アパート経営はするな。
このような言葉を耳にしたことがありますか?
アパート経営は、リスクを理解し対策さえすれば、長期的に安定した収入を得ることができる堅実な資産運用方法です。
しかし、「アパート経営はするな」という意見も存在します。アパート経営は、安易な考えではじめてしまうと失敗してしまう可能性が高いからです。
今回は、不動産投資の教科書が
- アパート経営するなといわれる人の特徴
- アパート経営するなといわれる8つの理由と対処法
- アパート経営するなといわせない!成功のポイント
などを解説します。
アパート経営について詳しく知りたい方は、以下の記事もお読みください。アパート経営の失敗事例から、教訓が学べます。
アパート経営で地獄を見る?かぼちゃの馬車事件の教訓から学ぶべきこと
フドウくん
目次
1、アパート経営はするなといわれる人の特徴
アパート経営するなといわれる人には、以下2つの特徴があります。
自分に当てはまるかどうか確認してみてください。
- 自己資金ゼロの人
- リスクヘッジができない人
詳しく解説します。
(1)自己資金ゼロの人
自己資金が一切ない状態で、アパート経営を始めるのは、非常にリスクが高いです。
アパート経営自体は、自己資金がゼロでも物件さえ保有していれば始めることはできますが、リスクが高く安定した経営はできないでしょう。自己資金がゼロの場合、融資を借り入れて不動産投資を始めることになります。
一般的に、金融機関で融資を借り入れるには、物件価格の1~2割の頭金が最低限必要だといわれていることから、自己資金ゼロだと借り入れは難しいでしょう。
自己資金なしで融資を借り入れる場合、自己資金がある人と比較して、きちんと融資を返済できるか信頼されにくいため、金利が高くなります。結果的に、最終的な総返済金額は多くなってしまう可能性があることを理解しておきましょう。
不動産投資では修繕や管理などにお金がかかり、予測していない出費がかかることもあります。急に資金が必要になった際、毎月の融資の返済が滞ってしまうかもしれません。
返済不可能な状態が続いた場合、担保としている不動産や土地を失うことになってしまいます。
また、不動産投資は相続などによって引き継いだ不動産でも始められますが、この場合も融資を借り入れて物件を購入した場合と同様、自己資金がないとリスクが高いでしょう。
さらに、相続によって引き継いだ不動産となると、年数経過が進んだ物件が多い傾向にあります。より修繕費や管理費がかかりやすくなるので、自己資金ゼロの場合は注意が必要です。
(2)リスクヘッジができない人
アパート経営は、リスクを理解し対策さえすれば、長期的に安定した収入を得ることができる堅実な資産運用方法ですが、安易な考えで始めてしまうのは危険です。
不動産投資に伴うリスクは、空室リスクや災害リスク、入居者トラブル、金利変動リスクなど多く存在します。
これらのリスクヘッジができてないと、失敗する可能性が非常に高いのです。
長期的に計画性を持った経営ができるかどうかが不動産投資の成功可否につながります。
2、アパート経営はするなといわれる8つの理由と対処法
「アパート経営するな」という意見は実際に存在しますが、なぜでしょうか。
主に以下の8つの理由が挙げられます。
- アパート経営に失敗すると多額の借金を抱える
- サブリース契約で起こるリスク
- 年数経過による収益性の低下
- 空室が埋まらないと収益を得られない
- 不動産売却したい時、すぐ売却できない
- 入居者トラブルが起こり得る
- 災害による物件損壊
- 得られる収益は表面利回り通りではない
(1)アパート経営に失敗すると多額の借金を抱える
アパート経営には、建築費用や物件購入など多額の費用がかかるため、融資を借り入れて不動産投資を始めることが一般的です。融資=借金と考える人が多いため、多額の借金を抱えることになるというイメージがついてしまっています。
しかし、融資の返済は、入居者が支払う家賃収入から返済するケースが多いため手元資金が減るということはないでしょう。
また、金融機関は、確実に回収できる場合のみ融資を貸し出ます。言えば、堅実なアパート経営ができると判断されたということです。
アパート経営は自己資金を用意して頭金の割合を高くできれば、後に返済する金額も小さくなるため、失敗の可能性を減らすことにつながります。
(2)サブリース契約で起こるリスク
サブリース契約をした場合、家賃収入の約20%は、保証金や手数料などといって天引きされますが、万が一空室になっても不動産会社が家賃の約80%を保証します。
空室がなくてもアパートオーナーの手元に入るのは、家賃収入の80%しかないことになりますが、家賃保証が付くことからサブリース契約で経営を始める人も少なくありません。
しかしほとんどの場合、契約時に設定された家賃が長期的に保証されません。
また、年数経過により物件価格が下落すると、空室保証も曖昧にされてしまうこともあります。
サブリース契約は、空室であっても毎月の家賃を80%保証してくれるので、オーナーにとって安心もできる魅力的な契約ですが、最終的にはデメリットが多い仕組みとなっています。
また、サブリース契約を結んでいる不動産会社が倒産した場合、契約者がリスクを負います。
契約時に支払った敷金が変換されることはないことに加え、入居者が家賃を滞納している場合、原則契約者が補賃をしなければなりません。サブリース契約はトラブルがあったり、契約内容に悪意があったりする場合、契約者本人が不利益を負う仕組みになっているので、注意が必要です。
(3)年数経過による収益性の低下
アパート経営は、年数経過により建物が古くなりニーズが減少してしまいます。ニーズが減ってしまうと、購入当初の家賃より下落してしまうので、収益性が下がってしまうことは避けられません。
