世界中のホストの部屋に泊まれる、Airbnbという宿泊サイトが話題を呼んでいます。
日本でも、購入した不動産投資物件を一般的な賃貸ではなくAirbnbを利用して宿泊者を募集して収入を得るという新しい不動産投資の手法として運営するオーナーも増えています。
しかし、Airbnbはそもそもどのような仕組みをなっているのか、また、一般の賃貸と比較したメリットやデメリットなどについてあまり把握していない方も少なくないではないでしょうか。
そこで今回は
- そもそもAirbnbとは
- 一般の賃貸と比較したAirbnbを利用するメリットとデメリットは?
- Airbnbで運営した場合のシミュレーション
- Airbnb運営の手順について
- Airbnbで売上を上げるには?
- Airbnbの管理代行サービスとは?
などについて書いていきますので、Airbnbで運営してみたいと思われている方がご参考になれば幸いです。
目次
1、Airbnbとは


(1)そもそもAirbnbとは

そもそもAirbnbとは、空いてる部屋を貸したい人(ホスト)と宿泊先を探している旅行者を結ぶ宿泊サイトのことを言います。ホテル以外の宿泊先を検索できるシステムとしてアメリカからスタートし、今では世界190カ国以上にも展開されています。
Airbnbには、
- マンション
- 一軒家
- キャンピングカー
- ボード
- 別荘
- お城
など、様々なタイプの宿泊先が登録されています。普段とは一味違う旅が体験できるということで、年々利用者が増えています。
(2)日本でのAirbnbは?
2014年5月にAirbnbの日本法人ができ、日本でのサービスも開始されました。
2、一般の賃貸と比較したAirbnbを利用するメリットとデメリット
(1)メリット
まず、メリットについてみてみましょう。
大きく以下のようなメリットが挙げられます。
- ①宿泊のニーズが高まっている
- ②広告費がかからない
- ③やり取りは簡単
- ④サポートが充実しており、貸しやすい仕組みになっている
では、順番にみていきましょう。
①宿泊のニーズが高まっている
2015年7月22日に日本政府観光局は、1〜6月の訪日観光客数は最高の913万人となり、前年同期比46%も増加したと発表しました。
日本は年々観光客が増えていて、ホテル代わりにAirbnbを利用して宿泊先を探すニーズは十分見込めると言えるでしょう。
特にホテルライクな設備を持つタワーマンションは人気が高いようです。
また、観光庁が定期的に発表している、訪日外国人消費動向調査のデータを基に作成した下記グラフをご確認頂ければ分かりますが、2014年の段階で既に多くの外国の旅行客がAirbnbを利用しており、中には中国、台湾など隣国の方が多いことが分かります。
(参照:観光庁)
②広告費がかからない
Airbnbのサイトには無料にて物件を掲載することができます。予約が確定した場合のみ、3%のサービス料を支払うだけで、完全成功報酬型の課金システムです。
一般賃貸で賃貸募集するためにかかる広告費を節約することができます。
③やり取りは簡単
Airbnbでは、ゲストの方と直接にメッセージのやりとりをすることができ、ほとんど手間をかけずに宿泊者を決めることができます。
一方、一般賃貸の場合、基本不動産賃貸会社に対応依頼しますので、様々な書類の締結があり手間がかかります。
④サポートが充実しており、貸しやすい仕組みになっている
Airbnbでは、24時間365日無休でカスタマーサポートを受けるができます。
また、万が一何か損害があった場合、1億円まで保障を受けることができます。
一方、一般賃貸の場合、保障を受けるには保険に加入必要があり、保険料金はまた別途かかることになります。
(2)デメリット
続いて、デメリットについてみてみましょう。
具体的には以下のようなデメリットが挙げられます。
- ①宿泊客とのトラブル
- ②管理組合とのトラブル
- ③そもそもAirbnbは違法?
