これをお読みの方はもしかしたら「太陽光発電投資」をしようか悩み中で、投資するかどうかを判断するにあたり、より詳しい情報を知りたい、という方ではないでしょうか?
太陽光発電投資を成功させるにあたり、そもそもの太陽光発電の仕組みや投資の流れなどについて深く理解しておくことは必要不可欠といっても過言ではありません。
「太陽光はもう儲からない」と思われている方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。中にはメリットの大きい投資物件もありますが、その見分け方についてもきちんとした知識が前提となります。
そこで今回は、その方々のために太陽光発電投資で成功するために、資産運用に関する情報発信を行う当メディア「不動産投資の教科書」が事前に知っておくべき下記の内容をまとめました。
- 太陽光発電投資とは?太陽光発電投資の仕組みについて
- 土地つき太陽光発電投資とは?
- 太陽光発電投資のメリットとデメリット
- 太陽光発電投資の最大のメリットは節税?
- 失敗しない投資物件を選ぶための5つのポイント
- 融資を利用するには?融資を利用する時の流れについて
- いい太陽光発電投資物件を探すには
- 実際に太陽光発電投資を始める時の流れ
- 太陽光発電投資ファンドとは
- まだ間に合う?これから太陽光発電投資を始めるには?
これから太陽光発電投資を検討されている方のご参考になれば幸いです。
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目次
1、太陽光発電投資とは?太陽光発電投資の仕組みについて
(1)太陽光発電投資とは?
太陽光発電投資とは、原則20年間電力会社に一定価格で太陽光発電した電力を買取ってもらうことによって収入を得る投資のことです。
そもそも電力会社が太陽光発電の電力買取りを始めた背景としては、私たちの暮らしを支えている石油、電気、天然ガスなどのエネルギーの国内自給率が年々低下していることから、2012年7月1日に国はエネルギー自給率向上、二酸化炭素排出量低減などを目的に、 再生可能エネルギー発電の普及を促進するため「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」をスタートさせたことがきっかけとなっています。
この特別措置法により、一定期間(投資用は20年間)、一定価格(年度により変動)で、 電力会社が再生可能エネルギー発電由来の電力を買い取ることを義務づけられました。
また、「固定価格買取制度」により、国は電力会社が一定価格で再生可能なエネルギーで発電した電気の買取る価格も約束し、20年間安定した収入が得られることになったため、太陽光発電投資が人気を集めました。
下記図を見て頂ければ分かりますが、平成25年では日本国内の一次エネルギー自給率はなんと「6.1%」まで下がってしまいました。これは東北大震災をきっかけに原子力発電の割合が減ったことが要因です。再生可能エネルギーの一つである太陽光発電投資が活性化することで一次エネルギー自給率がアップすることが期待されています。
出典:経済産業省「再生可能エネルギー固定価格買取制度ガイドブック」(2016年度版)
(2)太陽光発電投資の仕組みについて
太陽光発電の買取りは、最終的な発電出力が10kW未満か超えるかを基準に大きく以下の2つに分かれています。
- 10kW未満:余った電力を買取る「住宅用」
- 10kW以上:発電した電力を全量買取る「産業用」
投資の場合、「産業用(全量買取)」のカテゴリーに該当します。
また、投資の中でも
- 50kW未満「低圧」
- 50kWを超える「高圧・メガソーラー」
と2つの区分に分れています。
「低圧」と比較して「高圧・メガソーラー」は価格が大体5,000万円から億以上と高額の物件が多く、一般の個人投資家には少しハードルが高いと言えるでしょう。
2、太陽光発電投資のメリットとデメリット
では、太陽光発電投資にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
以下にて詳しくみていきましょう。
(1)太陽光発電投資のメリット
まず、太陽光発電投資のメリットをみてみましょう。
具体的には以下のようなメリットが挙げられます。なお、メリットには以下のものに加えてもう一つあります。そちらについて詳しくは「3、太陽光発電投資の最大のメリットは節税?」をご参照下さい。
- ①「固定価格買取制度」により安定収入が見込める
- ②業者に管理委託できることから手間がかからない
- ③20年間に渡る長期間の投資プランを立てることができる
