オーナーチェンジ物件を見つけたことはありますか?
販売図面の「物件の状態」を示す欄に、「賃貸中」もしくは「オーナーチェンジ物件」と書かれています。
オーナーチェンジ物件とは、言葉の通りにすでに入居者がいて、オーナー(所有者)だけがチェンジする(変わる)物件のことを言います。
購入後すぐ家賃収入を得られることから、投資家の間ではかなり人気があります。
しかし、一見魅力的に感じるオーナーチェンジ物件ですが、注意点を抑えていないと実は購入して失敗してしまうケースもあります。
今回はオーナーチェンジ物件について『不動産投資の教科書』解説していきます。
- オーナーチェンジ物件のメリット
- オーナーチェンジ物件購入時の注意点
- オーナーチェンジ物件の探し方
収益物件の選び方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
不動産投資のバイブル
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- しっかりと基礎から学び、できる限りリスクを避けたい…
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- 安定収益を得るための不動産投資物件の選び方
- 不動産投資の失敗例から学ぼう
目次
1、オーナーチェンジ物件の3つのメリット
(1)購入後すぐに家賃収入を得ることができる
オーナーチェンジ物件にはすでに入居者がいて、賃貸借契約のオーナー情報(賃貸人情報)を変更して引き継ぐ形で物件を受け取ります。
空室の投資用物件を購入した場合、一般的には、正式な引き継ぎをする前から入居者の募集を行ったとしても、すぐに客付けができるとは限らず、1~2ヶ月は空室になる可能性があります。
一方、オーナーチェンジ物件ならば、賃貸募集などの手間をかけずに購入後すぐに不労所得を得ることができます。
(2)今までの経営状況を確認することができる
オーナーチェンジ物件は中古物件となりますので、今までこの投資物件の運用実績を調べることができます。
例えば、築15年の物件を購入するのならば、その15年間で
- いくらの家賃で賃貸に出されたか(15年間の推移含めて)
- 空室期間がどれくらいあったか
など賃貸としての運営状況を把握することができるのと同時に、
- 修繕履歴
- 管理費や修繕積立金の滞納はないか
など「重要事項調査報告書」から物件の管理状況を確認することもできます。
(3)入居者がいることで収支計画を立てやすい
投資不動産の収益性を判断する際に、多くの投資家は「利回り」を一つの基準とします。
空室だと、家賃は実際に入居者が決まらないと確定しません。
しかし、オーナーチェンジ物件であれば、家賃が確定していることから利回りを計算することができます。
また、1年間など長い期間での収支計画も立てやすいです。
2、オーナーチェンジ物件を購入する前に確認すべき6つのポイント
(1)現在の入居者の入居期間を確認する
入居者がいる場合、現在の家賃で利回りを計算される方が多いと思いますが、実はその入居者の入居期間が長い場合、その方が退去したタイミングで利回りが大きく下がる可能性があります。
なぜならば、建物が古くなるにつれ家賃が下がります。
つまり、入居時期が長ければ長いほど家賃が高くなっている可能性が高いのです。
従って、オーナーチェンジ物件の購入を検討する際に、現在の入居者の入居期間が長い場合、必ず購入する時点の家賃相場を調べて、利回りを計算するようにしましょう。
一方、入居期間が短い場合も注意する必要があります。
なかには通常の相場より高い家賃で身内を住ませて、利回りの良い物件して高価格で販売し、売り渡したらすぐに入居者を退去させるという悪質なオーナーもいます。
現在の家賃相場より低すぎる場合や高すぎる場合にはよく注意しましょう。
(2)購入後の賃貸管理会社について
オーナーチェンジ物件の場合、オーナーが変わることによって、現状の賃貸管理契約を終了することが多いです。
そのため、ご自身で新しく賃貸管理をしてくれる賃貸管理会社を探す必要があります。
とは言え、普段付き合いがないのにいきなり賃貸管理会社を探せと言われても、どのように探したらいいのかと困っている方も少なくないでしょう。
その場合、インターネットで「賃貸管理会社」などのキーワードで検索してみて下さい。また、管理会社と付き合いがある不動産業者でしたら、紹介してもらうのも一つの選択肢として挙げられます。
なお、現在の賃貸管理会社が引き続き賃貸管理をしてくれる場合もありますので、忘れずに確認するようにしましょう。新しい管理会社に依頼するより、今まで管理した実績があるという大きなメリットがあります。
(3)敷金の扱い方
