思いますが、実はどの投資商品にもリスクがつきます。一番のリスクは、リスクの存在を把握していないことです。リスクについて一切知らされることなく、メリットのみを営業マンに伝えられてアパート経営をスタートし、水道管の故障や空室率の上昇など事前に予想できなかったリスクによって失敗してしまうケースはよくあります。つまり、成功するには事前にリスクついてきちんと把握し、回避策を立てることが何よりも大切です。
では、アパート経営ではどのようなリスクがあるのでしょうか?大きく以下の5つが挙げられます。
- 空室リスク
- 災害リスク
- 家賃滞納リスク
- 金利上昇リスク
- 家賃下落リスク
以下にてそれぞれのリスク、そしてそれぞれの回避策について詳しく書いていきますので、参考にしてみて下さい。
2、空室リスクと回避策
まず最初に空室リスクについてみていきましょう。
今の日本の不動産投資は売却益を狙うことが難しく、どっちかと言うと毎月安定した家賃収入による投資手法がメインになってきます。
アパートは複数の部屋があり月々の家賃収入が多く見込めるというメリットがある一方、部屋数が多いため空室にもなりやすいと言えるでしょう。空室が出てしまうと、毎月ローンの返済が厳しくなり、キャッシュフローが悪くなり日常生活にも大きな影響が出ていまします。つまり、空室リスクはアパート経営において致命的なリスクになります。
では、空室リスクにはどのような回避策があるのでしょうか。
<空室リスクの回避策>
(1)賃貸ニーズのある立地の物件を選ぶ
アパート経営で空室を回避するには賃貸ニーズが高い立地を選ぶことが極めて重要な要素の一つです。入居者の視点にたって、ニーズがあるのかを考えます。例えば賃貸ニーズの高い人気エリアであれば、退去者が出てしまっても短期間で新しい入居者が入る可能性が高いため、空室リスクが減り当初のシミュレーション通りに家賃収入を得ることができます。
賃貸ニーズ高いエリアなのかどうかは以下のチェックポイントで判断してみて下さい。
チェックポイント
- 交通の便が良いか?
- 駅から徒歩10分以内なのか?
- ターミナル駅へのアクセスはいいのか?
- 生活に必要なものが揃うスーパーやコンビニが近くにあるか?
- 小学校や中学校が近いか?(ファミリー向け物件の場合)
- アパートの周りの治安は良いか?
- 近隣物件の相場家賃と同等か?
また、ここで注意して頂きたいのは、賃貸ニーズのある立地なのかを確認するのと同時にエリアの賃貸ニーズに合った物件であるかどうかも確認することも大切です。
つまり、一人暮らしに人気なエリアでファミリー向けの物件だと入居してもらえない可能性が高いとのことです。そのエリアの賃貸ニーズの傾向についても調べるといいでしょう。
(2)入居ニーズに合った物件である
入居者ニーズに対し、設備を新しくしたり、お洒落なデザインにリノベーションすることも空室対策となります。また、近隣の物件との差別化も大切になります。以下のデータをみて頂ければ分かりますが、家を借りる時は平均「2〜3物件」を内見する方が最も多く、その次が「4〜6物件」になります。つまり、複数の物件を内覧されても自分の物件を覚えてもらうために特徴があることが大切と言えます。
出典:キャッシュバック賃貸 「賃貸物件ってみんなどれくらい見て回って決めるの?」
なお、どのように物件を差別化するにはCHINTAIが調査した賃貸物件を探す時の人気設備条件ランキングを参考にしてみてください。
つまり、リノベーションやリフォームをする前に入居者が喜んでもらえる設備を知っておくことが重要です。
LIFULLの「賃貸物件採点リスト」を活用して、入居者の立場で自分の物件をチェックしてみてください。
3、災害リスクと回避策
続いて2つ目の災害リスクとその回避策についてみてみましょう。
災害リスクとは地震や火災などの災害によって、物件が壊れたり焼失してしまうリスクのことを言います。特にアパートの場合は木造の物件が多いため火災によって多額の損害が発生してしまう確率が鉄筋コンクリートのマンションよりは高い傾向があります。そのため、マンション以上にアパート経営は次のような回避策を立てる必要があります。では実際どんな回避策があるのでしょうか?
