• 土地活用
  • 2019/8/5 (更新日:)

土地活用どころではない?売るに売れない不動産相続の意外なトラブル

土地活用どころではない?売るに売れない不動産相続の意外なトラブル

地方の高齢化が進んでいる中、自分は都心でも親が地方に住んでいるケースは少なくないのではないでしょうか。

親が元気でいるうちは良いですが、亡くなった場合相続で土地を引き継ぐ形になる場合思いがけないトラブルに見舞われることがあります。

意外なトラブルとはどのようなものなのか、実際に筆者が聞いたケースをご紹介して行きましょう。

・意外なトラブル(1)私道認定されていなかった

数十年前に親が購入した投資用の田舎の土地を相続したAさん。そこに自分は暮らしたこともなく、思い入れも特に無かったため売却をすることにしました。

エリアの売買相場は坪10万円ほど。50坪ぐらいの土地だったため500万円ぐらいで売却できるのではないかと予想されていました。

ただし法律の変化や現地の状況の変化により、その金額で売買ができるのかを確認する必要がありました。

そのため不動産コンサルタントが確認したところ、前面道路が未舗装、境界が曖昧など、少し怪しげな部分が見受けられました。

市役所で現況確認をしたところ、前面道路は実は私道であり道路認定を受けていないことが分かりました。

建築基準法第43条により、建物を建築する場合は該当する土地が建築基準法上の道路と2m以上接していないといけないと定められています。

つまり建築基準法上の道路と接していないために、法律上建物が建てられませんので、価値は限りなくゼロに近くなってしまっていました。

接道条件のある隣地に、ただ同然で売却せざるを得ないという結果になってしまったのです。

・意外なトラブル(2)売るに売れない農地

Bさんは、相続で田舎の土地を相続しました。

田舎とはいえ住宅が点在しているためその辺りの相場であれば売れるだろうと不動産コンサルタントに相談したところ、そこは農地であることが判明しました。

登記簿謄本上の地目が農地であった場合は、原則として農業委員会の許可を得て農地として売買をしなくてはいけません。

ただ昨今では農地として田舎の土地を購入したいという買主はほとんどいないというのが現状ですが、その場合も農業委員会の許可を得て農地を宅地転換するという作業が必要になります。

宅地化を促進しているエリアであれば比較的簡単に許可は下りるのですが、そうでない場合、農地から宅地への転換ができないことがあります。

そうなると売るに売れない状況が起きてしまいます。

数年前までは太陽光発電ブームがあったため農地のまま太陽光パネルを設置するために購入する買主がいたのですが、現在では電力の買い取り金額が下がってしまい、事業にならないケースが増えています。

結局Bさんは処分する事はあきらめざるを得なくなってしまいましたが、固定資産税は毎年かかる上、行政や近隣から草刈りなどが求められ、何もしないでも費用は掛かる一方で困惑したままのようです。

意外なトラブル(3)相続した土地が森の中

バブルのころは新幹線の新駅開発や高速道路の開通を見込んで開発計画が持ち上がり、宅地造成をして土地を都会の人に売却するプロジェクトもありました。

しかしバブル崩壊とともに計画は頓挫し、造成が途中で止まってしまったエリアがあります。

Cさんの父親はそこの止まってしまった土地を購入したものの、所有をしているだけでそのまま放置していたようでした。

数十年後に相続が発生し、Cさんがはじめてその土地を父親が所有していたことを知り、売却の相談に来られました。

売却調査のために不動産コンサルタントが現地に赴くと、該当エリアには巨大な林しかありません。

草藪を分け入っていくと、草に埋もれた境界標が埋もれているのが分かりました。もちろん接道と思われる場所も草むらの中です。

市役所で調査すると私道ながら接道があるようなのですが、主要幹線道路から遠く、実際に建物を建てるには整地・道路掘削・上下水道間の配管・電気ガス開通工事など一からすべて行う必要があり、膨大な費用が掛かることが分かりました。

そのため、結局このような土地には買い手が付かず、Cさんも所有せざるを得ないという判断になってしまったのです。

・土地を相続して嬉しいばかりではない

相続を受けて初めて、その土地の存在を知るケースは意外と多いのではないでしょうか。

このように土地をもらって嬉しいと野放しに喜べるケースばかりではなく、特に地方の物件は買い手が付かず売るに売れないケースもあるのです。

また土地の問題だけでなく、相続者が複数になってしまうとさらに売却が困難になる場合も少なくありません。

購入時に信頼できる不動産コンサルタントに相談をしておくことが大切です。