巳年は「天井」か、それとも「新たな高み」か?
日本の株式市場は、不思議なことに干支と相場の動きに関係があるとされる「干支格言」が存在します。
たとえば、「辰巳天井」「午尻下がり」「卯は跳ねる」といった格言は、過去の株価データを分析すると、ある程度一致していることが確認されています。
2025年は巳年。この「天井」とされる来年は、一体どんな年になるのでしょうか?歴史とデータを見ながら、来年の相場を大胆予測してみましょう!
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干支と株価、謎のシンクロ
干支格言の中でも「巳年」は特別な存在です。「天井」を暗示する年として知られ、過去の巳年には大きな上昇が見られます。たとえば、2013年の巳年は日経平均株価が驚異の+56.7%というパフォーマンスを記録。これは「巳年伝説」とも呼べるレベルの上昇率です。
16,291.31 前年比:+5,896.13 (+56.72%)
始値:10,604.50
高値:16,320.22
安値:10,398.61
参考:日経平均チャート資料室
1950年から2023年までの74年間における日経平均株価の平均上昇率は+11.0%。干支ごとに見ても、この格言に合致するような特徴が見られます。
特に、平均上昇率が+11.0%を上回る干支は以下の6つです:
- 辰年(+28.0%)
- 子年(+22.5%)
- 卯年(+18.0%)
- 亥年(+16.5%)
- 酉年(+15.7%)
- 巳年(+13.4%)
巳年の平均上昇率は+13.4%で、全体の平均である+11.0%を上回る好成績。こうなると「巳年に投資しておけば間違いない」と言いたくなりますが、ちょっと待った!巳年は「天井」というだけあって、上昇の後には注意が必要かもしれません。
2024年の「辰年」を踏まえて2025年を予測
2024年の辰年は、11月時点で既に+15.7%の上昇を記録しており、「辰巳天井」の初段階を迎えています。この流れで2025年の巳年に突入すれば、さらなる上昇も期待できますが、「天井」という言葉が示す通り、調整局面が訪れる可能性も高いです。
ここで考えたいのは、巳年が単なる「天井」なのか、それとも「次のステージへのステップ」なのかということ。歴史的に見ても、巳年のあとには大きな動きが続くことが多く、2025年の株価動向は一筋縄ではいかない年になるかもしれません。
干支と株価のおもしろいデータ
干支格言をもっと楽しむために、他の干支と株価の関係を少しご紹介します。
卯年(2023年):+28.2%
「跳ねる」と言われる卯年は、まさにウサギのようなジャンプ力を発揮。今年は+28.2%の上昇で、格言通りの結果を残しました。
午年(2014年):+7.1%
「尻下がり」と不名誉な格言を持つ午年。過去74年間でも唯一の平均下落率(▲5.0%)を誇り、格言の正確さに拍手を送りたくなります。
巳年(2013年):+56.7%
「天井」を予感させる巳年は、過去には驚異的な上昇率を記録。まさに市場を「ヘビのようにぐるぐると巻き付く」ような勢いを見せました。
2025年の巳年、どんなシナリオが待っているのか?
ここで巳年のキーワードを一つ追加しましょう。「天井」の他に、「冷静さ」が必要な年でもあります。上昇が続けば投資家心理が過熱しがちですが、その背後には常にリスクが潜んでいます。
巳年の相場を楽しむためには、以下の3つがカギとなるでしょう。
金融緩和政策の持続性
日本銀行の金融緩和政策がどの程度維持されるかは、日本株式市場に直接的な影響を与えます。もし金融緩和が続くならば、低金利環境が資金流入を促進し、株価の上昇につながるでしょう。
一方、利上げに転じる場合は、企業の借入コストが増加し、株式の魅力が低下する可能性があります。
国際的な影響
FRB(連邦準備制度)の利上げや金融引き締めが進む場合、新興市場から資金が引き上げられ、日本市場も影響を受けます。一方、米国経済の成長が堅調であれば、グローバルな投資家心理が改善し、日本株も恩恵を受けるでしょう。
中国経済の動向も気になるところです。
日本の輸出産業にとって中国は重要な市場であり、中国経済の成長率や政策は日本株に影響を与えます。中国の景気減速や地政学的リスクは株価の下押し要因となり得ます。
地政学的リスクと国際情勢
東アジア地域での地政学的緊張は、日本市場に対して大きなリスク要因です。特に、台湾海峡をめぐる緊張や朝鮮半島での不安定な動きが、投資家心理を悪化させる可能性があります。
そして、 ウクライナ情勢のような国際紛争が続く場合、エネルギー価格の上昇が企業収益にマイナスの影響を与える可能性があります。エネルギーコストが増加すると製造業の利益率が低下し、株価にネガティブな影響を与えるでしょう。
相場格言から予測する2025年の相場!Q&A
Q1: 巳年はなぜ「天井」が注目されるのですか?
