• 不動産投資
  • 2023/6/15

マンション投資が失敗する原因は計画の甘さ?事例から対策を解説

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マンション投資における失敗の定義を「トータルの収支がマイナスになる」ことだとすると、失敗する人の多くに共通するのは、投資に対する“計画の甘さ”です。

計画をおろそかにしていると、不動産投資のリスクを高めることに繋がります。

この記事では、特に初心者の不動産投資家が行ってしまいがちな計画の甘さについて事例と対策を解説します。

※以下の記事も併せてお読みください。

不動産投資の失敗事例5つ|失敗から学ぶリスク回避策

初心者が知っておくべき不動産投資のバイブル
初心者が知っておくべき
不動産投資のバイブル
  • 不動産投資に興味があるけど何から始めていいか分からない…
  • 営業マンのいうことを鵜呑みにして失敗したくない…
  • しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
  • 今は不動産投資の始めどきなのか?
  • 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
  • 不動産投資の失敗例から学ぼう


1、マンション投資の失敗事例

老後の資金のため中古マンションに投資したが

(1)マンション投資を始めた経緯

上場企業の取締役Sさん(50代、男性)は、長年で勤め上げた企業を退職。かなりの額の退職金をもらうことができました。

一方で、奥さんが専業主婦だったこともあり「老後の資金がないな……」と感じていました。

Aさんは別の会社で再就職ができました。しかし、老後の不安もあって「何か定期的に入ってくる収入はないか?」と副収入の手段を探し始めます。そんな折、友人がアパート経営で成功しているという話を聞き、不動産投資に興味を持ちます。

「一度不動産投資セミナーでも聴きに行ってみるかな」

Aさんはこう思いました。ちょうどその頃、不動産大家で有名な先生が、中古マンション不動産投資セミナーを行うことを知り、参加することにしたのです。

有名な先生だけあって、会場には多くの人が出席していました。

そして、そのセミナーでは

「銀行金利と比べてこんなに高い利回り!」

「手元資金ゼロでも大丈夫!」

「有利な融資でレバレッジ(てこの原理)がかけられ大きな収益!」

「ここだけの特別情報!」

という参加者の心をくすぐる文句が次々に飛び出しました。

この言葉を聞いたSさんは、大きく心を動かされます。

そして「これは買わないと損ではないのか……」と思い始めたのです。一方で「そんな甘い話はないのでは?」という考えもよぎりました。

しかし、セミナーで見せられた、しっかりと作られた収支予測を見る限りでは大丈夫そうに思えました。

さらに「有名な先生が変な物件を紹介しないだろう……」という思いや「待っているとすぐに売れてなくなってしまう」というあおり文句にも促されて、仮申し込みと詳細打ち合わせの予約をしたのです。

打ち合わせ後は「契約→銀行融資→決済」と手続きが順調に進みました。

Sさんは、夢の大家生活が始まることに、期待に胸を膨らませます。そして、最初の家賃(賃料)が予定通り入金された時は、「何年で融資を返して、次の物件を購入することを考えないといけないな……」と考えていたのです。

(2)“意外な”出費と空室

ところが、急に暗雲が垂れ込めます。

3カ月もたたないうちに、入居者から「水回りの調子が悪いので修繕してほしい」「鍵が固いので交換してほしい」「ガスが火が付かないので給湯器を交換してほしい」と、次々に要求され、出費が大きくかさんでいったのです。

Sさんは、こうした修繕要求に応えるのは大家の義務と思い全てを行いました。その作業も一段落して「やれやれ」と思っていた矢先のことです。入居者から来月には退去したいという連絡が来たのです。それでも、Sさんは「これは仕方ないことだ」と思いました。

そして、入居者の退去後には早々に新しいテナントを募集するために、近くの不動産会社に相談に行ったのです。

「この賃料では借り手はいませんよ」。

不動産会社の担当者は開口一番、こう言い放ちました。

今の家賃が相場よりも高いことが理由でした。そして、提案されたのは、今より20%も低い家賃でした。さらに「新しい入居者は、すぐに決まるかどうかは分かりません」とも言われたのです。

驚いたSさんは、参加したセミナーの先生に尋ねます。

しかし「そういうこともあります。契約時に収支などを納得した上で購入されましたよね」という答えしか返ってきませんでした。

設備改善、入居者退去、家賃減……Sさんは夢を見ていた副収入が期待できないという現実を知ったのです。

家賃収入が期待できない物件を持っていても仕方がないと思ったSさんは、慌てて売却をすることに決めます。ただ、売却価格は購入時よりも20%も低い金額。それでも、Sさんは泣く泣く手放すことにしたのです。

(3)Sさんのマンション投資が失敗した原因

老後資金の確保のために、不動産投資に手を出したSさん。なぜ、このようなことになってしまったのでしょうか。

考えられる失敗の原因は以下の3つです。

  • 表面利回りが中古にもかかわらず、新築の利回り並みに算出されていた
  • もともとの賃料が相場より高かった
  • 中古にもかかわらず、建物の価値の下落を考えていなかった

しかし、一番の原因は「セミナー講師や不動産会社を疑わなかったこと」ではないでしょうか。

Sさんと同じ轍を踏まないためには、セカンドオピニオンとして、不動産コンサルタントや不動産コンサルティングマスター、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士など専門家に、報酬を支払ってでも必ず相談をするべきなのです。

