「事業用に不動産を購入したいけど、失敗してしまわないか不安……」
そうお考えの方も多いでしょう。
インフレ対策や老後資金の確保、相続税対策を目的に、事業用不動産を購入される方が増えています。
事業用不動産購入で失敗しないためには、事業用不動産ローン、事業用不動産を選ぶ際のポイントなどについてきちんと知っておくことが大切と言えます。
そこで今回は、
- 事業用不動産とは?
- 事業用不動産購入のメリットとデメリット
- 事業用不動産の購入時、所有時、売却時にかかる費用
- 事業用不動産ローンを組むのは難しい?住宅ローンとの違いについて
- 法人設立で節税になる?不動産管理会社設立のメリットと手順
- 事業用不動産は相続税対策になる?不動産の相続税の仕組みについて
- 失敗しない事業用不動産を選ぶ際のポイント
- 事業用不動産の探し方
- 事業用不動産購入の流れ
についてお伝えしていきます。
収益物件の選び方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
不動産投資のバイブル
- 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
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- 今は不動産投資の始めどきなのか?
- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
事業用不動産とは、収益を得ることを目的とした投資対象の不動産のことです。事業用不動産を購入する際は、不動産投資ローンを利用することができますが、住宅ローンよりも審査が厳しく、金利が高くなります。
目次
1、事業用不動産とは?
そもそも事業用不動産とは、店舗、事務所ビル、マンションなど収益を得ることを目的に投資を対象に購入した不動産のことを言います。
より細かくは以下のようなものが事業用不動産にあたります。
- 事業継続にあたり利用される不動産(例:事務所ビルや店舗など)
- 投資用不動産(例:投資用マンションなど)
2、事業用不動産購入のメリットとデメリット
次は事業用不動産を購入するメリットとデメリットについてみていきましょう。
(1)事業用不動産を購入するメリット
まずは事業用不動産を購入するメリットをみてみましょう。
大きくは以下の通りです。
- 「不動産」という実物資産が残る
- 少額自己資金から始められる
- 相続税・贈与税対策として有効である
- 生命保険のかわりになる
- 私的年金の確保ができる
- インカムゲインを得られる
など。
なお、インカムゲインに関連して事業用不動産の利回りの相場はどのくらいかですが、2013年の後半から不動産価格が上昇により、利回りが少し下がっているのが実情です。表面利回りの相場は以下のようになっています。
- 住居系:5〜6%
- 事務所系:6〜7%
- テナント系:7〜8%
(2)事業用不動産を購入するデメリット
一方、投資である以上、事業用不動産はデメリットがないわけではありません。
事業用不動産を購入するには以下のようなデメリットが挙げられます。
- 一回の投資金額が大きい
- 金利上昇リスク
- 不動産の時価が把握しにくい
- 流動性リスク
など。
詳しい内容については、「不動産投資は意外と儲からない?それでも不動産を購入する理由」をご参考ください。
3、事業用不動産のかかる費用について
事業用不動産は購入時、所有時、売却時においてかかる費用が異なりますので、以下にて分けて書いていきます。
(1)購入時にかかる費用
まず、事業用不動産を購入する際にかかる費用についてみてみましょう。
大きく以下のような費用がかかります。
- ① 不動産仲介業者に支払う不動産仲介手数料
- ② 国に納める税金
- ③ 登記の移転業務を依頼した司法書士へ支払う報酬
- ④ (融資を受ける場合)銀行に支払う手数料
- ⑤ 火災保険など保険料
など全てを併せると大体物件本体価格の8〜10%となります。
(2)所有時にかかる費用
次は、所有時にかかる費用についてみてみましょう。
大きく以下のような費用があります。
- ① 所得税などの税金
- ② 管理会社に支払う管理費・修繕積立金
- ③ 賃貸管理会社に支払う賃貸管理委託費用
- ④ (融資を受けた場合)ローンの返済
など。
(3)売却時にかかる費用
最後に、不動産を売却時にかかる費用をみてみましょう。
売却時にかかる費用は以下の通りです。
- ① 不動産仲介手数料
- ② (売却利益が出た場合)譲渡所得税
- ③ (融資を受けた場合)金融機関に支払う一括繰上げ返済手数料
など。
(4)事業用不動産の買い換え特例
事業用不動産の買い替え特例とは、一定の事業用資産に買い替えた場合に、譲渡利益の80%について課税の繰り延べが認められることを言います。事業用不動産が売却時に売却利益が出た場合にメリットがある特例になります
不動産の所有者が法人でも個人でも同様に利用することができます。
利用条件や譲渡所得金額の計算など詳しい内容については、国税庁の「事業用不動産を買い換えたときの特例」をご参照ください。
なお、事業用不動産に関する費用については、詳しく「不動産投資で失敗しないために知っておくべき10個のリスク」にてご参考ください。
4、事業用不動産ローンと住宅ローンとの違いについて
事業用不動産を購入する際に、現金で購入する方もいらっしゃいますが、多くの方は不動産投資ローンの利用を考えているのではないでしょうか。
以下では、事業用不動産購入時に利用する不動産投資ローンについて書いていきます。
(1)不動産投資ローンを組むことのメリットは?