- ④融資を利用して投資することができる
では、それぞれについてみてみましょう。
①「固定価格買取制度」により安定収入が見込める
太陽光発電の大きなメリットとして、「固定価格買取制度」により電力を固定した価格で電力会社に買取ってもらうことができ、結果として安定した収入が見込める点が挙げられます。
では、実際に太陽光発電投資の年間収入はどのように計算されるのでしょうか。
以下にて年間収入の計算方法をみてみましょう。
太陽光発電の年間発電量は、下記計算式より算出することができます。
「年間発電量=年間日射量(kW/㎡)✕ソーラーパネル設置容量」
しかし、年間発電量は日照時間と深く関係しているため、下記の簡易計算方法を利用して算出されることも多いです。
「年間発電量(kWh)=年間日照時間(h)✕0.65」
年間日照時間が2,000時間の場合、発電量は「2,000H✕0.65=1,300(kWh)」となります。
2016年の固定価格は1kWh当たり「24円+税」となっていますので、 49kWのソーラーパネルを設置した場合、年間収入は「49kW✕1,300h✕24円=1,528,800円」となっています。
②業者に管理委託できることから手間がかからない
太陽光発電の発電量を維持するには、定期的にパネルの清掃や機械のチェックなどのメンテナンスをする必要があります。
メンテナンスに関しては業者に依頼することができますので、管理費などの費用は発生しますが、自分で管理する手間を省けることはできます。
③20年間に渡る長期間の投資プランを立てることができる
太陽光発電投資は原則投資期間が20年と定められています。
買取価格は、太陽光発電投資が認定された年度の価格と固定されていることによって、 20年間に渡り長期間の投資プランが立てられるのは太陽光発電投資ならではのメリットと言えるでしょう。
④融資を利用して投資することができる
太陽光発電投資の場合、投資金額はご自身で用意ができなくても、融資を利用して投資することができます。
融資について詳しくは「6、融資を利用するには?融資を利用する時の流れについて」を参考にしてみてください。
(2)太陽光発電投資のデメリット
続いて、太陽光発電投資のデメリットについてみてみましょう。
具体的には以下のようなデメリットが挙げられます。
- ①定期的なメンテナンスなどのコストがかかる
- ②天気や気温によって発電量が左右される
では、それぞれについてみてみましょう。
①定期的なメンテナンスなどのコストがかかる
太陽光発電の発電量を維持するには、定期的にパネルの清掃や機械のチェックなどメンテナンスをする必要があります。
導入時に販売会社やメーカーの保証期間をきちんと確認したうえで、その後のメンテナンスは管理会社に依頼するようにしましょう。年間メンテナンス費用は設備投資額の1%前後だと言われています。
例えば、設備投資額が1,000万円の場合、年間メンテナンス費用は10万円前後が一つの目安となります。
なお、一般的には
- 太陽光パネルの寿命:25年前後
- パワコンの寿命:10年前後
だと言われているので、年間メンテナンス費用の他に長期的な修繕計画も検討されるとよいでしょう。
太陽光発電のトラブルについて経済産業省資源エネルギー庁の統計報告によると、フィルタの埃による温度異常の報告が多いようですが、以下の表のようにPCS(※1)によるトラブルも多くありました。
出典:資源エネルギー庁
※1 PCSとは、パワーコンディショナの略で、太陽電池の直流電力を最大にし、交流電流に変換する役割を果たしてくれます。略称として「パワコン」とも呼びます。
②天気や気温によって発電量が左右される
太陽光発電は、太陽光がある間に光エネルギーを受け電気を発電しますので、雨や曇り、雪の日など天気が悪い日は発電量が極端に低くなります。
一般的には晴れの日の発電量に対して、
- 曇りの日:50%〜10%
- 雨の日:20%〜5%
となっているようです。詳しくは以下の画像をご参考下さい。
出典:中部電力
天気によって発電量が左右されるということは、太陽光の発電量は設置エリアによって大きく影響するということです。設置エリアは慎重に選ぶようにしましょう。
3、太陽光発電投資の最大のメリットは節税?
太陽光に関するグリーン投資減税は平成28年3月31日で終了しました。
平成28年4月以後に太陽光発電投資を始めた場合は、「生産性向上設備投資促進税制」という制度を利用して節税するこができます。
以下にて制度を利用する要件や手続きなどについて書いていきますので、参考にしてみて下さい。
(1)そもそも「生産性向上設備投資促進税制」とは?
