「将来に備えて資産を増やしたいけれど、損失を出すリスクは負いたくない」年金の不足問題が叫ばれるなか、このように考えている方は多いはずです。
そんな方におすすめなのがローリスク投資です。
ローリスク投資なら、損失を出すリスクを最小限に抑えたうえで、堅実に資産を増やせます。
今回は、ローリスク投資の内容やメリット・デメリット、ローリスクでできるおすすめの投資の種類について紹介していきます。
目次
1、ローリスク投資とは?
ローリスクな投資とは、損失が出るリスクの低い投資です。
投資の種類によっては、損失を出すことなく確実に利益が得られます。
ただし、ローリスクな投資はローリターンでもあります。そのため、堅実に資産を増やせるものの大きな利益は見込めません。
まずはローリスク投資の基本的事項について押さえましょう。
(1)投資にリスクはつきもの?
ローリスク投資であればリスクはほとんどありません。
ローリスクではない、ほとんどの投資は元本が保証されていないため、投資に失敗すると投じた資金がゼロになってしまうほか、借金を負ってしまうリスクもあります。
しかし、ローリスク投資のなかには、元本が保証されているものもあります。こうした投資であれば、投じた金額が減ってしまうことはありません。
(2)ローリスク投資が向いている人
ローリスク投資は以下のような方に向いています。
- 投資の初心者
- 少しずつでもお金を増やしていきたい方
投資の初心者であれば、まずはローリスク投資から始めるのがおすすめです。
知識や経験のない人が、いきなりハイリスクな投資から始めると、大きな損失を出してしまう危険が高くなります。
そうならないためにも、最初はローリスク投資で投資の知識や経験を身につけましょう。
ローリスク投資は、少しずつ堅実にお金を増やしていきたいという人にも向いています。投資で一発当てたい方にはローリスク投資は向きません。
2、ローリスク投資をするメリット
ローリスク投資には、主に以下のメリットがあります。
- 大きな損失を避けられる
- ほったらかしのものが多い
ここでは、それぞれのメリットについて紹介していきます。
(1)大きな損失を避けられる
ローリスク投資の最大のメリットは、大きな損失を避けられることです。
投資の種類によっては、投資したお金が減ることもないため、損失そのものを避けられます。
(2)ほったらかしのものが多い
ローリスク投資には様々な種類がありますが、ほったらかし投資であるものが多いです。
自分のお金を預けた預け先がそのお金を運用し、利息や利益の分配金がもらえます。お金は預け先が運用してくれるので、投資家には運用する手間がかかりません。
つまり、投資家は一度お金を預けてしまえば、あとはほったらかしで資産を増やせるのです。
投資をしたいけど時間がない、などという方にはおすすめの投資とも言えるでしょう。
3、ローリスク投資をするデメリット
ローリスク投資には、主に以下のデメリットもあります。
- 利回りが低い
- 自由にお金を引き出せないものもある
それぞれのデメリットについて説明していきます。
(1)利回りが低い
ローリスク投資は「利回り」が低いのがデメリットです。
利回りとは投資額に対する利益の割合です。例えば、100万円を預けて、年間で5万円の利息があった場合、年間の利回りは5%になります。
ローリスク投資の利回りは、投資の種類によっては1%を大きく下回ります。そのため、一年単位で見ると極く僅かな資産しか増やせません。
(2)自由にお金を引き出せないものもある
ローリスク投資の金融商品は預入期間が決まっており、一定期間お金を自由に引き出せないものが多いです。
途中で引き出すことも可能ですが、この場合最終的な利回りが低くなるだけでなく、解約手数料がかかることもあるため注意しましょう。
4、初心者にありがちな投資の失敗例
リスクの少ないローリスク投資でも、失敗する確率がゼロというわけではありません。
特に初心者の場合、主に以下の理由から投資に失敗してしまうケースがあります。
- 勉強を一切しない
- 集中投資をしがち
- 自己資金以上の取引をする
それぞれ順に見ていきましょう。
(1)勉強を一切しない
投資に成功するためには勉強が不可欠です。この点は、ほったらかしのローリスク投資でも例外ではありません。
残念なことに、資金の運用業者のなかには投資初心者をカモにした詐欺まがいの業者もいます。勉強をしてないために知識がないのであれば、こうした業者に騙さやすくなります。
逆に、知識さえあれば投資詐欺なのか否かの判断ができるようになり、詐欺被害を受けるリスクも低くなるでしょう。
詐欺にあわないため、そもそも投資に失敗しないためにも、投資を始める前に基本的な知識は身に付けることが大切です。
(2)集中投資をしがち