(1)火災保険に加入する
火災の回避策として万が一火災が起きた場合、その損失を補填してもらう火災保険に加入することです。
①火災保険には3種類ある
オーナーが入るべき火災保険には大きく分けて3種類あります。順番に説明していきましょう。
- 住宅火災保険火災や落雷、風、破裂、爆発、雪災、ひょうによる損害を補償する基本的な保険内容の保険
- 住宅総合保険火災保険の補償内容に、盗難や落下・衝突・水災の被害加えた内容の保険
- 長期総合保険住宅総合保険と損害保証の内容はほぼ同じですが、こちらは積立型の火災保険となるため、掛け捨てと違い満期時に保険金額の10%程度が満期返戻金として戻ってくるのが特徴です。
その他、自分で保障範囲を決めたり、鍵の紛失や水回りのトラブルなどのオプションがついたオールラウンドな火災保険もありますので、それぞれの保険会社の火災保険を十分に比較検討し決めたいものです。
②火災保険加入の前に知っておきたい「新価」と「時価」
火災保険には「新価」と「時価」という2つの基準価格が存在します。適切な「保険価額」と「保険金額」が設定されていないと、損害額どおりの保険金が支払われなかったり、必要以上の保険料を支払うことになりかねません。以下にてそれぞれの意味について説明していきます。
- 新価(再調達価額)
新価とは、保険の対象と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再築または再取得するのに必要な額をいいます。
- 時価 とは?
時価とは、新価(再調達価額)による評価額から、年数の経過による消耗分を差し引いた額をいいます。簡単に言い換えると、建物や家財などの現在の価値といえるでしょう。
出典:損保ジャパン日本興亜
下記サイトにて一回の請求で10社以上の提案受ける事が可能ですので、色々の提案を検討して決められるといいでしょう。
(2)地震保険
日本は地震が多い国ですので、「建物が全壊してしまいローンだけが残ってしまった・・・」のようなことにならないよう、万が一地震が起きた時の回避策として地震保険に加入することがオススメします。地震が発生し建物が倒壊または破損した場合に支払われます。
基本的には、地震保険は火災保険にセットで加入する保険ですが、地震保険で契約できる保険金額は火災保険の保険金額の「30~50%」以内と定められています。
それに、保険金金額として、建物は5,000万円、家財は1,000万円と上限を定められているため、どんなに建物の価値が高かったとしても5,000万円までしか地震保険に加入できません。
また、地震保険の保険金の支払額は「時価」を基準にしているため、仮に火災保険を「新価」で契約し、その半額を地震保険の保険金にしていたとしても、年数が経ち「時価」が下がれば、全損したとしても契約時の保険金額全額が下りない、ということを認識にしておくといいでしょう。
(3)施設賠償責任保険
「火災保険」と「地震保険」の他に、もう一つ加入しておきたいのが「施設賠償責任保険」です。
「施設賠償責任保険」とは、建物の欠陥や不備などにより、入居者や通行人にケガを負わせることになってしまったり、通行中の車や誰かの物を壊したりしてしまったりした場合、賠償金を補償してくれるという保険です。給排水設備が壊れ水漏れを引き起こし、家財が壊れてしまったという場合も保障されたりするのですが、保障の範囲が大きく便利な割に保険料が1年間につき数千円以下と安いので、万が一のリスクに備え入っておくことをオススメします。
(4)保険の選び方
保険について説明してきましたが、保険はそれぞれ非常に複雑です。安さだけで決めるのではなく、何かあった時本当に「必要な保障」を得られなければ意味がありません。そのためどのような保障が必要か、どうすれは万が一に備え最適なリスクヘッジをできるか、不動産投資物件に付保すべき保険に詳しいファイナンシャルプランナーなどに相談したり、不動産オーナーや大家さんが相談できるサイトを利用し、比較検討することをおすすめします。
保険の窓口
https://www.hokennomadoguchi.com/lp/real_estate/
4、家賃滞納リスクと回避策
入居者がいるのに、家賃の支払いが滞納されるというリスクも考えられます。家賃滞納リスクは、アパートだけでなく不動産経営を行う全てのオーナーに関わる大きな問題と言えるでしょう。家賃滞納があれば空室のリスク同様、家賃収入がないのにローンの返済をしなければならなくなるため、当然のことながらキャッシュフローも圧迫されてしまいます。
家賃滞納の回避策として大きく以下の2つの方法が挙げられます。
- 入居者の審査を厳しくする
- 管理会社に家賃滞納の立替えをつける
では、それぞれについてみてみましょう。
(1)入居者の審査を厳しくする
今は賃貸アパートなどに入居する際、保証会社と契約をすることが多くなっています。保証会社と契約をしておけば、家賃滞納が発生しても保証会社が保証してくれますし、家賃の回収や督促自体も保証会社がしてくれます。保証人を立てることもできますが、自ら督促する必要がでてきますので、保証会社を利用することオススメします。
(2)管理会社に家賃滞納の立替えをつける
今や数多くの不動産管理会社の賃貸管理で「家賃滞納の立替え」を契約のオプションに加えています。管理会社に管理を任せると毎月の家賃回収から督促をしてくれたり、空室になったら入居者を付けてくれたりしてくれます。また、家賃を滞納しないような人のみを入居させるよう入居者審査をしてくれたりすることもあるため、安心してアパート経営ができそうですし、家賃滞納のリスクを最小限に抑える効果が高い方法と言えるでしょう。
イエカレ(1棟物件不動産管理)
5、金利上昇リスクと回避策
アパート経営は物件金額が高いため、多くの方は融資を活用しているでしょう。
不動産投資ローンには「固定金利型」と「変動金利型」の2種類がありますが、不動産投資ローンの場合変動金利型の商品の方が多いです。従って、融資を受ける時の金利が安くても、融資の返済期間中に金利が上昇してしまうというリスクが考えられます。
(1)変動金利とは?
