「塩漬け株」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
値上がり期待で買ったものの値下がりしてしまい、売るに売れなくなってしまった株を「塩漬け株」と呼びます。
買う時には誰もが、その株が塩漬けになるとは夢にも思わなかったことでしょう。
しかし現実に多くの個人投資家が、塩漬け株を保有している、もしくは保有した経験があるのです。
多くの投資家に共通する悩みのひとつとなっています。
そこで投資家のためのメディアである「不動産投資の教科書」としては、この厄介な塩漬け株について、2通りの状況にある方々にとって必要な情報をまとめました。
- 現在、塩漬け株に悩まされている方
- 塩漬け株を作りたくないとお考えの方
この記事が、塩漬け株を作る投資スタイルから脱却するためのヒントになりましたら幸いです。
株式投資について詳しく理解したいとお考えの方は、下記記事を併せてご参照ください。
株式投資とは?安定して利益を出すためにおさえておきたい6つのこと
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「塩漬け株」を作らないためには、損切りラインのルールを決めること。
1、投資家の意向別:塩漬け株の3大処分法
現在お持ちの塩漬け株の処遇については、大きく分けて3通りの選択肢があります。まずはご自身の意向に最も近いものはどれか、考えてみてください。
(1)今すぐ塩漬け株を手放したい方
忌々しい塩漬け株と一刻も早くオサラバしたいという方は、即時の損切りをおすすめします。すでに相場観と戦略を外してしまっているのですから、それが持ち直す可能性よりもさらに損失が拡大する可能性のほうが高く、精神衛生上も良くありません。
しかし、そうは言っても簡単に虎の子のお金を減らすことに穏やかでいられる人はいないでしょう。即時損切りは最も推奨する選択肢ですが、そう簡単に決断できないという前提で話を進めていきたいと思いますので、「損切りができていれば苦労はない」という方もご安心ください。
(2)塩漬け株でどうしても損をしたくない方
塩漬け株を損切りすればせいせいすることは分かっていても、なかなかできないのが人情です。それが個人投資家心理でもあるので、この記事では「どうしても損をしたくない」という方のための情報も網羅しています。
儲けることはあきらめたとしても、せめて損が無かったことになるような方法はないのかとお考えの方には、「4、塩漬け株でどうしても損をしたくない方へ」で3つの取り得る選択肢を解説します。
(3)持ち続けてもいいと思っている方
投資に用いたお金が余剰資金であり、当面使い道がないことから塩漬け株を持ち続けても良いという方もおられるでしょう。もちろん気になって仕方ないとは思いますが、配当が出ているのであればそのまま持ち続けて少しでも損失を和らげながら、根拠はないものの株価の回復を待つという選択肢もあります。
ただし、この選択肢を取るためには、株を買う段階で塩漬けのリスクを考慮しておく必要があります。これについては「5、塩漬け株を作ってしまわないための五訓」で触れたいと思います。
2、なぜ塩漬け株ができるのか?投資家が陥る4大原因
そもそも、厄介な塩漬け株はどのようにしてできてしまうのでしょうか。よくある原因を4項目にまとめました。ご自身の投資スタイルにてらして当てはまるものがないか、検証してみてください。
(1)未熟な投資判断
塩漬け株ができてしまうということは、銘柄や売買の方向、そしてタイミングを見誤ったことで戦略を外してしまったことが最大の原因です。誰も最初から損をしたいと思ってエントリーはしないので、とても不本意な状況と言えるでしょう。
その原因のほとんどは、投資判断の未熟さです。雰囲気でエントリーしてしまった、アナリストの意見を鵜呑みにしてしまった、希望的観測だけでエントリーしてしまった・・・といったように、人任せであったり自身の判断が甘かったことなどが考えられます。
少々耳の痛い話になってしまいますが、ご自身のミスによるものです。
(2)個人投資家は損切りが大嫌い
前項では投資の失敗が原因であると述べましたが、それなら失敗をさっさと認めて損切りをしてしまうのが理想的なのですが、個人投資家の多くは損切りが大嫌いです。お金を儲けようと思って始めた株で逆にお金を減らしてしまうのですから、納得がいかないのは当然です。
願わくば無かったことにしたいという思いから、「いつかは回復」「いつかは値上がり」という淡い希望を持ちながら保有すると、塩漬け株の出来上がりです。
プロの投資家は損切りルールが徹底されていて、人間的な感情をほとんど挟まず機械的に損切りをしています。このように損切りを徹底しているのは、塩漬け株がもたらす損害の大きさをプロはよく知っているからです。
こちらの記事は、「株の格言」から投資を学ぶことができます。先人の知恵も投資の武器になります。
(3)根拠のない値上がり期待