もし、こうした専門家が身近にいなければ、知り合いの不動産会社や建築士に相談してみましょう。それだけでもマンション投資で失敗する確率は違ってきます。

不動産投資で失敗しないためには、必要な相談や調査はお金を出してでも依頼する心構えが大切です。

頼れる相談相手を見つけることができれば、投資の成功率は上がります。大事な資産を守るためにも常に心がけるようにしましょう。

2、マンション投資で見るべきポイント3つ

マンション投資注意点3つ

マンション投資の計画を立てる際に、特に注意すべきポイントはどこなのでしょうか。

「しっかりと確認しない=計画の甘さ」が失敗に繋がってしまうポイントは以下の3つです。

それぞれについて、具体的に説明をしていきましょう。

(1)利回り

失敗事例で最も多い要因です。

「利回り」は、年間賃料から年間管理費などを控除したものを物件価格で割って計算します。

現在の賃料が相場より高いと利回りが上がります。一方、そのテナントが退出した場合、利回りは下がります。

管理費や修繕費が必要な金額より少なかった場合は、利回りが上がります。一方で、建物の修繕費などが多く出ることになれば、利回りは下がります。

このことから、利回りというものは、現在の価値を瞬間的に切り取っただけのものでしかないことが分かってもらえると思います。

つまり、物件情報にある利回りの数字は、状況などで上にも下にも変わるのです。

記載された数字を無条件に信用してしまうことは、不動産投資で失敗の原因につながります。

不動産投資を始めると金融商品のように感じるかもしれません。これは間違ってはいないのですが、最も大きな落とし穴になる可能性があるのです。

(2)エリアの成長性(物件の立地)

次はエリアの成長性に対する見通しの甘さです。自分が投資を考えている物件がある場所が、どのような特徴があり、今後街や地域として成長性があるのかを詳しく確かめずに、物件の利回りだけを見て不動産投資をすると、失敗をする可能性が高くなります。

そうならないために立地は必ず確かめましょう。

具体的には、今後、人口が増えるエリアなのか、大きな開発が予想されるか、大学などの教育機関が移転する予定があるのか、競合物件が多く建てられる予定はあるのか、駅からの繁華街のエリアは徒歩で何分程度なのか、大雨で浸水が予想されているエリアなのか、火災による延焼の可能性はないのか、など多岐にわたって調査することが大切です。

また、立地について、よいことしかいわない仲介会社のいいなりになってはいけません。

(3)賃貸需要

賃貸需要の見通しの甘さも不動産投資の失敗につながります。

例えば、首都圏の場合は、どの沿線なのか、どの駅かによって賃貸需要は異なります。また、急行の停車駅か、そうでないのかによっても、賃貸需要は違うのです。

不動産投資を始める人は、どうしても今まで慣れ親しんだ土地や住んだことのある場所で投資をしがちな傾向があります。しかし、「住みたい街」と「投資に向いている街」は違うのです。

3、マンション投資で失敗する「計画が甘い人」の傾向

不動産投資で見通しが甘い人の例として、投資をすれば、何もしなくても自動的に副収入を手に入れることができて、豊かな老後を迎えることができるといった夢ばかりを見てしまうことが挙げられます。

これは、例えば、アメリカの投資家であるロバート・キヨサキの著書「金持ち父さん」シリーズを読んだとか、不動産投資の成功談を聞いて、自分も同じことができるだろうと思ってしまうことが背景にあったりします。

「賃貸用の不動産を購入して、後は管理会社や不動産投資会社などに任せておけば、チャリン、チャリンとお金が入ってくるのを待っていればいい」。こう思っている人も失敗する可能性が高い見通しの甘い人といえます。

2つに共通するのは、正しい知識を得たり、正確な調査を行わずに、投資からのリターンだけに目がいってしまっていることです。でも、それは大きな罠かもしれないのです。不動産投資を始めるのであれば、このような考えは改めましょう。

物件の利益と損失を分析したり、入居者を獲得するためにマーケティングを行ったりするなど、“不動産投資はビジネス”なのです。このことを理解しなければいけません。

また、これから大家業に参入するのは不利な面があります。

多くの賃貸物件が、すでに世の中にはたくさんあり、しかも海千山千の大手不動産投資会社やデベロッパー、昔ながらの地元の大家さんなどが競合になるため、簡単な投資とはいかないと心得ておきましょう。

まとめ マンション投資で失敗しないために

マンション投資で成功するには、仲介会社やデベロッパーの意図を見透かし、自分で物件を見る、建物の管理は自分でやってもよいぐらいの泥臭さが必要です。

決して、楽をしてもうかるというものではないのです。

一方で、不動産投資をビジネスとしてとらえて、正しい取り組みをすれば、利益を生んでくれるのも事実です。そのために、説明した3つの点には注意を払ってみてください。

ご自身で判断することに迷った場合は、不動産投資の教科書「セカンド・オピニオンサービス」にご相談ください。

セカンド・オピニオンでは、

  • いい不動産投資会社のポイントを知りたい
  • 買っていい物件なのかわからない
  • 提案された物件を不動産投資経験者に見てもらいたい

といった相談ができます。

セカンド・オピニオンを担当するのは、編集部に在籍する現役の不動産投資家です。そのため、不動産会社で聞きにくいことも聞けますし、営業されることもありません。

多くの投資家に知ってもらいたく、現在無料で相談できます。ぜひご利用ください。

初心者が知っておくべき不動産投資のバイブル
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