不動産の売却は、まず「査定」をすることから始まります。
査定をすることで、自分の不動産の価値を知ることができるからです。
しかし、査定方法には様々なものがあります。
マンションや一戸建て、土地などの不動産売却を成功させるために、査定について理解しておくことはとても重要なことです。
そこで今回は、
- 不動産の無料査定とは
- おすすめの無料査定サイト
- 査定から売却までの流れ
- 査定方法
- 売却を成功させるためのポイント
について詳しく解説しますので、参考にして頂けると幸いです。
今回の記事をご覧の方は、以下の記事も併せて読んでみてください。
より手間なく高く売却するには?
- 一括査定サイトの利用がおすすめ
- 複数の査定結果を比較することで相場がわかり、より高値で売却することができる
- サイトの審査に合格した大手・優良企業1,800社以上と提携
- 「プライバシーマーク」を取得しているので個人情報の取り扱いに安心感がある
目次
1、不動産の無料査定とは
不動産の無料査定とは、売りたい不動産の価格を無料で不動産会社に査定してもらうことです。
不動産の売却を検討するときは、いくらで売れるのかを予め算出してもらうことで、不動産の価値を知ることができます。
しかし、ここで1つ注意しなければならないのが、不動産査定はあくまでも「このくらいの値段で売却できるだろう」という予測であり、実際にその査定額で不動産が売却できるというわけではありません。
不動産を買い取るのは不動産会社ではないため、査定額を上回る時もあれば下回る時もあります。「査定はあくまでも目安」ということを忘れないようにしましょう。
(1)なぜ無料で査定できるのか
不動産の査定は、基本的に無料でしてもらうことができるため、不動産の売却を検討するほとんどの方が無料査定を行います。
査定をした不動産会社経由で売却が成立した場合、不動産会社に仲介手数料が支払われるため、無料で査定をしてもらえるのです。
(2)査定の種類
①有料査定
有料で査定する場合、国家資格である「不動産鑑定士」に依頼します。
有料査定のほとんどは売却ではなく、証拠資料を作成するという目的で行われるため、相続や財産分与をするといったケースでの依頼になります。
②無料査定
無料査定は、不動産会社が行います。
無料査定を利用する場合は、不動産を売却するという目的になるため、法的効力はなく不動産の価格を証明するものとして裁判所に提出することはできません。
2、無料一括査定のメリットと注意点
無料査定には、
- 不動産会社に出向く
- 特定の不動産会社の公式サイトで申し込む
- 一括査定サイトで申し込む
という3つの方法があります。
この中でもおすすめなのは、一括査定サイトでの申し込みです。
一括査定を依頼するとわかりますが、不動産会社にはそれぞれ得意なエリアや物件の種類があるため、会社によって査定額が異なります。
そのため、できるだけ多くの会社に見積を出してもらうことが、不動産売却の成功につながるのです。
しかし注意点として、申込後に不動産会社から何度もしつこい営業や強引な勧誘をされるといったケースもあります。
そのため、優良な不動産会社と提携している一括査定サイトを選ぶようにしましょう。
次章では、不動産投資の教科書が厳選した4社を紹介します。
3、無料の簡易査定サイトを紹介
(1)すまいValue(すまいバリュー)
すまいバリューは、不動産業界大手6社が直営している一括査定サイトです。
査定依頼できるのは6社ですが、総店舗数は全国841店舗、年間11万件(2023年度)の売却実績があり、安心して依頼できるでしょう。
出典:すまいValue
(2)HOME4U
一括査定サイトは、個人情報の入力が必要になるため、個人情報の保護対策が気になるかもしれません。
HOME 4UはNTTデータグループが運営しているため、セキュリティが心配という方でも安心して依頼できるサイトとなっています。
出典:HOME 4U
(3)SRE不動産
SRE不動産は、ソニーグループが運営するサイトで、運営会社は東証プライムの上場企業でもあります。
お客様満足度93.2%という数字からも、満足のいく売却が期待できるでしょう。
サービスエリアは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県となっていますので、対象エリアの方はぜひ依頼してみましょう。
出典:SRE不動産
(4)イエウール
