• 不動産投資
  • 2019/7/1

シェアの次は「サブスク」?不動産業界にもたらす変化とは

SNSの世界でとどまらず、車をシェアするなら「カーシェア」、事務所をシェアするなら「シェアオフィス」、家をシェアするなら「シェアハウス」などという言葉が不動産関連でも次々と生まれ、それを専門に行う業者も生まれています。

オフィスや家を構えるのはお金もかかるので共同で使い一人当たりのコストを下げ、何よりもSNSなどを通して情報を発信することで、同様の考え方を持つ人を集めやすいという点がその広がりの背景にあるのではないでしょうか。

このように一般化してきたシェアですが、最近はさらに「サブスク」なる言葉も生み出され、それに対応した商品が出るようになりました。

そこで今回はサブスクとは、そしてこのサブスクが不動産にどんな影響を与えるのかを見ていきましょう。(田井能久・不動産鑑定士、ロングステイアドバイザー、タイ・バリュエーション・サービシーズ代表取締役)

・サブスクとは何か?

サブスクは英語のサブスクリプション(subscription)を省略した言い方で、このサブスクリプションの本来の意味は「寄付、予約購入、予約金」などの意味があるようです。

それが転じてソフトウェアやアプリケーションの利用するにあたり、「利用した期間に応じて使用料を支払う方式」という意味で使われるようになりました。

もともとソフトウェアなどは一度購入した場合、バージョンアップをするには追加料金を払う必要があったのですが、サブスクリプション方式になると買うのではなく、使用するために必要な料金はすべて含み、追加料金は発生せず、初期費用も不要にする方式で人気となりました。

代表的な例としてはウイルス対策ソフトとか、音楽視聴サイトや月額制のネットTVなどのWebを使ったデジタル系のサービスだったのですが、それが洋服、自動車、化粧品などに加え、コーヒーやラーメンなどの飲食業界までが加わり、デジタルを抜け出してリアルで日常的なものにまで広がりを見せています。

・サブスクがもたらす不動産の変化とは?

このサブスクはデジタルの世界ではお客が増えてもあまり追加コストは発生しませんが、リアルの世界では注意が必要です。

例えばひと月3,000円でコーヒーが飲み放題の場合、あまりにも来店頻度が高いと一杯当たりの値段は当然どんどん安くなります。

ここで来店数がアップすることでなにか別のサービス(コーヒー店ならケーキなどのサイドメニュー)が提供できればいいですが、そうでない場合にはお客が増えるほど利益が圧迫されることになります。
これを不動産に置き換えて考えると、チェーン店舗が多いホテルであれば一箇所に固まることを分散する工夫は必要ですが「1か月泊まり放題」という形でサブスク化でき、安定収入が期待されお客の囲い込みができると考えられます。

懸念される来店頻度に関しては、ホテルなら一日に何度も利用することも限界がありますし、それ以上に来店頻度が多くなることは館内のレストランや喫茶店を利用する確率が高まるのでメリットのほうが大きいと言えるでしょう。

リゾート会員制度も似てはいますがすべて込の定額制というのはまだないと思われ、もしかしたらそのうちサービスを開始する企業も出てくるかもしれません。

ただしこのようなサブスクは個人で1棟とか2棟とかの限られた数を持つ不動産オーナーにとっては、一見そのメリットはないように思えます。

それでも電気やガスや水道、そしてインターネットの接読料の契約方法を見直し、一棟全体で契約することでコストを下げ、各賃貸人には「部屋内で使う電気やガスやネット料金もすべて込」というサブスク型の家賃を検討してみるのはアリなのではないでしょうか。

・不動産オーナーとしての対応

リアルな世界の不動産ではあまり広がりをみせないイメージのサブスクですが、やりようによっては導入が可能で、もしかしたらうまくビジネスモデル化できた不動産会社は将来REITなどで株価を高めていく可能性も無きにしもあらずではないでしょうか。

一見関係をもたらさないようなことであっても不動産は人間の活動に欠かせないものですし、場合によっては急速に浸透することが考えられるでしょう。

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