「生産性向上設備投資促進税制」とは、平成26年1月20日に先端設備や生産ラインなど改善できる質の高い設備の投資の促進により事業者の生産性向上を図るために創設された制度です。
太陽光発電投資は「B:生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」に該当します。
出典:経済産業省の「生産性向上設備投資促進税制について」(平成27年2月)
(2)税制措置の内容
「生産性向上設備投資促進税制」の税制措置として、通常17年間の設備償却期間を即時特別償却50%にするか、もしくは税額控除4%にするかを選ぶことができます。
(3)利用用件
「生産性向上設備投資促進税制」を利用するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 青色申告している個人事業主・法人
- 設備投資金額が160万円以上である
- 投資利益率が5%以上である(資本金1億円超の会社などは15%以上)
- 平成28年4月1日〜平成29年3月31日までに設備取得及び事業開始する
(4)注意点
「生産性向上設備投資促進税制」を利用するには、大体設備取得予定の1ヶ月前に、公認会計士・税理士及び経済産業局に下記の確認を得る必要があります。
- 投資目的に必要な設備である
- 年平均の投資利益率が15%以上である(中小企業者などは5%以上)
申請書の記入や投資利益率などの計算が煩雑になっていますので、初めての方は事前に税理士などの専門家に相談されるとよいでしょう。
なお、税理士にも得意分野と不得意分野があるので、太陽光発電投資に詳しい税理士に相談されるとよいでしょう。探し方としてはインターネットで「太陽光発電投資 税理士」などのキーワードで検索してみてください。
(5)手続きの流れ
手続きとしては、大きく以下のような流れになります。
- 投資計画案など公認会計士又は税理士に確認依頼する
- 公認会計士又は税理士が「事前確認書」を発行し、計画案と合せてオーナーに戻す
- オーナーが関連書類を持って経済産業局に確認書発行申請をする
- 経済産業局から確認書が発行されたら、設備購入可能
など。詳しくは下記のイメージ図を参考にしてみてください。
出典:経済産業省の「生産性向上設備投資促進税制について」(平成27年2月)
なお、手続きに関連する書類などについて詳しくは関東経済産業局の「生産性向上設備投資促進税制」を参考にしてみてください。
4、太陽光発電投資の種類の一つ、土地付き太陽光発電投資とは?
ここまで太陽光発電投資のメリット・デメリットについて説明してきました。
その上で実際に始めてみたいと思われている方もいらっしゃるでしょう。
太陽光発電投資する場合、ソーラーパネルなどを設置するには相応面積の土地が必要となります。しかし、実際には土地を持っていない方も多いでしょう。
そのような場合、土地付き太陽光発電投資をすることができます。土地付きの場合、
- 土地の価格
- 電力会社との連携負担金
- 土地造成費
- メンテナンス費
- 保険料
などの費用がかかります。
なお、土地の所有について下記2つの方法から選ぶことができます。
- (1)土地分譲型
- (2)土地賃借型
それぞれにメリットとデメリットがありますので、以下にて詳しくみてみましょう。
(1)土地分譲型のメリットとデメリット
まず、土地分譲型のメリットとデメリットをみていきましょう。
①土地分譲型のメリット
まず、メリットとしては以下のようなものがあります。
- 投資期間20年以後でも自由に使うことができる
- 賃貸より融資受けやすい傾向がある
- 土地賃料は発生しない
②土地分譲型のデメリット
一方、デメリットとしては、
- 土地の固定資産税がかかる
- 投資期間終了後にソーラーパネルなどの撤去費用がかかる
などが挙げられます。
(2)土地賃借型のメリットとデメリット
続いて、土地賃借型のメリットとデメリットについてみてみましょう。
①土地賃借型のメリット
賃貸型では以下のようなメリットが挙げられます。
- 土地の固定資産税かからない
- 業者によりますが、パネルなどの撤去費用はかからない場合が多い
②土地賃借型のデメリット
一方、デメリットとしては
- 土地賃料がかかる
- 20年後も続けて太陽光発電投資したい場合、地主と相談する必要がある
- 分譲型より融資受けにくい傾向がある
などがあります。
(3)分譲型?それとも賃借型?
