「夫婦で将来の為に、不動産投資で資産形成を始めようかな……」
共働き夫婦は、家計を1つとして管理し協力して資産運用すれば、より大きな投資を行うことができます。
しかし、不動産投資をするとしても、いきなり夫婦で大きな融資を受けるのはためらう方もいるでしょう。
今回は、不動産投資に関連する情報を発信しているメディア「不動産投資の教科書」が、
- 片方が大手企業勤めか公務員なら?
- 夫婦別で不動産投資するメリット
- 夫婦別で不動産投資する注意点
などについてお伝えします。(小山智子・不動産コンサルティングマスター、ファイナンシャルプランナー)
こちらの記事も参考にしていただけると幸いです。
不動産投資家への最短4ステップと気になる7つの疑問!収入は?
共働き夫婦のメリット①自分のペースで資産運用できる ②リスク分散がしやすい ③より大きな資産を形成できる
1、片方が大手企業勤めか公務員なら?
共働きと言っても、夫婦のどちらも会社員またはどちらも自営業、一方が会社員で他方は自営業というケースがあります。
もし妻が安定した企業にお勤めの会社員や公務員だったら、妻自身で資産運用を始めると良いでしょう。
なぜ夫よりも妻側に資産運用をおすすめするかというと、子どもを希望する場合妻は身体的な負担もあり、働けない時期の自身の収入が不安定になるためです。
総務省統計局の「平成29年就業構造基本調査」では、育児をしている女性の有業率は上昇傾向にあっても、30代前半では約6割にとどまっています 。
一般的に女性の方が男性より長生きですから、妻は夫よりも長い老後の生活に備えなければなりません。
働いて得る収入が減ったりなくなったりした時期に、別の収入源を確保しておくと安心ですね。
2、夫婦別で不動産投資をするメリット
(1)自分のペースで資産運用ができる
夫婦ともに不動産投資をしたいと思っていても、共同名義で大きな投資をしようとすると夫婦の意見が合わないなどで足踏みしがちです。
まずは、妻が自分の名義で不動産投資を始めてみましょう。
自分のペースで購入する不動産を選び、自分のできる範囲で始めて大家経験を積むことは夫婦で投資物件を購入するときにも役立ちます。
子育てに忙しくなる前、転職や起業にまとまった資金が必要になる前に、賃料収入を得られる仕組みづくりをしておきましょう。
(2)リスクの分散がしやすい
夫婦が別々の不動産に投資を行うことで、例え一方に損失が生じても共倒れという事態を避けやすくなります。
夫婦2人分の世帯収入を基準にした融資を受けて高額の不動産を購入した場合、損失が生じたときの傷も深くなります。夫婦一方の余裕資金を元手にしておくなら、上手くいかなければ売却し、マイナス分だけ余裕資金が減るにとどまります。
(3)より大きな資産を形成できる
妻の側から始めてみて不動産投資がどういうものなのかわかってきていれば、夫も始めてみると良いでしょう。
個別に投資をし、少しでも利益を出せるようになれば、夫婦合わせた世帯資産を着実に増やしていけます。
3、夫婦の年収による不動産投資の方法
夫婦の年収によって、不動産投資に適した方法や物件の種類は異なります。
一般的に、低年収の夫婦はローリスク・ローリターンな投資を、高年収の夫婦はハイリスク・ハイリターンな投資を行う傾向にあります。
以下では、夫婦の年収による不動産投資の違いについて詳しく説明します。
低年収夫婦(~300万円程度)に適した不動産投資の方法
目安として、年収300万円以下の夫婦が行う不動産投資は、高いリターンを得るための手段として魅力的です。
しかし、投資額が限られている場合、リスクを最小限に抑えることが重要です。
①中古物件を選ぶ
中古物件は、新築物件に比べて価格が安く、購入に必要な資金も少なく済みます。ただし、中古物件には修繕費がかかる可能性があるため、物件選びには注意が必要です。
②地方の物件を選ぶ
都心部に比べて地方の物件は、価格が安く、高い入居率が期待できます。また、地方の物件は、地価の上昇リスクが低いため、長期的な投資に向いています。
③運用コストを抑える
物件管理会社に頼る場合、管理費や修繕費がかかることがあります。低年収夫婦にとっては、できるだけ運用コストを抑えることが重要です。自己管理に挑戦することも検討してみましょう。
