<油木由理さん>
介護福祉士として仕事をしながら、不動産投資をしている大家さんです。
油木さんは、ライフスタイルの変化をきっかけに不動産投資を知り、大家さんになりました。現在は、東京都内に区分マンションを1室所有しています。
今回は、油木さんが不動産投資を始めるまでの過程で起こった気持ちの変化や、今感じていることについてお話していただきました。
油木さんは、どのように不安を払拭し、不動産投資の第一歩を踏み出したのでしょうか。これから不動産投資を始めたいと考えている方、不動産投資に不安を感じている方の参考になりましたら幸いです。
目次
1、不動産投資に興味を持つきっかけとなったライフスタイルの変化
編集部:
油木さんの投資経験を教えてください。
油木:
投資信託の積立と、南千住から徒歩6分のワンルームマンションを1室所有し経営しています。
編集部:
不動産投資に興味を持ったきっかけは何ですか?
油木:
介護福祉士の仕事は大好きでやりがいも感じており、可能な限り続けていくつもりですが、年齢を重ねるとともに体力的につらいと感じる時が増えました。
子どもたちが独立し時間の使い方が変わったことも重なり、介護福祉士として働く時間を減らし新しいことに挑戦したいと思っていたんです。
そこで、他の仕事や投資についてネットで勉強しているうちに、不動産投資を知りました。相続税対策になるケースがあることも知り、不動産投資に興味を持つようになりました。
2、「新しいことを始めるときはまず知識で武装します」
編集部:
不動産投資には初め、どのようなイメージを持っていましたか?
油木:
最初は、怖い、手数料が高そう。そんなイメージを持っていました。不動産投資に対する漠然とした不安に加えて、投資価値のない物件を購入してしまうこと、購入しても将来売却するときに買い手がつかず困るのではないか、といった不安がありました。
編集部:
不動産投資に興味を持つようになって最初に起こしたアクションは何ですか?
油木:
ある本に、「本を10冊読めば、その道のことがひととおりわかる」と書いてあったので、まずは10冊読んでみようと思い、本屋さんに行って興味を持った不動産投資の本を読み進めていったのが始まりです。
編集部:
本を読むことから始められたんですね。その後、どのように勉強を進めたのでしょうか?
油木:
本を読んで勉強していくうちに、資産運用EXPOというイベントがあることを知ったので、参加して不動産投資会社のブースを回ったりセミナーに参加したりしました。ブースでいただいた書籍も全て読み、最終的に25冊の本を完読しています。
さらに、資産運用EXPOで、経験豊富な不動産投資家の方に相談できるサービスがあることを知りました。第三者的立場の人からアドバイスをもらえるのは、非常に心強いと感じたことを覚えています。
編集部:
不動産投資について熱心に勉強されたのはなぜですか?
油木:
新しいことを始めるときに不安になったり怖いと感じたりするのは、知識がないから。だから、とにかく知識で武装することが、自信を持って新しいことを始めるための一番の近道だと思っているんです。
不動産投資についても知識武装しながら準備を進め、疑問点や不安に思うことは納得するまで勉強して解決してきました。そのため、物件購入の際も特に困ったことはありませんでした。
3、セミナーやキャッシュフローゲームに参加
編集部:
勉強を進めるにあたって、セミナーの参加はされましたか?
油木:
はい。セミナーは20回ほど参加しました。
資産運用EXPOで登録した連絡先に、不動産投資セミナーの案内がメールで届きますので、案内が来たセミナーにどんどん参加して勉強を進めました。
参加したセミナーはオンライン開催だったため、1日に複数のセミナーに参加することもでき、効率よく情報収集できたと思います。
一棟か区分か、新築か中古かなど、自分に合った物件の種類がまだ分からない状態でしたので、様々な会社のセミナーに参加しました。セミナーで学んでいくうちに、自分の性格やライフスタイルには、区分マンションが合っていると確信をもつこともできました。
編集部:
たくさんのセミナーに参加されたんですね。他にどんな勉強をされましたか?
油木:
不動産を購入する際に、現金で購入する場合と融資を受ける場合、それぞれのメリットやデメリットについての知識が少ないと感じました。
そこで、損益計算書やバランスシートの勉強をするために、キャッシュフローゲームというリアル開催のゲームに参加したんです。ネットで調べて、安全な組織が運営しているものを選び4回ほど参加しました。
キャッシュフローゲームは人生ゲームのようなボードゲームで、ゲームが進むごとに自分で損益計算書を書いていく必要があるため、ゲームをしながら楽しく損益計算書について学べます。
損益計算書やバランスシートについて勉強した結果、資産形成をするうえで融資を受けることのメリットを知ることができました。
4、物件の見方や営業担当との関係の築き方を学びました
編集部:
不動産投資会社との面談は、何社くらいされたのですか?