変動金利型は名前の通りに金利が変動します。金利は、半年に1回見直しされるのが特徴です。低金利時代の今、変動金利はとかく金利が低いことが大きなメリットとなりますが、いつ変動するかわからないというデメリットにもなります。
なお、金利が上昇した場合、増額できる返済額の幅はこれまでの返済額の1.25倍までと定められていること覚えておきましょう。
(2)固定金利とは?
固定金利型は、ある一定期間の金利は変動せず同一となります。固定期間は大体3年、5年、10年が多いです。変動金利のような低金利は期待できませんが、返済計画が立てやすいというメリットがあります。
(3)金利上昇リスクの回避策
変動金利による金利上昇リスクの回避策として下記2つの方法が挙げられます。
- 「必ず金利が上がるリスクがある」ということをあらかじめ想定して資金計画を組むこと
- 繰上げ返済を利用すること
つまり、購入する前に借入れの金利で収支シミュレーションするのだけではなく、金利の上昇幅まで想定した収支シミュレーションまですることも大切と言えます。
また、金利は経費として計上できるので、デメリットだけというわけではありません。金利の上昇により毎月の返済額が上がることで生活に支障がでないよう繰上げ返済を積極的に行いましょう。
6、家賃下落リスクと回避策
家賃下落リスクとは、主に建物の老朽化、需要の低下などによって家賃が下落してしまうリスクのことを指します。
建物が古くなれば家賃が下がるのは一般的な考え方ですが、それでもいかに家賃の下げ幅を少なくするがポイントになります。
(1)そもそも家賃はどのように決まるの?
回避策を立てる前にそもそも家賃はどのように決まるかについて把握しておきましょう。
LIFULLさんのアンケートによると、賃貸物件を選ぶ時の重視したいポイントのトップ10は以下のようになっています。
- 駅から近い
- 最寄り駅の路線が多い
- 周辺の商業・公共施設が多い
- バス・トイレ別
- 収納スペースが多い
- 追い焚き機能つきのお風呂がある
- 光ファイバーなどの通信設備
- 耐震性
- 2階以上
- 間取り
(2)家賃下落の回避策
上記のアンケートを見て頂ければ分かりますが、実は物件の立地、交通の便の便利さ、生活環境がもっとも重視されることになります。
つまり、家賃下落の幅を最小限におさえるには、「立地の良い物件」を選ぶことが大切と言えます。
<家賃が下落しにくい物件の見極め方>
- 駅から歩いて10分など立地がよく、買い物にも便利な物件か?
- 使いやすい間取りで収納も申し分ないか?
- 給湯設備が整っていたり設備も整っているか?
また、次に重視される住み心地については、時代に合った需要に合せてリフォームすることも必要と言えるでしょう。
- その方が住むのに不便じゃないか?
- ずっと住みたいと思ってもらえるだろうか?
など、実際の生活をイメージしてみるのも非常に有効です。
イエカレ(1棟物件不動産管理)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
他の投資商品と同じようにアパート経営にも様々なリスクがあります。しかし、リスクを事前に把握して回避策を立てることによって、そのリスクを最小限におさえることができます。
これからアパート経営を検討されている初心者の方に少しでもお役に立てたら幸いです。