中年収夫婦(300~700万円程度)に適した不動産投資の方法
中年収夫婦は、一定の資産を保有している場合が多く、不動産投資を考える人も多いでしょう。以下の方法が中年収夫婦に適しています。
①新築物件を選ぶ
新築物件は入居者から高い家賃が期待できるため、安定的な収益を得ることができます。また、購入時に修繕費がかからないため、コスト面でも魅力的です。しかし、新築物件は価格が高く、融資の審査に通るのが難しい場合があります。その場合は、中古物件を選ぶことも一つの選択肢となります。
②大都市の物件を選ぶ
東京などの大都市の物件は、入居者から高い家賃が期待できるため、投資効果が高いです。ただし、大都市の物件は地価が高く、投資額が多くなるため、リスクも高くなることがあります。物件選びには注意が必要です。
高年収夫婦(800万円〜)に適した不動産投資の方法
高年収夫婦にとっては、不動産投資が大きな資産形成の手段となります。
適している不動産投資の方法については以下の通りです。
①一棟物件を選ぶ
一棟物件は、高い家賃が期待できるため、高い収益を得ることができます。ただし、一棟物件には高い投資額が必要となるため、リスクも高くなります。
②海外不動産投資をする
海外不動産投資は、ハイリスク・ハイリターンが期待できます。海外不動産投資をする場合は、現地の情報をしっかりと調べ、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
③不動産投資に専念する
不動産投資がある程度安定してきたら、不動産投資に専念することも可能です。自己居住用不動産ではなく、投資用不動産に注力することで、収益の最大化が可能となります。
4、夫婦別で不動産投資をする注意点
夫婦一方の名義で不動産を購入するなら、金融機関の融資を受ける場合にも連帯保証人が必要とされるような大きな融資金額にならないようにしましょう。
連帯保証人になってしまうと、リスク管理の視点から見ると、共同名義での購入と違いがあまりありません。最初は自分自身の年収にあった物件を選ぶことです。
もちろんです!夫婦で不動産投資を行う際のメリットや注意点に関するQ&Aを以下にまとめました。
夫婦で不動産投資をしたときのQ&A
Q1: 夫婦で不動産投資をするメリットは何ですか?
1.資金調達力の向上
2人分の収入があるため、より多くの資金を借りやすく、良い物件を選べる可能性が高くなります。
2.リスク分散
収入源が2つあるため、片方の収入に問題が生じてもリスクを軽減できます。
3.税務面のメリット
経費を共有することで、税金の軽減が可能になることがあります。
4.役割分担
夫婦で役割を分けて投資活動を進めることができ、効率的です。
Q2: 夫婦で不動産投資を始める前に注意すべき点は何ですか?
1.目的とビジョンの一致
投資の方向性や目標が一致しているか確認することが大切です。
2.資金分担と責任の明確化
資金やローンの分担を明確にしておく必要があります。
3.リスク管理
空室リスクや市場変動などのリスクに対する対策を練ることが重要です。
4.感情のコントロール
意見の衝突を避けるため、冷静な判断とコミュニケーションが欠かせません。
Q3: 夫婦で不動産を共同名義で購入するメリットは?
- 資金調達力の強化
両方の信用力が評価されるため、より多くの資金を借りられる可能性があります。
2.持分の明確化
名義を分けることで、各自の権利や責任が明確になります。
3.税務上の効果
夫婦で適切に持分を分けることで、所得の分散による税制優遇を受けられることがあります。
Q4: 夫婦で不動産投資をする際、税金面で注意すべきことは何ですか?
1.名義と持分の設定
名義や持分に応じて、税金が変わるため、適切に分ける必要があります。
2.贈与税のリスク
名義や資金提供によっては、贈与税が発生する可能性があるため、事前に確認が必要です。
3.確定申告
不動産所得が発生した場合、夫婦それぞれが適切に確定申告を行う必要があります。
まとめ
夫婦で不動産投資を行う場合、協力して計画を立てることで資産形成のチャンスが広がりますが、目的やリスク、資金管理について慎重に検討することが成功の鍵です。
また、専門家の助言を受けつつ、共に学び合いながら進めると良いでしょう。