不動産投資は高年収の人向けの投資方法?
年収360万円でも不動産投資は可能……?
不動産投資のことを考えた時、年収との関係が気になりますよね。
今回は、「年収が少なくても始められるのか」「不動産投資をやっている人の年収は?」など、不動産投資と年収に関わる様々な疑問に、不動産投資に関する情報を発信している「不動産投資の教科書」がお答えします。
「年収が高くはないが不動産投資には興味がある」という方にも、最適な情報が盛り込まれていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
- 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
- しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
目次
1、不動産投資と年収の関係
(1)不動産投資は高年収の人だけの投資商品?
不動産は高額商品なので、それを購入して賃貸経営をするとなると相当な資金が必要です。
そのことを考えると、やはり不動産投資は年収が高い人のためのものだと考える方も多いでしょう。
結論から申し上げますと、不動産投資は年収が高い人のためのものというのは、「昔話」です。
確かに不動産は高額な投資商品ではありますが、今では融資を活用して購入することができるようになっています。必ずしも年収が高くなければ、不動産投資に参入できないという時代ではありません。
(2)「年収500万円」が一つのボーダーライン?
購入する物件や融資を申し込む金融機関、不動産投資をする人の属性などによって一概には言えないですが、以前は「年収500万円」という点が1つのボーダーラインになっていました。
しかし、最近では、マイナス金利の導入により、更なる金融緩和があったことから、「年収300万円」でも不動産投資を始めることができるケースも増えています。
もちろん、購入できる物件の価格帯が決まりますが、高所得者でなくても不動産投資を始めることができるのです。
(3)年収が高くない人こそ享受できる不動産投資の3つのメリット
本項では、「年収が高くない人こそ享受できる不動産投資の3つのメリット」について、解説します。
①副収入が増えて生活が豊かになる
不動産投資で得られる収入は、「不労所得」です。
サラリーマンでも会社を辞めることなく、副収入として今の収入にプラスすることができます。
現在の手取り給料が25万円の場合、「あと5万円」「あと10万円」という副収入が毎月あったとしたら、非常に魅力的ではありませんか?
②現物による資産形成ができる
不動産は、土地や建物という現物資産です。
投資を通じて自分名義の現物資産が手に入るため、ローンを完済することで資産形成になります。
ローンを利用すると、自己資金の何倍という価格の不動産を購入でき、さらに家賃収入を得られます。
少ない自己資金で高い投資効果を得ることを「レバレッジ」といいますが、不動産投資は仮に投資に失敗したり賃貸経営を終了したりしても、現物資産が残るのです。
現物資産が残るという点で、他にレバレッジ効果を発揮できるFXなどのマネーゲームとは大きく異なります。
③老後の不安を解消できる
不動産投資は、長期的に向けて資産形成していく投資商品です。
賃貸経営をしている本人が亡くなったり、ケガや病気で仕事ができなくなったりするという可能性もないとは言い切れません。
そのような場合でも、不動産投資なら所有している不動産から引き続き家賃収入が入るため、仕事ができなくても安定した収入が得られます(団体信用生命保険に加入している場合)。
また、定年退職をした後も不動産の価値が残れば家賃収入が「定年」を迎えることはありません。
老後の年金が少ないことに対する不安は多くの方がお持ちだと思いますが、国に頼ることなく、自分で年金にプラスできる副収入を確保できます。
2、年収360万円から可能!年収の高くない人が不動産投資を始める方法
年収が高くない人も参入しやすい不動産投資として、「不動産投資の教科書」では区分マンション投資をオススメします。
本章では、年収があまり高くないことが気になるという方のために、必要な情報をピックアップして解説します。
区分マンション経営を始めるまでの全般的な流れについては、「不動産投資は意外と儲からない?それでも不動産を購入すべき理由」の「4、投資用不動産購入の流れは?」で解説します。
(1)区分マンション投資をオススメする理由
区分マンションとは、マンションの中にある1戸単位の物件のことです。
一棟マンションとなると、億単位の買い物になることも珍しくありませんが、区分マンションだと築年数や立地条件によっては数百万円から買える物件もあります。
