「空売り」という専門用語が気になるというのは、株式投資を始めて間もない方、もしくは始めようとお考えの方ではないでしょうか。
FXにもよく似た手法があるのでFXで使われることもありますが、やはり空売りというと株式投資の専門用語と言った方が良いでしょう。
よく分からないけれど少し知っているという方にとって、空売りとは・・・
- 相場が下落している時でも利益を出せる方法である
- 信用取引とも呼ばれている
- 株の現物取引とは違うものである
- 現物取引よりもリスクが高い
といった感じではないでしょうか。
結論から申し上げますと、これらはすべて正解です。特に注目したいのは「相場が下落している時でも利益を出せる」点であり、空売りをマスターすると値上がりだけでなく値下がりでも利益を狙えるということは、値動きがある限りいつでも利益を狙えるようになります。
空売りとはどんな取引のことか、どういう仕組みになっているのか、どんなリスクがあるのか、空売り比率、空売り規制とは何か?・・・といった知識を身につけていただきます。
さらに、そして、投資家の皆さまが最も知りたい「空売りの具体的な方法」と「空売りのチャンスを見極める方法」についてもしっかりと解説します。
相場が下落している局面でもしっかりと利益を出せる投資家になっていただくために、毎月不動産に興味ある方が数万人訪問するメディアである不動産投資の教科書が、詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みください。
この記事をお読みの方はぜひ「資産運用とは?|金融商品の種類、メリットデメリット徹底解説」も併せてご参照ください。
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目次
1、空売りなら値下がり局面でも利益を出せる
(1)値上がりだけで利益を出すのが相場ではありません
株式投資というと、「安い時に買って株価が上がったら売る」というのが差額利益の基本です。そのため、投資家は「今後値上がりしそうな株」を探します。これは間違いではないのですが、これだと今は株価が安くてなおかつ今後株価が上がりそうな株にしか魅力がないことになります。
このような一方通行を解消してくれる取引方法に、空売りがあります。空売りとは株価が下がりそうな銘柄の株を借りて市場で売り、後から市場で株を買い戻して返却するという取引です。少々回りくどいことをやっているように見えますが、この空売りによって「現在は株価が高いが値下がりしそうな株」にも投資の魅力が生まれます。
(2)空売りなら企業のスキャンダルでも利益を出せてしまう
粉飾決算や安全表示の偽装など企業のスキャンダルは依然として後を絶ちませんが、こうしたスキャンダルは上場企業にとって大きな痛手となるので株価には下落要因となります。企業の不祥事をお金儲けに直結させるのは感心できることではないかも知れませんが、こうしたスキャンダルは投資家の視点では空売りのチャンスに映ることでしょう。
例えば、2017年10月に大々的に報道された神戸製鋼所のアルミ製品の性能表示改ざん問題。当然ながら上場している神戸製鋼所の株価はこの報道で大幅に下落をして、「神鋼ショック」とも呼ばれました。
チャートを見ても、その下落ぶりは鮮明です。
1,300円台後半で推移していた株価は一瞬にして800円以下にまで下落、その後は持ち直していますが一時的な株価の下落幅は600円ほどありました。もしこの下落直前に空売りを仕掛けた投資家が800円以下のところで買い戻しをしていたとしたら、600円の価格差を丸々取れたことになります。
神戸製鋼所株は売買単位が100株なので、最低単位の100株で空売りをした人は一瞬にして6万円の利益を手にしたことになります。
上のチャートを見ると大幅下落をした日から出来高が跳ね上がっているので、相当数の空売り注文が出たと考えて良いでしょう。
(3)空売り比率は相場の動きを知るサインにもなる
前項の神戸製鋼所株のチャートを再び見ていただきたいのですが、データ改ざんが発覚した直後は大幅に株価を下げたものの、その後は急激に上昇しています。これは空売りの典型的な相場展開です。
なぜなら、空売りは株を借りて市場で売るため、借りたものを市場で買い戻して返さなければなりません。そのため大量の空売りが出た直後には大量の買い戻しが入ります。800円にまで下げた株価が1,100円前後まで急激に挙げた後で落ち着いているのは、空売りの買い戻しが一巡したと考えられます。
このように、大量の空売りが発生した後は大量の買い戻しが入る(=株価が急騰する)という予測が成り立つので、自分で空売りを仕掛けなくてもその後の株価上昇のサインとして活用することもできるのです。
市場全体の空売り状況は、東証が発表している空売り比率という数値で把握することができます。この空売り比率を活用した株価分析の方法は「4、空売り比率で株式相場を読む方法」で詳しく解説します。
2、空売りの6つの基本と利益を出せる仕組み
(1)そもそも空売りとは?
