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  • 2024/7/24

賃貸経営の基礎知識!仕組みとメリット・デメリットを徹底解説

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賃貸経営は、不動産を活用して安定した収益を得るための魅力的なビジネスモデルです。自ら所有する物件を賃貸に出すことで、毎月の家賃収入を得ることができ、資産価値の向上や長期的な資産形成を目指すことが可能です。

しかし、賃貸経営には物件の選定や管理、法的対応、税務対策など、多岐にわたる知識とスキルが求められます。本記事では、賃貸経営の基本から成功するためのポイントまでを詳しく解説し、初心者から経験者まで役立つ情報を提供します。
賃貸経営に興味を持っている方や、これから始めようと考えている方は、ぜひご一読ください。

アパート経営全般に関しては、「これが知りたかった!?アパート経営で失敗しないための7つの極意

で詳しく解説しています。ぜひ併せてご参照ください。

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1、賃貸経営の基礎知識

はじめに、賃貸経営の仕組みや種類、賃貸経営に向いている人について解説していきます。

(1)賃貸経営の仕組み

賃貸経営とは、購入・建設したアパートやマンションを第三者に賃貸することで収入を得る不動産貸付事業のことです。

賃貸経営は、以下のような流れで進んでいきます。

  1. 入居者の募集
  2. 賃貸借契約の締結
  3. 物件管理
  4. 入居者の退去
  5. 入居者の再募集

賃貸経営の「収益」は、収入から支出を差し引いたものです。詳しくは、「2-(1)賃貸経営の収益」で解説します。

(2)賃貸経営の種類

賃貸経営は、オーナーが経営にどのくらい関わるかにより、大きく以下の3種類に分けられます。

①自主管理

オーナー自ら、賃料の回収や収支の管理、建物清掃・保守の手配など、すべての管理業務を行うことを自主管理といいます。一昔前の賃貸管理は、自主管理が一般的でした。
オーナーが管理業務を行うことで管理費用を削減でき、物件の状況を確認できるというメリットがあります。

一方、入居者からの連絡に対応するため、夜中や休日に稼働するケースもあり、本業を持ちながらの管理業務は手間や心理的負担がかかるなどのデメリットがあります。

②管理委託

管理業務を管理会社に委託する方法です。管理会社により、様々なプランがあります。現在の賃貸経営は、管理業務を委託する方法が最も一般的です。

メリットは、経験豊富で対応力のある専門家に任せられる、手間や心理的負担がかなり軽減されるといった点です。一方デメリットとしては、管理委託費用がかかることがあげられます。

③サブリース管理

サブリース会社が、オーナーから物件を借上げ、第三者(入居者)に貸すという形です。サブリース会社がオーナーに代わって賃貸経営を行い、空室の有無に関わらず収入を保証します。

サブリースのメリットは、賃貸経営の負担が大きく軽減される、家賃が保証されるため安定した収入が見込める点です。デメリットとしては、保証料がかかる、入居者の情報を把握しにくい、築年数が古くなると将来的に家賃保証が減額されるケースがあることがあげられます。

オーナーとして賃貸経営にどのくらい関わりたいのか、また時間的余裕の有無により、最適な賃貸経営の方法は異なります。自身の状況と照らし合わせてよく吟味し、選択するようにしましょう。

(3)賃貸経営に向いている人

では、どのような人が賃貸経営に向いているといえるのでしょうか。

まずあげられるのが、「賃貸経営の目的がはっきりしている人」です。賃貸経営にはさまざまな選択肢があり、目的に合わせて最適な選択をしていくことが成功へとつながるからです。

さらに賃貸経営は、経営する物件により大きく2つに分けられます。

  • マンションの1~数室を所有し経営する「区分マンション経営」
  • アパートなどを一棟まるごと所有し経営する「一棟アパート経営」

区分マンション経営と一棟アパート経営、それぞれに向いている人についてみてみましょう。

①区分マンション経営

“区分マンション経営に向いている人”

  • 自己資金をあまり用意できない人
  • 初めて不動産投資をする人
  • リスクをなるべく低くしたい人
  • 比較的流動性のある不動産で賃貸経営したい人

②一棟アパート経営

“一棟アパート経営に向いている人”