個人投資家は損切りが大嫌いであると述べましたが、そこでも述べたように「いつかは株価が戻る」という淡い期待を持っていることも事実です。株価は大きな流れの中で上がったり下がったりしているものであり、今はその下がっている周期に過ぎないというのが、塩漬け株を保有している投資家のロジックです。
世界の通貨を売買するFXであればこのロジックが通用することも多々あるのですが、株の場合は値下がりの原因が企業そのものにある場合、株価が戻ってくることはなかなかありません。
最悪の場合は経営破綻してしまって株券が紙切れ同然になるリスクもあるので、やはり根拠のない値上がり期待は危険であると言わざるを得ません。
(4)そもそも塩漬けに気づいていない場合も
値上がりすると思って買った株が値下がりしてしまったという意識を持っている人は、その株が塩漬けになってしまっていることも認識しています。
しかし、バイ・アンド・ホールドといって買った株をそのまま長期保有するつもりの投資家は日々の株価をそれほど意識しておらず、値下がりしていることに気づいていないケースもあります。
主に配当狙いで株を買った人や、その企業に出資をしたいという考えを持っている人、長期的な成長を期待して保有している人など思惑はさまざまですが、こうした人たちにとって塩漬けというのはあまり気になることではないでしょう。
3、塩漬け株を今すぐ処分したい方へ
損をしても、どうなっても、とにかく忌々しい塩漬け株と縁を切りたいとお考えの方が取り得る行動は損切りに尽きます。しかしそれだけだと損をして終わりなので、その先も考えてみたいと思います。
(1)損失覚悟で手仕舞いをする
これ以上の損失拡大を防ぎ、精神的にも気になって仕方ない塩漬け株と縁を切るのであれば、損失覚悟で今すぐ手仕舞い(売ってしまう)してください。ある程度の損失は覚悟する必要がありますが、もうこれ以上値下がりしても気になることはありません。
しかし、これで終わりだと納得がいかないという方も多いでしょう。そこで取り得る行動として、次項からの2通りの戦術があります。
(2)下落した株を買いなおす
損失が出てしまうほど下がってしまった株に、まだ値上がりするという確信があるのであれば、一度手仕舞いをした後で再び買うという選択肢があります。下がり切ったと思える水準から買えば多少なりとも値上がりする可能性は高く、それに期待するのも一考です。
ただし、チャートなどで分析をした上で根拠がある場合にのみ使える戦術です。「ここまで下がったのだからもう上がるだろう」という感覚的なトレードをしてしまうと、2回目の塩漬け株ができてしまう可能性もあります。
(3)ドテン売買で取り返す
ドテン売買という相場用語をご存知でしょうか。値上がりすると思って買った株が下がってしまったとします。そこでさっさと損切りをして、まだ下がると見込みなのであれば反対に信用売りでエントリーするという戦術です。
相場は上か下にしかいかないので、上にいくと思っていたものがそうならなかったのであれば、下にいく可能性の方が高いでしょう。その可能性が高ければ高いほど、ドテン売りで損失を取り返し、返す刀で利益を上げることも可能です。
ただしこれもドテン売りをした途端に今度は株価が上昇するという目も当てられない状況になることがあります。上がると思っていた株価が下がり、その下落圧力が強いという確信が得られる場合にのみ検討してください。
4、塩漬け株でどうしても損切したくない方へ
現在保有している塩漬け株で、どうしても損失を確定させたくないという方も多いと思います。おそらく個人投資家の大半はそうだと思いますので、そんな方々が取り得る選択肢を3つ解説します。
(1)難平(ナンピン)を入れる
難平(ナンピン)というのは、一度買った株が下がった時に下がった価格で再び買い、平均購入価格を押し下げるという戦術です。株価が500円の時に買った株が300円になってしまったとして、そこで再び同数の株を買うと平均購入価格は400円になります。
これで株価が500円まで回復しなくても、400円まで回復してくれればトータルで利益を乗せることができます。
この難平、一見するとメリットが多いように見えるのですが、筆者は長年の投資経験でうまくいったことの方が少ないイメージを持っています。一度外した相場観を、難平くらいで無かったことにできるというのは甘いということを何度も実感しました。
「下手な難平、すかんぴん」という相場格言もあるように、その時の気分や雰囲気だけで難平戦術をとってしまうとさらに損失が拡大する可能性の方が高いことを肝に銘じておいてください。
(2)長期保有して配当、優待で稼ぐ
配当や株主優待がある程度出ている銘柄であれば、保有し続けることで配当収入や優待によるメリットが期待できます。
配当と優待だけで株価下落の損失をカバーするにはかなりの年数を要するとは思いますが、最初から配当狙いで買ったのだと割り切ってしまえば、手放すことなく配当収入を得続けるのもひとつの投資スタンスです。
事実、そうやって長期保有されている「元塩漬け株」も相当数あると言われています。
(3)貸株サービスで利ザヤを得る
信用売りの取引をする際には、株券を借りて取引所で売り、それを後から買い戻して返却するというスキームになっています。この時に株券を供給するためのサービスとして「貸株サービス」があります。