空売りとは、株など現物の資産を所有することなく売る取引のことです。現物がないのに売ることができるのは、株を借りてくるからです。借りた株を市場で売り、後から市場でその株を買い戻して返すというのが一連の流れです。
現物を持たずに売ることから空(から)の売り=空売り(からうり)と呼ばれています。また、空売りは信用取引の一種なので、「信用売り」と呼ばれることもあります。
(2)空売りと現物売りの違い
株取引での現物売りとは、すでに保有している株を市場で売ることです。空売りとの違いは、すでに所有している現物を売るため後で市場から買い戻さなくても済む点です。
空売りでは借りてきた株を市場で売るわけですが、この株をどこから借りてくるのかというと、証券金融会社です。実際には証券金融会社から直接借りるのではなく、口座を開いている証券会社を通じて株を借ります。そして、市場から買い戻した株も同様に証券会社を通じて証券金融会社に返します。
(3)空売りが値下がり相場で利益を出せる理由
投資家が空売りをする目的は、値下がり相場で利益を出すことです。本来の株取引では値上がり時にしか利益を出すことができませんが、空売りの仕組みがあることによって「高い時に空売りをして安くなったら買い戻す」という差額利益を狙うことができるようになります。
例えば、株価が500円の銘柄を1,000株空売りしたとします。この銘柄の株価が思惑通り400円に値下がりをした時に買い戻すと、差額は100円です。1,000株の空売りだったので10万円の利益となります。
冒頭では企業のスキャンダルによって株価が下落した場合を例に空売りチャンスを解説しましたが、株価が上昇する局面よりもこのように下落する局面の方が分かりやすいことが多く、その分かりやすい相場展開が訪れた時に空売りで利益を出せるのは投資家にとってチャンスの拡大となります。
(4)空売りのメリット
ここまでの解説にもあるように、空売りのメリットは何と言っても株価が下落している局面でも利益を狙うことができる点にあります。FXでは買いに対して売りエントリーという方法で下落相場にも参入チャンスがあるのですが、それとほぼ同じ感覚で下落時においても差益を狙うことができます。
もうひとつ、空売りにはリスクヘッジというメリットもあります。株価を動かすエネルギーには実にさまざまなものがあり、必ずしもその企業の業績など個別銘柄の事情だけで動くとは限りません。個別銘柄では良い条件が整っているものの、株式市場全体が弱いということもあるでしょう。「個別の銘柄は買いなのに株全体では売り」という時の投資行動として、その個別の銘柄は当初の目論見通り買いを入れる一方、株価全体の指数と連動するインデックスファンドでは売りを入れることで相反する相場観を実際の投資に反映することができます。インデックスファンドの売りを入れる具体的な方法として、上場されているインデックスファンドであるETFの空売りがあります。
(5)空売りのデメリット
株価が下落している局面で利益を狙うことができる空売りですが、株価下落には必ず限度があります。どんなに下落をしても株価が0円よりも低くなることはなく、仮に株価が100円の銘柄に空売りをしたとしたら差益の上限は100円です。
現物株の買いであれば株価上昇の可能性は無限にあるため、このように最初から差益の上限が決まるということはありません。
この「株価上昇が無限であること」も、空売りのデメリットとなります。なぜなら空売りをしたものの株価が上昇してしまったという場合、その上昇余地は無限にあるので空売りによる損失も無限にあることになります。
「買いは家まで、売りは命まで」という相場格言があります。買いであれば株価がゼロになる以上のリスクはありませんが、空売りの場合は「命」と表現されるほど無限のリスクがあるという意味です。
下落局面で利益を狙うことができる空売りですが、その特性ゆえのデメリットがあることも押さえておきましょう。
(6)空売りが行き過ぎると空売り規制が発動される
前項では投資家にとっての空売りリスクを解説しましたが、空売りは株式市場にとってもリスクをはらんでいます。なぜなら株価下落の際に株を持っていない人までも売り参戦が可能になるため、下落に拍車が掛かる恐れがあるからです。