  • 所有地の固定資産税や相続税を節税したい人
  • 将来的に家賃収入だけで生活したい人
  • 建物全体に対する決定権を持ちたい人
  • 所有地の活用方法について、アパート以外の活用法も検討したい人

区分か、一棟か?どちらの物件を選ぶかは、投資の目的や自己資金、属性などから総合的に判断しましょう。

2、賃貸経営の収益と利回り

この章では、賃貸経営を検討している方にとって必ずおさえておきたい、賃貸経営の収益と利回りについて解説します。

(1)賃貸経営の収益

賃貸経営の収入は、

  • 毎月の家賃
  • 入居時に支払われる礼金
  • 更新料、管理費

賃貸経営の支出は、

  • 物件購入費や建築費のローン
  • 物件管理費用
  • 税金
  • 入居者退去時の原状回復費用
  • 建物の修繕にかかる費用

などがあげられます。

賃貸経営では、収入から支出を差し引いた分が、賃貸物件オーナーの「収益」になるのです。

さらに、経営を終了する際になりますが賃貸物件を売却する際の売却益も、オーナーの収益になります。

(2)賃貸経営の利回り

利回りには、主に「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります

①表面利回り

投資した元金から、どれだけ収益を得られたかで計算する利回りのことです。

計算式は以下の通りです。

表面利回り = 全室満室時年間収入 ÷ 物件価格または建築費用 × 100

②実質利回り

表面利回りでは計算式に入っていない仲介手数料・税金などのアパート建築に必要な諸経費や、ランニングコストを加えて計算する利回りのことです。

計算式は以下の通りです。

実質利回り = (年間収入 − 年間支出) ÷  物件価格または建築費用 × 100

実質利回りは、表面利回りよりも低くなりますが、現実的な利回りであるといえます。賃貸経営の収益性をシミュレーションする際は、実質利回りを確認するようにしましょう。

③シミュレーションツールの紹介

収支シミュレーション|利回り計算|不動産投資連合隊」を使うと、実際にどれほどの利益を得られるのかシミュレーションすることができます。

一目で収支や利回りがわかるため、一度試してみてください。

3、賃貸経営のメリット

この章では、賃貸経営のメリットについて解説します。

(1)安定収入が得られる

賃貸経営は、健全な経営をすることで毎月安定した収入が得られる点が最大のメリットといえるでしょう。

早く賃貸経営を始めることで、将来的に家賃収入による生活を目指すことも可能になりますし、私的な年金として老後の生活資金の確保を目的に、賃貸経営をしている方も多くいます。

(2)インフレに強い資産を築ける

インフレとは、物価が上がる状態のことです。物価が上がるということは、言い換えると持っているお金の価値が実質的に下がることになります。

賃貸経営は、不動産という現物資産を所有することから始めます。インフレが発生すると、不動産の価値が相対的に高まるため、賃貸経営を通してインフレに強い資産を築けるのです。

(3)生命保険の代わりになる

不動産投資ローンでは、一般的な住宅ローンと同様に、「団信(団体信用生命保険の通称)」に加入します。ローン契約者に万が一のことがあった場合、ローンの残額は保険により支払われるため、家族は返済義務のない不動産を相続できるのです。

残された家族は、家賃収入を受け取ることができたり、売却により売却益を得られるため、生命保険代わりに不動産投資を始める投資家もいます。

団信について詳しくは、団信とは?不動産投資ローンでも利用できる団信の保障内容や注意点を解説をご参照ください。

団信とは?不動産投資ローンでも利用できる団信の保障内容や注意点を解説

(4)節税対策になる

①区分マンション経営の場合

本業を持つ方が区分マンション経営をする場合、家賃収入より経費が上回っていて帳簿上赤字であるケースでは、 源泉徴収された給与所得の所得税が還付されます。

目安として年収が900万円を超える人は、節税効果を期待できるといわれています。

②所有地で1棟アパート経営をする場合

所有地が住宅用地であれば、賃貸住宅が建っていると固定資産税・都市計画税が軽減される「小規模住宅用地の特例」という制度があります。

住宅用地のうち、一戸あたり200㎡以下の部分を「小規模住宅用地」といいます。賃貸住宅が建っている場合、1戸あたり200㎡以下の部分に固定資産税と都市計画税の軽減措置があるのです。