多少築年数が古くても、きちんと評価が出る物件であれば、フルローンを活用することも可能です。
例えば、年収360万円で、フルローンで800万円のマンションを購入しました。
家賃5万円で運用したとすると、年間の家賃収入が60万円となり、利回りは7.5%になります。
(2)区分マンション物件を探す方法
平均的な年収の人が買える区分マンション物件には、どんなものがあるのでしょうか。
まずは、物件探しと相場観をつかむことから始めましょう。
例えば、投資物件のポータルサイト「HOME’S 不動産投資」には、「区分マンション」というカテゴリーがあります。
ここでは、売りに出されている全国の区分マンションの中で、利回りが高い物件を見ることができます。
常に物件情報は変動しているので、いつでも同じものがあるわけではありませんが、1,000万円前後から売りに出されていることが多いでしょう。
(3)足りない資金をカバーする方法
理想の物件が見つかったものの、物件の価格が「格安」であったとしても、購入費を自己資金だけでまかなうことは難しいでしょう。
足りない資金をカバーするためには、何らかの方法を検討する必要があります。
現実味があるのは、以下の3つの方法です。
①不動産投資ローンを利用する
不動産投資ローンは、最も現実味のある資金調達方法です。
しかし、年収額がネックになる可能性があるため、どこの金融機関でも審査に通りやすいというわけではありません。
融資申し込みをする金融機関を工夫したり、できるだけ自己資金を増やしたりするなどのテクニックが必要ですが、低金利でローンを利用できれば、不動産投資の利回りも良くなります。
②貯蓄以外の資産を探してみる
自己資金というと、現金の貯蓄ばかりに目が行きがちですが、人によってはそれ以外に見落としがちな資産もあります。
代表的なものとして、生命保険の返戻金です。
掛け捨てではない保険に加入している場合、解約すれば解約返戻金が戻り、これが数百万円という金額になることがあります。
保険を解約することで、リスク管理の心配が出てきますが、不動産投資には生命保険効果があるので、リスク管理の方法として選択している方もいらっしゃいます。
解約が難しいという場合は、保険会社の契約者貸付制度を利用して返戻金の範囲内で借り入れをすることも可能です。
長期間生命保険に加入している方は、保険会社に返戻金の有無と金額を確認してみてください。
③身内などから資金を融通してもらう
不動産投資は、本人だけでなく家族や身内にとってもメリットが及びます。
不動産投資を始める場合には、家族や身内などから一時的に資金の一部を融通してもらい、自己資金の足しにすることも有効です。
自己資金を多く用意すると審査に通りやすくなるので、審査に通って融資を受けたら、一時的に借りていたお金を返済するということも可能です。
(4)融資を受けるために知っておきたいポイント3つ
年収が低いことをカバーしつつ、不動産投資を始めるには、やはり融資との関わりは避けられません。
不動産投資を確実に始めるためには、融資の審査を通ることが重要です。
本項では、審査に通りやすくする3つのポイントを押さえておきましょう。
①少しでも貯金をして自己資金を多めにする
何度か述べているように、ローン審査で最も重視されるのは自己資金の多寡です。
物件価格がそれほど高くない区分マンションを狙うため築年数が古く、物件の担保価値があまり期待できないことも理由のひとつです。
1,000万~2,000万円クラスの区分マンションを購入するにあたって、自己資金としての目安は1割です。
1割より多いに越したことはないので、身内などから一時的に借りることも含めて、可能な限り多くの自己資金を用意するとよいでしょう。
②融資に強い不動産業者を味方につける
物件を購入する際には、必ずどこかの不動産業者を通すことになります。
不動産業者が物件の売主になっている場合もあれば、物件販売の仲介をしている場合もあります。
いずれにしても、不動産業者を通して物件を購入するにあたって、自己資金の有無や金額、融資の必要性についても相談をすることが必要です。
ここで、融資に強い業者と、そうでない業者に大きく分かれます。
取引している銀行や、信用金庫の事情しか分からない不動産業者だと、年収で引っかかってしまう可能性が高くなります。
特に、民間の金融機関は年収条件が厳しいため、それ以外の金融機関も選択肢に入れた提案をしてくれる業者を選びましょう。
気に入った物件を見つけて問い合わせを出す際に、年収と資金的な事情を伝えて、その反応で判断すると良いでしょう。
③政府系金融機関の融資を検討する
銀行や信用金庫といった民間の金融機関は、融資を申し込んでいる人の経済状況(属性)を厳格に審査します。
