• 不動産投資
  • 2019/3/4

【自分でできる不動産価値の調べ方】第2回 机上調査で所有者や規制を確かめる

不動産投資の判断で現地を見るのは必須です。しかし、会社勤めの人などは、平日に時間は取りにくいでしょう。その場合、限られた時間で、効率よく物件を探すためには「机上調査」という資料や書類などを自宅で確認する作業が重要です。

これは「書類審査」ともいえるもので、調査をすることで現地に行く前に投資に適している物件かを判断できます。今回は、この机上調査で大切な権利と法律の規制に関する調査のポイントを解説します。(田井能久・不動産鑑定士、ロングステイアドバイザー、タイ・バリュエーション・サービシーズ代表取締役)

権利は登記簿で調べる

まずは権利の調査について説明していきましょう。

(1)所有者を確認する「甲区」とは?

不動産はその特性上、さまざまな権利の付着ができます。そのため、利用者=所有者と断言はできません。そこで、まずは何よりも所有者を知る必要があります。

これは、法務局で入手できる、重要事項説明書(登記簿)で確認ができます。登記簿は「甲区」と「乙区」で構成されています。そして、所有者を確認するには甲区を調べます。この権利部(甲区)の項目の「権利者その他の事項」に、売買や相続などの原因とともに、所有者が記載してあります。これが本当に現在の所有者として正しいのかを確認します。

最近は、相続が発生しているのに、相続人が登記していないケースも増えています。例えば、30年以上も所有者が変わっていない物件などは注意しましょう。

(2)「乙区」も参考になる

乙区とは、所有権以外の権利に関する事項を記載するものです。区分地上権や地役権など直接不動産の利用に制限がかかるもの以外に、担保の対象かが分かる抵当権も記載されます。

もし、抵当権があったからといって、それで売買が阻害されることはありません。現在の所有者が売買金額から残っている債務を弁済すれば、新しい所有者には不利益を被らないのです。

ただし、乙区で債権者として記載されているのが、耳慣れない金融機関で、頻繁に取引会社が変わり抵当権の設定の頻度が著しい場合、そうした不動産オーナーはお金に関して、少々ルーズな場合が多いといえます。そして、物件の維持管理もルーズな傾向があります。断定はできませんが、私の経験上から言えることです。判断の材料として参考にしてください。

(3)地面師問題

昨年、本人に成りすまし、他人の土地を勝手に売ってお金をだまし取る、「地面師」と呼ばれる詐欺集団が話題になりました。この事件で驚くべきは、だまされた人が不動産の知識がない素人ではなく、一流企業に勤める不動産の専門家だったことです。

理由があるとは思いますが、「不動産売買における所有者の確認」という基本の重要さを改めて思い知らせられる事件でした。みなさんが投資家として活動する際には、このようなトラブルに巻き込まれる可能性があることも十分に認識しておく必要があります。

机上調査で確認すべき法律とは

机上調査で大切なポイントの2点目は「公法上の規制」です。簡単にいうと法律や規制を調べることです。不動産は法律上の制約を受けます。そして、その規制も年々変わることがあるので注意が必要です。ここでは、特に着目すべき法律や規制を説明します。

(1)都市計画法と建築基準法

不動産の利用を規制する法律はたくさんあります。その中から、「都市計画法」と「建築基準法」を、まずはチェックします。

都市計画法では、物の用途に関して制限する「用途地域」は、必ず調べましょう。更地であるなら何が建てられるのか、もし今、建物があっても建て替えなどで同じ建物が建てられるのかは、この用途地域が重要な判断材料になるのが理由です。

一方、建築期基準法は、安心で安全に建物を建てることを目的に最低限度の品質を保持するために決められている法律です。建物の敷地に関する規制や建物そのものの構造や仕様を規制しています。

これらのすべてを理解するのは難しいのですが、それでも「敷地の接道義務」と「建ぺい率」や「容積率」といったことは知っておくべきです。

(2)地域による規制

不動産で、さらに複雑なのは、説明した法律という全国的な規制に加えて、県や市などの小さな行政単位で、条例や指導要綱などの細かい規制が作られていることです。

例えば、東京と地方では条例などは異なります。そのため、建物にかかる規制も違ってきます。京都などの歴史がある街は、重要な文化財を残すために街並みの規制が厳しく、建物の立体利用にも制限がかかっています。このように、それぞれの地域の特性に合わせた条例があることを知っておき注意を払う必要があります。

2つの確認だけでも判断材料になる

机上調査では、必要に応じて調べることはたくさんありますが、今回は特に重要な所有者と公法上の規制に絞って解説しました。現地調査前に、この2つだけでもしっかりと調べることで、投資に適した物件かを判断する重要な材料にはなります。ぜひ実践してみてください。次回は、現地調査について説明します。

【自分でできる不動産価値の調べ方】シリーズ
第1回 まずは不動産の特徴を知ろう!
第3回 現地調査で立地・建物を確かめよう
第4回 真の市場価値が分かる取引事例比較法とは

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