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  • 2024/7/18 (更新日:)

なにが起きた?「みんなで大家さん」行政処分の原因は!

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2024年6月17日、不動産小口化投資商品「みんなで大家さん」を運営する都市綜研インベストファンドと販売会社が、東京都と大阪府から行政処分を受けました。
この処分により、わずか24時間で470人以上の投資家から解約の申し入れが相次ぎ、解約請求の総額は28億円以上に達しました。

本記事では、行政処分の背景と詳細、都市綜研と販売会社の対応、投資家への影響、そして今後の見通しについて詳しく解説します。

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1、「みんなで大家さん」行政処分の概要

(1)行政処分概要

この処分の主な理由は、不動産特定共同事業法(不特法)の違反です。具体的には、以下の点が問題視されました。

  1. 建設計画の大幅な変更に伴う資産価値や収益性への影響を投資家に十分説明しなかった
  2. 開発許可の対象外の土地を誤って書類に記載し、その情報に基づいて勧誘や契約を実施した
  3. 造成工事完了後の形状や構造を記載すべきところ、完了前の形状を記載していた

これにより、大阪府と東京都は2024年6月17日に都市綜研と販売会社に対してそれぞれ30日間の一部業務停止命令を下しました。

(2)具体的な背景

「みんなで大家さん」は不動産特定共同事業法に基づいて組成された個人投資家向けの不動産ファンドで、都市綜研インベストファンドと「みんなで大家さん販売」が運営しています。

問題の主力商品である「シリーズ成田」は、成田空港近くで計画される複合開発プロジェクト「GATEWAY NARITA」の用地を対象とし、想定利回り年7.0%、運用期間5年、出資金1口あたり100万円という条件で募集されました。2020年11月に第1号の募集が開始され、2024年2月の第18号までに募集総額は累計約1973億円に達しています。

今回の行政処分は、「シリーズ成田16号」に関する問題が発端となっています。2023年秋に運用を開始したこのファンドに対し、資産価値や収益性への影響を十分に説明しなかったことが違反として指摘されました。

2、都市綜研とみんなで大家さん販売の対応

(1)解約申し入れの状況

行政処分が公表された6月17日午後5時から24時間以内に、投資家470人以上から解約の申し入れがありました。解約請求の総額は28億円以上に上ります。この大量の解約申し入れに対応するため、都市綜研と販売会社は一時的に解約受付を停止し、公式ウェブサイトに解約申し込み受付フォームを新設しました。

(2)都市綜研と販売会社の対応

都市綜研と販売会社はそれぞれ、大阪府と東京都を相手取り、行政処分の取り消しを求める裁判を起こしています。6月20日には東京地裁による通知が販売会社のウェブサイトに掲載され、一部の主張が認められ、処分の開始は裁判の一審判決後まで延期されました。都市綜研も大阪府に対し、大阪地裁で同様の申立を行っています。

(3)過去の処分歴

都市綜研に対する行政処分は今回が3度目となります。2012年と2013年にも同様の理由で処分を受けています。今回の処分に関して、同社は当初「今後の事業計画等に与える影響はない」としていましたが、翌日の解約請求の多発を受けて、その受付を一時的に停止する措置を発表しました。

3、今後注意が必要な点

(1)投資対象の正確な情報確認

投資をする際には、提供される情報の正確性を確認することが重要です。特に以下の点に注意が必要です。

建設計画の変更
投資対象の建設計画が変更される場合、その影響について十分な説明を受けること。

土地の開発許可
投資対象の土地が開発許可を受けているかどうか、正確な情報を確認すること。

造成工事の状況
造成工事の完了状況やその形状・構造についての正確な情報を把握すること。

(2)土地の取得価格と賃料の妥当性

投資する土地の取得価格や賃料が市場の相場と大きく乖離していないかを確認することが重要です。具体的には、国が公表する地価公示などの情報と比較し、妥当性を確認します。過大な価格設定は元本割れのリスクを高めるため、注意が必要です。

(3)過去の行政処分歴

投資先の企業が過去に行政処分を受けたことがあるかどうかを確認することも重要です。過去の処分歴がある場合、その理由や内容を理解し、同様の問題が再発するリスクを評価します。

(4)コンプライアンスの徹底

事業者が適切にコンプライアンスを遵守しているかを確認します。具体的には、以下の点に注意します。

契約前書面の正確性
契約前に提供される書面の内容が正確であることを確認する。

分別管理の徹底
資金の分別管理が適切に行われているかを確認する。

不動産取得価格や賃料の妥当性の検証
これらの価額が適切かどうかを検証する体制が整っているかを確認する。

(5)投資家の保護

投資家保護の観点から、運用期間終了後の不動産の売却価格が元本割れのリスクを伴わないかを慎重に評価することが必要です。高い配当利回りに目を奪われず、投資のベースとなる不動産の取引価格や賃料の妥当性をしっかりと確認しましょう。

(6)信頼性のある情報源の利用

投資に関する情報は信頼性のある情報源から取得することが重要です。公式サイトや公的機関の発表など、信頼性の高い情報源を利用して、投資判断を行います。

これらの点に注意することで、投資リスクを最小限に抑え、健全な投資活動を行うことができます。投資は自己責任であるため、常に慎重な判断と情報収集が求められます。

まとめ

今回の「みんなで大家さん」に対する行政処分は、不動産投資ファンドの運用における透明性と信頼性の重要性を浮き彫りにしました。

投資をする際は、投資先の過去の実績やコンプライアンス体制を慎重に評価し、詳細な情報収集と理解を怠らないことが重要です。また、投資後も定期的なモニタリングとリスク管理を徹底し、法規制の遵守を確認することで、健全な投資活動を行うことが求められます。

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