そのため株式売買においては大口の空売りに規制が設けられています。これは空売り規制と呼ばれ、「51単元以上の空売りは株価以下で発注できない」という主旨の金融商品取引法施行令があります。
単元というのは株の売買単位のことで、51単元とは100株単位の銘柄であれば5,100株、1,000株単位の銘柄であれば51,000株となります。このボリューム以上の空売り注文において、現在の株価以下では発注できないというのが空売り規制です。これを許してしまうと大口の空売りがどんどん入って株価下落に拍車を掛けてしまい相場の乱高下の原因になるため、いきすぎた相場展開を防止するための規制です。
個人投資家の方は、「一定以上の注文ロットで空売りをしようとすると規制が掛かる」という認識を持っておけばOKだと思います。
3、空売りのリスク管理と注意
(1)「買いは家まで、売りは命まで」について
現物株の買い参戦とは異なり、空売りは損失の可能性が無限であるというリスクについて解説しました。「買いは家まで、売りは命まで」という相場格言も引用してそのリスクについて解説したわけですが、それでは株式投資の初心者や、リスクを可能な限り取りたくない投資家は空売りとは関わらない方が良いのでしょうか?
これについては人それぞれの意見があると思いますが、筆者はそれだけの理由で空売りを選択肢から外してしまうのは機会損失だと考えます。下落相場でも利益を狙えるのですから、きちんとリスク管理をすれば必要以上に恐れることはないと思います。
そこで重要担うのが、正しいリスク管理です。空売りで有効なリスク管理を、次項より2つ解説します。
(2)空売りには必須の逆指値注文
「売りは命まで」という格言が示しているのは、株価上昇には際限がないので空売りでの損失にも際限がないという事実です。それなら注文時に損失の上限を自分で決めてしまえば良いのです。それを可能にするのが、逆指値注文です。
逆指値注文はトレンド発生時に注文を発動するなどの場面でも利用されますが、損切りにも有効です。
例えば、株価が100円の銘柄で空売りをしたとして、株価が思惑に反して上昇してしまったら150円で決済してしまうといった具合です。これなら50円以上の差損は出ないので、空売りの損失が無限であるというリスクを解消できます。
空売りに限らず、逆指値注文による損切りの設定はとても重要なリスク管理です。
(3)空売り参戦では資金の余裕を十分に
空売りを含む信用取引では、委託保証金という名前のお金を預ける必要があります。その委託保証金が空売り時に株を借りる保証金となり、最低でも取引額の30%を預けておくルールとなっています。
例えば、株価が100円の銘柄を1,000株空売りしたとしましょう。この場合の取引額は10万円です。この株が思惑に反して上昇してしまったとすると、仮に株価150円になった時点で含み損は5万円です。委託保証金も5万円目減りしているので残りは5万円です。さらに株価が上昇し、170円になったとします。すると含み損が7万円となり、委託保証金は最低でも預けておかなくてはならない30%にあたる3万円になります。
この時点で今回の空売りは黄信号となり、証券会社から追証(追加保証金の略です)と呼ばれるお金が求められます。これ以上委託保証金が減ってしまうと空売りを維持できなくなるため、追証の形で資金を補充してください、というわけです。
すでにお気づきかと思いますが、保証金が不足するほど含み損が拡大しているということは空売り参戦が失敗している証拠です。こうなる前に逆指値で損切りをしておく必要があるかとは思いますが、資金に余裕がなければ追証を入れるかどうかの判断余地もないままに強制的に決済されてしまいます。
追証を入れて様子を見るか(この場合も新たな損切り注文が前提です)、この空売りを諦めて次に捲土重来を期すか。この選択肢も資金に余裕があればこそなので、空売りをお考えの場合は資金に十分な余裕を持っておくことを強くおすすめします。
4、空売りを始めるための条件と具体的な方法
(1)空売りを始めるには信用取引口座が必要