では、それぞれについてみてみましょう。
①宿泊客とのトラブル
Airbnbの場合、ホテルなどの宿泊先と違いオーナーはそこにいないケースが多いことから、以下のようなトラブルに注意する必要があります。
- 家の中の設備が壊される
- ルールを守らず近所から苦情が入る
- 申請人数より多い人数で宿泊する
- 禁煙であるにもかかわらず室内で喫煙される
など。
対策としては、
- Airbnbが用意しているデポジット機能を利用する
- サイト上に注意事項をきちんと明記する
など。できるだけ被害を最小限に抑えるようにしましょう。
②管理組合とのトラブル
分譲マンションの場合、宿泊客が部屋内で騒いだり、共有部を使用して散らかしたまま去るなどマナー違反が多数発生しており、同じマンション内の住民から苦情が上がっているようです。
マンションのプレミアム感や将来の価値の向上のため、管理規約でAirbnbを禁止しているマンションもあります。運営する際に、事前にマンションの管理規約を確認するようにしましょう。
③そもそもAirbnbは違法?
日本には旅館法という法律があり、Airbnbは旅館法に抵触しているではないかという指摘があります。
しかし、現状としては特に摘発されたケースはなく、オリンピックに向けてホテルの不足も予想されますので、実際に摘発される可能性は低いのではないかと言われています。
2015年10月6日に東京都大田区は、個人宅の空き部屋などを宿泊施設として貸す「民泊」を認める条例を設定する方針が明らかになり、早ければ年内にでも条例成立する見込みです。
今後も条例として制定する地域が増えるのではないでしょうか。
転貸(又貸し)のリスク
ちなみに、不動産投資としてAirbnbを利用されている方は問題ないのですが、賃貸物件を賃貸人(オーナー)に内緒でAirbnbを運営している方には転貸「又貸し」がリスクとなります。
賃貸借契約書の中に「第三者への転貸は禁止」という条項がある場合、Airbnbを運営する場合この条項に違反します。また、明記されていなくてもオーナーの了承を得ずに転貸(又貸し)することは民放に違反します。
もし、運営していることがバレてしまった場合、すぐ追い出されてしまうリスクがあります。Airbnbの運営は事前にオーナーの了承を得てから行うようにしましょう。
3、Airbnbで運営した場合のシミュレーション
Airbnbで運営する前に、もしAirbnbを使って物件を運用した場合にどれくらいの収益が得られるか事前に知っておきたい方は少なくないではないでしょうか。
下記サイトにて無料で東京23区内の物件の運用シミュレーションをすることができますので、利用してみてください。
mister suite
4、Airbnb運営の手順について
- (1)部屋の情報を登録する
- (2)リクエストに返答する
- (3)ゲストを歓迎する
- (4)宿泊料金を受け取る
では、順番にみていきましょう。
(1)部屋の情報を登録する
まず、ゲストに自分の部屋を知ってもらうために、部屋の情報を細かく記載し、アピールしましょう。
①部屋の設備・アメニティなどの紹介
ゲストは「特定の設備が揃っているか?」という観点でも部屋を探しているため、自分の部屋の設備などを正確に説明することによって、自分にぴったりのゲストを引き寄せることができます。
例えば、
- Wi-Fiの有無
- 交通機関
- エリアの特徴
などゲストにとって魅力的な設備をアピールしましょう。
②部屋の写真の掲載
ゲストは写真を見ながら自分がその場にいる様子を想像しますので、写真も重要な判断材料の一つを言えるでしょう。
Airbnbでは、最大24枚まで写真はアップロードすることができます。
また、多くの国や地域において無料でプロによる写真撮影のサービスを提供しておりますので、ぜひ利用してみてください。
③料金設定
料金設定は自由に設定する事ができます。例えば、特定の日や週末、イベント、月単位の滞在などはいつもと違う特別料金を設定することができます。
(2)リクエストに返答する
Airbnbでは、
- ①ゲストから予約リクエストを送ってもらう
- ②「今すぐ予約」で即座に予約を受け入れる
という2つの設定方法があります。
事前に予約できるゲストに特定の条件を設け、それを満たすゲストに対してのみ承認を待たずに予約を確定ができる「今すぐ予約」機能を使うと便利です。
(3)ゲストを歓迎する
予約が確定しましたら、ゲストを迎える準備をしましょう。
具体的には以下のような準備があります。