賃貸物件の場合、入居するタイミングで「敷金」と「礼金」が発生する物件がほとんどです。
一般的には、「礼金」はオーナーに支払われるので、特に気にすることないですが、「敷金」は入居者のお金で、退去する際に部屋のクリーニング代や、煙草の煙による汚れや水回りの補修など現状復帰するための保証金として、賃貸管理会社が預かっているケースが多いです。
従って、オーナーチェンジ物件を購入する場合で、管理会社も変更して敷金がある場合必ずその費用を引き継ぐようにしましょう。
(4)保証人の有効期間をきちんと確認する
賃貸物件を借りる際に、万が一入居者が家賃を滞納したなどのトラブルを起こした場合の保証として、一般的には、
- 保証人
- 保証会社
どちらか(もしくはその両方)の保証をつけてもらう義務があります。
最近では保証会社を利用する人が増えています。
保証会社がついている場合には、インターネットなどで保証会社について簡単に調べることができるのであまり心配はありません。
一方で個人の保証人をつけている場合、中には入居期間が長く、入居期間は更新されたけど、保証人の更新ができていないケースもあります。
従って、保証人がついている物件の場合、購入する前に保証人の保証期間もきちんと確認するようにしましょう。
(5)「重要事項調査説明書」など管理記録をきちんと確認する
オーナーチェンジ物件の場合、物件の共有部分や外観、周辺環境を確認することができますが、入居者がいることから部屋の中は「内覧できない」ことが最も大きなデメリットとして挙げられます。
そのため、物件について購入後何らかの故障が発生した場合、購入したばかりなのに修理が必要になるということもあります。
そのため、部屋の中の状況を確認する必要があります。
内覧できない以上、
- 設備や状況一覧表
- 重要事項調査説明書
などの書類から確認することしかできません。
購入後すぐ修理が必要になるなどのトラブルを避けるためには、上記の書類等から、部屋が今まで行った修繕履歴、現在は何か不具合がないかをきちんと確認するようにしましょう。
なお、一般的には部屋の中に付属しているエアコンなど設備が壊れた場合の修理費はオーナー負担ですが、中には前オーナーと入居者との間で契約条件や支払いの方法などで特例を設けているケースもあります。
事前に賃貸借契約書の内容を忘れずに確認するようにしましょう。
(6)現在のオーナーが売却する理由
入居者がいることは、現在のオーナーにとっては安定した収益が確保できているということになります。
それにも関わらず物件を売却するには、何かしらの理由があると考えられます。
投資物件の場合、資産の組み換えによる売却が多いですが、中には急遽現金が必要などの理由で急いで売却するオーナーもいらっしゃいます。
急いで売却したい場合は価格交渉に応じやすい傾向がありますので、少しでも収益性を高くするには、事前に売却理由を確認して、価格交渉が可能かどうかの感触を掴むことも大切です。
3、オーナーチェンジ物件の探し方
最後にオーナーチェンジ物件の探し方をみてみましょう。
一般的には投資物件を取扱うポータルサイトにて物件を探すことができますが、人気エリアや利回りが高いの人気物件はサイトに掲載される前に既に売れてしまうことがほとんどです。
また、ポータルサイトの情報更新ペースが遅いため、最新の物件情報を得るにはやはり不動産会社のサイトから直接探すといいでしょう。
以下にて中古投資マンション物件を取り扱う不動産会社のサイトをピックアップしましたので、ぜひ物件情報を検索してみて下さい。
(1)トーシンパートナーズ
都心の中古マンション投資物件をメインに取扱う不動産投資会社です。
会計事務所が母体とている会社なので、税金などのアドバイスもしてもらえます。
掲載されているのは立地がよく、資産価値の高い物件なので、基本的にはオーナーチェンジ物件がほとんどです。
新着物件情報も随時更新されていますので、ぜひ検索してみて下さい。
(2)J.P.RETURNS株式会社(ジェイ・ピー・リターンズ)
J.P.RETURNS株式会社は、1,000万円以下の少額物件から、都心5区のハイグレードの投資マンション物件まで取り扱っています。
ひとり暮らし物件に限らずファミリータイプの物件も取り扱っています。
まとめ
今回はオーナーチェンジ物件のメリットと購入前のチェックすべきポイントについて説明してきましたがいかがでしたでしょうか。
オーナーチェンジ物件は購入後すぐ家賃収入が得られることが投資家にとっては大変魅力的な物件ですが、失敗しないためには直接に確認ができない物件の現状や引き継ぐ入居者の情報などをきちんと契約書などの書類を確認することが大切です。
今回の内容がこれからオーナーチェンジ物件の購入を検討されている方のご参考になれば幸いです。