一見借金をするのは悪いイメージがありますが、実は不動産投資ローンを利用するには以下2つのメリットがあります。
- レバレッジを効かせられる
- 自分のお金を溜まるのを待つことなく不動産投資を開始できる
など。
(2)不動産投資ローンを組むことのデメリット
一方、不動産投資ローンを組むことによって、以下のようなデメリットが挙げられます。
- 空室によりローンの返済が厳しくなる
- 売却タイミングにより、残債が残ってしまう可能性がある
など。
(3)住宅ローンとの違い
よく耳にする住宅ローンとの違いをあまり理解ができてない方は少なくないのではないでしょうか。
住宅ローンと不動産投資ローンは大きく以下3つの違いが挙げられます。
- 貸付の目的が違うにより、審査基準が違う
- 不動産投資ローンの方が住宅ローンに比較して審査が厳しい
- 金利の設定が違う
など。
(4)どのような事情があると審査が通りやすい?
不動産投資ローンは住宅ローンと違って、審査基準が厳しくなっているため融資を受けるにはハードルが高いのが実情と言えます。
審査を通り安くするために、大きく以下の4つの事情が挙げられます。
- 自己資金の割合が大きい
- 収益性(実質利回り)が高い
- 年収が高い
- 勤務先の属性
5、不動産管理会社設立のメリットとデメリット
個人で事業用不動産を所有している方の中には、不動産管理会社を設立することで節税になるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるではないでしょうか。
実は、不動産を所有している物件数・規模・収入によっては必ずしも法人を設立によって節税することができるとは限りません。
(1)不動産管理会社設立すると得する可能性が高いケースとは?
まずは、不動産投資で不動産管理会社を設立すると得する可能性が高いケースについて書いていきます。具体的には、不動産所得額として年間2,000万円以上が一つの目安だと言われています。
不動産管理会社を設立することによって、個人不動産オーナーにない手間やコストもかかります。
従って、法人設立のメリット、デメリット、タイミングなど様々な要素を考慮した上で判断された方がいいでしょう。
(2)法人設立をするメリットは?
不動産管理会社を設立すると大きく以下の5つのメリットが挙げられます。
- 不動産所得が給与所得にすることができ、給与所得控除が受けられる
- 経費の項目が増え節税対策の選択肢が広がる
- 青色申告の損失繰越期間が9年間になる
- 相続税対策として有効
- 法人にすることにより税率が下がる可能性がある
など。
(3)法人設立をするデメリットは?