空売りは証券会社を通じて株を借りる必要があるため、通常の売買とは異なる仕組みが必要になります。そのための仕組みとして証券会社が用意しているのが、信用取引口座です。
信用取引口座は空売りだけでなく、手持ち資金の3倍程度までの取引も可能になります。いずれにしてもこうした取引には「信用」が必要になるため、口座開設には証券会社の審査があります。証券会社の対応によっては電話による面接もあります。
また、信用取引の最低保証金として30万円の入金を条件としている場合もあります。
<証券会社各社の信用取引ルール>
楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/margin/startup/
カブドットコム証券
https://kabu.com/item/shinyo/rule.html
(2)信用取引口座を開設する方法
信用取引口座の申し込みは、証券会社のホームページから行うことができます。すでに一般口座を持っている方はオンライン取引画面から申し込みをできる証券会社もあります。
主要な証券会社の信用取引口座申し込みページは、以下の通りです。先に一般口座の開設を条件としている証券会社もありますので、その場合は最初に一般口座を開設し、その次に信用取引口座を開設します。
楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/margin/account.html
SBI証券
松井証券
https://www.matsui.co.jp/service/margin/apply/
野村證券
https://www.nomura.co.jp/onlineservice/
カブドットコム証券
https://kabu.com/item/shinyo/account.html
岡三オンライン証券
https://www.okasan-online.co.jp/
マネックス証券
https://info.monex.co.jp/margin-trade/apply.html
(3)もし口座開設審査に落ちたら?
証券会社各社は、信用取引口座の開設に厳格な審査を行っています。
この記事でも解説しているように、空売りを含む信用取引はリスクが高くなることもあるからです。
もし審査に落ちてしまったら、そのままでは空売りはできません。
しかし、同じ証券会社を含めて再チャレンジすることは問題ありません。
ただし最初に申し込んだ時と同じ申込内容であれば審査に通る可能性が低いので、自己資金と年収という重要な要素を見直す必要があります。
年収はそう簡単に変わるものではありませんが、自己資金を多めにして再度申し込むと審査に通る場合も多いので、再チャレンジする方は「資金に余裕がある」ことをしっかりとアピールしてください。
5、空売りで利益を上げるタイミングの見極め方
(1)下落トレンドを確認できたタイミング
空売りで利益を上げるには、株価が下落しているタイミングをキャッチする必要があります。その典型的な値動きが、下落トレンドです。株式を含むさまざまな相場は常に値動きが上に行ったり下に行ったりを繰り返しています。その中で下落傾向が続いている時を、下落トレンドといいます。
例えば、これは直近3年間の日経平均株価チャートです。丸印を付けたところで2度、下落トレンドが発生しています。
出典:SBI証券日経平均
もちろんこれは個別銘柄でも同じで、下落トレンド発生が確認できた時点で空売りを仕掛け、丸印を付けた安値付近で買い戻すことができれば大きな利益を手にすることができます。
チャートを読むことができなくても、経済ニュースなどで「株安が続いている」「アメリカの株が大きく下げた」という報道が流れている時は日本株も下落トレンド入りする可能性が高いので、空売りのチャンスといえるでしょう。
(2)チャートに売りシグナルが表れた時
チャート分析の知識をお持ちの方は、チャートに現れる下落トレンドのシグナルからも空売りのタイミングを見極めることができます。
最も有名なのは、デッドクロスと呼ばれるチャートパターンです。短期移動平均線(5日程度)と長期移動平均線(1ヶ月程度)が交差(クロス)する時で、