分譲型と賃借型にはそれぞれにメリットとデメリットがありますので、 一概にはどちらがいいとは言えません。
ご自身の投資プランに合せて、 実際に投資金額や発電収入など具体的な条件でシミュレーションされるといいでしょう。
なお、経済産業省資源エネルギー庁の2015年のデータによりますと、太陽光の土地賃借料は「150円/㎡/年」が一つの想定値だそうです。 シミュレーションする際に参考にしてみてください。
出典:資源エネルギー庁「最近の再生可能エネルギー市場の動向について」(平成27年1月15日)
5、失敗しない投資物件を選ぶための5つのポイント
太陽光発電投資は20年も続く投資なので、長期間に渡りきちんと収益を確保するためには、失敗しない投資物件を選ぶことがとても大切です。
以下にて具体的に物件を選ぶ際のポイントを挙げてみましたので、参考にしてみてください。
- (1)実質利回りを計算する
- (2)必ず現地を確認する
- (3)日照時間など発電量を確認する
- (4)メンテナンス、防犯対策などきちんと整っているかを確認する
- (5)自然災害保険などの保証制度があるかを確認する
では、順番にみていきましょう。
(1)実質利回りを計算する
土地付き太陽光発電投資の表面利回りは10%前後もある高利回り商品だと言われています。しかし、実際に太陽光発電投資を始める際には諸経費がかかり、毎年維持するにもメンテナンスなどのコストがかかります。
従って、本当の収益を知るには実質利回りを計算する必要があります。
①太陽光発電投資する際にかかる諸経費
太陽光発電投資には大きく以下のような諸経費がかかります。
- 設備などの初期費用
- メンテナンス費用
- (賃貸の場合)土地の賃料
- (売買の場合)土地の固定資産税
- 災害保険などの保険料
- (融資を受けた場合)ローン金利
など。
②シミュレーション
以下の条件にて実質利回りを計算してみましょう。
■シミュレーション条件
- 販売価格:1kW当たり30万円(工事費用などの諸経費込み)
- 土地価格:500万円
- 導入電圧:45kW
- 年間発電量:1kW当たり1,300kW
- 買取価格:1kWh当たり「27円+税」(2015年度認定)
- 保険・メンテナンスなどの諸経費:20万円(年間)
■計算方法
・初期費用
30万円✕45kW=1,350万円
・発電量
1,300kW✕45kW=58,500kW
・買取価格
58,500kW✕27円✕1.08=1,705,860円
・表面利回り
1,705,860円÷(1,350万円+500万円)=9.2%
・実質利回り
(1,705,860円−200,000円)÷1,850万円=8.1%
・20年間の利益
1,705,860円✕20年−1,850万円=15,617,200円
なお、設置場所や導入価格によって発電量やランニングコストも異なりますので、
具体的にご検討の物件がありましたら、ぜひ下記シミュレーションツールを利用してみてください。
・シミュレーションツール
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(2)必ず現地を確認する
土地付き太陽光発電投資の場合、土地勘のあまりない場所にある場合が多いです。
説明を受けるのもいいですが、面倒くさがらずに必ず現地まで足を運びましょう。
また、現地に行った時は、
- 周辺環境
- 土地の影などの日照条件
などきちんと確認するようにしましょう。
(3)日照時間など発電量を確認する
上記の通り、太陽光発電は天気や気温によって発電量が大きく変わります。
発電量が少なければ収入も減ってしまうので、きちんと日照時間や発電量などについて確認するようにしましょう。
下記気象庁のHPに47都道府県の日照時間のデータが公表されていますので、発電量の計算をする際に参考にしてみてください。
気象庁
(4)メンテナンス、防犯対策などきちんと整っているかを確認する
太陽光発電の発電量を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
また、太陽光発電のソーラーパネルはほとんど屋外にあることから、設備の盗難を防ぐために防犯対策も必要になります。
従って、物件を選ぶ際に
- 遠隔監視機器
- フェンスや赤外線装置などの設置
など管理体制についてもきちんと確認するようにしましょう。また、これらについてどのくらいの費用がかかるかも併せて確認するようにしましょう。