一方、法人設立をすると以下のようなデメリットがあります。
- 税理士の報酬など維持・運営費用がかかる
- 赤字の年でも最低限年間7万円の税金がかかる
- 法人設立時諸費用がかかる
- 社会保険に加入する義務が発生する
- 個人より税務調査が入りやすくなる
など。
法人設立の手順など詳しい内容については、こちらをご参考にしてください。
6、事業不動産の相続税の仕組みについて
2015年1月1日より、相続税の基礎控除額が縮小され、事実上の増税になります。相続税対策として不動産を購入する方が増えています。
上記「2—(2)」事業用不動産を購入するメリット」にも書きましたが、なぜ事業用不動産は相続税対策になるのでしょうか。以下にて不動産の相続税の仕組みについて詳しくみてみましょう。
(1)不動産の相続税の仕組みについて
現金や有価証券などで相続する場合、時価が課税対象となるために納める税金額が高くなるに対して不動産を相続する場合、時価ではなく、「固定資産台帳や路線価」などから算出した評価に対して課税するので、納める相続税額が少なくなる傾向があります。
そのため、不動産投資は他の投資よりも相続税対策になるとされています。
(2)不動産の相続税の評価
不動産の場合、以下のように相続税の評価額を算出します。
- 「土地」は路線価の80%程度の評価額
- 「建物」は大体建築費用の50〜60%が評価額
- 事業用による借家権割合で建物の評価額は更に減額
- 事業用小規模宅地の特例により、土地の相続税評価額がさらに減額
(3)事業用不動産の相続税額のシミュレーション
同じく1億円を現金と事業用不動産で相続した場合の評価額をみてみましょう。
① 現金1億円を相続した場合
相続税の評価額:1億円
相続税額:1億円×30%—700万円=2,300万円
② 時価1億円で、評価額が4,000万円の事業用マンションを相続した場合
- 建物評価額:2,000万円
- 土地評価額:2,000万円
相続税の評価額:2,200万円
相続税額:280万円
<計算方法>
—建物—
2,000万円×0.7=1,400万円
—土地—
2.000万円×0.8×0.5(小規模宅地の評価減)=800万円
—評価額合計—
1,400万円+800万円=2,200万円
—相続税額—
2,200万円×15%—50万円=280万円
結果としては、現金で1億円で相続した場合に比較して相続税額は「2,020万円」が節税になります。
不動産により相続税対策については、詳しく「不動産は相続税対策として有効?不動産の相続税の仕組みについて」を参照にしてみてください。
7、失敗しない事業用不動産を選ぶ際のポイント
事業用不動産は、毎月の家賃収入から収益を得ることから、空室になりにくい物件を選ぶことが大切と言えるでしょう。
具体的には、以下のポイントがあります。
- 利便性がいい
- 管理・メンテナンスがきちんとされている
- 高利回りが期待できそうな物件
など。詳しい内容につては「優良な収益物件を購入するために知っておくべき4つのこと」をご参考ください。
8、事業用不動産の探し方
事業用不動産を検するには、インターネットにて「事業用不動産」などのキーワードを入力すれば、数多くのサイトが出てきます。
以下、物件の掲載件数が多い3つのサイトをピックアップしましたので、参考にしてみてください。
(1)区分マンション投資物件
プロパティエージェント(新築・中古物件)
東証プライム上場グループ企業であるプロパティエージェントさんは、新築区分マンションのディベロッパーとして、投資用の分譲マンションを管理まで一貫して手がけております。購入後の顧客満足度1位(株式会社アイ・エヌ・ジー・ドットコム2018年5月調べ)のプロパティエージェントさんなら安心して物件の管理をお任せすることができるでしょう。マンション投資にご興味がある方は資料請求をしてみてはいかがでしょうか。
RENOSY(中古物件)
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(2)一棟投資物件
アメニティジョイハウス(新築一棟)
アメニティジョイハウスさんは、土地選びから事業計画の立案、融資相談、アパートの設計・施工、賃貸管理まで一括した、ローコスト&ローリスクのアパート経営を提案しており、東京、千葉、埼玉を中心に新築・木造・3階建てアパートを展開。独自のネットワークをシステム化することで高い入居率を確保しています。
また、東京圏(1都3県)どのエリアでも数多くの協力仲介会社に募集依頼ができるので、早期入居を実現しています。そして、会社のホームページが口コミで反響を呼び、サラリーマンを中心としたアパート経営による資産形成の相談が絶えないそうです。
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9、事業用不動産購入の流れ
最後に、実際に事業用不動産購入の流れについてみてみましょう。
大きく以下のような流れになります。
- 不動産の予算を決める
- どのような事業用不動産を購入するかの条件を決める
- 不動産投資会社を選ぶ
- 物件の現地確認をする
- 物件が気に入った場合買付証明書を提出する
- 購入条件が決まったら、不動産会社の重要事項説明書の説明を受ける
- 売買契約書を締結すると同時に、売買価格の1割前後の手付金を支払う
- (融資を受ける場合)金融機関の不動産投資ローン審査を受ける
- 決済をし、物件の引渡しを受ける
- (管理を依頼する場合)賃貸管理会社を選ぶ
まとめ
事業用不動産の購入は、インフレ対策や相続税対策として多くの方々に選ばれていますが、成功への道は適切な知識と準備にかかっています。この記事では、事業用不動産の基本的な概念、購入の利点と潜在的なリスク、関連する費用、投資ローンの活用法、法人としての設立メリット、効果的な相続税対策、そして物件の選定から購入プロセスまでを詳細に解説しました。これらの情報を武器に、賢明な投資判断を行い、事業用不動産を通じて財産を増やし、リスクを管理しましょう。