株価上昇が一服した時に短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に交差するとデッドクロスと呼ばれ、その後は下落トレンド入りするといわれています。
先ほどの日経平均株価の例で見てみましょう。
出典:SBI証券日経平均
典型的なデッドクロスが示現しているところに丸印を入れました。紫色の短期移動平均線が、赤色の短期移動平均線を上から下抜いています。その後の値動きはデッドクロスのシグナル通り下落トレンドなので、移動平均線を観察することで空売りのタイミングを見極めることもできます。
(3)信用買いが膨らんでいる銘柄を狙う
信用取引には空売りだけでなく、信用買いもあります。自己資金の3倍程度の株取引ができるので、株を買う場合に用いる信用買いもあります。信用買いも信用取引の一種なので、信用取引ルールによって6ヶ月以内には取引を終了させなければなりません。
つまり、信用買いが膨らんでいる銘柄は6ヶ月以内に大量の手仕舞い(つまり売り)が発生すると見て、その売りが引き起こす株価下落を狙うと空売りのタイミングとなります。
前項までに解説した下落トレンド入りが確認できた時、信用買いが膨らんでいたら空売りを仕掛ける絶好のチャンスと見ることができます。
6、空売り比率から株式相場を読む方法
(1)空売り比率とは?
証券取引所は、空売りの集計データを日々発表しています。その日の売り注文全体に占める空売り注文がどれだけあるのかを集計した数値のことを、空売り比率といいます。
東京証券取引所が発表している空売り集計から分かることは、東証に出された売り注文のうち空売りがどれだけ含まれていたのかという比率です。
(2)東証の空売り比率を知る方法
日本取引所グループの公式サイトに、東証の「空売り集計」というページがあります。ここでは1日単位で空売り比率を集計したデータがPDFで公表されています。
ここにある「空売り集計」で、データを知りたい日のPDFアイコンをクリックして閲覧します。
まずは情報を収集する方法を踏まえつつ、次項ではこの集計データから株式相場を読み解く方法を解説します。
(3)空売り比率が高いと上昇サインと言われる理由
空売りが多くなっているということは、「株を持たない人の売玉が積み上がっている」ことを意味します。この売玉はいつか買い戻す必要があるため(ショートカバーともいいます)、「潜在的な買い注文が積み上がっている」と解釈できます。
空売り比率が高いと上昇サインであると言われるのはこのためで、そのショートカバーが集中した時には理論上、空売りで下げたのと同じだけ株価が戻ってくることになります。
(4)空売り比率から相場展開を読み解く
それでは、日本取引所グループが発表しているデータを実際に見て株式相場を読み解いてみましょう。以下のデータは、2017年12月19日のものです。
赤線を引いた2つの数値が、この日の空売り比率合計です。足すと35.2%となるので、この35.2%がこの日の空売り比率です。
一般的に、この空売り比率が30%を超えていると「空売りされすぎ」という状態にあるため、相場には売玉が積み上がっており買い戻されやすい地合いであると解釈されます。逆に18%前後の場合は空売りが少なくなっているため天井が近づいていると解釈されます。
これを12月19日の空売り比率に当てはめてみると30%を上回っているので、今後の相場展開は買いが優勢になるという解釈になります。
まとめ
空売りという言葉は知っているものの、その正しい認識や使い方、リスク管理などについてよく分からないという方に必要な空売り情報を解説してきましたが、いかがでしたか?
空売りに対して必要以上にリスクや恐怖を感じる方も多いですが、適切なリスク管理をすれば立派な投資手法のひとつであることもお伝え出来たのではないでしょうか。
最後には空売り比率から相場展開を読み解く方法についても解説したので、空売りというだけで敬遠することなく、取引戦略のひとつとして、また相場展開を予測するヒントとして、空売りを幅広く活用していただければと思います。