• アパート経営, 不動産コラム
  • 2024/4/6 (更新日:)

中古アパート投資の失敗事例~こわーいシロアリ編~

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利回りの高さ、手頃な価格、節税効果の高さなどで人気の中古アパート投資は、不動産投資の知識や経験が必要になるハイリスクな投資でもあります。

不動産投資をする人であれば、誰でも失敗は絶対に避けたいものですが、それでも不動産投資家が行いがちな失敗というものが存在します。

不動産投資をしていく上で、何をするべきで何をしてはいけないのかを事例から学ぶことは有益です。不動産投資で成功するための知識として役立ててください。

不動産投資の失敗事例5つ|失敗から学ぶリスク回避策

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1、中古アパート物件選びの失敗事例

(1)アパート投資の経緯

不動産投資家のAさん(30代、サラリーマン)の事例を紹介します。

Aさんは、賃借人が退去してしまうと、賃料がゼロになってしまう区分所有のマンション投資よりも、仮に一人が退去しても家賃収入が見込める複数の部屋がある一棟アパートで投資をしたいと考えていました。

不動産会社に相談したところ、東京・中野区にある築30年の一棟木造アパートを提案されました。

部屋数が全6室と小ぶりな物件でしたが、相続を受けたばかりで手元資金があり、収入もかなりあったこと、さらに減価償却で節税も図れると聞いたため購入に踏み切りました。

ただ、Aさんは、築年数が少し気になりました。加えて、室内は満室稼働のため見ることができませんでした。それでも外観を見る限りでは築30年には見えなかったことが決め手となり買うことにしたのです。

売買契約時に売主から取得できる物件状況報告書を確認したところ、特に修繕すべき部分や気になる部分、雨漏り、シロアリの被害などはないと記載されていました。

物件は購入後も、ある程度の利回りが確保できたので、安定した収入が得られる良い買い物をしたと喜んだのです。

しかし、1年ほど経過した段階で、Aさんは、どうしても現金が必要になり、アパートを売却することに決めました。

そして、新しい買主からは、購入にあたりデューデリジェンス(建物調査)を行いたいとの要望があり、対応することにしたのです。

物件には空室が1部屋あったので、その部屋から建物の地下を調査しました。

すると、シロアリだらけで基礎部分の柱が食べられており、補強をしないと地震が来た時に倒壊の可能があることが分かったのです。

調査後、買主からは柱の補強などを購入条件に突き付けられました。

(2)失敗=トータル収支はマイナスになった

慌てたAさんは、すぐに補修工事の見積もりを取ります。100万円単位の費用がかかるとのことでした。

それでも急いで現金が必要だったAさんは、修繕を行い売却をしました。その結果、補修費用がかかった上に、売却価格が下がったことも重なり、賃料収入も全て消えて数百万円の損失になってしまいました。

Aさんは前の所有者に苦情を言いました。しかし、売主は個人であったため「そもそも建物のシロアリ被害という瑕疵(かし)があることを知らなかった」と言われます。

さらに、売主の契約不適合責任が問われる期間(売主が知らなくても問題があった場合、修繕をしてもらえる期間)が3カ月と短い契約になっており、その期間はすでに超えている、と言われたのです。

「知らない」「期間オーバー」で前所有者は負担を逃れ、この2つを理由に修繕費などを負担してもらうことはできなかったのです。

トータルの収支はマイナス数百万円。良い買い物をしたはずが、アパート投資は失敗してしまったのです。

2、失敗の原因は?

なぜ、Aさんは、このような問題ありの物件を購入してしまったのでしょうか。考えられる原因は以下の2つです。

  • 購入前のデューデリジェンス(調査)をしなかった
  • 築年数が古い木造建築のリスクを考えていなかった

1つめは外観だけで決めてしまい、建物の詳細な調査を行わなかったことです。2つめは築年数が古い木造建築は、今回のようにシロアリ被害を受けていたり、柱などが腐っていたりする可能性があります。そのリスクを考えなかったことです。

厳しいようですが、2つともAさんの脇が甘かったといえます。

(1)中古アパートは事前調査を必ず行う

Aさんと同じようにならないためには、どんな予防策を考えておくべきでしょうか。

それはズバリ、

「一棟物の建物、特に築年数の経過した木造の不動産を購入する時は、事前の物件調査をする」

ということです。

2018年4月からは、中古住宅を売買する時に、顧客がインスペクション(建物状況調査)をするかの説明と確認が仲介業者に義務付けられました。

既存住宅状況調査の実施状況
国土交通省「既存住宅状況調査の実施状況に関するアンケート調査結果」

そのため、仲介業者にはきちんと調査を依頼することが大切です。費用はそれほど高くはありません。必ず行いましょう。

中古の木造アパートは手ごろな上に、減価償却のメリットがあるため、人気があります。しかし、木造建築は「木」という物質の特性上、シロアリだけではなく、雨漏りなども起こりやすいといわれています。

だからこそ、事前調査を詳細に行い、購入後も管理をしっかりと行うことが重要です。

(2)“不動産投資は自己責任”を自覚する

不動産投資は、必要な調査や相談は必ず依頼するくらいの心構えが大切です。

少しの費用や手間を惜しんだために問題のある不動産をつかまされることになってしまえば目もあてられません。

大事な資産を守るためにも最終的には自己責任であることを肝に銘じましょう。

まとめ

キャッシュフローや節税効果に着目し、中古アパート投資を選択したこと自体は失敗ではありません。

Aさんのケースでは物件選びの際に外観だけで決めてしまったことが失敗の原因になりました。建物状況調査については、現在は、宅地建物取引業者との媒介契約書面に調査あっせんの有無が記載されていなければなりません。

また、すでに建物状況調査が実施済みであることも考えられますので、書面を確認してください。

このように、中古アパート投資は不動産投資の中・上級者向けの投資手法です。利回りだけではなく、様々な部分に注意し、不動産投資の利益を最大化してください。

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