家賃が下落しないようにするためには、こまめに修繕し建物の資産価値を保つ、アパート自体に新たな価値をつけるなどの工夫が必要です。
しかし、そのための修繕費や、新設備の導入費用などがかかります。一般的に、多くの入居者から支払われた敷金の中から修繕積立金を確保する仕組みをとるシステムを採っています。
ただ、築年数の古い物件は修繕積立金だけではまかなえず、自費での修繕が必要になるケースもあることに注意が必要です。
(4)空室が埋まらないと収益を得られない
アパート経営は、入居者が居てはじめて収入を得られます。空室が続くと、自己資金から融資の返済をしなければならなくなり、手元金を失ってしまいます。
基本的に優良な物件を選べていさえすれば、空室を埋めることはできます。なにより物件購入の際に、立地や周辺環境、部屋の設備など入居者が住みたくなるような物件を選んでいることが大切です。
また、年数経過により物件の老朽化が進んでいる場合に、家賃は妥当なのか検討してみましょう。
(5)不動産売却したい時、すぐ売却できない
不動産投資は、元々流動性の低い投資商品です。そのうえ、アパート経営は、一棟なので区分と比べて、購入希望者は少なめです。
しかし、売却予定のアパートが空室が多い、トラブルが多いなどでなければ売却することはできます。買い手が長い間見つからない場合、販売価格の見直しや不動産会社に買い取ってもらうこともできます。
アパートは、築年数10年くらいで売却するのがベストだという意見があります。自費で負担しなければならなくなりそうな大規模修繕が起こる前に売却してしまおうという考えです。
また、物件の法定耐用年数を過ぎるとローンの審査が通りにくくなります。そのため、木造の法定耐用年数を半分以上残した築年数10年程度がベストといわれる理由のひとつです。
(6)入居者トラブルが起こり得る
アパート入居者間でトラブルが起きると、オーナーが対応しなければなりません。入居者トラブルは、アパート経営に限らず、人間が複数いれば起こりえます。
しっかり解決しないと入居者が退去し、空室が出てしまうため、可能な限り素早く解決・対策することが大切です。入居者基準を見直すこともトラブルの対策として有効です。
(7)災害による物件損壊
災害によって物件が破損してしまうと、入居者が住める環境ではなくなってしまうことはもちろん、修繕費などもかかってしまいます。
災害は予測も予防も難しいですが、耐震対策や災害の起こりにくい立地選びができていれば、充分に対策することはできるでしょう。
(8)得られる収益は表面利回り通りではない
物件販売サイトで記載されている利回りは表面利回りなので、実際の利回りとは異なります。
表面利回りとは、「物件価格に対してどの程度の家賃収入が得られるのか」を表した数値です。
1年間満室想定で算出された数値、かつ物件の維持管理費やリフォーム費用、ランニングコストなどが含まれていません。
表面利回りだけを考慮してアパート経営をしても、想定の収入を得られないので注意が必要です。
より現実的な計画を立ててアパート経営をするには、実質利回りや空室率などを考慮したうえでシミュレーションすることがポイントです。
3、アパート経営を成功するポイント
ここまでで、アパート経営はリスクヘッジさえすれば堅実な資産運用方法として有効であることをお伝えしました。
本章では、アパート経営を成功させるために以下2つのポイントを解説します。
- 良い不動産投資会社を選ぶ
- 第三者へ相談する
(1)良い不動産会社を選ぶ
不動産投資は、いかにリスクに対して対策することができるかが重要です。
不動産投資のメリットだけでなく、リスクも隠さず投資家に伝えてくれる不動産会社を選ぶことが成功に近づくことがカギです。
不動産会社のなかには、売上を上げる目的で、投資家にとって良くない物件を提案してしまう営業マンも存在します。
良い不動産投資を見極めるのは難しいですが、不動産投資を行う目的から一緒に考えてくれたり、自発的にリスクを伝えてくれたりするかを判断軸とすることができます。
また、投資家を一番に想い、時には「不動産投資をしないほうがいい」とはっきり伝えてくれる営業マンが信頼できるといえるでしょう。
(2)第三者へ相談する
不動産投資の成功には、良い不動産会社や優良な投資物件を選ぶことが必須です。とはいえ、良い不動産会社や優良な投資物件を見つけるのは、非常に難しいといえます。
初心者であれば、なおさらです。
基本的に不動産投資の相談は、提案を受けた不動産会社にする方が多いと思います。
前項でお伝えした通り、本当に優良な物件をおすすめしているとは限りません。
不動産投資はその後の人生に大きくかかわる、大きな買い物をすることになります。
後悔しないために、不動産投資の経験が豊富な第三者に相談することをおすすめしています。
しかし、身近にプロの不動産投資家がいないという方もいらっしゃると思います。
そんな時は、当メディア「不動産投資の教科書」が提供しているセカンド・オピニオンサービスをぜひ利用してみてください。
相談対応するメンバーの中には、投資物件を20戸以上保有中のプロの投資家もいます。
販売会社ではないので、本当にその物件を購入していいのか公正な立場でアドバイスしています。
4、アパート経営をせずに不動産を有効に活用する方法
アパート経営以外の方法で不動産活用したいと考えた方もいらっしゃるかもしれません。アパート経営以外にも、不動産を活用する方法はあります。
まとめ
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
今回は、アパート経営はするなといわれる理由についてお伝えしてきました。
アパート経営はするなといわれる理由のほとんどは、事前に把握し対策しておけば回避できます。
この記事が、投資家様の不動産投資成功へのお力になれば幸いです。