- ①タオル、周辺地図、ネット接続手順の説明文の設置などお部屋の準備
- ②到着と出発時の調整
- ③ゲストが滞在期間中の連絡方法
では、順番にみていきましょう。
①タオル、周辺地図、ネット接続手順などお部屋の準備
ゲストにキレイなお部屋を快適に利用してもらうため、タオル、周辺地図、ネット接続手順などを準備しておきましょう。
手書きの歓迎カードを用意するのも嬉しい気遣いと言えるでしょう。
詳しい準備内容について詳しくは「ホスピタリティの準備」をご参照下さい。
②到着と出発時の調整
Airbnbのメッセージシステムを利用して、ゲストの到着と出発時の段取りを決めることができます。直接お迎えが出来ない場合、カギの受け取り方を事前に知らせておきましょう。
③ゲストが滞在している期間中の連絡方法
ゲストの滞在期間中に万が一トラブルが生じた時に備えて、いつでも対応ができるように連絡先を知らせておきましょう。
自分が近くにいない場合、代わりに対応してもらえる方の連絡先を知らせておきましょう。
(4)宿泊料金を受け取る
ゲストが宿泊したら宿泊料金を受け取りますが、Airbnbではオンラインプラットフォーム上で予約が確定した度、3%の手数料が宿泊の受取金から差し引かれます。
例えば、1泊1万円で、4泊した場合の受取金はいくらになるでしょう。
1万円☓4日—(1万円☓4日☓3%)
=4万円—1200円
=38,800円
なお、実際に受取金を受け取るには海外送金となりますので、決済方法によっては別途に手数料がかかります。
- PayPal
- Payoneerプリペイドデビッドカード
などは手数料が安いことから利用されている方が多いようです。
5、Airbnbで売上を上げるには?
稼働率を上げるにはどうしたらいいのかと悩まれている方は少なくないではないでしょうか。
稼働率を上げるためのポイントは以下の通りです。ご参考になれば幸いです。
- (1)コンセプトを決める
- (2)価格、インテリアなどこだわる所を徹底する
- (3)差のつく写真を登録する
- (4)印象に残るプロフィールを作成する
- (5)レビューを書いてもらう
- (6)セミナーに参加してノウハウを学習する
では、それぞれについてみてみましょう。
(1)コンセプトを決める
「いつもと一味違う旅行体験がしたい!」「その土地で暮らすように滞在してみたい」などホテルなどでは出来ない体験がしたいという理由でAirbnbを利用している方が多いです。
従って、他に登録した物件と差がつくようなコンセプトを設定することが大切と言えます。
例)畳の純和風な部屋など。
(2)価格、インテリアなどこだわる所を徹底する
同じエリアに登録されている物件と徹底的に価格を比較したり、部屋中のインテリアをこだわったりするなど、他の部屋との差別化をすることが必要です。
(3)差のつく写真を登録する
写真は予約を決める際の大きな判断材料と言えます。
ご自身で撮影するのもいいですが、Airbnbでは、多くの国や地域において無料でプロによる写真撮影のサービスを提供しておりますので、是非利用してみてください。
(4)印象に残るプロフィールを作成する
サイトにはオーナーとしてアピールできるプロフィールを記載することができます。
- 家族や大切な人と一緒に映っている写真を登録する
- 趣味や好きな食べものなど自己紹介文をきちんと書く
- 友人から高評価の紹介文を集める
などです。ゲストにとって好印象となるプロフィールを作成することによって、予約に繋がりやすくなると言えるでしょう。
(5)レビューを書いてもらう
ゲストが実際に宿泊した感想をレビューとして書くことができます。レビューが多くなると次の集客にも繋がりますので、是非書いてもらうようにしましょう。
6、Airbnbの管理代行サービスとは?
ここまで読んで頂いて、Airbnbの運営(ゲストがチェックアウトした後の掃除やカギの受け渡しなど)が面倒だと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方のために、Airbnbの運営代行サービスを提供する会社があります。具体的には、
- カギの受け渡し
- 部屋の掃除
- マニュアル作成
- 宿泊希望者とのやり取り(英語などでのメールのやり取り)
などの業務を代行してくれます。本業で忙しくてなかなかご自身で対応するのが難しい方は、検討してみるのはいかがでしょうか。
HOST+
まとめ
今回はAirbnbの運営について書きましたがいかがでしたでしょうか。ご参考になれば幸いです。