属性の中には、年収も含まれているので、年収が高くないことが理由で審査に通らない可能性も高くなります。
そこで検討したいのが、日本政策金融金庫や商工中金といった政府系の金融機関です。
政府系の金融機関は、経済の活性化や、産業の振興といった政治的な目的で資金を貸し出しているので、年収がネックになりにくいメリットがあります。
例えば、日本政策金融公庫の「企業活力強化資金」では、不動産賃貸業が対象事業に入っているので、不動産投資の資金調達にも利用可能です。
前項では、不動産業者を味方につける重要性について述べましたが、融資に通りやすい金融機関の提案があるかどうかも、業者選びの判断材料になると思います。
3、不動産投資で得られる年収の真実
晴れて区分マンションなどを購入して不動産経営を始めたら、どれくらいの年収が得られるのでしょうか。
広告や記事などを見ると、「年収1億円」「年収5,000万円」といった勇ましい数字が躍っていますが、果たしてこれは本当なのでしょうか。
標準的な収入モデルから、不動産オーナーの年収事情を探ってみたいと思います。
(1)区分マンション経営で得られる年収モデル
この記事でオススメしている1,000万円台から2,000万円台の区分マンション経営を例に、オーナーが得られる年収の見通しを計算してみましょう。
2,000万円で購入したマンション物件の家賃を8万円とします。
管理会社の管理手数料は家賃の5%、修繕やメンテナンスの年間コストを30万円とします。
この物件に、ずっと入居者がいると仮定したオーナーの年収は、
8万円 × 12ヶ月 × 0.95 - 30万円 = 61万2,000円
空室リスクや税金などを考慮していませんが、2,000万円の区分マンションで年収61万2,000円が得られることが分かりました。
(2)「年収1億」は本当?
前項の収入モデルは、所有しているマンション物件に入居者が常にいる想定での計算です。
実際には、常に100%というわけにはいかないので、若干少なくなると見ておいたほうが無難でしょう。
そうなると気になるのが、「年収1億円!」「年収5,000万円!」といった金額が躍る広告や記事などに登場する「不動産オーナー」です。
サラリーマン大家から始めて、これだけの年収を確保する人がいるという内容のものが目立ちますが、実際のところはどうなのでしょうか。
先ほどの収入モデルを見ていただくと分かると思いますが、不動産経営は極めて堅実にコツコツと利益を増やしていく投資です。
単純に区分マンション経営だけで年収1億円を達成しようと思うと、膨大な数の物件を所有する必要があります。
不動産投資で高額年収を得ている人は、一棟マンションや収益ビルなど幅広く所有しているものと思われます。
しかし、資産家ではない人が不動産投資で高額年収に到達するには、相当な時間と労力が必要です。
全く不可能というわけではありませんが、初心者の方が不動産投資を始めるにあたって、目標にする数字ではないと思います。
まずは、「年収1,000万円」を目指すのが現実的で、十分豊かな生活に資することができるでしょう。
4、REITという選択肢~年収が高くなくても算入できる不動産投資商品
ここまで紹介してきた不動産投資は、現物不動産を投資対象としたものです。
現物不動産以外にも、不動産へ投資を行っているファンドを購入して、そのファンドが行っている不動産投資に部分的に参加するという方法もあります。
それが、「REIT(リート)」です。
REITであれば、1口数万円程度で買えるものもあるので、年収が200〜300万円という方であっても、低リスクで不動産投資に参入できます。
もちろん、購入しているREITの投資額に応じて、利益が分配される仕組みになっているので、投資金に応じたリターンも期待できます。
REITの概要や買い方、選び方については「REIT(リート)とは?不動産投資と比較したメリット・デメリットなど始める前に知っておきたい4つのこと」の「4、REITを始めるには?おすすめ証券会社3選」で詳しく解説しています。
まとめ
「年収が高くないと不動産投資はできない」というイメージをお持ちだった方は、「決してそうでもない」ということをご理解いただけたのではないでしょうか。
昔のように、不動産投資は一部の資産家だけのものではなく、方法や仕組みをうまく活用すれば誰でも参入できて利益を上げることができるようになっています。
誰でもできる投資となっているからこそ、不動産投資がブームになっているわけですが、その魅力と現実味をお伝えできたと思います。
本記事の情報と気づきが、皆さまの不動産投資による安定収入と資産形成の一助になれば幸いです。