• 不動産売却
  • 2022/11/7

不動産売却益にかかる税金|税理士に聞いた譲渡所得税の求め方と「安く」する方法

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不動産売却益の税金は、どんなものがあるかご存知ですか?

不動産売却益が出た場合、所得税と住民税という税金がかかってきます。

今回は譲渡所得やその税金の計算方法や納税方法、さらに安くする方法について解説していきましょう。(監修:税理士・鈴木まゆ子)

「不動産売却税金」について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せて読んでみてください。

【税理士監修】不動産売却での税金は3種類|譲渡所得の計算も解説


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1、不動産売却益が出た場合の税金のキホン

不動産の売却で売却益が出た場合、その利益のことを譲渡所得といいます。この譲渡所得には税金が課されます。

2、不動産売却益にかかる譲渡所得税の計算方法

(1)譲渡所得の税金の計算方法

譲渡所得に課される税金は、以下の計算式で計算します。

「譲渡所得の税金=課税譲渡所得税率(所得税・住民税)(※1)」

※1税率は分離課税として、保有期間に従い、以下のように区分されます。なお、所得税率には復興特別所得税も加味しています。

  • 売却年の11日で保有期間が5年超…20.315%(所得税率15.315%、住民税率5%
  • 売却年の11日で保有期間が5年以下…39.63%(所得税率30.63%、住民税9%

課税譲渡所得は次の計算式で算出します。

「課税譲渡所得=売却価格(購入価格+購入時にかかった諸経費+売却時にかかった諸経費)」

(2)譲渡所得にかかる税金をシミュレーション

【例】以下の条件で売却した不動産の譲渡所得の税金はいくらになるでしょうか。

  • 譲渡資産の売却価格:4,000万円
  • 譲渡資産の購入価格:3,000万円
  • 譲渡資産購入時の諸経費:320万円
  • 譲渡資産売却時の諸経費:150万円
  • 所有期間:6年

【計算方法】

課税譲渡所得=4,000万円3,000万円+320万円+150万円)=530万円

譲渡所得の税金=530万円☓20.315%(長期譲渡の場合の所得税率及び住民税率)=106万円

詳しい計算方法については、「不動産売却でかかる「3つの税金」と節税方法」をご参照ください。

3、不動産売却益にかかる譲渡所得税の納税方法

譲渡所得の税金を納付するには、確定申告の手続きを行うことになります。確定申告及び納付は、不動産を売却した年の翌年315日までに行わなくてはなりません。

納税は原則として金銭で行います。

所轄の税務署や郵便局・金融機関で納付書を利用して納付するのが一般的ですが、口座からの引落やクレジットカードによる納付も行えます。

確定申告の手続きや必要書類などは「【税理士が教える】サラリーマンでも確定申告が必要な6つのケースとは?」をご参照ください。

4、不動産売却益にかかる譲渡所得税を「安く」する3つの方法

譲渡所得の税金は、「不動産が居住用物件である」などといった一定の要件を満たせば、以下の特例を受けることによって、安く抑える事が出来ます。

では、それぞれの場合をみていきましょう。

(1)3,000万円の特別控除の特例

マイホームを売却した時、一定の要件を満たせば、物件の所有期間に関係なく、譲渡所得から最高 3,000 万円の特別控除の特例を受けることができます。

計算方法

以下の計算式にて算出する事ができます。

「譲渡所得の税金=(課税譲渡所得(長期/短期)-3,000万円)税率」

シミュレーション

【例】所有期間が6年という長期課税譲渡所得が3,500万円で3,000万円の特別控除の特例を受けた場合、譲渡の税金(所得税・住民税)はいくらになるでしょう。

3,500万円ー3,000万円)☓20.315%=1015750

(2)所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例

居住用不動産の所有期間が10年以上の場合のみ、「3,000万円の特別控除の特例」と併用して軽減税率の特例を利用する事ができます。

軽減税率の特例を利用した場合、以下の計算式にて計算します。

<課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合>

「譲渡所得の税金=課税長期譲渡所得税率14.21%(所得税率10.21%、住民税率4%)」

<課税長期譲渡所得金額が6,000万円以上の場合>

「譲渡所得の税金=(課税長期譲渡所得-6,000万円)税率20.315%(所得税率15.315%、住民税率5%)+600万円」

シミュレーション

【例】所有期間が11年で、3,000万円の特別控除の特例を利用後、課税長期譲渡所得金額が1,000万円の場合(3,000万円の特別控除の特例を利用前の課税長期譲渡所得金額が4,000万円の場合)、譲渡所得の税金はいくらになるでしょう。

4,000万円—3,000万円)☓14.21%=1421000

(3)特定の居住用財産の買換えの特例

不動産を売却し、代わりの居住用不動産を購入した場合、一定の要件を満たせば、特定の居住用財産の買換えの特例を利用することができます。この特例を用いることで、譲渡益に課される税金を繰り延べることができます。

ただし、本制度はあくまでも「繰り延べ」であって「税金0円」になる制度ではありません。買換え時における売却益は、今回購入した居住用財産を売却する時点でまとめて課税されることになります。

この買換えの特例を利用した場合、繰り延べされる譲渡所得の額の計算方法は次のようになります。。

特例の適用対象となる譲渡所得の金額=収入金額(※1)-必要経費の額(※2)

1 収入金額=売却した居住用財産の売却価額-買換えで購入した居住用財産の購入価額

2 必要経費の額=(売却した居住用財産の取得費用+売却した居住用財産の売却に要した費用)×((※1)÷売却した居住用財産の売却価額)

シミュレーション

【例】以下条件で居住用財産を買い替えた場合、この買換えの特例が適用されて繰り延べになる譲渡所得の額を考えます。

  • 売却した居住用財産の売却価格:4,000万円
  • 売却した居住用財産の購入価格:3,000万円
  • 居住用財産売却に要した費用:150万円
  • 買換えで購入した居住用財産の購入価額:3,200万円

収入金額=4,000万円ー3,200万円=800万円

必要経費=(3,000万円+150万円)800万円/4,000万円)=630万円

この買換えの特例の適用対象となる譲渡所得金額=800万円ー630万円=170万円

つまり、この170万円が今回購入した3,200万円の居住用不動産売却の時まで繰り延べられることになります。

5、不動産売却益にかかる税金について相談する

税金については、税理士・会計士の専門家に依頼するのもよいでしょう。

もし税理士の知り合いがいない場合には、インターネットで「税理士 不動産売却 税金」などのキーワードで検索して探すことをオススメします。

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まとめ|不動産売却益にかかる税金を理解して「賢い不動産売却」を

今回は不動産を売却の際に売却益が出た場合の税金について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

譲渡所得や課される税金の計算方法や納税方法についてはもちろん、節税するための方法もしっかり理解して、賢い不動産売却を行っていきましょう。

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