軽減割合は、以下の表の通りです。

敷地面積軽減割合
固定資産税小規模住宅用地1戸あたり200㎡以下の部分1/6
一般住宅用地1戸あたり200㎡超の部分1/3
都市計画税小規模住宅用地1戸あたり200㎡以下の部分1/3
一般住宅用地1戸あたり200㎡超の部分2/3

相続税に関しても、小規模宅地等の特例により、土地だけを相続するよりも建物が建っていた方が相続税評価額が下がり、相続税を軽減できるのです。

ただし、2018年4月1日以後に経営開始した賃貸住宅の土地で、経営開始3年以内に相続が発生した場合は特例から除外されますので、注意してください。必ず国税庁のサイトから最新の情報を確認しましょう。

参照:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

4、賃貸経営のデメリット

一方、賃貸経営にはデメリットもあります。この章では、賃貸経営のデメリットといえるリスクについて解説します。

(1)空室や家賃滞納により収入が下がることがある

賃貸経営では、空室や家賃滞納により家賃を受け取れないことは最も大きなリスクといえるでしょう。

空室リスクが少ない物件は、所在するエリアの人口が多く、エリアのニーズに合わせて設備などが充実していて、競合との差別化ができている物件といえます。また、空室を抑えるために積極的に動いてくれる管理会社に管理を依頼することも、空室対策になります。

家賃滞納をする可能性がある人を見極めることは難しいですが、入居申込者については以下の点を注意することが、家賃滞納リスクへの対策になるでしょう。

  • 支払い能力
  • 離職・転職回数
  • 転居前の居住期間
  • 入居申込書に偽りがないか
  • 連帯保証人との関係性

(2)建物の老朽化に対処し計画をたてる必要がある

賃貸経営において、どんな種類の建物でも老朽化は避けて通ることができません。

特に木造アパートは、RC造などのマンションに比べて経年劣化のスピードが早くなります。

老朽化するにしたがって、家賃を下げないと入居者が集まらない可能性も高くなります。

区分マンションであれば、マンション全体で修繕費を積立てるため、所有する予定の物件において修繕費が計画的に積み立てられているか確認しておきましょう。

1棟アパートの場合、老朽化による大規模修繕に備えて、自身で長期的な収支計画をたて、修繕費を確保しておく必要があります。

(3)災害により事業計画がくずれることがある

火災や地震、台風などの災害により、建物や設備が倒壊・破損・消失する可能性もゼロではありません。

災害への対策として、損害保険に加入しておきましょう。

(4)金利の上昇で計画よりコストがかかる可能性がある

ローンの金利において「変動金利」や「選択型固定金利」を選択した場合、金利が上昇する可能性があります。金利が上昇することで、想定していたよりもローン返済額が増えるのです。

2-(2)賃貸経営の利回り」で紹介したシミュレーションツールを使い、多少金利が上昇したとしても利益が取れる物件を見つけていくことが対策になります。

5、賃貸経営の始め方

この章では、賃貸経営の始め方について解説します。

(1)副業として始める際のポイント

賃貸経営は、ほとんどのケースで「副業」とはみなされません。そのため、副業が禁止されている会社員でも賃貸経営できる可能性が高いでしょう(就業規則をよく確認し、就業規則にしたがって始めてください)。

しかし、「事業的規模」で賃貸経営を行うと副業とみなされますので、注意が必要です。

「事業的規模」と判断される基準は、ワンルームマンションやアパートを組み合わせて、5棟10室の事業規模を超えていることです。戸建て賃貸や駐車場を経営する場合は、戸建て賃貸1棟 = 2室、駐車場5台 = 1室とカウントします。