(5)自然災害保険などの保証制度があるかを確認する
地震や台風などの自然災害により万が一機器が壊れてしまった時に備えて、
- 売電補償
- 自然災害補償
- 施行補償
など自然災害保険や機器保証がきちんとあるかどうかについて、契約する前に必ず確認するようにしましょう。
6、融資を利用するには?融資を利用する時の流れについて
太陽光発電投資をする場合、ご自身で資金がなくても融資を利用して始めることができます。
以下にて利用できる融資先、金利など融資について書いていきますので、融資を利用予定がある方は参考にしてみて下さい。
(1)融資してくれる機関について
太陽光発電投資をする際に融資してくれる機関としては、大きく以下の3つとなります。
- 最も有利な条件で融資できる都道府県などの「自治体が運営する団体」
- 日本政策金融公庫などの「金融機関」
- 金利が高めに設定されているジャックスなどの「ノンバンク」
都道府県などの自治体が運営する団体からの融資は最も条件はいいですが、⼿続きがかなり煩雑になっており、また融資の募集枠なども限られているため、利用するにはあまり現実的とは言えないかもしれません。
一方、ノンバンクは融資の手続きは簡単でしかも審査期間も1日~1週間程度と早いですが、金利が高めに設定されているというデメリットがあります。
その中間にあるのが銀行などの金融機関です。都市銀行なのか地方銀行なのかによって融資の条件や手続きが異なりますが、金利が低い「日本政策金融公庫」は人気が高いようです。ただ、融資審査には平均で1か月以上かかります。
特に土地付き太陽光発電に投資をする際、金融機関の融資審査中に別の方(例えば現金決済など)で契約に至ってしまうケースも多々あり、投資物件が欲しくてもなかなか手に入らないことがあるようです。
日本政策金融公庫の融資条件などについて詳しくは日本政策金融公庫の「環境・エネルギー対策資金」を参照にしてみてください。
(2)金利について
融資してくれる機関によって異なりますが、一般的には「1%~2%台」から利用することが可能です。
しかし、保証料や担保設定費用など諸費用がかかるかかからないかによって金利が変わりますので、ご自身の条件に合せてトータルで判断する必要があります。
(3)融資限度額について
融資先やご自身の属性によって異なりますが、日本政策金融公庫の場合
- 個人:7,200万円
- 法人:7億2,000万円
となっています。
一方、ノンバンクの融資限度額はほとんど2,000万円までとなっているようですが、こちらも日本政策金融公庫同様、融資先や属性などによって金利や融資の限度額が異なるようです。
また、ノンバンクと融資提携をするには、その販売会社は建設業の免許を保有する必要があります。現状として、ノンバンクと提携されている販売会社はあまり多くないため、ノンバンクが使える投資物件は条件さえ良ければすぐに売れてしまっているようです。
(4)返済期間について
融資の返済期間は、一般的には10〜15年となっているところが多いです。
施設の建設期間が必要など据え置き期間を設けることも可能です。据え置き期間はおおよそ1年が一般的だそうです。
(5)担保設定・保証人有無について
融資してくれる機関によって異なりますが、融資金額が大きい場合物的担保や保証人の設定が必要になる場合が多いです。
しかし、担保を設定するには諸経費がかかりますので、できれば担保設定や保証人がいらない融資機関を選びましょう。
(6)融資斡旋について
一般的には、販売会社が提携されているノンバンクへの融資以外は斡旋していないですが、融資に必要な書類を提出してもらうなどのサポートはしてもらえます。
(7)融資の審査期間について
金融機関はそれぞれの審査基準で審査しますので、審査期間は数週間から1ヶ月前後となっています。
決済スケジュールとしては、物件によって多少異なりますが、一般的には
- 契約時
- 引渡し時
などと数回に分けて支払うことが多いです。
(8)融資の流れ
ご自身で融資を申請する場合、大きく以下のような流れになります。
- 販売会社から見積書や収支表などの事業計画書をもらう
- 事業計画書などの関連書類を持って金融機関にて融資の相談をする
- 融資申し込み手続きを行う
7、いい太陽光発電投資物件を探すには
太陽光発電と言っても、様々なメーカーの商品があり、様々な販売会社が投資商品を取り扱っています。