イエウールは約2000社の不動産会社と提携しているため、できるだけたくさんの会社の中から査定依頼する会社を選びたい、と考えている方にぴったりのサイトとなっています。
査定依頼するときの情報入力も、簡単にできるように工夫されているので、査定依頼が初めての方でも簡単に申し込むことができるでしょう。
出典:イエウール
4、不動産無料査定から売却までの流れ
不動産査定の簡単な流れは、以下のようになります。
- 物件価格の査定を依頼する
- 査定・物件の確認・調査
- 不動産を売り出す
- 購入申し込み〜売買契約の締結
- 不動産の引き渡し
(1)物件価格の無料査定を依頼する
まず初めに、物件の無料査定を不動産会社に依頼しましょう。
前章でも説明したように、不動産会社に出向いたり、会社の公式サイトや一括査定サイトを利用するといった方法があります。
物件の査定を不動産会社に依頼する前に、近隣の売り出し中の物件などから、おおよその相場の目処をつけておく方法もあります。
(2)査定・物件の確認・調査
査定を依頼して、不動産会社に物件の確認・調査をしてもらいましょう。
不動産査定の方法は、主に2種類あります。
- 机上査定(簡易査定)
- 訪問査定(現地査定)
不動産会社に査定を依頼する際は、それぞれの違いを知った上で依頼をしましょう。
それでは順に説明します。
①机上査定(簡易査定)
机上(簡易)査定とは、実際に物件を見ることなく簡易的に物件を査定する方法です。
なぜ売却する物件を見ていないのに不動産会社が売却価格を査定できるのかというと、「公示地価」や「近くにある類似物件の相場」などと比べているからです。
これらに加えて、所在地・物件種別・延べ面積・築年数などが分かることで、おおよその基本的な査定額の算出が可能となっています。
物件の現地調査がないため、依頼後2、3日程度で査定額を知ることができるのがポイントです。場合によっては、その日の内に知ることもできるでしょう。
しかし、現地調査ではない分、訪問査定と比べて査定の精度は落ちてしまうというデメリットがあります。
②訪問査定(現地査定)
訪問査定とは、机上査定のデータなどに加えて、使用状況など現地を訪問しなければわからない状況も加味した上で査定する方法です。
実際に訪問するため、売却査定する物件だけでなく周囲の状況も把握することができます。具体的には、周りの建物によって日当たりが遮られていないか、街灯や周辺環境も査定額に反映されます。
そのため、机上査定よりも精度の高い査定となりますが、査定額が分かるまでに日数がかかることがデメリットとして挙げられます。
(3)不動産を売り出す
売り出し価格は、その後の売却活動に影響を与えます。
査定額=不動産を売り出す価格となる訳ではありませんが、自分が売り出したい希望価格を優先するのではなく、査定額や周辺環境を考慮した上で売り出し価格を決めましょう。
(4)購入申し込み〜売買契約の締結
不動産の売却活動を行い、購入申し込みがあれば売買契約の締結を行いましょう。
不動産を売却する側に希望条件があるように、購入する側にも希望条件があります。そのため、多少の価格交渉はあると思っておきましょう。
自分が納得のいく価格でなければ売却する必要はありませんが、不動産を売り出してからの経過期間や、今後も購入の目処はあるのかも考慮した上で交渉に応じることが大切です。
(5)不動産の引き渡し
売買契約が締結されたら、不動産の引き渡しに移ります。
引き渡しの手続きは、売買代金の受領と物件の鍵を渡すことで完了します。
また、不動産の売却により売却益を得た場合には、税金がかかることも忘れないようにしましょう。
関連記事:【税理士監修】不動産売却での税金は3種類|譲渡所得の計算も解説
5、不動産査定前に準備するべきポイント
不動産査定をする前に、以下の3つのことを行っておきましょう。
- 部屋の掃除、整理整頓
- 設備の修繕
- 必要書類の準備
(1)部屋の掃除、整理整頓
部屋の掃除を行い、整理整頓を行っておきましょう。
なぜなら、訪問査定の際に少しでも部屋を綺麗に見せることが重要だからです。使用状況が悪ければ、当然思い描いていたような査定額にはならないでしょう。
ここで注意するべきなのは、リフォームをしてから売却するのかどうかです。
良かれと思ってリフォームをしても、かかった費用を売却価格に上乗せできるケースはあまりないでしょう。