参照:法第26条《不動産所得》関係|国税庁

副業が禁止されている公務員の場合は、以下のポイントをおさえることが必須です。

  • 「事業的規模」と判断される5棟10室を超えない
  • 年間の家賃収入は500万円未満におさえる
  • 自主管理はせず、管理を委託する

賃貸経営に手間をかけず、あくまでも「投資」であると判断される規模で行うことがカギになるのです。

(2)賃貸経営の始め方は主に3種類

賃貸経営の始め方は、主に以下の3種類に分けられます。

①既設のアパートや区分マンションを購入する

不動産投資会社で購入し、賃貸経営を始めることになるため、新築・中古に関わらず不動産投資会社選びや物件選びが重要になります。

社内やグループ内に管理部門があり、目安として3000戸以上の管理実績がある不動産投資会社を選ぶと、管理会社を選択する上での失敗を防ぐことができるでしょう。

おすすめの不動産投資会社については、不動産投資会社おすすめランキングTOP20をご覧ください。

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②土地を購入してから建物を建築する

土地購入から1棟アパート経営をする場合、不動産経営の目的に沿った土地を選ぶことができるといったメリットがあります。土地の選定から始めることになるため、購入を検討する土地には実際に足を運び、エリア特有のニーズを調べ、慎重に選定しましょう。

③所有地に建物を建築する

所有地に建物を建築する場合、かかる費用は建築費と諸費用のみになるため、全体的に費用をおさえられます。借入額もおさえられるため融資が受けやすくなります。

最初に相談するのは、ハウスメーカーや工務店などの建築会社が考えられるでしょう。

(3)まずは複数の見積もりで建築費を把握する

建物を建築してから賃貸経営を始める場合、建築費がいくらかかるかはアパートの収益性に大きく関わるため、まずは建築費を把握することで賃貸経営のシミュレーションが可能になります。

不動産投資の教科書では、以下の理由から「HOME4U」をおすすめしています。

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収益性の高い賃貸物件を建築するためには、複数のプランの中から最適な選択をすることが非常に重要です。HOME4Uでは土地購入からのプランにも対応しているため、土地購入を含めたアパート建築の相談も可能です。

6、賃貸経営に関するよくある質問

(1)アパートを建築して賃貸経営を始めるまでにかかる期間は?

階数や規模により異なりますが、アパート建築の相談を始めてから約4~6か月後を目安に賃貸経営を始められるでしょう。

中古のアパートや区分マンションであれば、物件への申込から引き渡しまでスムーズに進めば、2ヵ月前後を目安に賃貸経営を始めることができます。

(2)不動産投資と株式投資のちがいは?

株式投資はさまざまな投資の中でも、ハイリスクハイリターンの投資と言われています。株価の値動きは、予想外の出来事により大きくなることもあるためです。短期的に大きいリターンを得ることが可能になる一方、投資してすぐに大きく価値が下がるリスクもあるということです。

不動産投資の場合は、ミドルリスクミドルリターンの投資と言われます。土地価格の変動は比較的緩やかで、安定しているからです。短期的に大きなリターンを得ることは難しいですが、長期的な事業として「賃貸経営」をすることで、安定的な収入を得られる資産を築くことができるという特徴があります。

(3)不動産投資会社や建築会社とのやりとりのコツは?

既設の不動産を購入する場合でも、新しく建物を建築する場合でも、不動産投資会社や建築会社の営業担当に相談、やりとりすることになるでしょう。

いずれの場合も、あなたが賃貸経営をする目的・ビジョンをしっかり伝え、目的に沿った提案をしてもらうようにしましょう。また、大きい金額を投資することになりますので、疑問や不安に感じたことは必ず納得いくまで質問するようにしましょう。

また、視野を広く持つために複数の会社に相談することも、非常に大切です。

まとめ

今回は、賃貸経営の仕組みやメリット・デメリットについて解説してきました。

不動産投資の実態は、「賃貸経営」という長期的な事業を通してコツコツと資産を築いていくもの、ということがおわかりいただけましたでしょうか。

短期的に利益を得ることは難しいですが、健全な賃貸経営を通して将来的に安定した収入を得られる資産を築くことができる点が、近年注目されている理由の1つとなっています。

この記事が、賃貸経営の成功に役立ちましたら幸いです。

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