相場格言では「巳年は天井」という言葉があります。これは、過去の巳年において株価が大きな天井をつけた年が多いことに由来します。例えば、2013年の巳年では日経平均株価が大幅に上昇し、5月には一時的に高値を記録しました。このため、2025年も同様に大きな相場のピークが訪れる可能性があると予測されます。
Q2: 巳年に「天井」をつける背景にはどのような要因がありますか?
歴史的に見ると、巳年は経済政策の転換点や国際情勢の変化など、大きな出来事が重なることが多いです。また、心理的な影響もあり、投資家が「高値警戒感」を持つことで利確売りが増えやすい傾向があります。2025年も、地政学的リスクや経済の転換期が影響を与える可能性が高いです。
Q3: 2025年の巳年で具体的に注目すべき経済イベントは何ですか?
いくつかの重要なイベントが予想されます。
国内外の金融政策 日本銀行やFRBが金融緩和を維持するか、引き締めに転じるかが大きな焦点です。
地政学的リスク アジア地域の緊張やエネルギー問題が、株価に影響を与える可能性があります。
新技術の台頭 AIやグリーンエネルギーといった成長分野が投資テーマとして注目されるでしょう。
Q4: 巳年の「天井」を活用した投資戦略は?
以下のポイントを押さえた戦略が有効です。
早期の利確 市場が加熱しすぎる兆候を見逃さず、高値圏で利益を確定させることが重要です。
分散投資 天井を見極めるのは難しいため、リスクを分散させることが効果的です。
防御的セクターへのシフト 株価の調整局面に備え、防御的なセクター(医療、生活必需品など)に資金を移すタイミングを見極めることが求められます。
Q5: 巳年の「天井」を予測するための具体的な指標は?
以下の指標に注目することで「天井」の兆候を察知しやすくなります。
PER(株価収益率)の過熱感 市場全体のPERが過去平均を大きく上回る場合、割高感が意識される可能性があります。
出来高の急増 高値圏で出来高が急増する場合、天井形成のサインとなることが多いです。
投資家心理指数 楽観的なムードが強まると、高値警戒感が薄れやすく、天井を形成しやすい状況となります。
Q6. 巳年の「天井」を超えた場合、どう行動すればよいですか?
予想以上の上昇が続く場合、以下の行動が考えられます。
段階的にポジションを縮小 一部利益を確定しつつ、さらなる上昇にも対応できる柔軟な姿勢を取ります。
テクニカル指標を活用 RSIや移動平均線から過熱感やトレンドをチェックし、適切なタイミングで利益確定を行います。
長期目線での投資 短期的な変動に左右されず、成長が期待できるセクターに資金を振り分けます。
2025年の巳年は「予想外」を楽しむ年に
干支格言に従えば、巳年の2025年は「天井」を示唆する年。過去のデータからも大きな上昇を期待できますが、同時にリスクにも備えるべきタイミングです。
投資においては格言に頼るだけでなく、経済指標やグローバルな動向を注視しながら戦略を立てることが重要です。歴史的な「巳年」の動きを参考にしつつ、新しい年の市場に向けて準備を進めていきましょう。
そして、2025年の巳年は、ヘビのようにうねりながら予想を裏切る展開が待っているかもしれません。投資家としての冷静さを保ちながら、格言を「歴史のヒント」として楽しむ気持ちを忘れずに挑みましょう。