せっかく壁紙やフローリングをリフォームしても、新たな買い手によって再度修繕されるかもしれず、リフォーム代が無駄な出費となってしまいます。
したがって、リフォームよりも部屋の掃除や整理整頓を進めるようにしましょう。
(2)設備の修繕
査定額が下げられることのないように、できる限り物件に不具合があれば設備の修繕をしておきましょう。
具体的には、雨漏りやシロアリ被害、外壁のひび割れやドアの隙間など、住んでいて不快に思うようなものが当てはまります。
他にもキッチン周りの汚れや水場の汚れ、カビなど、衛生的でないという印象を持たれないように対策しておくことも大切です。
(3)必要書類の準備
あらかじめ必要書類を準備しておきましょう。
必要となる書類は、売却する物件の種別によって異なりますが、主に
- 登記事項証明書
- 固定資産税納税通知書
- 公図
などの書類が必要です。
過去にメンテナンスをした物件は、証明書があれば査定時にプラスポイントになる可能性が高いので覚えておきましょう。
6、不動産の査定額を算出する3つの方法
不動産を査定する方法は、机上査定と訪問査定の2種類がありますが、実際に査定額を算出する方法は
- 取引事例比較法
- 収益還元法
- 原価法
の3つがあります。
それぞれどのような特徴があり、どのように査定額を算出するのか紹介します。
(1)取引事例比較法
取引事例比較法とは、対象不動産と同じような条件の不動産の取引事例の価格と比較をしながら、他の取引事例の価格をベースに、
- 市場全体の動向
- 取引の時期
などを踏まえて調整を行った上で、対象不動産の査定価格を算出する方法です。
不動産の査定価格を算出する際に、最も基本的な査定方法として使われています。
なお、不動産の実際の取引価格については、国土交通省の「土地総合情報システム」にて調べる事ができますので、ぜひ利用してみてください。
(2)収益還元法
収益還元法とは対象の不動産が将来生み出すだろうと予測される純利益と、現在価値を総合(収益価格)して査定価格を算出する方法です。
投資不動産の査定価格の算出において、多く使われている方法です。
収益価格を算出するには、以下の2つの方法があります。
- 直接還元法
- DCF方法
①直接還元法
直接還元法は、通常1年間における純利益を還元利回り(表面利回り)で割って、収益価格を求める方法です。
以下の計算式にて算出する事ができます。
「対象不動産の収益価格 = 1年間の純利益 ÷ 還元利回り」
例えば、以下の条件の物件の収益価格を計算してみましょう。
【物件情報】
家賃:180万円/年
諸経費:35万円/年
還元利回り:5%
収益価格 =(180万円−35万円)÷ 5% = 2,900万円
②DCF法
DCFは、「Discounted Cash-Flow」の略で、以下の2つの価値の合計を求める方法です。
- 対象となる不動産が所有期間中に得られる純利益を現在価値へと換算したもの
- 所有期間終了時に売却できるであろう価格を現在価値に割り戻したもの
直接還元法より予測の精度は高いと言われていますが、計算が複雑になっています。
DCF法について詳しくは、国土交通省の「不動産評価基準」の第7章をご参照ください。
なお、収益価格について詳しくは「収益価格とは?収益価格の仕組みや計算方法について」をご参照ください。
(3)原価法
原価法とは、対象不動産を仮にもう一度建築した場合の原価を割り出したあとに、建築年数により低下した価値を原価修正し、現時点の価値を推定する方法です。
主に、建物や一戸建ての査定価格を算出する際に使われています。
原価法は
対象不動産価格 = 再調達原価 − 減価修正
の計算式によって算出することができます。
建物の構造によって単価や法定耐用年数が異なりますが、例えば、以下の条件の建物の価格を算出してみましょう。
構造:木造
建築年数:11年
延べ床面積:200㎡
【計算】
15万円 × 200㎡ ×(11÷22)= 1,500万円
原価法での計算方法について詳しくは「積算価格とは?積算価格の計算方法について」をご参照ください。
まとめ
不動産の売却を考えているのであれば、まずは無料査定を依頼してみましょう。
不動産の査定を依頼する際には、不動産の一括査定を利用すると、一度に複数社の見積もりをもらい比較検討することができます。
訪問査定をしてもらう際のポイントについても、解説しました。
無料査定のメリットを活かし、不動産売却を成功に導いていきましょう。