油木:
最初は5社の営業の方と面談しましたが、最終的に3社の営業の方と同時にやりとりし、物件の紹介をしていただきました。
編集部:
不動産投資会社の営業の方との面談を通して感じたことはありますか?
油木:
今まで不動産業界の方とは、学生時代に部屋を借りるときや自宅を購入するときなどに、不動産会社の営業の方と接するといった程度の関わりしかありませんでした。
今回、不動産投資を始めるにあたって、初めて物件を販売して管理まで行っている不動産投資会社の方と接することになったんです。不動産投資会社の営業の方と接してみて、信頼関係をしっかり築くことができれば、不動産投資は怖いことではないんだとわかりました。
編集部:
最終的に物件を購入した不動産投資会社について、どのような点がいいと感じたのでしょうか?
油木:
経営する方の本を読んで経営手法に共感を持ったことや、営業の方が大変信頼をおける方だったこと、紹介していただく物件も豊富だったため、最終的にお世話になることに決めました。
また、営業の方とLINEを使って連絡できた点もよかったです。メールだとひと手間かかってしまいますが、LINEで軽くやり取りできると距離が縮まり、営業の方との関係も築きやすかったですね。
編集部:
不動産投資の勉強をする中で、物件の見方に関して変化はありましたか?
油木:
一番大きい変化は、熟読していた本に、自分が住みたいと思う物件と投資に向いている物件はちがうものだと記載されていて、ショックを受けたことです。そこから、物件に対する考え方を変えていかないといけないと思ったんです。
それからは、一人暮らしの方に需要がある地域を重点的に探すようになりました。また、新築がいいという思い込みがあったのですが、中古物件のメリットを知り、築10年~15年の物件にシフトしました。
利回りよりも空室率を重視した方がいいと学んだので、物件情報をいただいたときは、その点を踏まえてしっかりチェックするようにしています。
編集部:
現在の所有物件を購入する決め手は何でしたか?
油木:
2路線以上使える駅から徒歩6分であることや、オートロック、広さ、築年数、戸数など建物の条件が自分の基準に合ったこと、過去の空室率が求める基準に合っていたことです。
加えて、当時の家賃が相場より低めであったため将来のキャッシュフロー(月々の手残り)増加が見込めたこと、借主が法人で社宅として利用していたため、入居者がとぎれにくいと判断したことも決め手になりました。
編集部:
振り返ってみて、こうしておけばよかった!ここ失敗したかも!ということはありますか?
油木:
不動産投資会社の営業の方に物件を紹介していただいた時、ちょっと不安な部分がありながらも購入意思を示した物件がありました。しかし、一晩寝て起きたらやっぱり気になる点が大きくなって、お断りしたことがあったんです。
関係者の方にご迷惑をかけてしまったことに、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。気持ちが揺れている状態で購入意思を示すのは、営業の方に失礼になると感じ、それからは心から「これ」と思える物件に出会うまでは安易に返事をしないことを決めました。
経験豊富な不動産投資家の方にも、物件に関する意見だけでなく、営業の方との関係の築き方や、融資を受ける際の金融機関とのつきあい方など多方面からアドバイスしていただき、感謝しています。
5、最初の一歩を踏み出すには勇気が必要。でも知識を身につければ怖くない
編集部:
不動産投資を始めた感想を教えてください。
油木:
契約書にサインした時は、想像していたよりあっけなく、とても平安な気持ちでした。
知識を身につけて不安な点を全て解消できたことが、気持ちの安定につながったと思います。
現在は、家賃が振り込まれるようになり、安定した収入が毎月ある生活は将来の安心につながることを実感しています。
編集部:
今後、所有物件数を増やしていく予定はありますか?
油木:
はい。まずは1戸目の経営に関して確定申告までひととおり経験してから、2戸目以降を買い増す予定です。
編集部:
これから不動産投資を始める方に伝えたいことはありますか?
油木:
私が不動産投資を経験して感じたことは、成功している方と同じ物件を買えば自分も成功するというわけではない、ということです。
人はそれぞれライフスタイルや家族構成が異なります。そのため、自分に合う投資を選択するためには、知識をしっかり頭に入れて総合的に判断する力をつけることが成功への近道だと強く感じました。
私も最初の一歩を踏み出すときは怖かったですが、知識で自分を武装することで、勇気をもって一戸目の物件を購入することができました。不動産投資への一歩を踏み出すために、まずは知識を身につけることをおすすめします。
編集部:
本日は、お話を聞かせていただきありがとうございました!