貸株サービスはほとんどの証券会社にあるサービスなので、口座をお持ちの証券会社に塩漬けとなっている株を貸し出すと金利を得ることができます。
こちらは、SBI証券の貸株サービスで提示されている金利一覧です。膨大な銘柄が対象になっていますので、金利が高いものから順に一部だけご紹介します。
最も高いものでは20%となっていますので、貸株サービスに預けておくことで塩漬けの損失はかなりカバーできる可能性もあります。
5、株式投資で塩漬け株をつくらないポイント5つ
最後に、これからの株式投資において塩漬け株を作ってしまわないようにしたいとお考えの方が取るべき行動を五訓にまとめました。
(1)損切りルールを徹底する
塩漬けを防止する最大の対策は、適切な損切りです。損切りはルールを設けた上で冷静かつ機械的に行うのが効果的なので、まずはルールを作っておきます。
例えば、以下のような感じです。
- 反対方向に株価が進んで5%の含み損が出たら自動的に損切り
- チャート的に見られる節目を割り込んだ場合は自動的に損切り
- 例外を絶対に認めない
- 人間的な感情を一切挟まない
上の2つは損切りを発動する条件で、下の2つはそこに私情や感情を挟まないために厳格さを持たせています。
根拠のない期待を抱いて塩漬けにしたとして、仮に今回はうまくいったとしてもそれは偶然に過ぎません。そこで変な前例を作ってしまうと次にもっと大やけどを負ってしまう可能性もあるので、株をやるのであれば損切りルールを作るという具合にひとつのセットであると考えましょう。
(2)高配当銘柄、優待銘柄を狙う
思惑通りの株価にならなかった時に備えて、塩漬けの長期戦に最初から備えておくという戦術もあります。最も確実なのは高配当銘柄、株主優待が魅力的な銘柄です。
こうした銘柄であれば長期保有していることでメリットが積み重なっていくため、そもそも売ってしまう必要性がなくなるかも知れません。これは根拠がないのであまりオススメはしませんが、株式市場全体の温度感が変化することによって長期的には株価回復の可能性も残されています。
株価上昇のムードになった時、配当が高い銘柄や優待が魅力的な銘柄は特に株価が上昇しやすいので、やはり長期保有に備えるのであれば妙味があるでしょう。
(3)TOPIXコア30銘柄を狙う
TOPIXコア30というのは、東証に上場されている銘柄の中から有力な30銘柄を集めた指数のことです。TOPIXが全銘柄を対象としているのに対してコア30は文字通り核になる30銘柄なので厳選されており、その内訳にはそうそうたる企業が並びます。
株価の安定性や企業の体力、配当などあらゆる意味で魅力的な銘柄ばかりなので、TOPIXコア30銘柄を中心に狙えば塩漬けになっても株価回復の見込みが立ちやすいですし、長期戦になっても配当収入が期待できます。
参照:【TOPIXコア30】関連が株式テーマの銘柄一覧|株探
(4)下手な難平スカンピン
この記事では、塩漬け株でどうしても損をしたくない方のために難平をご紹介しました。しかし、そこでも触れましたが「下手な難平スカンピン」という言葉もあるように、根拠のない感情に流された難平はむしろ傷口を大きくする可能性大です。気持ちは分かりますが、難平を入れる時こそ根拠をしっかりと求めてください。
根拠が見当たらない場合は、難平禁止です。
(5)なぜ相場観を見誤ったのかを検証する
すでに述べたように、塩漬け株ができてしまった原因は投資家自身の見誤りです。なぜ見誤ってしまったのか、何が間違っていたのか、こうした失敗の検証は必ず行うようにしましょう。それをしなければ、次なる塩漬け株誕生のリスクが残ってしまいます。
失敗の検証を繰り返すことで、多くの株長者が生まれました。成功するためのプロセスだと思って、しっかりと検証をして次に同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。
6、株式投資をスクールで本格的に学ぶ
塩漬け株を作ってしまう投資スタイルから脱却したい、株についての知識をしっかり身に着けてから株式投資に再チャレンジしたい、とお考えの方にはスクールで学ぶことをおすすめしています。
日本ファイナンシャルアカデミーは、2002年の創立以来20年間で累計66万人以上の受講生が受講した実績があり、安心して学べるスクールです。さらに、受講者の70%以上がプラスの運用実績となっていることからも、実力をしっかりつけられることが期待できます。
90分の教室を無料で受講することができますので、ぜひ体験してみてください。
まとめ
投資家にとって大敵の塩漬け株について、「今持っている塩漬け株を何とかしたい」という方と、「今後塩漬け株を作りたくない」という方のために必要な情報を網羅してきました。
塩漬け株ができてしまった原因が原因だけに耳が痛い話も多かったかと思いますが、ここでさらに投資成績向上を目指すか、もう株をやめてしまうかの重要な分かれ道です。
これからも株と付き合い、利益を上げていきたいとお考えなのであれば、ぜひこの記事の情報を今後の投資活動に役立ててください。