いきなり販売会社に問合せするより、情報サイトからきちんと太陽光発電についてのスキルを身につけてから、ご自身の予算や投資プランに合った投資商品を探されるとよいでしょう。
業界最大級の投資用太陽光発電の「メガ発」では、
- ローンで購入できる物件の紹介(中には実質手出し0円で手に入る物件もあり)
- 定期的に販売会社のセミナー・販売会の開催
- 会員限定で非公開物件情報をメールまたはLINEの配信
- オーナーに代わって運用管理や維持管理などのバックアップ体制が整っている(アイエコ)
など、太陽光発電投資を始める前の情報収集から開始後のバックアップまでワンストップサービスを提供しています。
これから太陽光発電投資にご興味がある方は、ぜひ参考にしてみてみ下さい。
8、実際に太陽光発電投資を始める時の流れ
では、最後に太陽光発電投資を始める時の流れについてみてみましょう。
大きく以下のような流れになります。
- 情報サイトやセミナーなどで情報収集をする
- (「5、失敗しない投資物件を選ぶための5つのポイント」を踏まえて)物件を探す
- 該当する物件があったら販売会社に問い合わせをする
- 販売会社に物件に関する詳しい条件を確認する
- 物件の現地視察をする
- ご契約・申請手続きをする
- ソーラーパネルなどの設備を設置する
- 試運転・送電開始する
- 遠隔監視機器から発電状況を確認する
などです。
また、下記は電力を買い取ってもらう時の大まかな流れです。
『お客さま』に書かれている部分は基本的に販売会社が代行で行ってくれます。参考にしてみてください。
出典:中部電力
9、太陽光発電投資ファンドとは
上記にて太陽光発電の実物投資について書きましたが、実物だけではなくファンドに投資をすることもできます。
ファンドは実物投資と比較して、
- 投資金額が少ない(100万円単位から投資可能)
というメリットはありますが、一方で
- 個人の場合太陽光発電収入は雑所得の扱いとなるため損益通算ができない
- 買取オプションによって投資期間が短くなる
というデメリットがあります。
個人で投資する場合、実物等と比較したメリットは小さいと言えるでしょう。
10、まだ間に合う?これから太陽光発電投資を始めるには?
太陽光発電の固定買取価格は、
- 2012年:40円+税
- 2013年:36円+税
- 2014年:32円+税
- 2015年:27円+税
- 2016年:24円+税
と年々下がっていて、2016年はなんと全盛期の4割減の「24円」となっています。もう太陽光発電投資のピークが過ぎたと思われている方も少なくないのではないでしょうか。
実は下記理由より、太陽光発電投資はまだ高利回りが見込めると言えるでしょう。
(1)ソーラーパネルなどの設備価格が下落により初期費用が安くなった
下記資源エネルギー庁のデータを見て頂ければ分かりますが、ソーラーパネルやパワーコンディショナなどといった発電システムの価格が下がっています。
設備の費用が安くなれば初期費用もおさえることができますので、実質利回りはまだ期待できると言えるでしょう。
出典:資源エネルギー庁「最近の再生可能エネルギー市場の動向について」(平成27年1月15日)
(2)「パネルの過積載発電」方式を利用して発電量を上乗せして収益を増やすことができる
太陽光発電設備認定を得る時は、ソーラーパネルとパワーコンディショナーのいずれか出力の小さい方の最終出力を基準にしています。
例えば、ソーラーパネルは80kW、パワーコンディショナーで49kWにすれば、パワーコンディショナーの49kWを認定基準としますので、50kW未満の低圧太陽光発電とみなされます。
この方式を取ることによって発電量を稼ぐことができ、買取価格下落により低下した収益は発電量で取り戻すことが可能になります。
つまり、パネル過積載・発電機器の技術進歩による効率化で発電量は上がった上設備の価格が下がったため、太陽光発電投資はまだ高利回りを維持できていると言えるでしょう。
11、まとめ
今回は太陽光発電投資について書きましたがいかがでしたでしょうか?
太陽光発電投資は長期に渡り安定した収入が見込めるという大きなメリットがある反面に、その安定した収入を維持していくにはコストがかかるなどのデメリットもあります。
きちんとメリットとデメリットを認識した上で、これから太陽光発電投資を検討されている方のご参考になれば幸いです。