投資の初心者は、1つの投資対象や金融商品に集中投資をしがちです。
しかし、リスクを低くするうえでは、複数の投資対象や金融商品に分散して投資する「分散投資」が重要です。
例えば、金融商品Aにのみ投資していた場合、Aで10万円の損失が出れば、そのまま10万円の損失になります。
しかし、金融商品AとBに分散投資していた場合、Aで5万円の損失が出てもBで5万円の利益が出れば合計の損失額は0円です。
このように、分散投資をすればどこかで損失が出ても他のものでカバーできるので、全体のリスクの低減が可能です。
(3)自己資金以上の取引をする
投資のなかには、自己資金に数倍のレバレッジをかけて取引できるものもあります。
例えば、株式投資の信用取引は、自己資金のおおよそ3倍での取引が可能です。不動産投資も、金融機関から融資を受けて、自己資金以上の額の物件を購入できます。
レバレッジをかければ、利益が数倍になりますが、損失が出たときのリスクも大きくなります。
不動産投資は自己資金だけですることは難しいですが、株式投資などの信用取引は、初心であれば自己資金以上の取引をするのはできるだけ控えましょう。
5、ローリスクでできるおすすめの投資4選
ローリスクでできるおすすめの投資は以下の4つです。
- 個人向け国債
- 定期預金
- 投資信託
- 不動産投資型クラウドファンディング
(1)個人向け国債
「個人向け国債」は、個人を対象にした国が発行する債券です。
債券とは、国や金融機関、企業などが投資家からお金を借りるときに発行する借用証書のようなものです。
国債を購入すると国にお金を貸したことになります。投資家には、定期的にこのお金の利息が支払われます。
また、個人向け国債には以下の3種類があります。
変動10年 | 固定5年 | 固定3年 | |
金利タイプ | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
満期 | 10年 | 5年 | 3年 |
適用利率 | 基準金利×0.66 | 基準金利-0.05% | 基準金利-0.03% |
いずれも購入単位は1万円で、利息の支払いは半年ごと0.05%の最低保障金利があるため、貸した金額に対して最低でも0.05%は利息がつきます。
国債は国が発行元なので、債務不履行の心配がほとんどありません。
安心して投資できます。
(2)定期預金
定期預金は預入期間が決まっている預金です。
普通預金に比べると、金利は高めに設定されているものの、原則として満期まで預け入れなければならないため、自由に引き出しができないのが特徴です。
また、定期預金では元本が保証されているため、預けた資金が減ることはありません。
定期預金の金利は、金融機関によっても異なりますが、年利0.01~0.03%のところが多くなっています。
(3)投資信託
投資信託は、運用の専門家が投資家たちから資金を集め、そのお金をもとに分散投資をするタイプの金融商品です。
投資信託で出た利益は投資家たちに分配されます。運用を専門家に任せるため、初心者でも利益を出すことが期待できます。
利回りはファンドによってピンキリで、10%以上のものからマイナスのものまで様々です。
まとまった金額のリターンを得ることも期待できる反面、損失を出すリスクもあるので、個人向け国債や定期預金に比べればハイリスク・ハイリターンです。
しかし、投資信託の出資先次第ではほとんど失敗しません。大切なのは、その投資信託で失敗しないかということです。
失敗しない投資信託の選び方については「資産運用初心者が陥りがち?! おすすめしない投資信託5選」をご覧ください。
(4)(不動産投資型)クラウドファンディング
不動産投資型のクラウドファンディングでは、運営事業者が投資家から資金を集め、その資金をもとにして不動産投資を行います。
投資家には運営者の利益が分配される仕組みです。
不動産投資型のクラウドファンディングの投資資金は、投資家だけでなく運営事業者も一部負担しています。
損失が出た場合は、運営者の出資した資金から優先的に差し引かれるため、一般の投資家は、元本割れのリスクが低くなっているのが特徴です。
利回りは、案件にもよりますが、3~6%程度のものが多くなっています。
最低投資金額も、運営事業者によって違いますが、多くは1万円から投資が可能です。
クラウドファンディングについて詳しくは「投資型クラウドファンディングとは?【今日からできる少額投資】」をご覧ください。
まとめ
投資にはリスクがつきものですが、ローリスク投資であればリスクを最小限に抑えたうえで資産を堅実に増やすことができます。
また、投資の知識や経験も身につけられるため、ゆくゆくはハイリスクの投資にもチャレンジしやすくなります。
資産を増やしたいという方はぜひ、まずはローリスク投資を始めてみてはどうでしょうか。